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大妖達

帰路へ

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「もう大丈夫です」

「本当に?」

「如来は嘘が言えません」

「【傲慢】の野郎・・・次会ったら、ぬっ殺す!!」

「【大日如来】様はその慈悲により堕天使を助けたのです。不殺生アヒンサーの教えに反します!」

「悪魔王、仏門じゃ無いし?だいたいダーリンが仏門最強神な訳無いじゃない!」

「全く・・・【大日如来】様はなぜマーラをお膝元に置かれるのか・・・は!!まさか、会心させ改宗させるのが目的ですね!?」

周りがスッゴく盛り上がっておいでです。
目を明け、天井を見た。

「・・・最近見慣れた天井だ・・・」

「だ!旦那さま!!」

稲荷が涙しながら抱きついてきた。
見慣れた天井と稲荷。
あれ?これってミラージュの我が家ではないか?
それにここは診療所ではないか?
稲荷かわいい。
稲荷の頭を撫でる。

「もう、お一人では行かないで下さいませ・・・」

「ごめんな?稲荷・・・って!ルーはどうなった!?」

「流石は【大日如来】様です。自らより、亡き者にしようとしたマーラを心配なさるとは・・・割腹いたしますわ」

尼さんが2人、俺に対して合掌する。
誰でしょか?

『観察』

【沙弥尼】【薬王菩薩】

【比丘尼】【薬師如来】

わわ!如来様と菩薩様です!
お二方が沙弥尼と比丘尼に変わり下界に降りてお出でです。
ありがたやありがたや・・・
ここは多分涅槃なんですね?

「な訳あらへんやろ!」

「ロー・・・その女狐は何!?」

「やっぱり弟くんには悪い虫が一杯ついてるよ・・・」

「・・・私、蝿の王・・・ベリアル様。虫だから仕方ない・・・」

「ほれ、そこに隠れとる女狐がそれなりに体術が出来る奴じゃ」

「ぬう。ならば妾の宿敵!」

「あら?中々粟立ちを隠せない処女がいるわね?」

「あんた、目覚めたんだろ?私はバイトに行ってくるから」

「無茶苦茶心配した!」

うん・・・全員の反応は想像出来ていた。

「ところで旦那さま?・・・横で裸で寝てる酒呑童子は何者ですか?」

は?稲荷、何行って・・・
って!酒呑童子!?

「それは稲荷、私がお願いしたからよ?酔って身体が熱ったまった酒呑童子に体温維持のために添寝して貰ったのです」

「Zzzzz・・・」

「な、や、薬師如来様が言われたなら仕方ないです・・・が、また今回も沢山女性をお連れになられたのですね?」

サーたん、べー姉ちゃんをジロ見した稲荷。
薬師如来様が言えばいいって?
旦那である俺の意見は!?

「いや!違・・・そもそも何で我が家に俺が?【遠野】に居た筈だが・・・あと、なんで如来と菩薩が来てるの?」

「主人が【転移】して来たんだ。憤怒、怨念、酒呑童子を連れてな?」

アストたんが水を持ってきてくれた。

「べっ、別に5日も意識がなくて喉が渇いてるからとかじゃ無いからな!仕事だからやってるだけじゃ!!」

ツンデレは相変わらずか・・・
そっか、5日も意識が無かったか・・・

なんでやねん!!
しかも【転移】した覚えが無い!

「ルーシェのクソは【転移】したよ?ローが無傷にまで回復させるから」

へー、サーたんはルーの事そう呼んでんだ。

「俺は別にルーに敵対する理由があらへん。ルーも訳が会っての・・・」

なんで俺がロックスと解った?

「ほれ?鏡じゃ・・・べっ、別に寝起きの後を見たそうだったからじゃないからな!?」

アストから鏡を受け取った。
アストたんはマジで機転の利く女だな?
女子力高いぞ?
本当に【怠惰】か?【計算女】じゃないのか?

って、前アバターの角刈り、糸目、平たい顔やないか!
そりゃ暴露るわ。

『目覚めたか!選ばれし者よ!!』

道化師のカッコしたイケメンが部屋に入って来た。
誰!?

『稲荷よ、アイシャには報告に行って来た。間もなく女王もくるだろう』

「ありがとう、サトーポ」

サトーポだと!?

『うむ!良いのだ』

サトーポと言われた道化師はステップを踏み、踊りだした・・・
なんか・・・しせ◯?
闇の一党みたいな奴だな?

『それに似せ、【英知】により作ったのだ選ばれし者よ?恐らく、東西魔法同時使用の副作用で魔法が発動出来ない状態だったのだ』

なるほど!
それがリスクなんだな?
だから一気に表示出来ない数のHPがサーたんのマジ攻撃を受けて残量3までになったと・・・
って【英知】やっぱり万能だな!?
人体精製まで出来んのかよ!?

俺はし◯ろより、増えルイスの方が好きなんだが・・・オハヨウゴザイマス・・・

『吾輩が現れないと転移出来ないだろう?選ばれし者よ?』

ゲヘ、ゲヘへへへ・・・

と、笑いながら。
つまり、気絶した俺を救わんが為に君が【英知】により、イメージしたイケメンを作り、そこに入って、気絶した俺を抱え、サーたんとべー姉ちゃんと酒呑童子を連れて【拠点】と指定したミラージュの我が家に【転移】したと?

『その通りだ、選ばれし者よ!』

どうやらサトーポには考えた事が筒抜けみたいだ。

『もちろん、選ばれし者の今の考えも同時変訳で【使い魔】である皆には共有している!』

俺のプライバシーは無いのか!サトーポ!!

『大丈夫だ、選ばれし者よ!吾輩はミラージュ【将軍】ロックスお抱えの【道化師】だからな?吾輩が行った事は全て【将軍】が責任を取るとなっている!』

最悪だなサトーポ!!
ちなみにありがとう。助けてくれて・・・
って、まさか?アバターを手に入れたらタメ口になるのか!?サトーポさん!?

『それは仕様的だ選ばれし者よ?ゲヘ、ゲヘへへ』

笑い方が最悪だな?イケメンが台無しだぞ?

「ですが【大日如来】様を亡き者にしようとした堕天使が許せません・・・」

「薬王菩薩、私怨など仏には不要です」

薬王菩薩様も薬師如来様もさっきからやたらと大日如来って言ってるな?

「薬師如来様のお話だと旦那さまが【大日如来】らしいのです」

は?
稲荷、何言ってんの?
かわいいけど・・・
あら、稲荷ったら顔を赤くして、どうした?
サーたんもべー姉ちゃんも赤い顔して青筋立てて・・・

「・・・かわいいとか言わなくても愛してますわ!旦那さま」

「女狐に浮気した!!」

「やっぱりお姉ちゃんが身籠って・・・」

あ、考えが・・・

『その通りだ!選ばれし者よ!!』

だからサトーポが言ってる選ばれし者って何だよ!?

『それは【将軍】が【大日如来】の化身だからだ!』

嘘つけ!!

「誠です。ほら?これを見て下さい」

薬師如来様が曼荼羅を出し、菩提樹の葉を俺に渡して来た。

「仏門の遊びのような物ですが、やり方は・・・」

知ってます。
曼荼羅を床に置き、それを背にして菩提樹の葉を投げるのですよね?
投げた菩提樹の葉が落ちた先にある曼荼羅の御仏が守護仏神だと、弘法大師空海さんもやった奴ですよね?
しかし・・・
真ん中にある筈の大日如来様が描かれてませんが?

「その通りです!ささ?やって下さい」

薬師如来様に言われるままにベッドから立ち、曼荼羅を背にして菩提樹の葉を投げた。

「「うわ!・・・マジ?」」

妲己と御前が驚いた。

「誠・・・【大日如来】様に違いありません」

何言ってんの薬師如来様?
・・・うわ・・・
振り返り、曼荼羅を見た。
真ん中に無かった大日如来の絵が菩提樹の葉が落ちた途端に大日如来の絵が現れたのだ・・・
しかも真ん中に葉は落ちた・・・

「四天王が言った通りですね?」

「大日如来様の絵は無かったのに・・・」

「これはの曼荼羅。その証拠に私や薬王菩薩など、下界にいる仏達は表示されてませんでしょ?」

本当だ。
あ、大日如来様が消えた。
って!止めて!!変なプラグを立てないで!!

~・~・~・~・~・~・~・~・~

~女王アイシャの話~

何か変な道化師の格好をした男が、ロックんの使いだとか言って、さらにロックんがルシファーに大ダメージ喰らって意識不明の重体なんて言って。
【渡世人】ロックんがルシファー如きに大ダメージ喰らう訳ないじゃない。
知ってんだから!
ステータスが表示出来ない事くらいわ!!

「・・・ブラック社長、【傲慢】以外の悪魔が全て【剣神】様の所に集まった・・・」

誰がブラック社長よ!!
ウリエル?アンタ、益々私に毒吐くようになったわね?
って、何言ってんの!?
レヴィヤタンとアスタロトだけでしょ?

「だが、診療所に光の気配がするのだが?しかも2人だ」

ラファエルも何言ってんの?
光って【妖狐】の稲荷ちゃんだけでしょ?

とりあえず貴女達も一緒に来なさいよ?
・・・なんで武装してんの?

「・・・私もロックス印欲しい・・・」

それ、ウリエルの神槍ゲイボルクよね?
そりゃロックんが作れば【銘入】になって特別効果がつくけど・・・
って、私の『法王の錫杖』【福音】を羨ましそうに見ないでよ?

