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フォーリア18歳、アシェル28歳 ー秘密のハーブガーデンー
【完結】愛を誓う ーsideアシェル ★
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その瞬間は目が眩むような激痛と、中を突き上げられた快感で、少しの間意識を失ってしまった。
後頭部からヒリヒリとした痛みが伝わってくる。噛んだ跡を付けるのだから、ある程度の痛みは覚悟していたがまさかこれ程とは……想像を遥かに超える痛みをよく耐えたものだと自分に感心した。
それでも下半身からはまた別の痛みが感じられる。何度も繰り返し中を抉られ、注がれた精液が奥から流れ出していた。
力尽きてグッタリと横たわった俺の上にフォーリアが雪崩れ込んできた。二人とも息切れで呼吸が荒い。もう起き上がる体力すら残ってはいないが、なんとかフォーリアに向き合い唇を寄せた。
荒い息のまま再び激しく口付けを交わす。舌が絡まる頃にはもうどちらの唾液なのかも判断がつかない状態になっていた。
「フォーリア……やっと、番になれた……」
「この時を十年間ひたすら夢に見ていました。やっとアシェルさんの甘い香りを独り占め出来ます」
目を見る余裕はない。喋りながらも口付けを止めないフォーリアに応えるので精一杯だ。自分で気付かないうちに流していた涙も一緒に舌で拭ってくれた。
夢のような時間だった。フォーリアの全てで愛してもらえた喜びが溢れ出して止まらない。これからは、発情期ではない時でも抱いてもらえるのだろうか、などという期待を早くも抱いてしまう。愛される喜びを知ってしまった途端にこんな破廉恥なことを思うなんて、恥ずかしくてフォーリアには言えない……なんて思っていたのだが……。
「アシェルさん。また直ぐにでも抱きたいです」
あんなに激しく愛し合った直後にまだそんな体力が!? これが若さというパワーか! 流石に少し休憩したい。そう言おうとした時、フォーリアがフワリと俺に腕を回した。
「なんて……我儘を言ってみました。体、拭きますね」
散歩に出るときに肩に掛けていたタオルで綺麗に拭いてくれた。服を着た後は俺を抱き上げそのまま小屋へと引き返す。
「……アシェルさん、私は本当はあなたを抱くのが怖かったんです」
小屋へ向かいながらフォーリアが話し始めた。
「俺がそうさせていたのか?」
歳の違いを随分気にしていたのは事実だ。それを悟って気を使わせていたのかと思ったが、そうではなかった。
「アシェルさんが問題ではありません。私のトラウマというか……。実は私の父様は殺されたんです」
「マティアス先生が⁉︎」
「そうです。アルファに襲われているオメガを見つけ、助けに入った時、運悪くラット状態になっていたアルファは刃物でオメガを脅していたそうです。父様はその刃物に斬りつけられ、急所を刺されました。我を失い、性欲の為にオメガを脅し襲い掛かる。そんな人が偉いなんて許せません。でももし自分がアルファになると、アシェルさんに対して同じことをしてしまう可能性があるのです。それなら私はオメガになって、苦しみを分かち合いたいと思っていました」
フォーリアがアルファになりたくないと言っていた裏に、こんな事情があったなんて考えてもいなかった。それに、マティアス先生が殺されていたなど……。とても信じたくはなかった。
「父様以外のアルファなんて嫌いでした。自分がアルファと知った時も、悔しくて怒りと悲しみが同時に込み上げてきたのを今でも覚えています。でも……今日やっと心からアルファで良かったと思えました」
「俺も、オメガになれて良かった。最高のアルファに出会えたからね」
首に回している腕に力を込めた。
「フォーリア、愛している」
「私もです。誰よりもアシェルさんを愛しています」
