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〜夏休み編〜
I NEED YOU!
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1ヶ月も音信不通で不安で不安で仕方なかったのに、こうして都華咲の腕に抱かれていると今までの蟠りが全て取り除かれたように浄化されていきます。
不思議だなぁ。こんなにも簡単に僕を幸せにしてくれるなんて。一体どんな魔法かと思っちゃいますよ。
ベッドに移動してから、沢山沢山愛し合い合いました。これまでの寂しさを埋めるように、お互いを求めあいました。
それから抱きしめ合ったまま眠りにつくと、いつの間にか深夜となり、とある事に気付いた僕達は同時に目が覚めました。
「「お腹すいたぁ!!」」
そういえば、夕方に都華咲と会ってから色々と……あんな事やこんな事をしている内に……すっかり時間が経ってしまっていたのです。
僕は「まぁ、朝に食べればいいか……」と思ってしまうのですが、都華咲はそうはいきません。
「ヤベェ。腹減ったことに気付いたら、腹減ったしか考えらんねぇ!腹減った腹減った腹減ったぁ!!
あっ!や、でも風呂も入らず寝落ちしてたよな。ぅえ!汗やら何やら気持ち悪ぃ!!」
「(ププ……何やらって何ですか……)そうですね。先ずはお風呂入りましょう!」
疲れて爆睡してしまいましたもんね。これからは、せめて直ぐ動けるくらいの体力は残さないと……。っていうよりも、都華咲の体力について行かないと……。身が持ちません。
「折角なのでお湯張りました。先に入って下さいね」
「気がきくねぇ!出来た嫁だわぁ!ってか一緒に入るに決まってんだろ」
と、僕を抱えて移動します。
「わわ!都華咲、流石にもう歩けますよ!」
「ダーメーだ!俺がだいぶ無茶させちまったからな。自制が効かなくて悪かった……」
「いえ……。嬉しいですよ……ふふふ……」
「まぁ、流石に腹減り過ぎて風呂では襲わねぇから、安心しろ!」
……お腹減ってなかったら襲っていたのですね。
服を脱ぎながら、改めて都華咲の身体を見ると凄く逞しく感じました。
「都華咲、筋肉つきました?」
「あぁ……そうだな。ずっと体動かしてるしなぁ。自然に筋肉付いたってか……絞れたかもな。
……カッコいいか?」
ニヤリと笑って言いました。
「はい。とても。男らしくてカッコいいですよ。僕も筋肉付けたいです。」
「……筋肉付けたいより以前に、椿ちょい痩せたろ?」
「確かに……あまり食欲はありませんでしたねぇ」
「ちゃんと食わねぇとヨボヨボになっちまうぞ!」
「そうですね。都華咲が一緒に居てくれると、食べられそうな気がします」
ニッコリと笑顔で答えました。
「椿……風呂上がったら、も一回ヤルか?」
えっ……何故?
「かわいい過ぎてたまんねえ!!」
そう叫ぶとギューーっと抱きしめられました。でも汗でベタベタで……
「ぅわっ!気持ち悪!!ゴメンな椿!!」
と、とにかく急いでお風呂に入って身体を洗いました。
なんだかよく考えてみると、僕の家で都華咲と2人きり……。2人でお風呂に入ってるなんて……不思議な感覚です。
「都華咲、先に温まって下さいね。流石にウチのお風呂に2人は窮屈ですから」
莉良をお風呂に入れる時は楽々一緒に入れますが、都華咲と僕ではリラックス出来ません。
「何言ってんの⁉︎その窮屈なのがイイんじゃん」
で、2人で湯船に入ったはイイですが……お互い膝を曲げて座ってもカナリ窮屈です。少しでもつま先をズラすと、都華咲のモノに触れてしまいそうでハラハラして、ちっとも気が休まりません。
「やっぱ流石に狭いな。椿、俺の足の上に座んなよ。」
都華咲は僕を持ち上げると自分の脚を伸ばし、僕を腿の上に座らせました。
や……この状況は……マズいのでは……
「…………。
ジーっと僕を見つめる都華咲……何を考えてるんでしょうか……。
「この角度……キスしやすそう」
やっぱりぃぃ!!!予感的中!!でももう流石にキス以上はムリですよ!!
