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三姉妹
玉藻御前
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この世に生を受けて何千年経っただろうか・・・
これほどの恐怖は、後に【剣神】と呼ばれる男に陰湿なまでに追い回された時以来だ・・・
「食べる?」
「いや・・・・・いらない・・・」
「そう?口の中が凄く痛くて美味しいのに・・・」
私の目の前にいる少女は、赤い実を涙目でひたすら食べ続けている。
私はこの少女に恐怖を覚え、今尚、警戒している最中だ。
「でさ?話してもいい?」
「・・・なんだ?」
「そんな警戒しないでよ?ただ、仲魔に成ろう?ってだけだよ?」
「お前の方が強いのに仲魔だと?配下になれの間違いじゃないのか?」
「そんな気はないよ?想い人が同じなんだから?」
「想い人!?」
この少女は誰の事を言っているんだ?
「【剣神】ロックス・・・」
その名を言うか!!
あの男!
あの陰湿なまでに追い回してきた男!!
私は思わす立ち上がり、少女に詰め寄った。
「彼が【輪廻転生】したんだ。・・・どうだい?堪らないだろう?」
「何処に居る!奴は!?」
少女は微笑み、教えてくれた・・・
「王都メルトル」
~・~・~・~・~・~・~・~
プリシラに恐喝され、渋々、俺作シリーズを・・・
ジョブ【龍闘士】って何?
前衛なの?
後衛・・・・・は違うと思うが、アタッカーなの?盾なの?
種族【龍人族】は固有職種しかない。
知り合いにも居ない。
「私はぁ、盾と攻撃が両方出来るんですぅ!えっヘン!!」
可愛い俺の繊細な花よ・・・・まだ私のパンは膨らんでいない・・・
違う!!
じゃあ何か?
多分戦斧だから・・・
『天之凶鉾【奉先】をプリシラに譲渡します。よろしいですか?』
「YES」
天之凶鉾【奉先】
黄泉比良坂を貫く雷から作られた戦斧、特別効果【奉先】が銘入りの為、全てのステータスに10%の上昇補修
をプリシラに渡した。
「わ!失われた王朝時代の武器ですぅ!!ありがとうございますぅ!!」
天之凶鉾を装備し、それを振り回すプリシラ。
三○無双の呂布とか○国無双の本田忠勝とかみたいだ・・・
つまり、蜥蜴系女子はさらに怖くなったのだった・・・
「私からはぁ、これを渡しておくですぅ・・・」
と、プリシラの頭に生えた小さな角を引き抜き、俺に渡した。
血とか、生肉とか付いてる・・・
「それで私と【念話】出来るですぅ」
渡されたプリシラの角を【観察】した。
レアアイテム龍女の角
番であると【念話】可能になるアクセサリー『番の角飾り』が出来る。
単体でも作製可
「わ!スゲー・・・でももう1本いるみたいやね?」
「うぅ・・・欲張りさんですぅ、ロックスくんは・・・」
そう言ってさらに1本引き抜き渡してくれた。
同じように生肉、血が滴る・・・
プリシラに【回復再生】を掛けると、抜かれた角が再生した。
「わ!さすが【渡世人】ですぅ。すぐ治りましたぁ。ちなみにその角を手に持って話したら、私と会話出来るですぅ」
あ、単体でも制作可ってそう言う意味だったんだ。
『プリシラがパーティー申請してきました。了承しますか?』
また、新しい脳内メッセージだ。
プリシラからは逃げられないのはわかっているから・・・
「YES」
プリシラの細部ステータスが脳内に表示される。
プリシラが多分、パーティーに入ったからだ。
名前プリシラ
職種【龍闘士】【無制限受付嬢】
LV58
HP1850
MP350
強さ2800
防御3800
速さ1250
賢さ124
スキル【龍の咆哮】【竜の炎】
これって高いのか?
