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其の参拾伍
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真上から見下ろす飛龍の眼差しは、獣のように鋭い。
青蝶はそれだけでゾクリと肩を震わせた。怖いのではなく、これからどんな風に抱かれるのかと考えただけで、勝手に体が反応してしまうのだ。
飛龍の顔がゆっくり近づくと、青蝶は目を閉じた。
唇が重なる瞬間、熱い吐息がかかった。
既に飛龍はフェロモンに当てられている。部屋で焚いている香など、全く意味をなさない。青蝶から放たれるこの甘い香りだけで、十分なほど劣情をそそられる。
青蝶の小さな口を覆い尽くすように、口付けた。
軽く吸いながら離し、また重ねる。
昨日も一昨日も、ずっと抱き合っていたと言うのに、青蝶の胸は高鳴るばかり。
淡い吐息は直ぐに飛龍の唇に閉ざされる。
飛龍の手が全身を愛撫する。
薄い布越しで滑りがよく、くすぐったいのか気持ちいいのか分からない感覚に襲われた。
内腿を滑った手は鼠径部を辿り、脇腹から胸へと伝う。
乳首を掠められ、青蝶は敏感に反応した。
薄い布に、毎晩吸われている乳首が擦れて痛痒いような感覚を覚える。小声で痛いと言ったところで、飛龍はやめようとしなかった。乳首をただひたすら指の腹で擦ってくる。
「飛龍……様……あ、あっ……擦れて……」
「感じているのか、反応が良いな」
「ぁん、ちが……」
「じゃあ、どうしてほしいのか教えてくれ。今日は其方の思いもまま致す」
「そんな……」
いつもは飛龍に身を委ねていれば良かったから、急にどうして欲しいかなど聞かれても、なんと答えればいいのか戸惑ってしまう。
しかし飛龍は何かを言うまでは触ってくれないようだ。
また夜着の上から、手で全身を撫で回し始めた。
「……あの、僕のここを……触ってください」
辿々しく伝えると、飛龍は「ここか?」と言って乳首に指を置いた。
「ぁぁあ、そこ……あっ、ちょ、直接、触って欲しい……」
「上手に言えたね、青蝶。望みのままに……」
飛龍はようやく青蝶の夜着を肩からスルリとずらした。
「今宵も、牡丹の華が綺麗に咲いている。私が、欲しいか?」
「欲しい……欲しいです。飛龍様が、まだまだ足りません」
「青蝶……」
飛龍が乳首をキュッと摘み、その先端を擦った。
両方の乳首を同時に責められ、刺激が二倍で襲ってくる。
「ぁ、ぁあ……飛龍様、あの……なめてください」
「どこを舐めて欲しい?」
「胸を……はぁっっ! 胸を、舐めて欲しいです!」
「承知した」
青蝶の望みのまま、飛龍が突起を口に含む。其の中で嬲られる乳首は鋭敏に固くなっていく。
きっと次の指示を出すまでは、胸だけをいじられるだろう。
しかし自分の口に出すには羞恥心が勝って、うまく言えない。
喘いでいるので精一杯だ。
それでも、既に孔は飛龍のものを挿れて欲しくてヒクヒクと戦慄いている。
昂った先端からは先走りの愛液が溢れ落ちていた。
早く挿れて欲しい。
昂りを触って欲しい。
思いは次々に溢れ出るが、何一つ飛龍に伝えられない。
飛龍は思った通り、青蝶の乳首だけを執拗に責めている。
これでは胸だけで絶頂に達してしまう。
「飛龍様、も、挿れて……ください……」
泣きながら懇願した。
自ら脚を開き、膝を立てた。
一番恥ずかしいところが露わになる。
上体を起こした飛龍が、じっと青蝶の股間に視線を送る。
昂りがピクっと動く。
孔からはオメガの液が流れ出し、シーツまでもを濡らしていた。
見られるのは羞恥でしかないが、言わないと飛龍は挿れてくれない。
勇気を出して青蝶は自分の孔を指で開き、「ここに、飛龍様の固いのを挿れてください」と震える声で伝えた。
飛龍は青蝶の姿に歓喜で戦慄く。
いきなり意地悪なことをしたか、と思ったが、こんな風に見せてくれるとは嬉しい誤算だった。
従順な青蝶の姿は、飛龍をさらに欲情させる。
