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〜2学期編〜
濃厚な時間でした。
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音楽室のドアを開けると、1番に目に入ってきたのは僕と磨理王の特大パネルでした。
「これ……巽さんが撮ってくれたやつ……だよね?」
「は……い……。」
部屋を見渡すと、どの作品も僕と磨理王の写真と生花がセットで飾られてあります。
写真に合わせて生けられた花はどれも鮮やかで、一見写真を引き立ているようですが、それはしっかりと主役なのでした。
そしてその花達に添えられた僕達の写真……。
「椿と磨理王、いつの間にこんな写真撮ってたんだ?」
ゔっ!どうせ何処にも出ないと思って封印した思い出が……まさかこんなタイミングで出るなんて……!!
「椿姫!磨理王君に来夢君まで!見に来てくれたんだね!ありがとう!」
「し……紫音君!これは一体どういう事ですか?」
「ふふふ……巽さんに生花展の相談したら、特大パネルにしてくれたんだ!インパクトのある展示にしたかったんだけど、どうすれば……って行き詰まってたから嬉しくて!2人にも最高の形で見て欲しかったんだ。どう……かな?」
どう……と言われましても……。
「スゲー良いよ、紫音!こんな生花展、他では見られねぇよ!ドア開けた瞬間、世界に引き込まれたし!写真も勿論キレイだけど、それも花とのバランスが良いから一点一点じっくり見たくなる!上手く言えなくて焦ったいけど……帰りたくなくなる空間だぜ!」
来夢君……恥ずかしくなるほど褒めてくれていますよ……。
磨理王と目が合うと、お互い嬉しさと驚きと恥ずかしさが入り混じったなんとも言えない表情をしていました。
秀麗文化祭のパンフレットにも説明文だけの紹介しか記載されていませんし、まさかの空間に驚愕です!
これを、明日明後日と色んな人に見られるんですよね……。ふぅ~。ドキドキしちゃいます……。
しかも明日は巽さんも秀麗文化祭に足を運んで下さるのだとか!是非お礼を言いたいですね。
音楽室を出た後はスタンプラリーをしながら教室へ戻りました。
午前中のhostチームと交代すると、直ぐにハルさん達が来てくれました。
「椿、今から出勤?2年にカメラマンしに来て欲しいんだけど!」
「レンタル カメラマンですね!!楽しそうです!あっ!カイト先輩、プリンセスじゃないですか!!スタンプお願いします」
「椿のお題はプリンセスなんだね。じゃあ台紙貸して?」
レンタルついでに4個目のスタンプもゲットです!
カイト先輩が女装するなんて……意外過ぎてビックリしました。でもパープルのドレス、似合ってます。
「あのさ、出来ればカメラマン2人来て欲しいんだけど無理かな?A組の子達も撮って欲しいって……」
「磨理王が居るので大丈夫ですよ!じゃあ、コチラに座って申し込みお願いします」
ソファーに案内し、ハルさんとアキさんにそれぞれレンタル申込書に記入して頂きました。
僕達が教室を出る時、水泳部の人達が来て来夢君をレンタルしていました。どうやら以前から来夢君に筋トレの相談をしたかったようで、学園内にあるジムでレンタル パーソナルトレーナーをするようです。来夢君も文化祭準備に入ってから、部活を休んでいたので、体動かせる!と嬉しそうでした。
レンタル カメラマンが終わり教室に戻ると、次はエイト先輩が来てくれましたよ。
「椿、デートしようぜ!」
「はい!勿論です!」
次はエイト先輩のレンタル恋人ですね。
と、言っても僕はリードするのは苦手で……まだまだ未熟なhostです。
「椿と堂々と学園デート出来るなんて、良い企画考えたもんだな!」
と、歩くのが遅い僕を抱えて歩く先輩……。周りの生徒からもの凄い注目を集めてしまってます。
でも先輩が楽しそうだから……今は僕も気にしないようにしましょう。
「おーい!!椿!」
「徠駕さん!どうかされましたか?」
「あのさ、都華咲と天翔君と遼太郎でスタンプラリー、誰が1番早くコンプするか競ってんだけど、ミニスカポリス見かけなかったか?」
ブッ!!そ……そんな人までいるのですか⁉︎写真撮らなかったから2年A組の方ですかね?