多分高い方なんだろう。
「さて・・・お姉さんは家に帰るですぅ。ロックスくんは?」
「あ、商店に寄り道して宿に泊まります。取り敢えず」
「なら、明日の予定が決まったら角を使ってね?」
『緊急クエストをクリアしました。お疲れ様でした』
そんだけかよ!
報酬無しかよ!!
プリシラが手を振り、プリシラと別れてゴヘイ商店に向かった。
ゴヘイ商店では稲荷が店前に立ち、俺を待っていたようだ。
「稲荷、迎えに来たよ!!」
ゴヘイに10枚払い稲荷を見た。
「ハイ!旦那さま!!」
稲荷の手を握った。
『おめでとうございます!!』
ファンファーレ、紙吹雪、SSR獲得トロフィーが頭の中に喧しい程に大量に流れ出した。
なんでだ!?
脳内でログを最初の『おめでとうございます』に戻した。
『葛の葉の衣を稲荷が装備した事により、SSR獲得です』
なんだと!?
そこから全てのSSR獲得情報が一気に流れたのだ。
つまり、葛の葉の衣を後生大事に持ってた為に今まで溜まってたSSR獲得トロフィーが、稲荷が装備した事により・・・なんだと!?
『SSR獲得トロフィーが10に達しましたので、使い魔の使用が可能になりました』
こっ
こいつが原因だったのか!?
無駄に倒しまくったイベントキャラから【使い魔】が出なかったのはつまり、葛の葉の衣のSSR獲得トロフィーが貰えず、いくらSSRを手に入れても何も起きなかった為、俺に【使い魔】を使用する資格が無かったと言う訳だったのだな!?
「旦那さま?大丈夫ですか?」
「稲荷・・・え?」
九尾稲荷
妖狐【天狐】
奴隷ーロックス【主】
HPー3800
MPー4800
強さー1200
防御ー50000
速さー8000
賢さー3520
装備『葛の葉の衣』
多分稲荷が俺の使い魔になったから『葛の葉の衣』が完全に俺の物になって詰まりが抜けて一気に流れ出したって事だろう。
おや?
稲荷が天狐になってる!?
『九尾稲荷は進化の条件を満たしました。【白面金毛九尾狐】に進化可能です。進化させますか?』
稲荷が九尾狐に成れるだと!?
「稲荷!?天狐になってるよ!!」
「え!?」
稲荷がそれを聞くと飛び付いて来た。
稲荷を抱き・・・って!
稲荷の方が体が大きかったので押し倒された。
「イテテ・・・稲荷、大丈夫?」
「クンクン・・・旦那さまから龍女の匂いがします!」
俺の胸に鼻を付け、匂いを嗅いでいる。
「ああ、プリシラだね?龍人族の女性だよ」
「浮気・・・」
いや浮気は無い!
プリシラと稲荷が一緒に歩いたら皆んな稲荷しか見ないから!
プリシラのおかげで稲荷が映えるから!!
「では坊っちゃん。ありがとうございます。また、よい取引を・・・」
ゴヘイ商店から出て稲荷と手を繋ぎ、メルトルの街を歩いた。
歩きながら『龍女の角』を開いてる手で持ち、『製作』を開く。
『龍女の角と九尾の尾毛を使用して番の角ネックレスを作製出来ます』
九尾の尾毛?
たしか、玉藻のレアドロップの筈・・・
「・・・旦那さま?私幸せです」
「玉藻・・・」
「・・・ぅ・・・やはり玉藻様を想ってお出ででしたか・・・」
「え?稲荷?や、違う!玉藻は違う!玉藻の九尾の尾毛が必要なんだ!」
!!
危な!
稲荷を抱え、後ろに下がった。
地面から巨大な口が現れ、丸呑みしようとしてきたのだ!!
これはたしか【大口】とか言う妖怪!?
此奴は大妖怪クラスのアタッカーだった筈?
大妖怪!?
『緊急クエスト!玉藻御前を撃退せよ!!』
玉藻だと!?
