恋愛短編集①

華愁

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さよならはメールで

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《登場人物》

所石杏子いこまあんず

恋人との
待ち合わせ場所に
行く途中で本人を
見かけるが他の女と歩いてるのを目撃

季羽弘史きばひろし

杏子との約束を
すっぽかして他の女と会っていた。

+‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+ 

クリスマス、それは、
恋人たちの聖なる夜……

そう、今の私以外には。

***********


気づいた時には、
今すぐ出ても間に合うか
分からない時間だった。

それは直ぐにむだ足と
なるのだけれど……

父と母は
クリスマスデートとかいって
数時間前に二人で出掛けた。

待ち合わせ場所は都内一の大きなツリーの前。

そこへ向かう途中、私は見てしまった。

彼が他の女と楽しそうに歩いてるところを……

来た道を引き返した。

帰ったらメールをしよう。

鍵を開けて、数分前に出た玄関に入った。

「はぁ~」

ため息しか出てこない。

カバンを部屋の角に放り投げ、弘史に一言だけメールをした。

[今までありがとう……さよなら] 

送信完了の文字を見て携帯の電源を切った。

バイバイ弘史。
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