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7話 戦闘①

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「これください」

「アイアンソードと高級回復ポーション×10だね!毎度あり」

 この街の武器屋に立ち入って悠鉄の復讐に向けての武器を調達している。お金は葵と大地に分けてもらった。あの2人は魔王討伐報酬として子爵になっているとのことでお金はたくさんあるらしい。

 魔物相手になると素手だけでは厳しい可能性もあると見て、アイアンソードなどの対魔物用装備を調達している。素材さえあれば能力『鍛冶屋』で自分で作ることは可能だが、今は良い武器が無いから作らない。

「あぁそれとこのロープをください」

「ロープ?良いのかい?何にも使えないと思うけど…………」

「良いんです。お願いします」

「分かったよ」

 店主はまるで分からないという顔をしているがこの復讐において一番大事になってくるのがこのロープだ。何に使うかは後でのお楽しみにしておこう…………

「!?」

 鍛冶屋を出た瞬間、ある同級生が一人立っていた。

(いきなりか?さすがに早すぎないか?)

「クックック!ガチで堂山じゃねぇか!?」
「うそぉ~!あのキモ男が本当に戻ってきてるなんて~!」

 そこに居たのは灰谷矢倉はいたにやぐら神崎奈央かみざきなおの2人だ。この2人は甲斐グループの一員でカップルでもある。

「なんの用?」

「クックック!とぼけんじゃねぇぜぇ?お前が桑名を殺したことは知ってんだ!!」

「………」

 あれから2時間くらいしか時間経ってないはずなのにもうバレるとは……さすがに早すぎる。これは何らかのスキルか能力を使用したな?

「ぷっ!驚いてるわね!どうやったかは教えないよーだ!」

 神崎奈央………そういえばこいつからの言葉責めが一番辛かった記憶がある。甲斐達にやられた肉体的攻撃も効いたが、この精神的攻撃にはさすがに病んでいた。今も変わらずムカつく女だな。

「悠鉄がお呼びだ!来い!」

 すると矢倉は巻物を広げた。広げた瞬間、魔法陣が石床に刻まれる。

「ここに入れば俺らのアジトだ。早く入れよ」

 能力『観察』を使用して、安全かどうか確認をする。

 ーー転移の魔法陣ーー

 鈴木原甲斐を中心とする『甲斐グループ』のアジト。転移先には武装した男女が待ち構えている。
 明るい雰囲気だ。

 なるほど、やる気満々ってことだな。転移先は針地獄とか思ったがそうでは無いなら問題ないな。
 しかしこの『明るい雰囲気だ』ってなんだ?桑名が死んだことを知れば明るいって言うよりかはどんよりした雰囲気の方が正しいと思うが。

 と思いながらも魔法陣の中に入る。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



「来たなクズ野郎。いまから地獄を見せてやるよ」

 魔法陣で移動した瞬間、足を組んで座っていたいた悠鉄を含むメンバー4人と、一緒に転移してきた矢倉と奈央が瞬時に戦闘態勢に入る。

「いきなりかよ……」

「当たり前だろクソが。てめぇ見てえな雑魚がどうやって桑名を殺したが知らんが、そんなことより早くてめぇを切り刻んで殺してんだよ」

 なるほど…拷問する予定ってことだな。

「『アイススピア』」

 金川トキかねがわトキ!?そういえばこいつは職業『上級魔法使い』だったな!

「『バリア』」

 アイススピアは優のバリアによってくじかれる。

「!?」

 トキを除く5人は一瞬固まり、目が開く。

「私の魔法が防がれた?このクズに?…………なんていう屈辱ッ!!!!!『アイススピア×10』」

 他5人が驚いている中、自身の自慢の魔法が昔奴隷で元の世界でも自分よりも圧倒的格下だった優に魔法を防がれたことに顔を真っ赤にしてプルプルと震え、狂うように魔法を連発する。

「嘘だろ?この程度かよ!」

「ハァハァ………なんで………このクズに魔法が当たらないのよ………」

 魔力を大量に消費したトキは大量の汗を垂らし、膝に手を掛ける。

「トキだせぇな!俺と代われ!!!」

 灰谷矢倉………こいつは確か職業『上級戦士』だったかな?とりあえず『バリア』を張ってみよう。

「俺を舐めんな!」

 展開した『バリア』は矢倉の一振で一撃で砕かれてしまう。

「やるな……矢倉」

「はぁ?どの口が言ってんだてめぇ!お前の唯一の命綱が一撃で砕かれた気分はどうですかぁ!?」

「?」

 あっ、まさかこいつら俺が『バリア』しか使えないと思ってるのか?
 …………ならその設定でやってみるか!
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