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第二章『猫神学園に入学だ』
四猫神
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猫仙人は咳払いをひとつすると、昔話をはじめた。
「この話は先祖代々伝えられてきた話でな……」
「それはさっき聞いたぞ。昔話ってさ、面白い話だろうな」
「ミヤビくん、きちんと話を聞きなさい」
「あっ、はい。先生」
ミヤビは注意されるとすぐに謝る。けど、同じことを繰り返す。学ばないんだから。そう思いつつ、自分もそうかもと心寧は思った。他猫のこと言えないか。
「その昔、人を呪い殺すという化け猫が世の中を苦しめていた。そこに天より四つの光が差し込み大地に降り立った。その光が四猫神であった」
「昔ってどれくらい昔なんだ。というか、猫神様は存在しなかったんじゃないのかよ」
「ミヤビくん」
「すみません、先生」
ミヤビは口にチャックをする素振りを見せて頭を下げた。
猫仙人はチラッとだけミヤビを見やると咳払いをして話を続けた。
「猫神様はこの世には存在しなかったが、天界には存在していたのだよ。つまり、天よりこの世へ舞い降りてきたってことだ。わかったかな」
ミヤビは頷くだけでなにも言わずに聞く姿勢を保っていた。
「青い気を纏った青猫、白い気を纏った白猫、赤い気を纏った赤猫、黒い気を纏った黒猫の四猫神は怒り狂った化け猫を囲むように身構えてそれぞれが呪文を唱え化け猫の動きを封じた。あっけなく退治と思ったのだがそうはいかなかった。動けなくなった化け猫の身体がバリバリと破れ黒い大きな塊が姿を現した」
わわわっ、どす黒い巨大猫になっちゃった。本性を現したってことだろうか。
心寧はハッとした。
なんで、これってどういうこと。猫仙人の話のはずなのに。心寧は目を擦りもう一度前を向く。やっぱり見えている。
これって夢。隣にムサシがいる。マネキ先生もいる。ルナもコマチもミヤビも他のみんなもいる。ここはどう見ても教室。それじゃあれはなに。
目の前で四猫神と悪霊と化した巨大な猫が戦っている。
あっ、猫仙人が透けていく。なんで、どうして。
あれ、おかしい。目がおかしくなっちゃったみたい。ここは教室でしょ。なんで、マネキ先生はどこ。みんなも消えちゃった。
なんで、どうして。嫌だ、嫌だ。助けて、誰か。みんな消えないで。置いて行かないで。
心寧はブルブルッと身体を振るわせて上へと視線をずらしていった。
あ、あれが化け猫。いや悪霊猫だ。
どうして、どうして。なんで見えるの。
「この話は先祖代々伝えられてきた話でな……」
「それはさっき聞いたぞ。昔話ってさ、面白い話だろうな」
「ミヤビくん、きちんと話を聞きなさい」
「あっ、はい。先生」
ミヤビは注意されるとすぐに謝る。けど、同じことを繰り返す。学ばないんだから。そう思いつつ、自分もそうかもと心寧は思った。他猫のこと言えないか。
「その昔、人を呪い殺すという化け猫が世の中を苦しめていた。そこに天より四つの光が差し込み大地に降り立った。その光が四猫神であった」
「昔ってどれくらい昔なんだ。というか、猫神様は存在しなかったんじゃないのかよ」
「ミヤビくん」
「すみません、先生」
ミヤビは口にチャックをする素振りを見せて頭を下げた。
猫仙人はチラッとだけミヤビを見やると咳払いをして話を続けた。
「猫神様はこの世には存在しなかったが、天界には存在していたのだよ。つまり、天よりこの世へ舞い降りてきたってことだ。わかったかな」
ミヤビは頷くだけでなにも言わずに聞く姿勢を保っていた。
「青い気を纏った青猫、白い気を纏った白猫、赤い気を纏った赤猫、黒い気を纏った黒猫の四猫神は怒り狂った化け猫を囲むように身構えてそれぞれが呪文を唱え化け猫の動きを封じた。あっけなく退治と思ったのだがそうはいかなかった。動けなくなった化け猫の身体がバリバリと破れ黒い大きな塊が姿を現した」
わわわっ、どす黒い巨大猫になっちゃった。本性を現したってことだろうか。
心寧はハッとした。
なんで、これってどういうこと。猫仙人の話のはずなのに。心寧は目を擦りもう一度前を向く。やっぱり見えている。
これって夢。隣にムサシがいる。マネキ先生もいる。ルナもコマチもミヤビも他のみんなもいる。ここはどう見ても教室。それじゃあれはなに。
目の前で四猫神と悪霊と化した巨大な猫が戦っている。
あっ、猫仙人が透けていく。なんで、どうして。
あれ、おかしい。目がおかしくなっちゃったみたい。ここは教室でしょ。なんで、マネキ先生はどこ。みんなも消えちゃった。
なんで、どうして。嫌だ、嫌だ。助けて、誰か。みんな消えないで。置いて行かないで。
心寧はブルブルッと身体を振るわせて上へと視線をずらしていった。
あ、あれが化け猫。いや悪霊猫だ。
どうして、どうして。なんで見えるの。
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