「玉藻様!?」
稲荷が空を見ながら叫んだ。
そこには九本の尾をなびかせる黒髪の着物を着た美人が浮んでいた。
「【剣神】ロックス!・・・この恨み・・・払さでおくべきか!!」
9本の尾が俺にめがけ飛んできた。
『守護者』に転職、『絶対防御』発動!!
稲荷を庇い、背中を向けた。
9本の尾が俺に当る。
『絶対防御』により、着流しの背中が破けたが、無傷ですんだ。
だが、場所が悪い、ここはメルトルの街中だ。
背中で弾かれた尾が地面を這いずり、俺を囲む。
這いずりで町民の何人かに被害が出ている。
『大僧正に転職、仏法守護神召喚』
「来い!四天王!!」
持国天、多聞天、増長天、広目天
が、玉藻御前のさらに上の空から玉藻御前目掛け現れた。
四天王の剣が玉藻を切るが、残像だった。
広目天が玉藻御前を追いかけさらに斬る。
玉藻御前は転移しながらそれを避ける。
「四天王、メルトルの民を護れ!!」
俺の命令に頷き、四天が玉藻御前から離れ、這いずり回る尾を追尾し、町民に被害が出そうになると間に入り尾を防いだ。
『大僧正』を解き、玉藻御前目掛け飛んだ。
「ちょこざいな!!【剣神】!!四天王を呼ぶか!?」
「なんでメルトルに居るんや玉藻御前が!?」
「知れたこと!貴様に復讐する為だ!!」
玉藻御前の手が俺を引き裂かんと振り下ろされる。
それを【無拍子】で避ける。
「旦那さま!!」
「稲荷は来ちゃダメ!!」
「玉藻様は【黒狐】の九尾狐です!!」
【黒狐】だと!?
ならば!
『殺生石の石剣【妖断】を出しました』
殺生石の石剣【妖断】
対妖狐用護法剣
狐種悪魔に対し封印効果あり
特別効果【妖断】
封印効果を犠牲にし、切断能力特別効果
「なっ!?なんだ!?その剣は!?」
殺生石の石剣を装備した俺を見て玉藻が警戒しだした。
この剣は【黒狐】用に作ったからな?
わざと致命傷にならない所を狙い斬る。
しかも玉藻御前でも避ける事が容易い速度で。
だが、玉藻御前の着物が殺生石の石剣に当たり・・・
「旦那さま・・・やっぱり玉藻様が・・・」
稲荷が怒り出した。
「え?・・・いや、ちょっと?何?そうだったの!?やだ!!胸が見えちゃってるじゃない!!」
稲荷の言葉を聞いて玉藻が俺から距離を置いた。
何か勘違いされてませんか?玉藻御前さま?
いや、稲荷?違うから!?
「私の事が好きだったの?だからなの!?陰湿なまでに追い回してたのは!?」
玉藻御前は九尾を体に巻き、裸を隠すように覆い、赤い顔になり、俺に言い寄った。
「いや!違うから!稲荷!違うから!」
玉藻から離れ稲荷の側に降りて弁解する。
「じゃあなんで弁解するんですか!!」
さらに稲荷が怒りだした。
なんでだ!?
「いや!だって稲荷勘違いしてるから!!」
「【九尾狐】の玉藻様が好きだからでしょ!!」
「・・・やっぱりそうだったの・・・もう。そう言ってくれれば良いのに・・・」
いつの間にか俺の側に降りて着た玉藻御前が尾の1本で俺の背中をなぞる・・・
いや!本当に違うから!!
ー小料理屋親父ザンガスの話ー
いやまいったよ!!
折角、おみつが水撒きした後だってのに妖怪が昼間っから現れてよ?
そしたらオメェ、さっきの小僧がヤラレだしたんだよ!
こりゃ大変だ!って思ったら妖怪は化け狐じゃねぇか!!
9本も尻尾があって、其奴が土埃上げやがった!
店にまで入ってきちまったよ!土埃が。
そしたら四天王様が現れたんだ!!
ありがたやありがたや・・・
って!そうじゃねぇ!!
四天王様が現れたと思ったら、小僧が化け狐目掛けて飛んでったんだ!!