優しく手を取り引き寄せられると、吸い込まれるようにキスをしました。
チュッ……チュッ……と静かになったお風呂に心地良く響きます。
握っていた僕の手を離すと、腰に腕を回し引き寄せます。
こ……これは……都華咲……大丈夫ですか?
僕の不安は見事に的中!
「やっぱヤリたい」と、案の定な展開に……!!
こうなると、僕が抵抗出来なくなるって絶対知ってます。
さっき『無茶させて悪かった』って言ったじゃないですか!!
「椿は動かなくていいから!」
と、結局都華咲の思惑通りに……。僕は体力の限界を超えた身体で、お風呂でも求められてしまいました。
・
・
・
「椿!!本当にゴメン!!1ヶ月振りに会えたから欲を抑えらんなくて!!」
お風呂から出た僕は、流石にご立腹ですよ!!顔の前で両手を合わせて謝っても、僕の体力は消耗する一方です。
「もうこれ以上は怒る体力も残ってませんよ!!お風呂ではヤらないって言いましたよね⁉︎」
「へへ……本当に悪かった!!だってさ、お風呂で濡れた椿なんてエロいしかねぇんだもん!」
って……反省してないじゃないですか!!
「お腹減ったんでしょう⁉︎⁉︎」
と、リビングのソファに座り、クッションでポカスカ叩いて都華咲を責めました。
「だからゴメンって!!ああ!!ヤッベ。また腹減ったの思い出した!!コンビニ行こっか?」
結局はぐらかされて終わりました。
2人で近くのコンビニまで散歩です。
「なぁ、椿の家族って何時まで実家帰ってんの?」
「お盆の最終日に帰ってきますよ。今年は両親が長めに仕事の休みが取れたのでゆっくりしてくるって言ってました」
「へぇ~。じゃあ、俺その間ここで暮らそうかな?」
「本当ですか⁉︎」
「ま、椿が良ければだけど……」
「勿論です!!居て下さい!!」
嬉しくて抱きつきました。さっきの怒りは何処へやら……結局都華咲の掌で転がされてしまっています。
そんなこんなで、僕と都華咲の短い同棲生活がスタートしたのでした。
.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇
大切なお時間を頂き、ありがとうございます!
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次回もどうぞ宜しくお願いします。
不思議だなぁ。こんなにも簡単に僕を幸せにしてくれるなんて。一体どんな魔法かと思っちゃいますよ。
ベッドに移動してから、沢山沢山愛し合い合いました。これまでの寂しさを埋めるように、お互いを求めあいました。
それから抱きしめ合ったまま眠りにつくと、いつの間にか深夜となり、とある事に気付いた僕達は同時に目が覚めました。
「「お腹すいたぁ!!」」
そういえば、夕方に都華咲と会ってから色々と……あんな事やこんな事をしている内に……すっかり時間が経ってしまっていたのです。
僕は「まぁ、朝に食べればいいか……」と思ってしまうのですが、都華咲はそうはいきません。
「ヤベェ。腹減ったことに気付いたら、腹減ったしか考えらんねぇ!腹減った腹減った腹減ったぁ!!
あっ!や、でも風呂も入らず寝落ちしてたよな。ぅえ!汗やら何やら気持ち悪ぃ!!」
「(ププ……何やらって何ですか……)そうですね。先ずはお風呂入りましょう!」
疲れて爆睡してしまいましたもんね。これからは、せめて直ぐ動けるくらいの体力は残さないと……。っていうよりも、都華咲の体力について行かないと……。身が持ちません。
「折角なのでお湯張りました。先に入って下さいね」
「気がきくねぇ!出来た嫁だわぁ!ってか一緒に入るに決まってんだろ」
と、僕を抱えて移動します。
「わわ!都華咲、流石にもう歩けますよ!」
「ダーメーだ!俺がだいぶ無茶させちまったからな。自制が効かなくて悪かった……」
「いえ……。嬉しいですよ……ふふふ……」
「まぁ、流石に腹減り過ぎて風呂では襲わねぇから、安心しろ!」
……お腹減ってなかったら襲っていたのですね。
服を脱ぎながら、改めて都華咲の身体を見ると凄く逞しく感じました。
「都華咲、筋肉つきました?」
「あぁ……そうだな。ずっと体動かしてるしなぁ。自然に筋肉付いたってか……絞れたかもな。
……カッコいいか?」
ニヤリと笑って言いました。
「はい。とても。男らしくてカッコいいですよ。僕も筋肉付けたいです。」
「……筋肉付けたいより以前に、椿ちょい痩せたろ?」
「確かに……あまり食欲はありませんでしたねぇ」
「ちゃんと食わねぇとヨボヨボになっちまうぞ!」
「そうですね。都華咲が一緒に居てくれると、食べられそうな気がします」
ニッコリと笑顔で答えました。
「椿……風呂上がったら、も一回ヤルか?」
えっ……何故?
