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第三話🌿嫌がらせと密告者と凌杏の仕返し
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『あなたが嫌がらせ
されていたとは全くもって
知りませんでしたよ‼』
その後続いた言葉は……
“私がその場にいたら
病院送りにしてやったのに”だった。
その呟きを聞いた【父さん】は
「そうだろな」と頷いた。
付き合いの長い僕は
凌杏の目を見て思った。
あの状況を見たら、
多分、いや、確実に
“病院送り”程度じゃ
済まなかっただろうなと(苦笑)
*✲゚*。 ♪*✲゚*。 ♪*✲゚**✲゚*。 ♪*✲゚*。
週明け、
何時もの嫌がらせが始まっていた。
僕や【父さん】より先に来て
英語教官室に入り、
主にその日の授業で使う
教材や教科書を隠される。
まぁ幸い、記憶力はいいから
なくても支障はない。
問題は“暴力”の方。
僕のお腹には
凌杏との子がいる。
【父さん】のいう通り
僕一人の身体じゃない。
『今日も教材なしか。
後で探さなきゃ……』
「また、隠されたのか」
少し遅れて入って来た
【父さん】に聞かれてしまった。
そんなに話しをしていると
教官室のドアがノックされた。
朝から誰だろう?
『どうぞ』
僕が返事すると
ドアを開けて入って来たのは
二年生の雪原彩月さんだった。
「夜野田先生・寿々崎先生
おはようございます。
教官室に来て早々
申し訳ないのですが
緊急事態なので
携帯を使う許可をください」
普段、真面目な雪原さんが?
「まぁ俺達しかいないからな
今日だけ特別許可してやろう」
【父さん】が許した。
「ありがとうございます」
僕達にお辞儀をすると
雪原さんはスカートのポケットから
可愛らしいカバーがかかった
スマホを取り出して電話をかけ始めた。
「《おはよう、
実は、小坂と多々羅が
ヘドが出そうなことを
話してるのを
聞いちゃったから
報告をと思ってさ》」
二人の名前が出てきて驚いた。
しかも、あの真面目な雪原さんが
仮にも教師二人を呼び捨て……
内容は小声だったから
聞こえなかった。
「《わかった、此処にいる》」
通話を終え、スマホをしまう。
「ありがとうございました。
向瀬先生が今から、
こちらに来ますよ」
電話の相手は凌杏⁉
数分後、凌杏が血相を変えて
英語教官室に来た。
『彩月さん、
電話ありがとうございます』
名前呼び⁉
「り―君遅い‼」
雪原さんも⁉
この二人、何時仲良くなったの?
『これでも、
五階から急いで来たんですよ。
彩月さんなら私が昔から、
体力ないのをご存知でしょう?』
「そうだったね。
さっきの事だけど、
当人がいる前で話すの?」
今日三度目の吃驚。
雪原さんがタメ口……
『そうしないと
対処できないじゃありませんか』
何の話?
僕達を完全に忘れて
二人だけで話しが進んでいる。
「物凄く不愉快で
非常に
申し上げ難いのですが
寿々崎先生の安全上、
報告させて頂きます。
あの二人は寿々崎先生を
犯そうとしています」
えぇぇぇぇ⁉
「そいつは確かに
不愉快だし
穏やかじゃないな」
【父さん】は眉間にシワを寄せた。
僕は驚き過ぎて
言葉が出てこない……
『彩月さん、あれ持ってますか?』
「勿論*♬೨
寿々崎先生に渡せばいい?」
何を?
「護身用にこちらをどうぞ」
スマホを取り出たのとは
反対側のポケットから出したのは
折り畳みナイフ。
『やはり持ってましたね(笑)
桜祈なら
持たせてると思ったんですよ』
“桜祈”?
