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プロローグ

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「そういえば、こいつは前の世界を嫌っているというデータがあります。殺すより、世界に戻す方が絶望を与えれるのでは?」

「そ、それだけは!!」

 頭脳派のプログはさらに悪い笑みを浮かべる
 他4名が確かにと頷く

「お前の主張を採用だ。元の世界に戻せ」

 すると、プログは強制帰還装置を魔法で呼び出し、起動しようとする

「ま、待ってくれ!なんでこんなことするんだよ!俺が何かをしたか!?」

 俺は元の世界ではいじめられていた。だから、元の世界には絶対に戻りたくない、必死に辞めさせようとする

 しかし、その願いも虚しく笑われる

「あっははは!最高な表情ね!この顔を見れれば、今までの苦労も報われた感じ!」

「そ、そんな!サーナ!俺達は愛し合っていたはずだろ!?」

すると、サーナはさらに大笑いして

「そんなの魔王を討伐してもらう為の嘘に決まってんじゃん!それに、何故こんなことするの?と言ってたわね。答えはただの暇つぶしよ!ふふっ」

「そ、そんな!」

 他4名は大きな笑い声を出して、見下す。そしてマートが続ける

「我々は部外者を歓迎することなんてしないのだよ。お前は勇者だから3年も生かしてやったんだ!喜べよ」

 俺は泣きそうになると、装置が作動する

「キュイーーン」

 大きな魔法陣が俺を囲い、転生してきた時と同じ光りを放つ

「くそっ!絶対お前らに復讐してやる!」

「ははっ!いってろ!いってろ!」

 最後のナラバーの舐め腐った顔が忘れられずに俺は元の世界に戻ってきた
 
「オラァ!オラァ!」

 俺が戻ってきた場面は転生してきた時と同じ、いじめっ子達にトイレで殴られている場面だ

「痛てぇよ……」

 俺はいじめっ子の手を掴み、思いっ切り握る

「痛たたたたたた!!!!」

 イライラしていた、俺は遠慮も何もせずに思いっ切り握ったため、いじめっ子も大きな悲鳴を上げる
 どうやら、勇者としてのステータスはこの世界でも適用されるようだ

「桐生の癖に何、荒木君に手ぇ出してんの?」

 荒木千斗あらきせんとは俺をいじめている筆頭で、取り巻きの安藤和希あんとうかずき皆川修人みなかわしゅうと大倉勘太おおくらかんたの4人だ

「うるせぇよ!!」

 俺はいじめっ子4人の腹に向かって殴る
 当然、勇者の俺のスピードに追い付けず、一撃で沈める

(スカッとしたぜ!思い出した…こいつらだったな…)

 忘れていた過去を全て思い出す。そして同時に復讐やり返したことに喜びを感じた

 そして、学校なんかを抜け出して、あの世界に転移する方法を考える

ーーすると

「うわっ!?」

 転移してきた時と同じ魔法陣がキリュウ、いや学校を囲うーー

 そして、見慣れた壁、床、人を見つける

 そう、もう一度同じ世界に戻ってきたのだ

「ようこそ!私はバーノン王国の国王のマート・アラビスです!突然のことに驚いているでしょう、申し訳ございません。しかし、我々はそれだけピンチだと言うことです。3年前討伐された魔王が復活したのです!」

 転移してきたのは俺のクラス約30人。みんなはこの状況にザワザワする
 そして、俺も困惑する

(魔王は復活したのか!?しかも3年の時間が経っている…とりあえず復讐のいい機会だ!)

「本来なら転移者は一人なのですが…今回は魔王だけでは無く、新たな種族が魔王が討伐された後、何者かによって造り出されたのです。その名も魔獣…動物のような体をしていて、襲ってきます」

 マートは俺が転移してきた時と同じ口調と声で優しく喋る。その声に好感を持った人はたくさん居るだろう。しかし、裏の顔をしている俺は好感どころか、さらに嫌いになる

(しかし、何者か…というのが気になるな。俺が元の世界に戻ってきた直後か…これは仕組まれてそうだな…)

 「ですので!あなた達、30の勇者達に力を借りたいのです!お願いします!」

「私からもお願いします!」

 !!
 王国サーナ・アラビス!嘘の愛を使い、俺をハメた奴だな…

 サーナは王国一の美女、その姿に他のクラスメイト達は惚れ惚れして、黙り込んでしまう

「はいはーい!俺っちはいいっすよー!!」

 いじめっ子の千斗がニヤニヤして声をあげる。それに便乗して、他の取り巻き達も声をあげる

「まぁ!ありがとうございます!他の人達もそれでいいですか?」

 みんなは黙り込み、頷く
 どうやら男達はサーナに惚れてしまったようだ…こいつらは終わったな
 女もサーナの美しさに見とれてしまっている

(まぁ、俺も惚れてしまった一人なんだがな)

「それでは早速!あなた方の力を見せて貰うために、迷宮に潜ってもらいます!転移者にはギフトと言うものが与えられ、力を大幅に強化してくれます!」

 マートは手をパチンと叩き、俺達は迷宮に向かうことになった

 さぁ、誰から復讐してやろうかーー 
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