「かわいい過ぎてたまんねえ!!」
そう叫ぶとギューーっと抱きしめられました。でも汗でベタベタで……
「ぅわっ!気持ち悪!!ゴメンな椿!!」
と、とにかく急いでお風呂に入って身体を洗いました。
なんだかよく考えてみると、僕の家で都華咲と2人きり……。2人でお風呂に入ってるなんて……不思議な感覚です。
「都華咲、先に温まって下さいね。流石にウチのお風呂に2人は窮屈ですから」
莉良をお風呂に入れる時は楽々一緒に入れますが、都華咲と僕ではリラックス出来ません。
「何言ってんの⁉︎その窮屈なのがイイんじゃん」
で、2人で湯船に入ったはイイですが……お互い膝を曲げて座ってもカナリ窮屈です。少しでもつま先をズラすと、都華咲のモノに触れてしまいそうでハラハラして、ちっとも気が休まりません。
「やっぱ流石に狭いな。椿、俺の足の上に座んなよ。」
都華咲は僕を持ち上げると自分の脚を伸ばし、僕を腿の上に座らせました。
や……この状況は……マズいのでは……
「…………。
ジーっと僕を見つめる都華咲……何を考えてるんでしょうか……。
「この角度……キスしやすそう」
やっぱりぃぃ!!!予感的中!!でももう流石にキス以上はムリですよ!!
優しく手を取り引き寄せられると、吸い込まれるようにキスをしました。
チュッ……チュッ……と静かになったお風呂に心地良く響きます。
握っていた僕の手を離すと、腰に腕を回し引き寄せます。
こ……これは……都華咲……大丈夫ですか?
僕の不安は見事に的中!
「やっぱヤリたい」と、案の定な展開に……!!
こうなると、僕が抵抗出来なくなるって絶対知ってます。
さっき『無茶させて悪かった』って言ったじゃないですか!!
「椿は動かなくていいから!」
と、結局都華咲の思惑通りに……。僕は体力の限界を超えた身体で、お風呂でも求められてしまいました。
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「椿!!本当にゴメン!!1ヶ月振りに会えたから欲を抑えらんなくて!!」
お風呂から出た僕は、流石にご立腹ですよ!!顔の前で両手を合わせて謝っても、僕の体力は消耗する一方です。
「もうこれ以上は怒る体力も残ってませんよ!!お風呂ではヤらないって言いましたよね⁉︎」
「へへ……本当に悪かった!!だってさ、お風呂で濡れた椿なんてエロいしかねぇんだもん!」
って……反省してないじゃないですか!!
「お腹減ったんでしょう⁉︎⁉︎」
と、リビングのソファに座り、クッションでポカスカ叩いて都華咲を責めました。
「だからゴメンって!!ああ!!ヤッベ。また腹減ったの思い出した!!コンビニ行こっか?」
結局はぐらかされて終わりました。
2人で近くのコンビニまで散歩です。
「なぁ、椿の家族って何時まで実家帰ってんの?」
「お盆の最終日に帰ってきますよ。今年は両親が長めに仕事の休みが取れたのでゆっくりしてくるって言ってました」
「へぇ~。じゃあ、俺その間ここで暮らそうかな?」
「本当ですか⁉︎」
「ま、椿が良ければだけど……」
「勿論です!!居て下さい!!」
嬉しくて抱きつきました。さっきの怒りは何処へやら……結局都華咲の掌で転がされてしまっています。
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