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9話 力

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「ビニールは、計画に成功した。もう俺はお前らとは一緒に居ることはできない、この世界の支配者になるのだと言って姿を消したわ」

世界の支配者だと?ビニールがそんな行動を取る訳無いと思うが…
前世でのビニールはそんな目立った行動を取るのが嫌いだったはずだ。
そして、計画か…

「そして、ビニールはもう変わり果ていたわ。百年前と同じって考えない方がいいわよ」

「変わり果ていた?」

「えぇ…喋り方も支配者って感じだったし、風格も鬼の様だったって言うか…」

「なるほど…言いたいことは分かる」

「ってことは昔の仲間はバラバラになっているってことか?」

「いえ、ポテスターもスピは仲間らしいわ」

そうか…同じ幹部同士だもんな
ライトとビニールは国側では無く、悪の組織に進んだのかもな
そして、サナーレは以前と同じか

「国もそうだが、色々大変になってきたな…早くこの弱い体から抜け出したい」

「それなら、いい提案があるわ」

「何だ?」

「あなた、この前ポテスター戦の後に体が大きく変わっていたわよね?」

あの時か…確かに前世の体の一部が戻った
けれど、一歩違えば死んでいたかもしれない

「私は前世の力を取り戻すにはピンチになることだと思うの」

「あぁ…俺もそう思っている」

「だから、あなたが前世でクリアした中で一番難しかったダンジョンに行けば戻るんじゃないかなって」

ふむ…確かに、それなら戻るかもしれないって危険すぎるだろ!!
けれど、一番手っ取り早いのはこの方法かも知れないな

「うん…それが一番かもな!そうしよう」

サナーレがニコッと笑う

「なら、早速行きましょうか!」

俺の前世で一番難しかったのは一択でこれだ!ってのがある
それは神話のダンジョンってところだ
あのダンジョンはやばすぎて1Fをクリアしたらすぐに帰還してしまった
ちなみに全部で10Fある

ーー神話のダンジョンーー

「着いたわね。これをあなたは1人でクリアしたの…?」

「クリアって言っても1Fだけだかな、しかし何度見ても震えるぜ」

神話のダンジョンは他のダンジョンと違って神々しいオーラを放っている
そのオーラによって体は本能的に怯えるんだろうな

「私も百年前よりかなり強くなっている、だから少しは善戦できると思うわ」

「あの頃から鍛錬は欠かさずやったんだな?凄いな…」

「えぇ…国は腐っているから少しでも対抗するためにね」

俺達は扉を開ける

扉を開けた瞬間、ものすごく強い風が俺達を襲う

「…扉を開けただけでこの迫力か!やっぱり恐ろしいぜ」

俺達はダンジョンの中に入ると、扉は自然と閉まった
その瞬間、急に魔物に襲われる

「やばっ…」

一撃で俺は吹っ飛ばされ、壁に衝突する

すると…

「うっ!」

「大丈夫!?」

俺の体が熱くなる

これは血か?いや違う…これは覚醒した時と同じ感覚だ!

「おぉ…10歳の体とは思えないわ」

俺は身長が高くなり、筋肉も増えた

「オラァ!」

俺は攻撃してきた、巨大なネズミの魔物を殴り返した

すると一撃で吹っ飛び、ネズミの魔物は動かなくなった

「体が戻ったのね!」

サナーレは嬉しそうに俺に駆け寄る

なるほど…今の体では勝てない相手に攻撃されると、その魔物に勝てるだけの力がつくってことか
前世の力にはまだまだ及ばないな
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みんなの感想(1件)

スパークノークス

おもしろい!
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黒猫
2021.09.13 黒猫

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解除

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