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〜1学期編〜
NINJA
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障害物競走とはまさに!身体能力を魅せる為の競技なのです……。
なので、僕は絶対に出ません!!徒競走でさえあの始末……。
こんな高度な競技なんてゴールすら出来るかどうか……。
写真撮影に専念しましょう。
磨理王、何処にいるかな。
「二階堂君!!お願いがあるんだけど!」
突然、実行委員をしてくれているクラスメイトに声を掛けられました。
「何ですか?」
「障害物競走に出るはずだった奴が急に体調崩しちゃって、医務室行ってるんだ。で、代わりに二階堂君、出てくれない?」
「えっ!!僕??そんなの無理ですよ!!さっきの徒競走見たでしょ?もうこれ以上A組に恥かかせられません!!」
「あーあれ!すっごい笑った!流石にワザとでしょ?結局1位だったし」
……ワザとあんなこと出来るわけないじゃないですか!!
「まぁ、九条と天馬も出るから得点はあの2人でガッツリ入るだろうし、二階堂君は1位とか狙わなくて良いから!お願い!!」
えぇぇぇ!!そんな事言われても困ります……。
「じゃあ、直ぐ入場だから並んでね!」
僕が返信もしないうちに、実行委員さんは走り去ってしまいました。
た………大変なことになってしまいましたよこれは。
仕方なく入場口まで行くと、既に都華咲君も徠駕さんも来てました。
「あれ?椿、障害物なんて出るの?」
「都華咲……代走です。本当はヤです。出たくないです。でも断る前に実行委員さんが走って逃げたんですよ!酷くないですか?」
「えぇ!何でよりによって椿に声掛けたんだろね?1-Aで得点掻っ攫おうと思ってたのに……」
「!!!ゴ……ゴメンな…さい…」
「テメっ!徠駕!!椿になんて事言うんだよ!別に1人くらいビリでも良いだろ!」
……都華咲も割と酷い事言ってますよ……。
「まぁ椿、体育祭なんて楽しけりゃそれで良いんだからな!」
「………」
もう溜息しか出ません。
一応B組の列に磨理王の姿を探してみましたが、案の定居ませんでした。都華咲が直ぐ隣にいるのに、この心苦しさ……。
グラウンドに視線を移して障害物の確認をしてみました。
✔️まず野球のバッドに頭を付けて10回回る。
✔️次のポイントでハードルを4台飛び越える。
✔️直ぐに縄跳びを持って走り飛びで移動。
✔️平均台を渡ったら、
✔️次のポイントで跳び箱6段を飛び、
✔️最後のポイントで網を潜る。
………バッドの時点で無理そう……ですね。
せめて悪目立ちしませんように!!
そう願いながら都華咲の後ろに並びました。
後ろから眺める都華咲の背中はヤケに大きく見えて、ドキッとしてしまいます。
さり気なくもたれてみると、僕の手を自分のお腹の前で組ませました。
ふぅーん。幸せ……。
「クラス対抗障害物競走、入場でーす!」
直ぐに現実に引き戻され、入場しました。
「俺の勇姿を見とけ!!」
徠駕さんが位置につきました。
この後、徠駕さんの凄さを目の当たりにしました。
まずバッドで10周猛スピードで回り、フラつきもせずハードルを走り抜け、アスリートのように軽やかに縄跳びでの走り飛び、平均台では側転からのバク転のパフォーマンスで沸かせ、跳び箱を宙返りで越えると、走るスピードに勢いをのせ、そのまま網をスライディングで潜り抜けました!!
「あはは!徠駕のやつ、目立ちたがり屋だな!!」
面白おかしく声援を送る都華咲。
「じゃ、俺も一丁やりますか!!」
うーんと背伸びをして都華咲が位置につきました。
徠駕さんに完全に感化された様子の都華咲……。
負けず劣らずなパフォーマンスで魅せます。6段の跳び箱では見事なロンダードを決めました。平均台では側方倒立回転を披露し、見事なスライディングで網を潜り華麗にゴール!!
これ……本当に体育祭ですか……?
学生から「NINJA」コールが沸き起こっています。
都華咲と徠駕さん、本当に凄いです!!
映画のアクションシーンを生で観ているようでした!
こんな中、逆に何をやろうとも目立ちません!!僕は堂々と速やかにビリ取りました。
「都華咲と徠駕さん!!すっごくカッコ良かったです!」
「椿もスッゲー可愛いかったぜ!網に絡まった時なんて助けに走りたくてウズウズしたしな!」
「ギャハハハハ!椿、面白過ぎ!」
……絶対バカにしてますよね…コレ……。
午前中の部、最後を飾る部活対抗リレーでも徠駕さんと都華咲の大活躍で、あらゆるスポーツ部に差を付け演劇部が優勝を果たしました。
僕は何も見せ場もないまま、午前中の部が終わってしまいました……。
「やっとお昼ご飯~!」
「椿、色々と楽しませて貰ったぜ」
「来夢君……もういいです。思い出したくありません」
「あはは!頑張った頑張った」
「あーでも飯食ったら直ぐに着替えないと、応援団A組からだろ?」
「そうですね。早く行かないと……」
ご飯を早々に済ませ、教室に戻りました。
「二階堂君と天馬君だけ、コレ着て!」
と、クラスメイトに衣装の入った袋を手渡されました。
ん?応援団長の服にしては……他の人より袋が薄い……どんな衣装なんでしょう……。
「「えっ⁉︎⁉︎コレって……!!」」
徠駕さんと揃って唖然としました!!