エイト先輩も思わず隣で吹き出しました。
「残念ながら、見かけてませんね。因みに、他の人のお題は何ですか?」
「確か都華咲が暴走族で、天翔君は忍だった!遼太郎は名探偵!」
「暴走族は目立ちそうですが……忍と名探偵は隠れてそうですね……」
徠駕さんは俺が絶対1番取る!と意気込んで走り去りました。
エイト先輩と学園内を散策しているとフッと先輩が、呟きました。
「皆んなが楽しそうで何よりだ」
「はい……。僕も、楽しいです」
「そうか。良かった!」
全生徒代表であり、学園長の孫であるエイト先輩。きっと僕とは違う目線で見てるんでしょうね。少しでも先輩の気持ちに近付きたくて、ソッと寄り添いました。
「エイト先輩。僕、秀麗に来れて幸せです」
「……そうか。俺も、椿が来てくれて嬉しいよ。ここに居る皆んなが、秀麗を選んでくれて幸せだ」
やはり、エイト先輩は代表に相応しい人です。改めて偉大さに気付きました。
レンタル恋人が終わり、教室へ戻ると普通科の方が紫音君をレンタルされていました。
生花展を見て来てくれたそうです。
「明日、彼女が来てくれるから花をプレゼントしたくて……」
「それなら、フラワーアレンジしましょうか!」
と、レンタルフラワーアレンジ講師が始まりました。
プレゼント……いいなぁ。明日は僕も母さん達が来てくれますし、僕もプレゼントしたいです……。
"プレゼント"の言葉に、周りに居た人達も反応し、僕も含めた6人程が紫音君のフラワーアレンジワークショップに参加させて頂きました。
教室に飾ってある花を使い、紫音君が生花展の残りの道具を運んで来てくれました。
丁度、最後のお客様でしたし
「花は明日また足せばいいから」
と惜しみなく使わせて頂いて、豪華なフラワーアレンジが完成!普通科の方も大満足で帰られましたよ。
文化祭初日、先ずは問題なく楽しく過ごせました!
A組に再び1年生全員が集まり、各々の意見を発表し、掃除を済ませて1日目が終了しました。
忙しかったですが、レンタルhostも好評で良かったです!明日はどんなお客様が来てくれるでしょうね……。
.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇
大切なお時間を頂き、ありがとうございます。
お気に入り登録、しおり等、投稿の励みになっています!
次回もどうぞ宜しくお願いします。
「これ……巽さんが撮ってくれたやつ……だよね?」
「は……い……。」
部屋を見渡すと、どの作品も僕と磨理王の写真と生花がセットで飾られてあります。
写真に合わせて生けられた花はどれも鮮やかで、一見写真を引き立ているようですが、それはしっかりと主役なのでした。
そしてその花達に添えられた僕達の写真……。
「椿と磨理王、いつの間にこんな写真撮ってたんだ?」
ゔっ!どうせ何処にも出ないと思って封印した思い出が……まさかこんなタイミングで出るなんて……!!
「椿姫!磨理王君に来夢君まで!見に来てくれたんだね!ありがとう!」
「し……紫音君!これは一体どういう事ですか?」
「ふふふ……巽さんに生花展の相談したら、特大パネルにしてくれたんだ!インパクトのある展示にしたかったんだけど、どうすれば……って行き詰まってたから嬉しくて!2人にも最高の形で見て欲しかったんだ。どう……かな?」
どう……と言われましても……。
「スゲー良いよ、紫音!こんな生花展、他では見られねぇよ!ドア開けた瞬間、世界に引き込まれたし!写真も勿論キレイだけど、それも花とのバランスが良いから一点一点じっくり見たくなる!上手く言えなくて焦ったいけど……帰りたくなくなる空間だぜ!」
来夢君……恥ずかしくなるほど褒めてくれていますよ……。
磨理王と目が合うと、お互い嬉しさと驚きと恥ずかしさが入り混じったなんとも言えない表情をしていました。
秀麗文化祭のパンフレットにも説明文だけの紹介しか記載されていませんし、まさかの空間に驚愕です!
