7 / 10
7話 戦闘①
しおりを挟む「これください」
「アイアンソードと高級回復ポーション×10だね!毎度あり」
この街の武器屋に立ち入って悠鉄の復讐に向けての武器を調達している。お金は葵と大地に分けてもらった。あの2人は魔王討伐報酬として子爵になっているとのことでお金はたくさんあるらしい。
魔物相手になると素手だけでは厳しい可能性もあると見て、アイアンソードなどの対魔物用装備を調達している。素材さえあれば能力『鍛冶屋』で自分で作ることは可能だが、今は良い武器が無いから作らない。
「あぁそれとこのロープをください」
「ロープ?良いのかい?何にも使えないと思うけど…………」
「良いんです。お願いします」
「分かったよ」
店主はまるで分からないという顔をしているがこの復讐において一番大事になってくるのがこのロープだ。何に使うかは後でのお楽しみにしておこう…………
「!?」
鍛冶屋を出た瞬間、ある同級生が一人立っていた。
(いきなりか?さすがに早すぎないか?)
「クックック!ガチで堂山じゃねぇか!?」
「うそぉ~!あのキモ男が本当に戻ってきてるなんて~!」
そこに居たのは灰谷矢倉と神崎奈央の2人だ。この2人は甲斐グループの一員でカップルでもある。
「なんの用?」
「クックック!とぼけんじゃねぇぜぇ?お前が桑名を殺したことは知ってんだ!!」
「………」
あれから2時間くらいしか時間経ってないはずなのにもうバレるとは……さすがに早すぎる。これは何らかのスキルか能力を使用したな?
「ぷっ!驚いてるわね!どうやったかは教えないよーだ!」
神崎奈央………そういえばこいつからの言葉責めが一番辛かった記憶がある。甲斐達にやられた肉体的攻撃も効いたが、この精神的攻撃にはさすがに病んでいた。今も変わらずムカつく女だな。
「悠鉄がお呼びだ!来い!」
すると矢倉は巻物を広げた。広げた瞬間、魔法陣が石床に刻まれる。
「ここに入れば俺らのアジトだ。早く入れよ」
能力『観察』を使用して、安全かどうか確認をする。
ーー転移の魔法陣ーー
鈴木原甲斐を中心とする『甲斐グループ』のアジト。転移先には武装した男女が待ち構えている。
明るい雰囲気だ。
なるほど、やる気満々ってことだな。転移先は針地獄とか思ったがそうでは無いなら問題ないな。
しかしこの『明るい雰囲気だ』ってなんだ?桑名が死んだことを知れば明るいって言うよりかはどんよりした雰囲気の方が正しいと思うが。
と思いながらも魔法陣の中に入る。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「来たなクズ野郎。いまから地獄を見せてやるよ」
魔法陣で移動した瞬間、足を組んで座っていたいた悠鉄を含むメンバー4人と、一緒に転移してきた矢倉と奈央が瞬時に戦闘態勢に入る。
「いきなりかよ……」
「当たり前だろクソが。てめぇ見てえな雑魚がどうやって桑名を殺したが知らんが、そんなことより早くてめぇを切り刻んで殺してんだよ」
なるほど…拷問する予定ってことだな。
「『アイススピア』」
金川トキ!?そういえばこいつは職業『上級魔法使い』だったな!
「『バリア』」
アイススピアは優のバリアによってくじかれる。
「!?」
トキを除く5人は一瞬固まり、目が開く。
「私の魔法が防がれた?このクズに?…………なんていう屈辱ッ!!!!!『アイススピア×10』」
他5人が驚いている中、自身の自慢の魔法が昔奴隷で元の世界でも自分よりも圧倒的格下だった優に魔法を防がれたことに顔を真っ赤にしてプルプルと震え、狂うように魔法を連発する。
「嘘だろ?この程度かよ!」
「ハァハァ………なんで………このクズに魔法が当たらないのよ………」
魔力を大量に消費したトキは大量の汗を垂らし、膝に手を掛ける。
「トキだせぇな!俺と代われ!!!」
灰谷矢倉………こいつは確か職業『上級戦士』だったかな?とりあえず『バリア』を張ってみよう。
「俺を舐めんな!」
展開した『バリア』は矢倉の一振で一撃で砕かれてしまう。
「やるな……矢倉」
「はぁ?どの口が言ってんだてめぇ!お前の唯一の命綱が一撃で砕かれた気分はどうですかぁ!?」
「?」
あっ、まさかこいつら俺が『バリア』しか使えないと思ってるのか?
…………ならその設定でやってみるか!
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
ピコーン!と技を閃く無双の旅!〜クラス転移したけど、システム的に俺だけハブられてます〜
あけちともあき
ファンタジー
俺、多摩川奥野はクラスでも浮いた存在でボッチである。
クソなクラスごと異世界へ召喚されて早々に、俺だけステータス制じゃないことが発覚。
どんどん強くなる俺は、ふわっとした正義感の命じるままに世界を旅し、なんか英雄っぽいことをしていくのだ!
宝くじ当選を願って氏神様にお百度参りしていたら、異世界に行き来できるようになったので、交易してみた。
克全
ファンタジー
「アルファポリス」と「カクヨム」にも投稿しています。
2020年11月15日「カクヨム」日間異世界ファンタジーランキング91位
2020年11月20日「カクヨム」日間異世界ファンタジーランキング84位
クラス転移でハズレ職を押し付けられた『ガチャテイマー』、実は異世界最強 〜俺だけ同じ魔物を合成して超進化できる〜
蒼月浩二
ファンタジー
突然高校のクラス丸ごと異世界に召喚され、一人に一つ職業が与えられた。クラス会議の結果、旭川和也はハズレ職である『ガチャテイマー』を押し付けられてしまう。
当初は皆で協力して困難を乗り越えようとしていたクラスだったが、厳しい現実を目の当たりにすると、最弱の和也は裏切られ、捨てられてしまう。
しかし、実は最弱と思われていた『ガチャテイマー』は使役する魔物を《限界突破》することで際限なく強化することのできる最強職だった!