そしたらオメェ、あの小僧、間施ガキでよ?
化け狐の裸見たさに服を切り出しやがった!!
ー貧しい絵描き売りヨハンの話ー
え?MEの絵を買ってくれ・・・
ああ・・・さっきの話ですか・・・
BOYの側にいたGIRLが怒り出したら、SKYにいたGIRLが降りて来てSKYのGIRLがBOYに甘えだしたんだ。
そしたら、BOYの側にいたGIRLがさらに怒り出したんだ。
あれは多分、BOYが浮気が暴露ての痴話喧嘩だよ・・・
所でMEの絵を買わ・・・
要らない?
そう・・・
~・~・~・~・~・~・~・~
「玉藻御前、いいか?俺はあの時だな?『葛の葉の衣』が装備出来ない物だと解って、その腹癒せにだな?」
「またまた~。ほら?よくあるじゃない?好きな女の子には冷たくしたいって?」
「・・・やっぱり玉藻様の事が好きだったんですね!?」
左腕に玉藻御前、右腕に稲荷と。
美人2人に腕組まれて男冥利に尽きる・・・
いや!玉藻御前は違うから!!
『緊急クエストが終了しました。お疲れ様でした』
いや!待て!おい!?
これほどの恐怖は、後に【剣神】と呼ばれる男に陰湿なまでに追い回された時以来だ・・・
「食べる?」
「いや・・・・・いらない・・・」
「そう?口の中が凄く痛くて美味しいのに・・・」
私の目の前にいる少女は、赤い実を涙目でひたすら食べ続けている。
私はこの少女に恐怖を覚え、今尚、警戒している最中だ。
「でさ?話してもいい?」
「・・・なんだ?」
「そんな警戒しないでよ?ただ、仲魔に成ろう?ってだけだよ?」
「お前の方が強いのに仲魔だと?配下になれの間違いじゃないのか?」
「そんな気はないよ?想い人が同じなんだから?」
「想い人!?」
この少女は誰の事を言っているんだ?
「【剣神】ロックス・・・」
その名を言うか!!
あの男!
あの陰湿なまでに追い回してきた男!!
私は思わす立ち上がり、少女に詰め寄った。
「彼が【輪廻転生】したんだ。・・・どうだい?堪らないだろう?」
「何処に居る!奴は!?」
少女は微笑み、教えてくれた・・・
「王都メルトル」
~・~・~・~・~・~・~・~
プリシラに恐喝され、渋々、俺作シリーズを・・・
ジョブ【龍闘士】って何?
前衛なの?
後衛・・・・・は違うと思うが、アタッカーなの?盾なの?
種族【龍人族】は固有職種しかない。
知り合いにも居ない。
「私はぁ、盾と攻撃が両方出来るんですぅ!えっヘン!!」
可愛い俺の繊細な花よ・・・・まだ私のパンは膨らんでいない・・・
違う!!
じゃあ何か?
多分戦斧だから・・・
『天之凶鉾【奉先】をプリシラに譲渡します。よろしいですか?』
「YES」
天之凶鉾【奉先】
黄泉比良坂を貫く雷から作られた戦斧、特別効果【奉先】が銘入りの為、全てのステータスに10%の上昇補修
をプリシラに渡した。
「わ!失われた王朝時代の武器ですぅ!!ありがとうございますぅ!!」
天之凶鉾を装備し、それを振り回すプリシラ。
三○無双の呂布とか○国無双の本田忠勝とかみたいだ・・・
つまり、蜥蜴系女子はさらに怖くなったのだった・・・
「私からはぁ、これを渡しておくですぅ・・・」
と、プリシラの頭に生えた小さな角を引き抜き、俺に渡した。
血とか、生肉とか付いてる・・・
「それで私と【念話】出来るですぅ」
渡されたプリシラの角を【観察】した。
レアアイテム龍女の角
番であると【念話】可能になるアクセサリー『番の角飾り』が出来る。
単体でも作製可
「わ!スゲー・・・でももう1本いるみたいやね?」
「うぅ・・・欲張りさんですぅ、ロックスくんは・・・」
そう言ってさらに1本引き抜き渡してくれた。
同じように生肉、血が滴る・・・
プリシラに【回復再生】を掛けると、抜かれた角が再生した。
「わ!さすが【渡世人】ですぅ。すぐ治りましたぁ。ちなみにその角を手に持って話したら、私と会話出来るですぅ」
あ、単体でも制作可ってそう言う意味だったんだ。
『プリシラがパーティー申請してきました。了承しますか?』
また、新しい脳内メッセージだ。
プリシラからは逃げられないのはわかっているから・・・
「YES」
プリシラの細部ステータスが脳内に表示される。
プリシラが多分、パーティーに入ったからだ。
名前プリシラ
職種【龍闘士】【無制限受付嬢】
LV58
HP1850
MP350
強さ2800
防御3800
速さ1250
賢さ124
スキル【龍の咆哮】【竜の炎】
これって高いのか?
