本音は隠したままで……

華愁

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決戦の日(琢磨視点)

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ピーンポーン

心ん家に着きチャイムを鳴らした。

「いらっしゃい、久しぶりだな」

会うのは本当に久しぶりだ。

「リビング行こう」

靴を揃えていたら
いいからと制された。

「あぁ」

心がそわそわしてる気がするのは
多分気のせいじゃない。

ガチャ

心と手を繋いでリビングに入った。

「いらっしゃい」

おじさんはニコニコしてるけど、
おばさんは目を合わせようとしない。

嫌われてる自覚はあるから
気にしないけどさ。

「おじさん・おばさん
こんにちは」

挨拶はしてみた。

「こんにちは」

やっぱり返事が返って来たのは
おじさんだけだ。

最初から分かってただけどな(苦笑)

「取り合えず、二人共
座ったらどぉだ」

進められたから二人で座った。

「久しぶりだね」 

最後におじさんに
会ったのって何時だったっけ?

「はい、お久しぶりです」

思い出せない。

おばさんは一言も話さず
俺とおじさんを睨んでる。

「そぉ言えば、俺達が
知らない間に由那が勝手に
琢磨君を呼び出しらしいね」

心、おじさんに話したのか。

「もぉ、大分前のことですから
気にしてないです」

おばさんの方をちらっと見て答えた俺。

「そぉか」

苦笑いみたいな困ったような
顔をしたおじさんに笑って答えた。

「はい」

話しがちょうどよく
終わった所で
「時間が勿体ないから
さっさと話そう」
と心が言った。

「そぉだな」

やっぱりおばさんは返事をしない。

「そぉだ、心、
あの話しもしようと思う」
とおじさんが言ったら心が焦り出した。

俺には何が何だかよく分からない。

「父さん、あの話しはオレ達のことが
解決してからだって言ってたじゃん」
と心が言ったから、少なからず
俺達も関係してるみたいだ。

「俺も最初は日を改めてと
思ってたんだが今日言うことにしたんだ」

この言い方だとおじさんも
譲る気はないらしい。

「何の話しだ?」

二人だけで話されても
訳が分からない。

「今から話すから」

まぁいいか……

「じゃぁ、話し合いをしよう」

改めて心が言った。

「じゃぁ、話し合いをしよう」

おばさんは未だに黙ったままだ。

「父さんの話しも
含むて話さなきゃ
ならないことが二つある」

はい?

「一つ目はオレと琢磨のこと

二つ目は父さんから母さんにだ」

一つ目はいいとして、
二つ目は俺まで聞いて
いいんだろうか?

「なぁ、琢磨
何で父さんが
協力的なんだと思う?」

いきなり、そんなこと聞かれても
分からないって!!

そぉ言われれば何で協力的なんだろう?

「分かる訳ないだろう」

なんにせよ分からないものは
分からない!!

「そりゃそぉだ」

あっさり肯定されたなぁ。

「父さんが昔、今のオレ達と
同じ経験をしたから協力的なんだよ」

いきなりのカミングアウトに
おばさんがフリーズした。

そして、そこに更なる
爆弾が投下された。

おじさんは離婚したいらしい。

「なぁ、おじさんの
昔の恋人って誰なんだ?」

気になって聞いたら 
驚きの答えが!!

「聞いてビックリ、
作家の伊宮直季」

マジで……!?

さっきまでフリーズしてた
おばさんまで俺と一緒に叫んだ。

「「はぁぁぁ!?」」

凄い……

「おじさん本当?」

俺はおじさんに詰め寄った。

「そぉだよ」

俺に詰め寄られて
たじろぎながらおじさんは答えた。

「その話しは今度しよう」
と心が言った。

目的を忘れるところだった。

話しを戻して心がおばさんに、
「オレ達のことだけどさ
何で反対するわけ?」
と聞いた。

何か理由(わけ)があるなら
聞きたかったのかもしれない。

しかし、おばさんはこぉ言った。

「だって、同性同士なんて
非生産性で何も
産まれないじゃない」と。

此処で最初にキレたのはおじさんだった。

黙って聞いてると
どぉやら昔、おばさんの父親に
同じ台詞を言われたらしい……

そして、心も少し怒りながらこぉ言った。

「母さん、確かに、同性同士じゃ
何も産まれないけど愛があれば全て
埋められるとオレは思ってる」と……

俺もそぉ思う。

「だから、例え母さんに
勘当されても琢磨と別れないから」

心は男前だな~

それに嬉しいな//////


「よく言った!!」

おじさんが心の頭を撫でた。

少し和みかけていた
まさにその時、おばさんがキレた。

テーブルを叩いて叫んだ。

「心もあなたも何なのよ!!」

一人だけ、のけ者にされた
気分になったのかもしれない。

「好きな人と一緒に居たいだけだよ」

心はおばさんを見据えて言いながら
俺の手をギュッと握った。

大丈夫だ、俺はお前から離れない。

あの時のことは謝ったし
心も許してくれた。

だから、俺は今度こそ
お前を離さない。

ちゃんとした結婚も出来ないし
子供も出来ないけど愛があれば大丈夫!!

「彼と別れなくていいわ」

ついに、おばさんが折れた

「良かったな、心」

おじさんは笑顔で心の頭を撫でている。

だけど、今日の話し合いは
まだ終わってない。

おじさんとおばさんの離婚話が……

おじさんの話しをまとめると、
昔、伊宮直季
(本名湯木心夜さん)と
付き合ってたけどおばさんとの
結婚の際に
無理矢理別れさせられたらしい。

しかし、昔の恋人を
忘れられず産まれた息子に
読みを変えて
一字貰いつけたらしい。

此処で面白くないのは当然おばさんだ。

"湯木心夜"と書かれた紙とおじさんを
何度も見て段々おばさんの
顔つきが険しくなった。

その後、俺と心をそっちのけで
二人の喧嘩……?が始まった。

「なぁ琢磨、
紅茶いれるけど飲むか?」

心が諦めた感で聞いた来た。

心は今どんなことを思ってるんだろうか?
「飲むけど、
おじさん達はいいのか?」

俺の質問に心は紅茶を
いれながら淡々と答えた。

「まぁ、いいんじゃない」と。

心がリビングに戻って来て
今後のことを話しながら待つこと一時間。

おじさんが席を立った。

何処かへ行ったおじさんは
ものの数秒で戻って来た。

手は一枚の紙。

恐らく"離婚届け"だろうと思う。

おじさん、本気なんだな……

結果から言えば離婚は成立した。

おじさんが
書斎から持って来た離婚届けの
夫の欄には既に
名前が記入されていたのだ。

きっちり印鑑も押されて……

それを見て怒鳴る気力も無くなったのか
おばさんは一言二言文句を
言ってから乱暴に離婚届けに
名前を書いて印鑑を押した。

「今まで、色々と悪かったな」

おじさんさんはおばさんさんの
目を真っ直ぐ見て謝った。

そして、玄関に向かった。

「今から出して来る」

誰も何も言えないまま
おじさんを見送った。

その後は……

心は俺のマンションに。

おじさんは伊宮さんのマンションに。

おばさんはあの家で暮らすことになった。
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