和也は、最強職を駆使して無限に強くなり、いずれ異世界最強に至る。
カクヨム・なろうで
クラス転移でハズレ職を押し付けられた『ガチャテイマー』、《限界突破》で異世界最強 〜★1魔物しか召喚できない無能だと思われていたが、実は俺だけ同じ魔物を合成して超進化できる〜
というタイトルで連載しているものです
クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
集団転移に巻き込まれ、クラスごと異世界へと転移することになった主人公晴人はこれといって特徴のない平均的な学生であった。
異世界の神から能力獲得について詳しく教えられる中で、晴人は自らの能力欄獲得可能欄に他人とは違う機能があることに気が付く。
そこに隠されていた能力は龍神から始まり魔神、邪神、妖精神、鍛冶神、盗神の六つの神の称号といくつかの特殊な能力。
異世界での安泰を確かなものとして受け入れ転移を待つ晴人であったが、神の能力を手に入れたことが原因なのか転移魔法の不発によりあろうことか異世界へと転生してしまうこととなる。
龍人の母親と英雄の父、これ以上ない程に恵まれた環境で新たな生を得た晴人は新たな名前をエルピスとしてこの世界を生きていくのだった。
現在設定調整中につき最新話更新遅れます2022/09/11~2022/09/17まで予定
女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております
平凡すぎる、と追放された俺。実は大量スキル獲得可のチート能力『無限変化』の使い手でした。俺が抜けてパーティが瓦解したから今更戻れ?お断りです
たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
★ファンタジーカップ参加作品です。
応援していただけたら執筆の励みになります。
《俺、貸します!》
これはパーティーを追放された男が、その実力で上り詰め、唯一無二の『レンタル冒険者』として無双を極める話である。(新形式のざまぁもあるよ)
ここから、直接ざまぁに入ります。スカッとしたい方は是非!
「君みたいな平均的な冒険者は不要だ」
この一言で、パーティーリーダーに追放を言い渡されたヨシュア。
しかしその実、彼は平均を装っていただけだった。
レベル35と見せかけているが、本当は350。
水属性魔法しか使えないと見せかけ、全属性魔法使い。
あまりに圧倒的な実力があったため、パーティーの中での力量バランスを考え、あえて影からのサポートに徹していたのだ。
それどころか攻撃力・防御力、メンバー関係の調整まで全て、彼が一手に担っていた。
リーダーのあまりに不足している実力を、ヨシュアのサポートにより埋めてきたのである。
その事実を伝えるも、リーダーには取り合ってもらえず。
あえなく、追放されてしまう。
しかし、それにより制限の消えたヨシュア。
一人で無双をしていたところ、その実力を美少女魔導士に見抜かれ、『レンタル冒険者』としてスカウトされる。
その内容は、パーティーや個人などに借りられていき、場面に応じた役割を果たすというものだった。
まさに、ヨシュアにとっての天職であった。
自分を正当に認めてくれ、力を発揮できる環境だ。
生まれつき与えられていたギフト【無限変化】による全武器、全スキルへの適性を活かして、様々な場所や状況に完璧な適応を見せるヨシュア。
目立ちたくないという思いとは裏腹に、引っ張りだこ。
元パーティーメンバーも彼のもとに帰ってきたいと言うなど、美少女たちに溺愛される。
そうしつつ、かつて前例のない、『レンタル』無双を開始するのであった。
一方、ヨシュアを追放したパーティーリーダーはと言えば、クエストの失敗、メンバーの離脱など、どんどん破滅へと追い込まれていく。
ヨシュアのスーパーサポートに頼りきっていたこと、その真の強さに気づき、戻ってこいと声をかけるが……。
そのときには、もう遅いのであった。
突然だけど、空間魔法を頼りに生き延びます
ももがぶ
ファンタジー
俺、空田広志(そらたひろし)23歳。
何故だか気が付けば、見も知らぬ世界に立っていた。
何故、そんなことが分かるかと言えば、自分の目の前には木の棒……棍棒だろうか、それを握りしめた緑色の醜悪な小人っぽい何か三体に囲まれていたからだ。
それに俺は少し前までコンビニに立ち寄っていたのだから、こんな何もない平原であるハズがない。
そして振り返ってもさっきまでいたはずのコンビニも見えないし、建物どころかアスファルトの道路も街灯も何も見えない。
見えるのは俺を取り囲む醜悪な小人三体と、遠くに森の様な木々が見えるだけだ。
「えっと、とりあえずどうにかしないと多分……死んじゃうよね。でも、どうすれば?」
にじり寄ってくる三体の何かを警戒しながら、どうにかこの場を切り抜けたいと考えるが、手元には武器になりそうな物はなく、持っているコンビニの袋の中は発泡酒三本とツナマヨと梅干しのおにぎり、後はポテサラだけだ。
「こりゃ、詰みだな」と思っていると「待てよ、ここが異世界なら……」とある期待が沸き上がる。
「何もしないよりは……」と考え「ステータス!」と呟けば、目の前に半透明のボードが現れ、そこには自分の名前と性別、年齢、HPなどが表記され、最後には『空間魔法Lv1』『次元の隙間からこぼれ落ちた者』と記載されていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる