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序章

トイレに別れを……

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 ~~西城視点~~
────────────────────────────────────────────────────
「あれ、カヤトはまだう○こ中なのか?」

 俺は気になりAIに話しかける。

 《はい、そうです。西城様》 

 俺の質問に対してAIは淡々といかにも機械といった感じで答えて来る。
 その結果わかったことは、どうやらまだカヤトはう○こ中らしいと言うことだ。

 毎回のことながらカヤトのトイレ時間は長いな。
 カヤトは一体トイレで何をしているんだか。

「そうなのか、ありがとう。俺は先に教室に行っているとカヤトに伝言を頼む」

 《承知致しました、西城様。カヤト様への伝言をお預かり致しました》

「ああ、頼む」

 そうして俺は、トイレを出て教室へ向かうのであった。

────────────────────────────────────────────────────

 《……と言う言伝てを預かりましたよ》

「西城に対しては敬語なのに、なぜ俺の時はそんな言葉遣いなんだ?」

 《はい、カヤト様のことは馬鹿で低俗な童貞野郎だと思っておりますので、敬語を使う必要もないかと考えます》

「おい、それは言いすぎだ。俺は童貞ではない」

 《嘘ですね、カヤト様は現在進行形で彼女が出来たことがないはずです》

「即答かよ!?てか、なんでわかるんだよ」

 《はい、カヤト様の周辺情報な常に調べておりますので、ご安心ください。この前は、近くのコンビニでチョコチョコットを買いましたね?》

「なぜそれを」
 このAI怖すぎる。
 そのうち俺のスマホとかの画面に普通に出てきそうだな。

 《そうですか、まあどうでも良いことですね》

「そうだな──いや!どうでもよくないからね!?」

 まったく困ったものだな。
 俺にプライバシーというものはないのか。
 

「それじゃ、俺もそろそろ行くわ」

 カヤトはそそくさとトイレットペーパーでお尻を拭き、このこわいAIのいるトイレから逃げる準備をする。

 《そうですか、ではまた会いましょうカヤト……》

「ああ、断る。じゃあな!」

 《……ゆる……し……》

 俺はAIに対して、断りの言葉を言ってすぐに逃げた。
 何か言っていたような気がするがとりあえず気にせずに逃げる。

 まさに、脱兎の如く教室へ……
 翌日トイレに行ったらなぜか不気味な音楽を流された。
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