これを、明日明後日と色んな人に見られるんですよね……。ふぅ~。ドキドキしちゃいます……。
しかも明日は巽さんも秀麗文化祭に足を運んで下さるのだとか!是非お礼を言いたいですね。
音楽室を出た後はスタンプラリーをしながら教室へ戻りました。
午前中のhostチームと交代すると、直ぐにハルさん達が来てくれました。
「椿、今から出勤?2年にカメラマンしに来て欲しいんだけど!」
「レンタル カメラマンですね!!楽しそうです!あっ!カイト先輩、プリンセスじゃないですか!!スタンプお願いします」
「椿のお題はプリンセスなんだね。じゃあ台紙貸して?」
レンタルついでに4個目のスタンプもゲットです!
カイト先輩が女装するなんて……意外過ぎてビックリしました。でもパープルのドレス、似合ってます。
「あのさ、出来ればカメラマン2人来て欲しいんだけど無理かな?A組の子達も撮って欲しいって……」
「磨理王が居るので大丈夫ですよ!じゃあ、コチラに座って申し込みお願いします」
ソファーに案内し、ハルさんとアキさんにそれぞれレンタル申込書に記入して頂きました。
僕達が教室を出る時、水泳部の人達が来て来夢君をレンタルしていました。どうやら以前から来夢君に筋トレの相談をしたかったようで、学園内にあるジムでレンタル パーソナルトレーナーをするようです。来夢君も文化祭準備に入ってから、部活を休んでいたので、体動かせる!と嬉しそうでした。
レンタル カメラマンが終わり教室に戻ると、次はエイト先輩が来てくれましたよ。
「椿、デートしようぜ!」
「はい!勿論です!」
次はエイト先輩のレンタル恋人ですね。
と、言っても僕はリードするのは苦手で……まだまだ未熟なhostです。
「椿と堂々と学園デート出来るなんて、良い企画考えたもんだな!」
と、歩くのが遅い僕を抱えて歩く先輩……。周りの生徒からもの凄い注目を集めてしまってます。
でも先輩が楽しそうだから……今は僕も気にしないようにしましょう。
「おーい!!椿!」
「徠駕さん!どうかされましたか?」
「あのさ、都華咲と天翔君と遼太郎でスタンプラリー、誰が1番早くコンプするか競ってんだけど、ミニスカポリス見かけなかったか?」
ブッ!!そ……そんな人までいるのですか⁉︎写真撮らなかったから2年A組の方ですかね?
エイト先輩も思わず隣で吹き出しました。
「残念ながら、見かけてませんね。因みに、他の人のお題は何ですか?」
「確か都華咲が暴走族で、天翔君は忍だった!遼太郎は名探偵!」
「暴走族は目立ちそうですが……忍と名探偵は隠れてそうですね……」
徠駕さんは俺が絶対1番取る!と意気込んで走り去りました。
エイト先輩と学園内を散策しているとフッと先輩が、呟きました。
「皆んなが楽しそうで何よりだ」
「はい……。僕も、楽しいです」
「そうか。良かった!」
全生徒代表であり、学園長の孫であるエイト先輩。きっと僕とは違う目線で見てるんでしょうね。少しでも先輩の気持ちに近付きたくて、ソッと寄り添いました。
「エイト先輩。僕、秀麗に来れて幸せです」
「……そうか。俺も、椿が来てくれて嬉しいよ。ここに居る皆んなが、秀麗を選んでくれて幸せだ」
やはり、エイト先輩は代表に相応しい人です。改めて偉大さに気付きました。
レンタル恋人が終わり、教室へ戻ると普通科の方が紫音君をレンタルされていました。
生花展を見て来てくれたそうです。
「明日、彼女が来てくれるから花をプレゼントしたくて……」
「それなら、フラワーアレンジしましょうか!」
と、レンタルフラワーアレンジ講師が始まりました。
プレゼント……いいなぁ。明日は僕も母さん達が来てくれますし、僕もプレゼントしたいです……。
"プレゼント"の言葉に、周りに居た人達も反応し、僕も含めた6人程が紫音君のフラワーアレンジワークショップに参加させて頂きました。
教室に飾ってある花を使い、紫音君が生花展の残りの道具を運んで来てくれました。
丁度、最後のお客様でしたし
「花は明日また足せばいいから」
と惜しみなく使わせて頂いて、豪華なフラワーアレンジが完成!普通科の方も大満足で帰られましたよ。
文化祭初日、先ずは問題なく楽しく過ごせました!
A組に再び1年生全員が集まり、各々の意見を発表し、掃除を済ませて1日目が終了しました。
忙しかったですが、レンタルhostも好評で良かったです!明日はどんなお客様が来てくれるでしょうね……。
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