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未来の息子がやってきた!?
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しおりを挟む「…エイデン様…。」
ソフィアと額を合わせて悔しそうに、寂しそうに呟く『俺』の背後から執事長のレイモンが声をかけた。
「…出来るだけ早く窓を直して屋敷の中を元通りにしてくれ。…ソフィアに気づかれる前に。」
「かしこまりました。…奥様は…、」
「俺が部屋に運ぶ。…パトリックはまだ塔に居るな?…しばらく帰ってくるなって伝えろ。」
「はい。御意に。」
『俺』はソフィアを抱いて南側の一番日当たりの良い部屋へと移動する。パトリックが以前「ここがママの部屋」だと言っていた現当主の部屋だ。部屋へ入ると花の様なコロンの様な、とりあえず爽やかだけど甘いいい匂いが香った。
ソフィアをベッドへ横にすると『俺』はその横で項垂れる。
「……ごめん…。…おまえを手放すことだけは出来ないんだよソフィア…。………愛してるんだ…。…ごめんな、ソフィア…。…ごめん…。」
その何とも弱弱しい声に、我ながら情けなく思うが、以前パトリックが『俺』は『ソフィア』に好きだと言わないと言っていた発言を思い出し、本人が起きてるときに言えよと思ってしまった。
(――…滅茶苦茶ソフィアのこと好きじゃん…、『俺』…。)
なぜこのような状況になってしまったのかが分からない。それにソフィアの言っていた発言も気になる。
先ほどのソフィアが発した言葉を頭の中で反芻していると、ソフィアの顔を眺めていた『俺』はフラッと立ち上がり部屋から出て行った。
(…おいおい。目が覚めるまでいないのかよ…。)
俺は先ほど『俺』が居た場所まで移動し、大人になったソフィアを眺める。綺麗な桃色の髪もぷっくりとした血色のいい唇も変わらっておらず相も変わらず美しい。その瞳に涙の跡があり、ソフィアを泣かした『俺』に苛立ちを覚える。
(何やってんだよ。結婚までしといて…。)
だが、自身もソフィアの背中に癒えない傷痕を残してしまったものだから強くは怒れない。
俺はソフィアから離れて部屋を観察する。ソフィアらしいシフォングリーンがメインの明るい部屋だ。いたるところに花が添えられ書架には本が多く敷き詰められている。
(…ソフィアって本好きだっけ…?)
本のタイトルを見るに娯楽本だ。勤勉なソフィアがいつも食い入るように眺めていた魔導書は数冊しかない。その数冊のみがヘタレて古びているのだが。
(…?)
1冊だけタイトルのない本を見つけた。気になり手にとってみるとソフィアの文字が浮かびだす。
(…日記か…?)
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