「直ぐに煎れるのは危ない。少し慣らそう。そのまま、閉じないよう自分で脚を押さえておくんだ」
膝を持ち上げ、青蝶自身に脚を支えさせた。
孔が飛龍に向かってクパっと開いている。
「毎夜抱いているから、腫れていてはいけないと思っていたが、大丈夫そうだ」
そう言うと、飛龍は青蝶の孔を舌で舐めとった。
「はぁっっん!! や、だめぇ……あぁぁんっっ」
「青蝶のダメは気持ちいいであろう? 正直に言わなければやめてしまうよ?」
「ぁん、は、ぁぁん……気持ちい……んんんっっ、きもちいい……はぁっ!!」
「そうだ。少しずつ、素直になればいい」
また青蝶の孔を舐めると、舌先に力を入れ、孔の中を蹂躙し始めた。
ぬぷっと這入ってくる感覚に青蝶は全身が痺れる。
舌が全て這入ると、その横から指まで侵入させる。固いものと弾力のあるもの、違う感触が同時に中を拓いていく。
青蝶は、自分の脚を支えるのさえ困難になってきた。
「飛龍さまぁ!! だめぇぇ……射精ちゃう~~~」
背中が弓反りになると同時に、青蝶は孔だけで絶頂に達した。
迸った白濁が、青蝶の頬にまで飛び散った。
「んぁぁ……。飛龍様ので、達したかったのに……」
自然と涙がポロリと流れた。
「青蝶、今からもっともっと可愛がってあげるから、泣かなくても大丈夫だ。ほら、私のものを触ってごらんなさい」
青蝶の手をとり、自分の男根を握らせる。
「青蝶に触れているだけで、こんなにも昂るのだ。これを何もしないまま終われるか?」
青蝶はふるふると首を振る。
「この熱が治る頃、私たちは番になれる」
飛龍は頬に飛び散った白濁を舐めとった。
「もっと飲ませてもらえるのだろう? 其方の蜜を」
青蝶の長い髪を掬って耳にかけた。
真っ赤に咲いた牡丹の上にもたっぷりの白濁が飛び散っている。
「まずはこの華の蜜をもらおうか」
そう言うと、腹の愛蜜を全て綺麗に舐めていった。
「飛龍様の蜜もください」
哀願する青蝶があまりにも可愛らしくて、飛龍はたまらなくなり、男根を青蝶の孔に宛てがった。
「あっ、あっ、くる……」
孔に当たる先端が既に熱い。期待に瞠目とした。
青蝶はそれだけでゾクリと肩を震わせた。怖いのではなく、これからどんな風に抱かれるのかと考えただけで、勝手に体が反応してしまうのだ。
飛龍の顔がゆっくり近づくと、青蝶は目を閉じた。
唇が重なる瞬間、熱い吐息がかかった。
既に飛龍はフェロモンに当てられている。部屋で焚いている香など、全く意味をなさない。青蝶から放たれるこの甘い香りだけで、十分なほど劣情をそそられる。
青蝶の小さな口を覆い尽くすように、口付けた。
軽く吸いながら離し、また重ねる。
昨日も一昨日も、ずっと抱き合っていたと言うのに、青蝶の胸は高鳴るばかり。
淡い吐息は直ぐに飛龍の唇に閉ざされる。
飛龍の手が全身を愛撫する。
薄い布越しで滑りがよく、くすぐったいのか気持ちいいのか分からない感覚に襲われた。
内腿を滑った手は鼠径部を辿り、脇腹から胸へと伝う。
乳首を掠められ、青蝶は敏感に反応した。
薄い布に、毎晩吸われている乳首が擦れて痛痒いような感覚を覚える。小声で痛いと言ったところで、飛龍はやめようとしなかった。乳首をただひたすら指の腹で擦ってくる。
「飛龍……様……あ、あっ……擦れて……」
「感じているのか、反応が良いな」
「ぁん、ちが……」
「じゃあ、どうしてほしいのか教えてくれ。今日は其方の思いもまま致す」
「そんな……」
いつもは飛龍に身を委ねていれば良かったから、急にどうして欲しいかなど聞かれても、なんと答えればいいのか戸惑ってしまう。
しかし飛龍は何かを言うまでは触ってくれないようだ。
また夜着の上から、手で全身を撫で回し始めた。
「……あの、僕のここを……触ってください」
辿々しく伝えると、飛龍は「ここか?」と言って乳首に指を置いた。
「ぁぁあ、そこ……あっ、ちょ、直接、触って欲しい……」
「上手に言えたね、青蝶。望みのままに……」
飛龍はようやく青蝶の夜着を肩からスルリとずらした。
