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二十話 クライマックス

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「嬉しいぜ……初めて、120%の力を出すことができたぜ………お前もそうだろう?ハルトよ」

「あはは…戦闘狂と一緒にされたくないな」

 互いに口元に僅かな微笑みを浮かべ、お高いの持つ最強最高の力を振り絞り自分の持つ最強の魔法を発動させる。

「デミゴットツイン!」

「『超』」

 ヒーカのオーラがヒーカの合図によって黄金と闇色のオーラが一箇所に集まり、ハルトに向かって高速回転して放たれる。
 そして向かい打つハルトは特魔法の能力の最強能力の『超』を発動させる。『超』は気圧を変化させることができる。今回変化させたのは『サイコキネシス』
 ヒーカの魔法『デミゴットツイン』を操作して跳ね返そうとする。

「ぐっ!!!重すぎる………………!」

「嫌な予感がする…もっと出力を!」

 ヒーカは跳ね返されると本能で感じ取り、『デミゴットツイン』に更なる魔力を注ぎ込み、威力を上げようとする。

「ヒーカ!ヒーカ!ヒーカ!」

「ハルト!ハルト!ハルト!」

 観客の声援はクライマックスに達し、どちらの応援にも回る。もはやヒーカへの妬みはもう無いだろう。

「しまっ…!」

 ハルトの魔法が『デミゴットツイン』を跳ね返す。

「よっ………ぐはッ!」

 跳ね返したが、ハルトも全身全霊で代償が特に強い『超』を使ったため、傷口がさらに開き、口から血を吐いて倒れる。
 一方でヒーカも跳ね返ってきた『デミゴットツイン』を避ける力も無く、モロに食らって倒れる。

「な、な、なんと!ヒーカ様、ハルト生徒!!!両者共倒れー!!!これは、先に立ち上がった方が勝ちになりそうだぁー!!!」

 (くそ…体が動かねぇ!視界が……)

 (痛たた……さすがに今回はやばいかな)

「立てー!ヒーカ!!!!」

「振り絞れ!ハルト!!!!」

 「ヒーカ様!!!お立ちください!!!私共はヒーカ様の負けなど見たくはございませぬ!」

「ハルト様ー!!こんなとこで躓いていてはいけないですよ!私達の目的をお忘れですか!?」

 (ハッ!)

 「おぉおーーと!!!ここでついに立ち上がった!勝ったのは………ハルト生徒!!」

「ワァーーーーーーー!!!」

 「はは…良かった……もう動けないや…」

「強かったぞ…ハルト。ありがとう!お前がNo.1だ!」

「ヒーカも強かった…いや、強過ぎたよ!けど、最後は僅かな差が出たね。あれが無かったら僕は立てなかった」

「あぁ………だな」

「うん」

 そしてヒーカは自分の入場門に向かってフラフラしながら歩き、観客の大きな拍手と共にこの場を退場した。

 (目的か……クックック…そういや俺にはなかったことだな…何かを目指すから頑張れる、力が出せる……その差が最後、俺が立てなくてあいつが立ったんだな……)

「ヒーカ様!!」

「おう。悪いな負けちまった」

「いえ!私共はとても感激致しました!これからも一生ついて行きます!」

 ヒーカの執事とメイドは一人も欠けることなく、ヒーカに一生仕えたという……………………
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