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第二章『猫神学園に入学だ』

マル、コマチ、サクラ

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「はい、マルです。僕はえっと、寝ることが好きかな。日向ぼっこも大好き。趣味も特技も寝ることかな。寝ろと言われればすぐに夢の国に行っちゃうからね。けど、一番前の席だし寝たら怒られちゃうな。そうそう、僕の背中にある黒い斑模様ぶちもようがね。ハートマークになっているんだよ。いいでしょ。僕のお気に入り。のんびりゆっくりがモットー。そんな僕だけどよろしく。ああ、いっぱいしゃべったら眠くなってきた」

「こら、マルくん。寝ちゃだめだぞ」
「ふぅあ~い」
「おい、マル。あんまり寝てばかりいるとノワールみたいになっちゃうぞ」
「えっ」

 マルはノワールをチラッと見て自分のお腹をみつめていた。

「ミヤビくん、そんなこと言っちゃいけませんよ」
「はい、先生。ごめんなさい」
「あっ、先生。僕なら大丈夫。だってノワールくんの大きなお腹あったかそうだし、僕もそうなったらあったかくてよく眠れそうだしさ」

 なんだかマルっておかしな子だ。けど、憎めないかも。ノワールのほうは聞いていなかったのか特に反応はなかった。
 それにしてもハートマークだなんて、可愛い。自分にも欲しいな。心寧はじっとマルの背中をみつめていた。

「次はコマチちゃん。よろしく」
「はい」

 コマチは立ち上がるとこっちに向いて深々とお辞儀をした。

「わたくしはキジトラ猫のコマチ。この大和なでしこって感じの名前がすごく気に入っているの。わたくしをお世話してくれる人がなんでも古風な名前が好きみたいでつけてくれたの。小野小町という昔の人の名前からつけてくれたみたいだけど、どんな人なのかはわからないの。ごめんなさいね。
 それで……わたくしはルールってものについてしっかり守らないといけないって思っているの。だからみんなに厳しく当たってしまうこともあるかもしれないから、その点はよろしくね。まあ、神様になろうとしている身としてはルールを守ることは当たり前のことでしょ。
 だから、心寧ちゃん。どんな理由があろうとも時間はしっかり守らないとね。ただ、みんなをしあわせにしようという心根は良いと思う。あとノワールくんも身体の管理は大事よ。しっかりすることね。
 まだ、いろいろと言いたいことはあるけど長々と話すのもどうかと思うからこのへんにしておくわ。あとは個人的に話しましょう。以上」

 コマチはチラッとだけミヤビのほうに目を向けてまた深々とお辞儀をするとゆっくり席に着いた。ミヤビは目を合せないように下を向いていた。

 また遅刻のこと言われちゃった。けど、コマチの言う通りだ。遅刻ちこくはやっぱりダメ。きちんとしなきゃ。けど、また乙葉が泣いていたら心配でなぐさめちゃいそう。それだとまた遅刻しちゃう。どうすればいいのだろう。瞬間移動の術とか教えてくれないかな。

 コマチか。素敵な名前でなんだかカッコイイ。先生みたい。マネキ先生よりも先生らしいかも。あっ、失礼なこと考えちゃった。まあ、聞こえないからいいか。

「それじゃ、次はサクラちゃん。よろしく」

「あっ、はい。サクラです。私、ちょっと毛長のキジ白猫なの。私ね、なんといってもお花が好きでね。だって、きれいでしょ。素敵でしょ。雑草だなんて言われている花もきれいなものいっぱいあるんだから。みんなよりは草花のこと知っているかも。よかったら教えるからね。面白い名前の花もあるし、花言葉もいろいろあるし楽しいよ。
 ねぇ、みんな。お花畑で走り回ったりできたら最高よね。そう思わない。虫と追いかけっこしたりかくれんぼしたりするのも楽しいわ。だからね、雨は嫌いなの。外で遊べないでしょ。晴れてくれなきゃ。
 自然大好きっ子のサクラでした」

 ペコリと頭だけ下げて席にサクラは着いた。
 サクラは花のことが詳しいのか。今度、帰り道に咲いている花のことでもいてみようかな。一緒に花畑で虫と追いかけっこできたら最高かも。バッタにチョウチョ。小鳥とも遊べるかも。なんだかワクワクしてきた。
 サクラとはいいお友達になれそうだ。



 なんだかいろんな子がいる。学校生活も楽しめそうだ。これで自己紹介も半分終わったのかな。次は、順番的にムサシだろうか。早くムサシの話が聞きたい。どんな子だろう。考えるだけでドキドキしてきた。

「えっと、それじゃ次はムサシくんかな。よろしく」
「はい」

 やっぱりムサシの番だ。
 早くムサシの話を聞きたい。

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