多分高い方なんだろう。
「さて・・・お姉さんは家に帰るですぅ。ロックスくんは?」
「あ、商店に寄り道して宿に泊まります。取り敢えず」
「なら、明日の予定が決まったら角を使ってね?」
『緊急クエストをクリアしました。お疲れ様でした』
そんだけかよ!
報酬無しかよ!!
プリシラが手を振り、プリシラと別れてゴヘイ商店に向かった。
ゴヘイ商店では稲荷が店前に立ち、俺を待っていたようだ。
「稲荷、迎えに来たよ!!」
ゴヘイに10枚払い稲荷を見た。
「ハイ!旦那さま!!」
稲荷の手を握った。
『おめでとうございます!!』
ファンファーレ、紙吹雪、SSR獲得トロフィーが頭の中に喧しい程に大量に流れ出した。
なんでだ!?
脳内でログを最初の『おめでとうございます』に戻した。
『葛の葉の衣を稲荷が装備した事により、SSR獲得です』
なんだと!?
そこから全てのSSR獲得情報が一気に流れたのだ。
つまり、葛の葉の衣を後生大事に持ってた為に今まで溜まってたSSR獲得トロフィーが、稲荷が装備した事により・・・なんだと!?
『SSR獲得トロフィーが10に達しましたので、使い魔の使用が可能になりました』
こっ
こいつが原因だったのか!?
無駄に倒しまくったイベントキャラから【使い魔】が出なかったのはつまり、葛の葉の衣のSSR獲得トロフィーが貰えず、いくらSSRを手に入れても何も起きなかった為、俺に【使い魔】を使用する資格が無かったと言う訳だったのだな!?
「旦那さま?大丈夫ですか?」
「稲荷・・・え?」
九尾稲荷
妖狐【天狐】
奴隷ーロックス【主】
HPー3800
MPー4800
強さー1200
防御ー50000
速さー8000
賢さー3520
装備『葛の葉の衣』
多分稲荷が俺の使い魔になったから『葛の葉の衣』が完全に俺の物になって詰まりが抜けて一気に流れ出したって事だろう。
おや?
稲荷が天狐になってる!?
『九尾稲荷は進化の条件を満たしました。【白面金毛九尾狐】に進化可能です。進化させますか?』
稲荷が九尾狐に成れるだと!?
「稲荷!?天狐になってるよ!!」
「え!?」
稲荷がそれを聞くと飛び付いて来た。
稲荷を抱き・・・って!
稲荷の方が体が大きかったので押し倒された。
「イテテ・・・稲荷、大丈夫?」
「クンクン・・・旦那さまから龍女の匂いがします!」
俺の胸に鼻を付け、匂いを嗅いでいる。
「ああ、プリシラだね?龍人族の女性だよ」
「浮気・・・」
いや浮気は無い!
プリシラと稲荷が一緒に歩いたら皆んな稲荷しか見ないから!
プリシラのおかげで稲荷が映えるから!!
