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第一章 僕と竜くんのえっちな生活

僕と竜くんと左右田部長

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 出席日数が足りなくて高校一年生を二回やることになった竜くんの部活は、『校歌合唱部』で、校歌しか歌わない。

「校歌合唱部はいいよー。だって国歌と校歌しか覚えなくていいしー」

 三年間部活を義務付けているこの高校でも、すっごい異色の部活に僕も入部して一週間。

 意外とハードだったりする。

 人数は六人。僕と竜くん以外は二年生ばっかり。竜くんは留年してるから、本当の一年生は僕だけなんだけど。

「発声、もっと声出せ!」

 腹筋背筋のあと、左右田そうだ部長が怒鳴る。

 ピアノを弾いている三矢先輩が手を止めて、左右田先輩のところに話し込みに行ってくれて、僕はふーっとため息をついた。

 お茶を飲んだけど喉が痛いし、なんだか気持ち悪い。

 竜くんの精液を飲んだの二回目だけど、あーゆーのって、体に悪いのかなあ。

「田中、顔色が悪い。はしっこで座っていろ」

「はひっ?僕っ……?だ、大丈夫ですっ」

 声が上擦ってひっくり返しになっちゃう。

 左右田部長はふっ……と、猫みたいな大きな目をすっと細めて僕の手を掴むと僕を連れて歩いて行き、第二音楽室の隅っこに椅子を出して座らせてくれた。

「体調悪いの、気づかなくて悪かった。頑張れ、勤労学生」

 座った僕を竜くんがちらりと見てきたけど、僕は少しだけ横を向く。

 練習が再開されて、僕は竜くんを見た。

 多分190センチ以上あるスポーツがなんでも出来そうな竜くん。僕とは30センチくらい違う。

 少し固くて長めの髪を毎日洗ってドライヤーするのは、僕の仕事で…。

 両耳のピアスは前に付き合っていた女の人にもらったブラウンダイヤモンドで、校則違反なんだけど絶対に取らない。

 鼻梁も整ってるし目もとも綺麗ですごくモテるらしいんだけど、何度も女の人と弁護士沙汰とかいうのになっていて、竜くんのお父さん……社長から、女の人出入り禁止令が出ていたり、その矛先が僕に向けられちょっと困ってて……。

「大丈夫か?」

 ピアノでの発声が終わっていつも無表情の三矢先輩が、僕のところにやって来て、ポケットからフィルム式のブレスケアを手渡してくれた。

 背が高いしがっちりしてるから少し怖い。

 趣味が筋トレってのも頷ける肩周りなんだけど、ピアノの音は素人の僕が聞いても澄んでて綺麗だと思う。

「少し、臭う。プレシオサウルスにフェラやらされたんだろう。口腔ケアはしておいたほうがいい」

「い……息……臭いですか?」

 三矢先輩、知ってる……とか?

 僕は慌ててフィルムを二、三枚口に入れる。

「でも…プレシオサウルス……って……」

 三矢先輩はふてくされて窓から外を見ている竜くんを指差して、

「海の首長竜、日本にはフタバスズキリュウがいる」

って言った。

 フタバ『スズキリュウ』に掛けているんだって、少し笑えた。

「ここの鈴木竜くんは、ティラノサウルスみたいです」

「その言い回しは、嫌いじゃない」

 三矢先輩は本当に無表情でよくわからないけど、寝癖で跳ねている黒髪と、眼鏡の奥からじっと見つめてくる真っ黒な瞳は何か心の中を覗かれているみたいで居心地が悪い。

「ねー、うちのみそらクンと、何話してるのー」

 竜くんがのっそりと歩いてきて、僕の座っている椅子の横に立つ。

 それにしても竜くん、大きい。バスケットボール部の先輩たちより大きいんだもん。

「別に。田中を壊すなよ」

「うるっさいなー、俺暴れちゃうよー」

「じゃあな、田中」

「あ、ありがとうございます」




「ん、あげるー」

 部活が終わった後、帰宅途中、竜くんがコンビニエンスストアで買ったガリガリくんソーダアイスの半分を僕にくれる。

「部活中気持ち悪くなったのー、俺のせいでしょー。イラマチオさせたしー、ごっくんさせたしー」

「あ…ありがと」

 へんなとこで優しい竜くん。

「あ、宿題のプリント忘れたー。ま、いーかー」

「良くないよ。やらないと、また、留年しちゃうし。取りに行こ」 

「えー、めんどいなー」

 学校の近くのコンビニエンスストアで良かった。

 慌てて学校に行くと竜くんは職員室に行き、僕が部室棟の近くでぶらぶらしていたら、小柄な……僕より背が高いけど……短髪の左右田部長と、野球部のキャプテンがいて、左右田部長が野球部のキャプテンにひざまずくのを見た。

 そのまま野球部のキャプテンがユニフォームのベルトを外して、左右田部長がそこに口をつける。

 少し離れたところにいたけど死角からはっきりと見えて、左右田部長は野球部のキャプテンにフェラチオをしていた。

 一度口から離したおちんちんは竜くんのよりおっきくなさそうだけど、野球部のキャプテンに頭を押さえつけられて揺らされ、左右田部長は咳き込みそうになりながら顔を動かしていて……。

 なんで……左右田部長が……。

 そう思っていると、左右田部長の口からずるりと、野球部のキャプテンのが出されて、先っぽからの精液を左右田部長の顔にかけた。

「あー、かけられたー。そーだクン、かわいそー」

 いつの間にか、制服を着崩した竜くんが横にいて、僕は竜くんを見上げる。

「ど、どうしよう、竜くん。左右田部長……」 

「そのうち、来るからいいよー。だってあれ、枕営業だしー。寝てないから枕営業って言わないかー」

「えっ……あっ……」
 
 野球部のキャプテンが行ってしまうと、裏から三矢先輩がゆっくりと歩いてきて、左右田部長にタオルを渡してブレスケアを差し出したって思ったら引っ叩いていた。

 僕は竜くんにヒョイって抱えられて連れていかれたから、そこからどうなったか分からなかった。
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