*+†+*同類夫婦の三ヵ条*+†+*

第二話ʚ♡ɞ少しは周りの音に耳を傾けた方がいいと思うよ

買い物から帰ってきたら二人が真っ最中だった

うん、まぁ、家だし
基本的には私しか出入りしないからいいんだけど、少しは
周りの音に耳を傾けた方がいいと思う……

『ぁ、ぁ、莉絃、そこは、ﾀﾞﾒ～♡♡』

ｸｽｯ、“ﾀﾞﾒ”っていいながら甘ったるい声が出てるよ(笑)

邪魔するのも野暮だし夕飯の支度でもしよう。

二時間後、二人が部屋から出てきた。

夕飯を作り終えてﾘﾋﾞﾝｸﾞでｽﾏﾎをいじっていた私は
寝室のﾄﾞｱが開く音に気付いてそちらを向いて一言。

「夕飯できてるよ？」

莉絃君は普通の表情かおをしていたが
夫は硬直したように固まっている。

今更だろうと思うんだけど。

「灯真、莉絃さんもお風呂に入っておいでよ。

その間に用意しとくから」

『ありがとう』

二人が洗面所に向かったのを確認してから準備を再開した。

あたしの前では基本的に遠慮なんてしない二人は
お風呂上がりにかろうじて、下は履いてるが上は裸のままだ。

「いくら夏でも早く髪乾かさないと二人とも風邪ひくよ」

二人揃って会社を休んだ日には色々大変だろう。

せっせこ夕飯の準備をしながら
声をかけるも曖昧な返事しか返ってこないがそれも何時ものことだ。

気にせずに出来上がった物からﾃｰﾌﾞﾙに並べていく。