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第3章 謎の味方

猫少女がパーティーに加わった!

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  マタはネムの肩の上に乗りながら毛繕いをしている。
「どうしてそんなことを聞くんだ?」

「マタちゃんは高位の猫神様なので、生半可な呪力や魔力、霊力を持った人だと見えないんですにゃ。だから、私がマタちゃんと話していても、他の人からは虚空に話しかける危ない人だと思われるんですにゃ」
 確かに、この黒猫が見えなければ虚空に話しかける危ない少女だもんな。
 「それは、なんというか。大変だな」
 「そうなんですにゃ!!この前パーティーを組ん男の人たちなんて、お前、気持ち悪いわとか言ってこんなところにおいていくんですよ!?」
 「それは、ひどいな」
  居ると言われても信じられないよな、他のやつらはマタは見えないから。
 割と人って見えないものを信用しないからな。
 「そうなんですよ!?その前に組んでいたパーティーも…………」

 その後もネムの苦労話は続き、それを聞いていたらいつの間にか夜になってしまっていた。

 「ふぅー、すみませんにゃ、カヤトさん。話し出したら止まらなくなってしまいましたにゃ」

「いや、別にいいさ……たまには不満を吐き出さないと病んでしまうからな」

「ありがとうございますにゃ!!」

 不平不満を吐き出してスッキリしたのか、ネムはとても可愛らしい笑顔を見せた。

 「ところでどうしますにゃ?」

「どうするってなにがだ?」
  
「もう夜ですけど」

 「そういうことか、一応、テントセットを持ってきているから俺は大丈夫だ。お前はどうなんだ?」

 「あの、その、私、野宿道具を前の拠点に忘れてしまいまして……」

「つまり、野宿できる道具がないと」

「はいにゃ」

 「わかったよ、それじゃ、俺のを貸してやるから、焚き火をするために必要な乾燥した小枝を集めてきてくれないか?」
 
 「ありがとうにゃ!!感謝するにゃ!!それじゃ、行ってくるにゃ!!」

 「行ってこい」
 ネムを見送り、俺はリュックから野宿道具を取り出す。

 「それにしても、お前はついていかなくてもよかったのか?猫又」
 
 「失礼じゃのう。大丈夫じゃ、あの子は、儂がついていなくても、大抵のモンスターは倒せる」

 野宿の準備をしている、俺の肩に乗っている猫又に話しかける。

 「ネムはそんなに強いのか?」

 「当たり前じゃ、儂の加護が付いていることを抜いてもあの子は相当の手練れじゃぞ」
 
 「そうなのか、俺にはただ単に可愛らしい猫耳少女にしか見えなかったがな…………」

 お前様の目は節穴かの?

「黒、うるさい」

事実をいっておるだけじゃ

「誰の事実だって?」

お前様のじゃよ

 「ひどいな」
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