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〜冬休み編〜
来夢君の意地悪!……好き。
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「来夢君!」
「わっ!ビックリした!突然なんだよ?」
自室に戻り開口一番切り出したのは、勿論磨理王の話題です。
僕が勢いこんで話しかけたので驚かせちゃいましたが。
「磨理王が恋してるって?」
「そうなんですよ!!スタジオでヘアメイクしてくれてる夏帆さんって方が居るんですけど、その人と喋ってるときだけ、普段見せない表情をするんです!」
「……それだけでは好きとは断定出来ねえと思うけど……」
「それが、普段の磨理王とは全然違うんです!?来夢君も見れば分かります!」
磨理王は僕に違うって言いますけど、あれはきっと誤魔化してるだけです。
カップルになってから報告するタイプじゃないですかね?
「で、何で椿が磨理王の恋を気にしてんの?」
「ええ⁉︎だって気になりませんか?磨理王って今まで浮ついた話なかったじゃないですか」
「まあ、そうだけど……別に磨理王がやりたいようにやってんなら良くね?」
うっ……!来夢君って……意外と淡白……。
もっと食いついてくれるかと思ってたのに。
「むぅ……ツマンナイ」
「はは!何でだよ。磨理王から協力して欲しいって言われたのか?」
「……それは……言われてないですけど……」
「じゃあ、磨理王から報告があるまで待つしかねえな」
むむ......お咎めを貰ってしまいました。
「……明日撮影終わりに磨理王と夏帆さん、2人で遊びに行くんだそうです」
「え?明日は終わるの早いってこと?」
(もう!今はそんな話してるんじゃないですよう)
「はい。明日は巽さんの都合でお昼までしか撮影が出来ないので。13時には終わります」
「じゃあ、俺らも行く?」
「何処にです?」
「デート」
「っ!!デート!!行きます!!絶対行きます!!」
ヤッターー!!冬休みはもう遊びに行けないと思ってたので嬉しい!!
「......やっとこっち見た」
ポツリと呟いて、僕の顔を覗き込みました。
「えっ?何の話ですか?」
「さっきから磨理王の話に夢中で、全然こっち見なかったから。
やっと俺の方見たなって思って……」
「来夢君?」
「俺、意外と椿と離れてる時間寂しいんだけどな」
優しく頬に手を添えます。
どう……したんですか……急に……。
でも……来夢君がそんな風に思って思ってくれてるなんて……嬉しいです……。
寂しがるのはいつだって僕の方ですし。来夢君から言うなんて……。
珍しい……なんて言っちゃ失礼かもしれませんけど。でも、ライム君でも寂しいとか言うんですね。
ふふふ……。
何だか新しい一面を見た気がします。
「ククク……」
んっ?
今、微かに笑い声が聞こえませんでしたか?
「来夢君?どうしたんですか?……顔上げてください……。って!!来夢君!?」
顔を上げながらそのままベッドに倒れ込んだ来夢君。笑いを堪えきれなくて大きな声で笑い始めました。
「あっはっは!!椿の表情が……面白すぎて!!……あはははは」
「ら……ら……来夢君!!人の心を弄ぶなんて酷いです!!」
「やっ!違くて!寂しいのは本心なんだけど、椿が分かりやすくニヤニヤすっから移ったんだろ!!」
「あっ!途中から逆ギレしました!折角感動してたのに!!」
違う違う!と笑いながら言ってますけど、何も違いませんよ。僕のことを馬鹿にしましたね?
「寂しいのは本当!朝から夕方まで撮影でいねえし、早く帰って来ねえかなって」
「……本当にですか?」
「ん、本当。だから明日は楽しみだな」
思わぬデートの誘いが嬉しすぎて、翌日の撮影は物凄く頑張れました。
巽さんからも表情がグンと良くなったと褒めてもらえましたし、今日の僕はノリに乗っています!