小屋で休憩した後はソレルさんが焼いてくれたジンジャーブレッドでティータイムを楽しんだ。テラスでのティータイムは本当に楽しくて時間を忘れてしまう。ソレルさんは俺に慣れてくれてからは、持ち前のお喋りが止まらなくなっていった。
「母様、そんなに喋りたいならラムズさんの所へ行ってきても良いですよ?」
フォーリアが呆れて言ってもソレルさんは気にしていない。「別に良いじゃない」と、構わずお喋りを続けるソレルさんを、ジットリとした目で眺めている。そんな二人のやりとりを見るのも楽しくて仕方がない。
今日は喋り足りなかったのか、途中で退席したソレルさんは、本当にラムズさんの家に出かけて行った。
「母様がうるさくてすみません」
「いや、とても楽しいよ。屋敷ではこんなにも賑やかなティータイムなどなかったからね。ソレルさんの話を聞いていると元気になれる」
「アシェルさんは母様に甘すぎます」
フォーリアはあのお喋りを何年も聴きすぎて、たまにウンザリすると嘆いている。
その夜は、再びフォーリアに抱かれた。疲労が取れてはいないが、何度でも愛してほしいと願っていたのでフォーリアを受け入れた。
「アシェルさん、毎日でも抱きたいくらい綺麗です」
お昼に沢山貫かれ、まだ柔らかい窄まりにフォーリアの太い昂りは難なく入った。
「あん、あぁ……フォーリア……直ぐにイッてしまう……」
俺の中でフォーリアのソレがさらに硬くなった。
「っく!!アシェルさん、私もイキます」
腰を高く上げ、ほぼ真上から昂りを押し込まれた。
「っああぁ!!」
最奥まで抉られ達してしまった。タカが外れたように、明け方近くまで愛し合った。結ばれるまでの十年間を埋めるように……。
「アシェルさん、結婚式を挙げましょう」
眠りにつく直前にフォーリアが手にキスを落とす。一生愛することを神に誓います、と囁いた。結婚式なんて照れくさいが、素直に頷いておいた。「よろしくお願いします」と囁き返すと、離れないよう抱き合って眠りについた。
夢の中で幸せな家庭を築いていた。子供が二人、草原を走っている。雪豹の男の子と銀狼の女の子。二人の後からフォーリアが駆けていく。俺はそれを微笑ましく眺めていた。
この幸せが続きますようにと、祈りながら……。
後頭部からヒリヒリとした痛みが伝わってくる。噛んだ跡を付けるのだから、ある程度の痛みは覚悟していたがまさかこれ程とは……想像を遥かに超える痛みをよく耐えたものだと自分に感心した。
それでも下半身からはまた別の痛みが感じられる。何度も繰り返し中を抉られ、注がれた精液が奥から流れ出していた。
力尽きてグッタリと横たわった俺の上にフォーリアが雪崩れ込んできた。二人とも息切れで呼吸が荒い。もう起き上がる体力すら残ってはいないが、なんとかフォーリアに向き合い唇を寄せた。
荒い息のまま再び激しく口付けを交わす。舌が絡まる頃にはもうどちらの唾液なのかも判断がつかない状態になっていた。
「フォーリア……やっと、番になれた……」
「この時を十年間ひたすら夢に見ていました。やっとアシェルさんの甘い香りを独り占め出来ます」
目を見る余裕はない。喋りながらも口付けを止めないフォーリアに応えるので精一杯だ。自分で気付かないうちに流していた涙も一緒に舌で拭ってくれた。
夢のような時間だった。フォーリアの全てで愛してもらえた喜びが溢れ出して止まらない。これからは、発情期ではない時でも抱いてもらえるのだろうか、などという期待を早くも抱いてしまう。愛される喜びを知ってしまった途端にこんな破廉恥なことを思うなんて、恥ずかしくてフォーリアには言えない……なんて思っていたのだが……。
「アシェルさん。また直ぐにでも抱きたいです」
あんなに激しく愛し合った直後にまだそんな体力が!? これが若さというパワーか! 流石に少し休憩したい。そう言おうとした時、フォーリアがフワリと俺に腕を回した。
「なんて……我儘を言ってみました。体、拭きますね」
散歩に出るときに肩に掛けていたタオルで綺麗に拭いてくれた。服を着た後は俺を抱き上げそのまま小屋へと引き返す。