「我儘言うな。マスターに従え」

ラファエル、アンタも神剣デュランダルを装備して・・・

「・・・護れ無かったらゴメン・・・」

ウリエル、嫌な事言わないで!!
何が起きるのよ?何が居るの、診療所に!?

そんなこんなで3人で診療所に着いた。

「ロックん!!帰ったなら・・・うわ!オッさん!!」

「誰がイケメンやねん!!」

「いや、ちゃうから!!」

糸目女子にツッコまれてるわよ!?

~・~・~・~・~・~・~・~・~

「なんで、前アバター?どうやって?って、なんで大魔王が増えてんの!?」

「ん?あ、ウリ公にラファ公」

入って来たアイシャを見たサーたんが追従したウリエル、ラファエルを見た。
ウリエル達はサーたんを見て神槍と神剣を構えた。

「・・・サタン・・・」

「アスモディウス!?ベルゼブブ?ベリアル?マモン!?」

「やっぱり、悪い虫が沢山付いてる・・・」

べー姉ちゃん?彼女達はアイシャの【使い魔】です。

「相方モテモテやなぁ、岩尾やのうて徳井とか陣内やなぁ?」

吉本興業のイケメン芸人ちゃうわ!
俺は礼二くんがしたいんや!!

「大変だ!師匠!四大天使長だ!」

弟子マモンよ、妲己にイチゴ味にして貰いなさい・・・

「・・・ウリエルキャラ被り・・・」

「・・・五月蝿い!ベルゼブブ!・・・」

「・・・蝿だけに五月蝿いププッ・・・」

あ、本当だね?
フードファイターと無口系女子は、似てるね?
いや、上手い事言ったってドヤ顔して、ウリエルさんも、言われたってガッカリしないでよ!?

「女王アイシャでしたね?私はロックス様の弟子の薬丸博子です」

は?何言ってお出でで?薬師如来様?

「の、弟子の薬師丸八寿子です」

薬王菩薩様も何言ってんの!?

『吾輩は狂喜と狂乱の道化師、サトー・ポだ!ゲヘ、ゲヘヘヘヘ』

歩・砂翔って感じの大陸人みたいだな!サトーポ!!
狂喜と狂乱って、シュオ爺じゃないか!し◯ろ!!
ジャニーズ系イケメンが台無しだな!!

『ちなみに薬師如来、薬王菩薩も【使い魔】になりました』

うお!
サトーポ、脳内会話可能かよ!
脳内じゃ敬語なんだな?
いや、菩薩や如来が使い魔って、おかしいだろ?

『ロっクんはどうしたいの!!如来と菩薩まで従えて?』

アイシャが個人指定チャットしてきた。

『アイシャ女王、ロックス様は【大日如来】の化身です』

『はぁ?サトーポ!何言ってんの!?』

『なんかそうらしい・・・ってか、そうなったようだ・・・』

『【大日如来】まで配備されたって事?神魔の理ゴルデビは?』

そのようだ。
仏神系使い魔も配備されたのだろう。
しかも美人なんだ薬師如来様と薬王菩薩は・・・
夏目な雅子さん・・・

「旦那さま!!」

しまった!考えは筒抜けだった・・・

稲荷に首根っこ掴まれて診療所の裏にある庭に生えた柳の木に吊るされ、青竹でしばかれました。

「浮気症なのは精神が弛んでるからです!!」

「な!ダーリン、羨ましすぎ!!」

ウルサイ、オレハMジャナイ・・・

~・~・~・~・~・~・~・~・~

~【傲慢】ルシファーの話~

ロックス様に傷を回復して貰った時点で、私の戦意は喪失していた。
私では無理だ。
勝てないし、彼を傷つけるなど出来ない。

【長距離転移】を発動させ逃げよう。

私が魔法を発動させた時、サタンから【闇の光】が飛んできた。
サタン、貴女と私は同一視される存在。
貴女の魔法が私にダメージを与える訳が無い・・・・・
って!ロックス様!
なんで!?
私は貴方を亡き者にしようとしたのですよ?
何故私を庇うのですか!?

ロックス様が崩れ落ちた・・・
助け・・・ダメ、魔法が中断出来ない!!
サタン?
・・・貴女はロックス様に降臨したのね?
サタンはロックス様に駆け寄り、抱き抱え私を睨んだ。

「・・・貴様を殺す!!」

サタンが言った言葉を聞き取った瞬間、転移した。

・・・・・・

「やあ、失敗したみたいだね?ルシファー?」

【羨望】、貴様・・・
転移先にベルフェゴールがいた。

「あの方はお怒りだろうねぇ?」

ベルフェゴールは私に嫌味を言う。

「黙れ!八裂きにしてやろうか!!」

「おー?怖い怖い・・・」

マスターを助ける為とはいえ、私はロックス様とは戦いたくない・・・
ロックス様に回復して貰った腕を見た。

私はあの方を愛して・・・
大っ嫌いだから!!





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