「あの人は両親以上に
私を愛してくれてるからね(笑)」
とりあえず、差し出された
折り畳みナイフを受け取った。
『二人はどういう関係?』
気になって、思わず訊いてしまった。
『すみません、
説明してませんでしたね。
彩月さんは友人の姪で
彼女が生まれた時から知っています。
その友人が先程、
名前を出した“桜祈”で
護身用に折り畳みナイフを
持たせてる
彼女の叔父のですよ』
小さい頃から知っているから
名前で呼んでるのか……
「さっくんは本当に心配性だよね」
『彼は生涯、
自分の子を持つことはないですから
彩月さんのことが
可愛くてしょうがないんですよ』
話しぶりからすると
彼はゲイなのかな?
『さてと、あの二人には
私の実験に
付き合っていただきましょうか(ニヤリ)』
凌杏は口は笑っているのに
目が全く笑っていない……
「廃人にならない程度にね(笑)」
慣れているのか雪原さんは
そんな凌杏を見ても動じていない。
『そんな怪しい{薬}じゃないです。
ちょっとした媚薬ですよ(クスッ)』
余談だけど、呼び方は
雪原さんは僕を【みき君】
僕が雪原さんを【彩月ちゃん】
と呼ぶことになった。
*✲゚*。 ♪*✲゚*。 ♪*✲゚**✲゚*。 ♪*✲゚*。
**二日後**
一昨日は教材を隠された以外は
何も起こらずに過ぎた。
凌杏や【父さん】が
担当クラスまで一緒に来てくれたり
終わったら迎えに来てくれたから。
そして、昨日は凌杏が
科学準備室に二人を呼び
例の媚薬を作って
飲ませたらしい。
『見物でしたよ(ニヤリ)
今後、
心綺人に嫌がらせや
脅し等をしたら私の実験台に
なってもらいますと告げたので
これに懲りて、
手出ししてこないでしょう(๑^ ^๑)』
だから、今日は久しぶりに
教材や教科書が揃っているわけだ。
『凌杏、ありがとう』
此処は英語教官室だから
抱きつきたい衝動を抑え
お礼だけ告げた。
『家族を守るのは当たり前です』
僕はお腹に手をあてて小さく微笑んだ。
されていたとは全くもって
知りませんでしたよ‼』
その後続いた言葉は……
“私がその場にいたら
病院送りにしてやったのに”だった。
その呟きを聞いた【父さん】は
「そうだろな」と頷いた。
付き合いの長い僕は
凌杏の目を見て思った。
あの状況を見たら、
多分、いや、確実に
“病院送り”程度じゃ
済まなかっただろうなと(苦笑)
*✲゚*。 ♪*✲゚*。 ♪*✲゚**✲゚*。 ♪*✲゚*。
週明け、
何時もの嫌がらせが始まっていた。
僕や【父さん】より先に来て
英語教官室に入り、
主にその日の授業で使う
教材や教科書を隠される。
まぁ幸い、記憶力はいいから
なくても支障はない。
問題は“暴力”の方。
僕のお腹には
凌杏との子がいる。
【父さん】のいう通り
僕一人の身体じゃない。
『今日も教材なしか。
後で探さなきゃ……』
「また、隠されたのか」
少し遅れて入って来た
【父さん】に聞かれてしまった。
そんなに話しをしていると
教官室のドアがノックされた。
朝から誰だろう?
『どうぞ』
僕が返事すると
ドアを開けて入って来たのは
二年生の雪原彩月さんだった。
「夜野田先生・寿々崎先生
おはようございます。
教官室に来て早々
申し訳ないのですが
緊急事態なので
携帯を使う許可をください」
普段、真面目な雪原さんが?