「……アシェルさん、私は本当はあなたを抱くのが怖かったんです」
小屋へ向かいながらフォーリアが話し始めた。
「俺がそうさせていたのか?」
歳の違いを随分気にしていたのは事実だ。それを悟って気を使わせていたのかと思ったが、そうではなかった。
「アシェルさんが問題ではありません。私のトラウマというか……。実は私の父様は殺されたんです」
「マティアス先生が⁉︎」
「そうです。アルファに襲われているオメガを見つけ、助けに入った時、運悪くラット状態になっていたアルファは刃物でオメガを脅していたそうです。父様はその刃物に斬りつけられ、急所を刺されました。我を失い、性欲の為にオメガを脅し襲い掛かる。そんな人が偉いなんて許せません。でももし自分がアルファになると、アシェルさんに対して同じことをしてしまう可能性があるのです。それなら私はオメガになって、苦しみを分かち合いたいと思っていました」
フォーリアがアルファになりたくないと言っていた裏に、こんな事情があったなんて考えてもいなかった。それに、マティアス先生が殺されていたなど……。とても信じたくはなかった。
「父様以外のアルファなんて嫌いでした。自分がアルファと知った時も、悔しくて怒りと悲しみが同時に込み上げてきたのを今でも覚えています。でも……今日やっと心からアルファで良かったと思えました」
「俺も、オメガになれて良かった。最高のアルファに出会えたからね」
首に回している腕に力を込めた。
「フォーリア、愛している」
「私もです。誰よりもアシェルさんを愛しています」
小屋で休憩した後はソレルさんが焼いてくれたジンジャーブレッドでティータイムを楽しんだ。テラスでのティータイムは本当に楽しくて時間を忘れてしまう。ソレルさんは俺に慣れてくれてからは、持ち前のお喋りが止まらなくなっていった。
「母様、そんなに喋りたいならラムズさんの所へ行ってきても良いですよ?」
フォーリアが呆れて言ってもソレルさんは気にしていない。「別に良いじゃない」と、構わずお喋りを続けるソレルさんを、ジットリとした目で眺めている。そんな二人のやりとりを見るのも楽しくて仕方がない。
今日は喋り足りなかったのか、途中で退席したソレルさんは、本当にラムズさんの家に出かけて行った。
「母様がうるさくてすみません」
「いや、とても楽しいよ。屋敷ではこんなにも賑やかなティータイムなどなかったからね。ソレルさんの話を聞いていると元気になれる」
「アシェルさんは母様に甘すぎます」
フォーリアはあのお喋りを何年も聴きすぎて、たまにウンザリすると嘆いている。
その夜は、再びフォーリアに抱かれた。疲労が取れてはいないが、何度でも愛してほしいと願っていたのでフォーリアを受け入れた。
「アシェルさん、毎日でも抱きたいくらい綺麗です」
お昼に沢山貫かれ、まだ柔らかい窄まりにフォーリアの太い昂りは難なく入った。
「あん、あぁ……フォーリア……直ぐにイッてしまう……」
俺の中でフォーリアのソレがさらに硬くなった。
「っく!!アシェルさん、私もイキます」
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「っああぁ!!」
最奥まで抉られ達してしまった。タカが外れたように、明け方近くまで愛し合った。結ばれるまでの十年間を埋めるように……。
「アシェルさん、結婚式を挙げましょう」
眠りにつく直前にフォーリアが手にキスを落とす。一生愛することを神に誓います、と囁いた。結婚式なんて照れくさいが、素直に頷いておいた。「よろしくお願いします」と囁き返すと、離れないよう抱き合って眠りについた。
夢の中で幸せな家庭を築いていた。子供が二人、草原を走っている。雪豹の男の子と銀狼の女の子。二人の後からフォーリアが駆けていく。俺はそれを微笑ましく眺めていた。
この幸せが続きますようにと、祈りながら……。
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