「今宵も、牡丹の華が綺麗に咲いている。私が、欲しいか?」
「欲しい……欲しいです。飛龍様が、まだまだ足りません」
「青蝶……」
飛龍が乳首をキュッと摘み、その先端を擦った。
両方の乳首を同時に責められ、刺激が二倍で襲ってくる。
「ぁ、ぁあ……飛龍様、あの……なめてください」
「どこを舐めて欲しい?」
「胸を……はぁっっ! 胸を、舐めて欲しいです!」
「承知した」
青蝶の望みのまま、飛龍が突起を口に含む。其の中で嬲られる乳首は鋭敏に固くなっていく。
きっと次の指示を出すまでは、胸だけをいじられるだろう。
しかし自分の口に出すには羞恥心が勝って、うまく言えない。
喘いでいるので精一杯だ。
それでも、既に孔は飛龍のものを挿れて欲しくてヒクヒクと戦慄いている。
昂った先端からは先走りの愛液が溢れ落ちていた。
早く挿れて欲しい。
昂りを触って欲しい。
思いは次々に溢れ出るが、何一つ飛龍に伝えられない。
飛龍は思った通り、青蝶の乳首だけを執拗に責めている。
これでは胸だけで絶頂に達してしまう。
「飛龍様、も、挿れて……ください……」
泣きながら懇願した。
自ら脚を開き、膝を立てた。
一番恥ずかしいところが露わになる。
上体を起こした飛龍が、じっと青蝶の股間に視線を送る。
昂りがピクっと動く。
孔からはオメガの液が流れ出し、シーツまでもを濡らしていた。
見られるのは羞恥でしかないが、言わないと飛龍は挿れてくれない。
勇気を出して青蝶は自分の孔を指で開き、「ここに、飛龍様の固いのを挿れてください」と震える声で伝えた。
飛龍は青蝶の姿に歓喜で戦慄く。
いきなり意地悪なことをしたか、と思ったが、こんな風に見せてくれるとは嬉しい誤算だった。
従順な青蝶の姿は、飛龍をさらに欲情させる。
「直ぐに煎れるのは危ない。少し慣らそう。そのまま、閉じないよう自分で脚を押さえておくんだ」
膝を持ち上げ、青蝶自身に脚を支えさせた。
孔が飛龍に向かってクパっと開いている。
「毎夜抱いているから、腫れていてはいけないと思っていたが、大丈夫そうだ」
そう言うと、飛龍は青蝶の孔を舌で舐めとった。
「はぁっっん!! や、だめぇ……あぁぁんっっ」
「青蝶のダメは気持ちいいであろう? 正直に言わなければやめてしまうよ?」
「ぁん、は、ぁぁん……気持ちい……んんんっっ、きもちいい……はぁっ!!」
「そうだ。少しずつ、素直になればいい」
また青蝶の孔を舐めると、舌先に力を入れ、孔の中を蹂躙し始めた。
ぬぷっと這入ってくる感覚に青蝶は全身が痺れる。
舌が全て這入ると、その横から指まで侵入させる。固いものと弾力のあるもの、違う感触が同時に中を拓いていく。
青蝶は、自分の脚を支えるのさえ困難になってきた。
「飛龍さまぁ!! だめぇぇ……射精ちゃう~~~」
背中が弓反りになると同時に、青蝶は孔だけで絶頂に達した。
迸った白濁が、青蝶の頬にまで飛び散った。
「んぁぁ……。飛龍様ので、達したかったのに……」
自然と涙がポロリと流れた。
「青蝶、今からもっともっと可愛がってあげるから、泣かなくても大丈夫だ。ほら、私のものを触ってごらんなさい」
青蝶の手をとり、自分の男根を握らせる。
「青蝶に触れているだけで、こんなにも昂るのだ。これを何もしないまま終われるか?」
青蝶はふるふると首を振る。
「この熱が治る頃、私たちは番になれる」
飛龍は頬に飛び散った白濁を舐めとった。
「もっと飲ませてもらえるのだろう? 其方の蜜を」
青蝶の長い髪を掬って耳にかけた。
真っ赤に咲いた牡丹の上にもたっぷりの白濁が飛び散っている。
「まずはこの華の蜜をもらおうか」
そう言うと、腹の愛蜜を全て綺麗に舐めていった。
「飛龍様の蜜もください」
哀願する青蝶があまりにも可愛らしくて、飛龍はたまらなくなり、男根を青蝶の孔に宛てがった。
「あっ、あっ、くる……」
孔に当たる先端が既に熱い。期待に瞠目とした。
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