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第一章 美少女現る!?
朱莉
しおりを挟む朱莉side
私の名前は朱莉。
橘 朱莉。
住んでるところは東京都〇〇〇✕✕ー✕。職場は最近有名になってきた▷▶︎▷ホテルで、私はそのホテルのレストランで働く調理スタッフだ。趣味はお菓子作りとゲーム。推しは色素薄い系の細マッチョイケメン!!
オタクやってる19歳!!
高校が調理師高等専門学校で卒業して何とか就職できた!(専門学校がどうとかあんまり知らないのでテキトーですゴメンなさい。By作者)
…うん。自分のことを語ってみたはいいんだけど(もちろん心の中でだよ!?)…。
…ココ、どこ?
辺りには緑の一面の草原。後ろには森。見たことの無い木が鬱蒼としている。
ちょっと遠くには木や赤茶のレンガなどでできた、ファンタジー世界にありげな感じの建物。
うん。ドコ?
こんな場所来た覚えもないし、日本でこんな景色のとこ知らないし…。
…誘拐?
……いやいやいや、自他ともに認めるごくごく普通な顔面偏差値の私を?誘拐する人なんている?
わざわざ誘拐して何もせずにこんな原っぱに放置する?
・・・もしや異世界転移?
いやいや…そんなはず…ない…よね?(フラグ)
…
建物の方へ行ってみよう。まず。うん。
そうしよう。
そうして私はとある街、シルスの街へと足を踏み入れた。
▔▔▔▔▔▔▔▔▔▔▔
門番side
俺はシルスの街に務める門番だ。
いつも通りに門番やって、街に入る人や出ていく人の通行証だとかを確認して、お昼すぎ、眠くなってくる頃だなぁ…。この時間帯ほとんど人来ないから眠くなるんだよなぁ…。と思いつつぼーっとしてたんだ。
そしたら、見慣れない綺麗な服を着たものすっごい美少女が来たんだよ!
あ~…。あの時はびっくりしたなぁ。
……………………
門番「…(´-ω-`)))コックリコックリ」
朱「あの…!」
門番「はっ!んん“…っ!け、決して寝てたわけでは!!」
そうだ、決して、居眠りしてたわけじゃないんだからな!
ところで俺を起こしたのは…?
朱「え、えと…」
門番「…(゚д゚)」
ものすっごい美少女だった。
え、どうしてこんな田舎に?こんな美少女が?
え?え?…えー?
朱「?あ、あの~」
門番「はっ!あ、えと失礼しました。で、えと~、あ、そうだ、通行証、持ってますか?身分証とか」
朱「通行証…?身分証…は、(そういえば私の荷物っ!家に帰る途中だったよね?近くにはなかったし…というか何も考えずに来たけど、お金とか、ないしどうしよう~💦)」
わたわたしてるな。
見たところ荷物も持ってないみたいだし…
朱「あ、えと…そのー。き、気がついたら向こうの森の前にいて、何も分からないんです。荷物とかも無くて…っ!そのっ!」
気がついたら?森の前に?ふむ…。盗賊とか?嫌でも、こんな美少女をほっぽって荷物だけ盗ってくか?普通。
うーん…荷物ないとか言ってたな…。
お金は…持ってるか…?
門番「えーと…身分証など、持ってないならお金は持ってます?銅貨3枚払えば街の中に入れますけど…」
朱「銅貨…。(( )))))ゴソゴソ)」
ない…みたいだな。
どうしよう…。他のやつなら追い返すんだが、さすがにこの子を追い返すのはなぁ。盗賊やら人攫いやらに襲って下さいと言うようなものだしなぁ…
朱「(どうしよう…(´;ω;`)お金なんて持ってないし…。このまま野宿!?どうしよう…)お金は…持ってないです…」
門番「ゔ~ん…」
どうしよう…俺の自腹で通行料払うか?でも、街の中入れても金なしじゃなぁ。
?「よう、門番の兄チャン、どうかしたのかい?」
そう、門番が頭を悩ませている時、大柄の女性が草?が沢山入った籠を背負ってやってきた。
門番「あっ!メルバさん!」
メルバさんだ!
あ、
先程の大柄の女性ことメルバさんは、このシルスの街で宿屋をやっている女将だ。
どんな屈強な冒険者でも、不届き者がいたら叩き潰せるような強い女性だ。
そういえば昼頃洗濯とか料理とかに使える薬草を採りに外へ出かけていたな…。
はっ!この子、
メルバさんに頼めばいいんじゃないか?
人手が欲しいとか言ってたし!
……
メルバ「?なんだい、そんな見つめてきて…と、あんた、見ない服を着てるね」
門番「あ、あの!メルバさん!その、実はですね!」
メルバ「?」
門番「…ゴニョゴニョゴニョ」
そうしてメルバさんへと事情を説明した。
メルバ「ふん…なるほどねぇ…。」
そう言ってメルバさんは美少女をしげしげと眺める。
メルバ「あんた、名前は?」
朱莉「へ?あ、朱莉です!」
メルバ「ふーん…。よし、アカリ、あたしはメルバ、コノハノ亭っつー宿屋をやってる。あんた、行くとこがないならウチに来るかい?」
朱莉「ふぇっ!い、いいんですか!?」
メルバ「ウチに来るならビシバシ働いて貰うけどね。」
朱莉「は、はい!よろしくお願いします!」
メルバ「ところで、アンタ…」
朱莉「はい!」
メルバ「貴族で家出してきた…とか、そういう訳ではないんだよな。」
朱莉「?…はい」
メルバ「ふむ…まぁ、いいか。アカリ、ウチで働くなら遠慮なくキリキリ働いて貰うからね。覚悟しな!」
朱莉「は、はいっ!これでも料理には自信があるので!頑張ります!」
こうして私は、コノハノ亭で働くことになったのです…
ーーーーーーーーーーー
???side
ザワザワ…
華やかなドレスを着た令嬢たち。
煌々と光るシャンデリアに照らされ、キラキラと輝くグラス。
様々な会話が飛び交い、嘘に塗れた笑みが溢れ、にぎやかなホール。
そんなパーティ会場から逃げ出すように早々と去っていく幼馴染を見つけ、ドレスの海からそっと抜け出す。
月明かりに照らされた白亜の宮殿からまるで自分が罪人であるかのように去っていくアイツを追いかける。
「おい!待てって」
「…戻らなくていいのか?お前を待っている者達は沢山、」
「そんな奴らどうでもいい」
「…俺に気を遣わなくていい」
「気を遣ったことなどないから安心しろ」
コイツはそんな俺の言葉に顔を顰めた。
「…お前が優しいのは充分わかっている。俺なんかといたらお前まで悪く言われてしまう」
「そうなっていたら今日も令嬢達に囲まれることはなかったな」
本当は、俺がこうしてコイツと関わらない方が、コイツのためになることはずっと前から理解していた。
俺がコイツに関わるたび、勝手に俺の評価が上がり、コイツが下げられる。
理解って、いる。
でも俺は…
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