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  木の枝に方向を委ねて、街に向かうことにした。この森は木が本当に多く、1度迷ってしまうともう戻れないような森だ。

  行く先いく先に居る魔物を安易に蹴散らしているとLvが3上がった。ステータスが大幅に強化され、初期の1.5倍のステータスに成長を遂げた。
  案外この世界でLvを上げることは困難なようだ。10体の魔物を倒して3Lvだからな。

  しかしどんどん魔物の実力は上がっている……大丈夫かこれ?木の枝に委ねたのは間違いだっただろうか?

  ーーと、またもや背後……ではなく、前方に人間の気配を感じる。この気配を感じることができるのは大召喚士のお陰なのだろうか?

「…え?金谷宗介かなやそうすけ!?」

「ん?おお、お前は星矢じゃねぇか」

   宗介は言葉遣いが荒い奴だ。短髪の刈り上げでキメている少しヤンチャな男。

   宗介は今朝の朝礼で校長が言っていた行方不明者49人目だ。ならば俺より1日この世界のことについて知っているだろう。話を聞いてみるか?

「なぁ、宗介。この世界のことなんか分かることあるか?」

「あぁ…?大したこと知らねぇよ。昨日来たばっかなんだからよ。まぁ、分かることとしたらこの世界は俺達3-A組に支配されてるってことだけだ」

「ん?それはどうゆう………」

「つまり、魔王も勇者も王子も女王も商会長も騎士団長も財閥も他にもたくさんのことを全部3-A組の誰が務めているってことだ」

「なんだって!?」

   ん?確か神様が言っていたな。俺達3-A組からは異世界への適任者が多く検出されたって。つまりはこういうことだったのか。

   しかし魔王までも3-A組かよ…ってことはクラスメイト同士での討ち合いがあったりするのか?

「それにお前、何チームだった?」

「チーム?あぁ、確か………」

   待てよ……白チームは俺一人だからこいつが仲間の可能性は0だ。もしこのチームが戦闘を意味するならここで1人だとバラしたらこいつは仲間を連れて俺に戦争を吹っかけて来るのではないだろうか?あいにくこいつはこのチーム分けの仕組みに気付いていない。ここは企業秘密と流しておこう。

「企業秘密だよ」

「ふーん。ちょっとは頭が回るようじゃん」

「なんだよ試してたのかよ。ていうかお前なんでここに居るんだ?」
   
「そりゃぁLv上げだよ。まぁ、今から帰るところだがな」

   丁度いいこいつに着いていけば街に着くんじゃないか?
   そしてどうやら俺は街の方向と逆に向かって進んでしまっていたようだ。

「着いていっても良いか?」

「勝手にしろ」
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