「では坊っちゃん。ありがとうございます。また、よい取引を・・・」
ゴヘイ商店から出て稲荷と手を繋ぎ、メルトルの街を歩いた。
歩きながら『龍女の角』を開いてる手で持ち、『製作』を開く。
『龍女の角と九尾の尾毛を使用して番の角ネックレスを作製出来ます』
九尾の尾毛?
たしか、玉藻のレアドロップの筈・・・
「・・・旦那さま?私幸せです」
「玉藻・・・」
「・・・ぅ・・・やはり玉藻様を想ってお出ででしたか・・・」
「え?稲荷?や、違う!玉藻は違う!玉藻の九尾の尾毛が必要なんだ!」
!!
危な!
稲荷を抱え、後ろに下がった。
地面から巨大な口が現れ、丸呑みしようとしてきたのだ!!
これはたしか【大口】とか言う妖怪!?
此奴は大妖怪クラスのアタッカーだった筈?
大妖怪!?
『緊急クエスト!玉藻御前を撃退せよ!!』
玉藻だと!?
「玉藻様!?」
稲荷が空を見ながら叫んだ。
そこには九本の尾をなびかせる黒髪の着物を着た美人が浮んでいた。
「【剣神】ロックス!・・・この恨み・・・払さでおくべきか!!」
9本の尾が俺にめがけ飛んできた。
『守護者』に転職、『絶対防御』発動!!
稲荷を庇い、背中を向けた。
9本の尾が俺に当る。
『絶対防御』により、着流しの背中が破けたが、無傷ですんだ。
だが、場所が悪い、ここはメルトルの街中だ。
背中で弾かれた尾が地面を這いずり、俺を囲む。
這いずりで町民の何人かに被害が出ている。
『大僧正に転職、仏法守護神召喚』
「来い!四天王!!」
持国天、多聞天、増長天、広目天
が、玉藻御前のさらに上の空から玉藻御前目掛け現れた。
四天王の剣が玉藻を切るが、残像だった。
広目天が玉藻御前を追いかけさらに斬る。
玉藻御前は転移しながらそれを避ける。
「四天王、メルトルの民を護れ!!」
俺の命令に頷き、四天が玉藻御前から離れ、這いずり回る尾を追尾し、町民に被害が出そうになると間に入り尾を防いだ。
『大僧正』を解き、玉藻御前目掛け飛んだ。
「ちょこざいな!!【剣神】!!四天王を呼ぶか!?」
「なんでメルトルに居るんや玉藻御前が!?」
「知れたこと!貴様に復讐する為だ!!」
玉藻御前の手が俺を引き裂かんと振り下ろされる。
それを【無拍子】で避ける。
「旦那さま!!」
「稲荷は来ちゃダメ!!」
「玉藻様は【黒狐】の九尾狐です!!」
【黒狐】だと!?
ならば!
『殺生石の石剣【妖断】を出しました』
殺生石の石剣【妖断】
対妖狐用護法剣
狐種悪魔に対し封印効果あり
特別効果【妖断】
封印効果を犠牲にし、切断能力特別効果
「なっ!?なんだ!?その剣は!?」
殺生石の石剣を装備した俺を見て玉藻が警戒しだした。
この剣は【黒狐】用に作ったからな?
わざと致命傷にならない所を狙い斬る。
しかも玉藻御前でも避ける事が容易い速度で。
だが、玉藻御前の着物が殺生石の石剣に当たり・・・
「旦那さま・・・やっぱり玉藻様が・・・」
稲荷が怒り出した。
「え?・・・いや、ちょっと?何?そうだったの!?やだ!!胸が見えちゃってるじゃない!!」
稲荷の言葉を聞いて玉藻が俺から距離を置いた。
何か勘違いされてませんか?玉藻御前さま?
いや、稲荷?違うから!?
「私の事が好きだったの?だからなの!?陰湿なまでに追い回してたのは!?」
玉藻御前は九尾を体に巻き、裸を隠すように覆い、赤い顔になり、俺に言い寄った。
「いや!違うから!稲荷!違うから!」
玉藻から離れ稲荷の側に降りて弁解する。
「じゃあなんで弁解するんですか!!」
さらに稲荷が怒りだした。
なんでだ!?