「まぁ俺達しかいないからな
今日だけ特別許可してやろう」
【父さん】が許した。
「ありがとうございます」
僕達にお辞儀をすると
雪原さんはスカートのポケットから
可愛らしいカバーがかかった
スマホを取り出して電話をかけ始めた。
「《おはよう、
実は、小坂と多々羅が
ヘドが出そうなことを
話してるのを
聞いちゃったから
報告をと思ってさ》」
二人の名前が出てきて驚いた。
しかも、あの真面目な雪原さんが
仮にも教師二人を呼び捨て……
内容は小声だったから
聞こえなかった。
「《わかった、此処にいる》」
通話を終え、スマホをしまう。
「ありがとうございました。
向瀬先生が今から、
こちらに来ますよ」
電話の相手は凌杏⁉
数分後、凌杏が血相を変えて
英語教官室に来た。
『彩月さん、
電話ありがとうございます』
名前呼び⁉
「り―君遅い‼」
雪原さんも⁉
この二人、何時仲良くなったの?
『これでも、
五階から急いで来たんですよ。
彩月さんなら私が昔から、
体力ないのをご存知でしょう?』
「そうだったね。
さっきの事だけど、
当人がいる前で話すの?」
今日三度目の吃驚。
雪原さんがタメ口……
『そうしないと
対処できないじゃありませんか』
何の話?
僕達を完全に忘れて
二人だけで話しが進んでいる。
「物凄く不愉快で
非常に
申し上げ難いのですが
寿々崎先生の安全上、
報告させて頂きます。
あの二人は寿々崎先生を
犯そうとしています」
えぇぇぇぇ⁉
「そいつは確かに
不愉快だし
穏やかじゃないな」
【父さん】は眉間にシワを寄せた。
僕は驚き過ぎて
言葉が出てこない……
『彩月さん、あれ持ってますか?』
「勿論*♬೨
寿々崎先生に渡せばいい?」
何を?
「護身用にこちらをどうぞ」
スマホを取り出たのとは
反対側のポケットから出したのは
折り畳みナイフ。
『やはり持ってましたね(笑)
桜祈なら
持たせてると思ったんですよ』
“桜祈”?
「あの人は両親以上に
私を愛してくれてるからね(笑)」
とりあえず、差し出された
折り畳みナイフを受け取った。
『二人はどういう関係?』
気になって、思わず訊いてしまった。
『すみません、
説明してませんでしたね。
彩月さんは友人の姪で
彼女が生まれた時から知っています。
その友人が先程、
名前を出した“桜祈”で
護身用に折り畳みナイフを
持たせてる
彼女の叔父のですよ』
小さい頃から知っているから
名前で呼んでるのか……
「さっくんは本当に心配性だよね」
『彼は生涯、
自分の子を持つことはないですから
彩月さんのことが
可愛くてしょうがないんですよ』
話しぶりからすると
彼はゲイなのかな?
『さてと、あの二人には
私の実験に
付き合っていただきましょうか(ニヤリ)』
凌杏は口は笑っているのに
目が全く笑っていない……
「廃人にならない程度にね(笑)」
慣れているのか雪原さんは
そんな凌杏を見ても動じていない。
『そんな怪しい{薬}じゃないです。
ちょっとした媚薬ですよ(クスッ)』
余談だけど、呼び方は
雪原さんは僕を【みき君】
僕が雪原さんを【彩月ちゃん】
と呼ぶことになった。
*✲゚*。 ♪*✲゚*。 ♪*✲゚**✲゚*。 ♪*✲゚*。
**二日後**
一昨日は教材を隠された以外は
何も起こらずに過ぎた。
凌杏や【父さん】が
担当クラスまで一緒に来てくれたり
終わったら迎えに来てくれたから。
そして、昨日は凌杏が
科学準備室に二人を呼び
例の媚薬を作って
飲ませたらしい。
『見物でしたよ(ニヤリ)
今後、
心綺人に嫌がらせや
脅し等をしたら私の実験台に
なってもらいますと告げたので
これに懲りて、
手出ししてこないでしょう(๑^ ^๑)』
だから、今日は久しぶりに
教材や教科書が揃っているわけだ。
『凌杏、ありがとう』
此処は英語教官室だから
抱きつきたい衝動を抑え
お礼だけ告げた。
『家族を守るのは当たり前です』
僕はお腹に手をあてて小さく微笑んだ。
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