「とりあえず、着替えてみる?」
「はい……え?でも……これは……恥ずかしい!!!」
.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇.ෆ˟̑*̑˚̑*̑˟̑ෆ.₊̣̇
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こんな高度な競技なんてゴールすら出来るかどうか……。
写真撮影に専念しましょう。
磨理王、何処にいるかな。
「二階堂君!!お願いがあるんだけど!」
突然、実行委員をしてくれているクラスメイトに声を掛けられました。
「何ですか?」
「障害物競走に出るはずだった奴が急に体調崩しちゃって、医務室行ってるんだ。で、代わりに二階堂君、出てくれない?」
「えっ!!僕??そんなの無理ですよ!!さっきの徒競走見たでしょ?もうこれ以上A組に恥かかせられません!!」
「あーあれ!すっごい笑った!流石にワザとでしょ?結局1位だったし」
……ワザとあんなこと出来るわけないじゃないですか!!
「まぁ、九条と天馬も出るから得点はあの2人でガッツリ入るだろうし、二階堂君は1位とか狙わなくて良いから!お願い!!」
えぇぇぇ!!そんな事言われても困ります……。
「じゃあ、直ぐ入場だから並んでね!」
僕が返信もしないうちに、実行委員さんは走り去ってしまいました。
た………大変なことになってしまいましたよこれは。
仕方なく入場口まで行くと、既に都華咲君も徠駕さんも来てました。
「あれ?椿、障害物なんて出るの?」
「都華咲……代走です。本当はヤです。出たくないです。でも断る前に実行委員さんが走って逃げたんですよ!酷くないですか?」
「えぇ!何でよりによって椿に声掛けたんだろね?1-Aで得点掻っ攫おうと思ってたのに……」
「!!!ゴ……ゴメンな…さい…」
「テメっ!徠駕!!椿になんて事言うんだよ!別に1人くらいビリでも良いだろ!」
……都華咲も割と酷い事言ってますよ……。
「まぁ椿、体育祭なんて楽しけりゃそれで良いんだからな!」
「………」
もう溜息しか出ません。
一応B組の列に磨理王の姿を探してみましたが、案の定居ませんでした。都華咲が直ぐ隣にいるのに、この心苦しさ……。
グラウンドに視線を移して障害物の確認をしてみました。
✔️まず野球のバッドに頭を付けて10回回る。
✔️次のポイントでハードルを4台飛び越える。
✔️直ぐに縄跳びを持って走り飛びで移動。
✔️平均台を渡ったら、
✔️次のポイントで跳び箱6段を飛び、
✔️最後のポイントで網を潜る。
………バッドの時点で無理そう……ですね。
せめて悪目立ちしませんように!!
そう願いながら都華咲の後ろに並びました。
後ろから眺める都華咲の背中はヤケに大きく見えて、ドキッとしてしまいます。
さり気なくもたれてみると、僕の手を自分のお腹の前で組ませました。
ふぅーん。幸せ……。
「クラス対抗障害物競走、入場でーす!」
直ぐに現実に引き戻され、入場しました。
「俺の勇姿を見とけ!!」
徠駕さんが位置につきました。
この後、徠駕さんの凄さを目の当たりにしました。
まずバッドで10周猛スピードで回り、フラつきもせずハードルを走り抜け、アスリートのように軽やかに縄跳びでの走り飛び、平均台では側転からのバク転のパフォーマンスで沸かせ、跳び箱を宙返りで越えると、走るスピードに勢いをのせ、そのまま網をスライディングで潜り抜けました!!
「あはは!徠駕のやつ、目立ちたがり屋だな!!」
面白おかしく声援を送る都華咲。
「じゃ、俺も一丁やりますか!!」
うーんと背伸びをして都華咲が位置につきました。
徠駕さんに完全に感化された様子の都華咲……。
負けず劣らずなパフォーマンスで魅せます。6段の跳び箱では見事なロンダードを決めました。平均台では側方倒立回転を披露し、見事なスライディングで網を潜り華麗にゴール!!
これ……本当に体育祭ですか……?
学生から「NINJA」コールが沸き起こっています。
都華咲と徠駕さん、本当に凄いです!!
映画のアクションシーンを生で観ているようでした!
こんな中、逆に何をやろうとも目立ちません!!僕は堂々と速やかにビリ取りました。
「都華咲と徠駕さん!!すっごくカッコ良かったです!」
「椿もスッゲー可愛いかったぜ!網に絡まった時なんて助けに走りたくてウズウズしたしな!」
「ギャハハハハ!椿、面白過ぎ!」
……絶対バカにしてますよね…コレ……。
午前中の部、最後を飾る部活対抗リレーでも徠駕さんと都華咲の大活躍で、あらゆるスポーツ部に差を付け演劇部が優勝を果たしました。
僕は何も見せ場もないまま、午前中の部が終わってしまいました……。
「やっとお昼ご飯~!」
「椿、色々と楽しませて貰ったぜ」
「来夢君……もういいです。思い出したくありません」
「あはは!頑張った頑張った」
「あーでも飯食ったら直ぐに着替えないと、応援団A組からだろ?」
「そうですね。早く行かないと……」
ご飯を早々に済ませ、教室に戻りました。
「二階堂君と天馬君だけ、コレ着て!」
と、クラスメイトに衣装の入った袋を手渡されました。
ん?応援団長の服にしては……他の人より袋が薄い……どんな衣装なんでしょう……。
「「えっ⁉︎⁉︎コレって……!!」」
徠駕さんと揃って唖然としました!!
「とりあえず、着替えてみる?」
「はい……え?でも……これは……恥ずかしい!!!」
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