「いや!だって稲荷勘違いしてるから!!」
「【九尾狐】の玉藻様が好きだからでしょ!!」
「・・・やっぱりそうだったの・・・もう。そう言ってくれれば良いのに・・・」
いつの間にか俺の側に降りて着た玉藻御前が尾の1本で俺の背中をなぞる・・・
いや!本当に違うから!!
ー小料理屋親父ザンガスの話ー
いやまいったよ!!
折角、おみつが水撒きした後だってのに妖怪が昼間っから現れてよ?
そしたらオメェ、さっきの小僧がヤラレだしたんだよ!
こりゃ大変だ!って思ったら妖怪は化け狐じゃねぇか!!
9本も尻尾があって、其奴が土埃上げやがった!
店にまで入ってきちまったよ!土埃が。
そしたら四天王様が現れたんだ!!
ありがたやありがたや・・・
って!そうじゃねぇ!!
四天王様が現れたと思ったら、小僧が化け狐目掛けて飛んでったんだ!!
そしたらオメェ、あの小僧、間施ガキでよ?
化け狐の裸見たさに服を切り出しやがった!!
ー貧しい絵描き売りヨハンの話ー
え?MEの絵を買ってくれ・・・
ああ・・・さっきの話ですか・・・
BOYの側にいたGIRLが怒り出したら、SKYにいたGIRLが降りて来てSKYのGIRLがBOYに甘えだしたんだ。
そしたら、BOYの側にいたGIRLがさらに怒り出したんだ。
あれは多分、BOYが浮気が暴露ての痴話喧嘩だよ・・・
所でMEの絵を買わ・・・
要らない?
そう・・・
~・~・~・~・~・~・~・~
「玉藻御前、いいか?俺はあの時だな?『葛の葉の衣』が装備出来ない物だと解って、その腹癒せにだな?」
「またまた~。ほら?よくあるじゃない?好きな女の子には冷たくしたいって?」
「・・・やっぱり玉藻様の事が好きだったんですね!?」
左腕に玉藻御前、右腕に稲荷と。
美人2人に腕組まれて男冥利に尽きる・・・
いや!玉藻御前は違うから!!
『緊急クエストが終了しました。お疲れ様でした』
いや!待て!おい!?
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「誰も組んでくれないなら、新人を育て上げてパーティを組んだ方が良いかもな」
アンリには夢があった。かつて災害で家族を失い、自らも死ぬ寸前の所を助けてくれた冒険者に礼を言うという夢。
しかし助けてくれた冒険者が居る場所は、Sランク冒険者しか踏み入ることが許されない危険な土地。夢を叶えるためにはSランクになる必要があった。
誰もパーティを組んでくれないのなら、多少遠回りになるが、育て上げた新人とパーティを組みSランクを目指そう。
そう思い提案を受け、新人とパーティを組み心機一転を図るアンリ。だが彼の元に来た新人は。
モンスターに追いかけ回されて泣き出すタンク。
拳に攻撃魔法を乗せて戦う殴りマジシャン。
ケガに対して、気合いで治せと無茶振りをする体育会系ヒーラー。
どいつもこいつも一癖も二癖もある問題児に頭を抱えるアンリだが、彼は持ち前の万能っぷりで次々と問題を解決し、仲間たちとSランクを目指してランクを上げていった。
彼が新人教育に頭を抱える一方で、彼を追放したパーティは段々とパーティ崩壊の道を辿ることになる。彼らは気付いていなかった、アンリが近接、遠距離、補助、“それ以外”の全てを1人でこなしてくれていた事に。
※ 人間、エルフ、獣人等の複数ヒロインのハーレム物です。
※ 小説家になろうさんでも投稿しております。面白いと感じたらそちらもブクマや評価をしていただけると励みになります。
※ イラストはどろねみ先生に描いて頂きました。
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