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フォーリア18歳、アシェル28歳 ー秘密のハーブガーデンー

一つになった夜 ーsideアシェル ★

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 フォーリアはこの五年間で、俺の想像を遥かに超えて大人っぽくなった。身長を抜かれただけではない。精神的にもアルファとしても、俺には勿体ないほどの男になっている。交わす口付けがやけに艶やかで、これが本当にあの可愛かったフォーリアなのか? と疑うほどだ。

 こんなに良い男になったのだから、女性の一人や二人に言い寄られていても不思議ではない。フォーリアは本当に俺で良いのかと不安になってしまう。もう二八歳にもなる中年前の俺なんかより、もっと若くて綺麗な人の方が良いのではないのか。

 俺はフォーリアと番になれれば、これ以上願うことなどないのだが……。もしも幼い頃からフォーリアを縛り付けてきたのだったら……。俺は、この子を解放してあげなければならい。

 大好きなフォーリアを手放す。本当は考えたくも無いが……。

 考えている事と気持ちは裏腹である。フォーリアの舌が絡まるほどにもっと欲しいと願ってしまう。全身が反応している。

 フォーリアの手が頬を伝い、首筋を撫で、シャツのボタンを一つずつ外していく。

(あぁ、今から俺は抱かれるんだ)

 そう思っただけで下腹部の奥が疼き、穿いているズボンまで濡れてしまうほどオメガの液が溢れてきた。

「アシェルさん、もう私も子供ではありません。言いましたよね? もう我慢できないと」

 頬に、首に、鎖骨に、キスを落としながらフォーリアがだんだん下がっていった。体のあちこちを撫でては「綺麗ですよ」と囁く。発情期の恥ずかしい姿を既に晒しているのに、その時の数倍恥ずかしかった。

 そんな俺には構わず、フォーリアは体に吸い付いては赤い鬱血の痕をつけていく。気付けばシャツは剥ぎ取られていた。腹に舌を這わせながら尻尾を撫でられた。

「あっ、はぁ、フォーリア……尻尾は……やめ……」
「やめません、アシェルさん。自分で分かっていますか? もうこんなにも濡れているって」
 ズボンを器用に脱がせると下着の上から窄まりを指で愛撫する。
「ふぅ、んん、はぁぁ……フォーリアが、そんなふうに触るから……」
 嬉しさと羞恥心で涙が滲む。

「アシェルさん、いつの間にそんなに可愛くなったのですか?」
 フォーリアは俺をうつ伏せに寝かせると、窄まりに舌を這わせた。
「フォーリア、そんな所、汚いから……」
「汚くありません。アシェルさんは、全部綺麗です」
 尻尾で隠そうとしても押し除けられてしまう。
「あっ……」
 もう何も抵抗できなくなった。触れられたところが全部気持ちよくて、性器ははち切れそうなほど膨らんでいる。フォーリアが指を一本、二本……と柔らかくなった蕾をさらに解しながら増やしていった。

 フォーリアの息が荒い。俺で興奮してくれているのだと思うと嬉しかった。
「フォーリアも脱いでくれ」
 男らしく服を脱ぎ捨てたフォーリアは、ドキッとしてしまうほど引き締まった肉体美をこちらに向けた。童顔な顔立ちと、ふわふわの尻尾からはまるで想像できない。思えばフォーリアの体を見たのは初めてだ。幼さなどは微塵も残っていない。

「アシェルさん、挿れても良いですか?」
 屹立を自分で扱くと、先端からは透明の液が溢れてきた。俺へと向けられた眼差しは肉食獣のように鋭く、どこにも逃さないと、痛いほど突き刺さってきた。

 俺が静かに頷くと向かい合わせで抱き合い、いよいよフォーリアの屹立が俺の蕾に宛てられた。ついにフォーリアと一つになるのだ。期待で胸が高鳴った。

「優しくします……」
 そう呟いたのに一気に奥まで突き上げられて、瞬く間に達ってしまった。
「アシェルさん、挿れただけで達ってしまいましたね」
「フォーリアが……」
「私を、感じてくれました? でも、私はまだ達ってません」

 艶美に微笑むと再びフォーリアが腰を揺らし始めた。達ったばかりの俺は益々感度が上がっている。注挿が繰り返されるほどに艶めいた声を漏らした。

「あ、ああ、気持ちいい……」
「アシェルさん、それ以上可愛らしく煽らないでください」

 だんだんフォーリアの律動が激しくなっていく。それと共に屹立が俺の中でさらに硬く太くなっていった。
「アシェルさん……達きます……」
「はぁ、はぁ……奥に……来て……」
「うっ……!!」
 
 絶頂に達したフォーリアは俺の腹に射精した。てっきり中に出してくれると思っていたから瞬時に心がざわつく。アルファの性器にはオメガが孕むまで抜けないように“ノット“と呼ばれる亀頭球がある。フォーリアはそれを無理矢理抜いたというのか。

「フォーリア……何故……」
 やはり俺との子は望んでいないのか……。ついさっきまで幸せの絶頂にいたのに、底の底まで突き落とされたような感覚に襲われる。悔しくて涙が出てきた。

「アシェルさん、泣かないで。一番大切な事なので、番う時にしたいんです」
 そう言うと優しく髪を撫で、キスで涙を拭った。

「アシェルさんの甘い香り、早く私だけの物にしたいです」
「フォーリアは、本当に俺なんかで良いのか?」
「十年前から私の番はアシェルさんと決まっていましたよ」
「でも……こんな年上の俺よりも、もっと若くて綺麗な人は沢山いるだろう?」

 つい弱気になって言ってしまった。こんなにも愛してもらったというのに。フォーリアも困ったような表情を浮かべている。

「アシェルさんよりも綺麗な人など、見たことはありません。私にはアシェルさんしか魅力的に感じないのです」
 ハッキリと言い切ったフォーリアの懐に潜り込んだ。わずかな隙もないくらいに体を密着させる。顔を埋めたまま、また涙が流れた。今度は喜びの涙だ。

「今夜の俺は泣いてばかりだ」
「普段気を張り詰めているのですから、私の前でくらいは弱音も吐いて、沢山泣いてください」
「今は嬉しくて泣いている」

 体を密着させたまま、また口付けた。
「アシェルさん、私からのプロポーズの返事はいつでも構いません。仕事だって大変ですし、私はいつまでも待ちますから」
 そうしてフォーリアの腕に包まれた俺はいつの間にか眠っていた。
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