磨理王の撮影も順調に進み、予定より30分早く終われました。
「やーやー、やっぱり若い子は飲み込みが早いね!どんどん良くなってる!」
「本当ですか?ありがとうございます」
「良かったね、椿!」
2人で微笑み合いました。
「磨理王はこの後直ぐに夏帆さんと行くんですか?」
「うん、そうだよ。帰りも夏帆さんの車で秀麗まで送ってもらう」
「分かりました。じゃあ、僕帰りますね」
「うん、また夜に」
今日は相澤さんが付き添ってくれていたので直ぐに秀麗まで送ってもらえました。
「そういえば二階堂君、あのカレンダーとても良かったわね!周りからの反応も凄かったわよ」
「そうなんですか?嬉しいです!」
「あれ?二階堂君達はSNSはやらないの?」
「はい、僕も磨理王もやってないです」
「そうなの?凄い拡散されてたのに!巽さんのオンラインサロンって有名人多いし、一時トレンド入りまでしてたわよ」
「ええ!そうなんですか?SNSやってる子もいるんですけど、冬休みで会ってないから何も知りませんでした」
「じゃあ、冬休み明けが楽しみね」
そんなに話題になってたなんて……。
僕の周りでSNSをやってるのって、都華咲と天翔君。後は……徠駕さん?生徒会のメンバーは確かやってますけど皆んな帰ってて会ってませんし……。
SNSをやってないと、こんなに世間の情報が入らないものなんですね。
何となく取り残された気分になります。
秀麗に帰ると来夢君がお昼ご飯を食べずに待っててくれたので、直ぐに出かけました。
ずっと秀麗とスタジオの行き来だけだったので、散歩がてら買い物に行くことになっています。
でもこの時の僕は、SNSの影響力を知らずにいたのです。
磨理王からメッセージが届いていたのですが、丁度電車に乗っている時だったので気付くのが遅すぎました。
『人の多いところに行かない方がいいよ!顔バレして囲まれた!椿は気をつけて!』
.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇
大切なお時間を頂き、ありがとうございます。
お気に入り登録、しおり等、投稿の励みになっています。
次回もどうぞ宜しくお願いします。
「わっ!ビックリした!突然なんだよ?」
自室に戻り開口一番切り出したのは、勿論磨理王の話題です。
僕が勢いこんで話しかけたので驚かせちゃいましたが。
「磨理王が恋してるって?」
「そうなんですよ!!スタジオでヘアメイクしてくれてる夏帆さんって方が居るんですけど、その人と喋ってるときだけ、普段見せない表情をするんです!」
「……それだけでは好きとは断定出来ねえと思うけど……」
「それが、普段の磨理王とは全然違うんです!?来夢君も見れば分かります!」
磨理王は僕に違うって言いますけど、あれはきっと誤魔化してるだけです。
カップルになってから報告するタイプじゃないですかね?
「で、何で椿が磨理王の恋を気にしてんの?」
「ええ⁉︎だって気になりませんか?磨理王って今まで浮ついた話なかったじゃないですか」
「まあ、そうだけど……別に磨理王がやりたいようにやってんなら良くね?」
うっ……!来夢君って……意外と淡白……。
もっと食いついてくれるかと思ってたのに。
「むぅ……ツマンナイ」
「はは!何でだよ。磨理王から協力して欲しいって言われたのか?」
「……それは……言われてないですけど……」
「じゃあ、磨理王から報告があるまで待つしかねえな」
むむ......お咎めを貰ってしまいました。
「……明日撮影終わりに磨理王と夏帆さん、2人で遊びに行くんだそうです」
「え?明日は終わるの早いってこと?」
(もう!今はそんな話してるんじゃないですよう)
「はい。明日は巽さんの都合でお昼までしか撮影が出来ないので。13時には終わります」
「じゃあ、俺らも行く?」
「何処にです?」
「デート」
「っ!!デート!!行きます!!絶対行きます!!」
ヤッターー!!冬休みはもう遊びに行けないと思ってたので嬉しい!!
「......やっとこっち見た」
ポツリと呟いて、僕の顔を覗き込みました。
「えっ?何の話ですか?」
「さっきから磨理王の話に夢中で、全然こっち見なかったから。
やっと俺の方見たなって思って……」
「来夢君?」
「俺、意外と椿と離れてる時間寂しいんだけどな」
優しく頬に手を添えます。
どう……したんですか……急に……。
でも……来夢君がそんな風に思って思ってくれてるなんて……嬉しいです……。
寂しがるのはいつだって僕の方ですし。来夢君から言うなんて……。
珍しい……なんて言っちゃ失礼かもしれませんけど。でも、ライム君でも寂しいとか言うんですね。
ふふふ……。
何だか新しい一面を見た気がします。
「ククク……」
んっ?
今、微かに笑い声が聞こえませんでしたか?
「来夢君?どうしたんですか?……顔上げてください……。って!!来夢君!?」
顔を上げながらそのままベッドに倒れ込んだ来夢君。笑いを堪えきれなくて大きな声で笑い始めました。
「あっはっは!!椿の表情が……面白すぎて!!……あはははは」
「ら……ら……来夢君!!人の心を弄ぶなんて酷いです!!」
「やっ!違くて!寂しいのは本心なんだけど、椿が分かりやすくニヤニヤすっから移ったんだろ!!」
「あっ!途中から逆ギレしました!折角感動してたのに!!」
違う違う!と笑いながら言ってますけど、何も違いませんよ。僕のことを馬鹿にしましたね?
「寂しいのは本当!朝から夕方まで撮影でいねえし、早く帰って来ねえかなって」
「……本当にですか?」
「ん、本当。だから明日は楽しみだな」
思わぬデートの誘いが嬉しすぎて、翌日の撮影は物凄く頑張れました。
巽さんからも表情がグンと良くなったと褒めてもらえましたし、今日の僕はノリに乗っています!
磨理王の撮影も順調に進み、予定より30分早く終われました。
「やーやー、やっぱり若い子は飲み込みが早いね!どんどん良くなってる!」
「本当ですか?ありがとうございます」
「良かったね、椿!」
2人で微笑み合いました。
「磨理王はこの後直ぐに夏帆さんと行くんですか?」
「うん、そうだよ。帰りも夏帆さんの車で秀麗まで送ってもらう」
「分かりました。じゃあ、僕帰りますね」
「うん、また夜に」
今日は相澤さんが付き添ってくれていたので直ぐに秀麗まで送ってもらえました。
「そういえば二階堂君、あのカレンダーとても良かったわね!周りからの反応も凄かったわよ」
「そうなんですか?嬉しいです!」
「あれ?二階堂君達はSNSはやらないの?」
「はい、僕も磨理王もやってないです」
「そうなの?凄い拡散されてたのに!巽さんのオンラインサロンって有名人多いし、一時トレンド入りまでしてたわよ」
「ええ!そうなんですか?SNSやってる子もいるんですけど、冬休みで会ってないから何も知りませんでした」
「じゃあ、冬休み明けが楽しみね」
そんなに話題になってたなんて……。
僕の周りでSNSをやってるのって、都華咲と天翔君。後は……徠駕さん?生徒会のメンバーは確かやってますけど皆んな帰ってて会ってませんし……。
SNSをやってないと、こんなに世間の情報が入らないものなんですね。
何となく取り残された気分になります。
秀麗に帰ると来夢君がお昼ご飯を食べずに待っててくれたので、直ぐに出かけました。
ずっと秀麗とスタジオの行き来だけだったので、散歩がてら買い物に行くことになっています。
でもこの時の僕は、SNSの影響力を知らずにいたのです。
磨理王からメッセージが届いていたのですが、丁度電車に乗っている時だったので気付くのが遅すぎました。
『人の多いところに行かない方がいいよ!顔バレして囲まれた!椿は気をつけて!』
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