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のぞのぞ救出作戦

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ーーー
「ひひひ頑固な女めお前も妖術の使い手であろう!何か吐かぬか?」
「わ、私は何も知りません!!」

ドカンドカンドカン!!
反論するカガリに容赦ない対応をする侍達。

「そこまでにしないかっ!」
「お前はすっこんでいろ!!」

跳ね除けられる理雄助。
その時長光が光り出した。

『理雄助、儂を使え!』
「わかりました!」

ビーーーーン!!!
理雄が一閃した途端カガリを拷問していた二人は気を失う。

「り、りおりおなんて事してくれるんだ!!?」
それは数人の侍に見つかってしまう。

彼は剣の名手で手放す事が出来ない人材として捕まる事は無かったが武器である長光は奪われてしまった。

長光は倉庫に封印され理雄助は普通の刀を使わされた。

もっとも、普通の刀でも一騎当千の実力を持つ彼はのぞのぞを取り囲んでいた妖怪共を一網打尽にし、犠牲になった兵を介抱するなど大いなる活躍を見せたが。

ーーー

忍び込む金助と理雄助。
手法を用いて様子を見るが、当然の如く兵が見張りをしていた。
そしてそして、厳重に扉は閉ざされている。

「見張りをしている兵を何とか出来れば良いのじゃが…」
『それなら任せてください!』
ボボンッ!
金助は薄手の羽衣を着た美女に変身する。
胸とか素足とか下手したら下が見えてしまうくらいのセクシーダイナマイトだ。

理雄助は「ああなんて格好を…」と鼻血を出して困惑していた。

「見てみて私をー♪」
美女に変身した金助はひらひら踊りながら侍達を誘惑する。

「お姉さーん♪」
兵士達は美女金助に夢中になって追いかけて行った。

そしてそして、ついに長光を手に入れる事が出来た。

「待たせたな長光!」
『遅いぞこのヤロー!女を助けに行くぞ!!』

そしてそして、長光を腰にかけてのぞのぞを救出しに向かう理雄助。

ーーー
バアアアアアアン!!!

のぞのぞは十字に吊し上げられ、多くの侍が今まさに弓を弾こうとしていた。

一番近く、高い所に殿様がいて、美女が取り囲んで酒やら何やらを勧める。

「クックックこういうのは至高の楽しみよのうそうは思わないかね?」
「とっても素敵ですわ殿様♪」

理不尽な事にこう言うのを平然とやっていける野蛮人が出世してしまう中世の世界。

のぞのぞは現代と中世を行き来した事になるが改めてある事を思い知ってしまった。

「結局のぞのぞの居場所は何処にも無いんのぞね…」

『そんな事ない!!』
すると何者かの声が響いた。

(誰の声?理雄君!?)
のぞのぞは辺りを見渡した。

しかし理雄らしい人影は何処にも見当たらない。

野次馬や見物人のはやし立てる声やその様子、向かい側には侍達が弓の手入れしていたり構えの練習している姿。
そして特別席には殿様がのぞのぞを視閲の的にして美女と寛いでいる姿。

この場ではわかりきっていた。
のぞのぞは独りである事に。

(みんなに…みんなに会いたいよ…真奈ちゃん…カガリちゃん…)

のぞのぞの目からボロボロと涙が溢れた。
そしてそして、公開処刑の時刻は既に目前に来ていた。

ーーー
「妖術使いはこの世界に妖怪を沢山生み出してしまった!だから奴らは抹殺しないといけない!そして、この少女も容疑者として捕らえた、よって公開処刑を執り行う!!」

「ブォ~ブォ~ブォ~♪」
侍達が法螺貝で処刑の合図を鳴らす。

そしてガシャリガシャリと甲冑を纏った侍達が弓を弾き射撃の用意をする。

「撃てっ!!!」
そしてそして、ついに矢が射られる。
ヒュンヒュンヒュン!!!
無数の矢がこちらに向かって飛んでくる。

(私はもう終わりだ………!)
のぞのぞは目を瞑った。

そんな時、のぞのぞのすぐ前に若き侍が割って入り、刀を抜いて無数の矢を次々と弾き返す。

(わ…私は生きてるの…?)
いつまでも痛みが来ない事に戸惑うのぞのぞ。

その時「大丈夫か?」と男の声がした。
恐る恐る目を開けるのぞのぞ。

「りおりお…君?」
のぞのぞは何が起きたと言わんばかりにりおりおを見た。

「理雄助!何の真似じゃあぁ!!!」
殿様が怒りを露わにする。

「聖夜公将軍《せいやこうしょうぐん》!この少女は妖術使いでも何でもありません!この少女も、今捕らえている少女も見逃してあげてください!!!」
理雄助はそう向かい出た。

(別に捕らえられている女の子って…)
のぞのぞは気になった。
会えるものなら会ってみたい。

「何を生意気な!あの時もお前を見逃してあげたと言うのに恩を仇で返す気か!!!」

理雄助は返答に困る。
「いえ私はこの少女とかの少女を処す前に引き合わせどうございます!!!」

その時何故か理雄助からそう言葉が放たれた。

(どうした?儂は何も言ってないのに…!)
『ここは僕に任せてください!』
そんな時金助の声がした。
「金助!?」

殿様と金助は議論を展開させた。
その結果何とか殿様を納得させ、のぞのぞはカガリの捕らえられている牢屋に押し込まれる事になった。

ーーーとその前に。

のぞのぞは一連の事があってか、歩く事もままならない状態だった。

(吊し上げられたり…色んな事があったせいで上手く歩けない…でも今りおりお君に支えて貰えている…幸せ♪)

のぞのぞは理雄によく似た侍、理雄助を彼と混同し、彼に支えられて歩いている事に惚けていた。

一方理雄助はのぞのぞから解放されたくて仕方がなかった。

そしてそして「はぁ~理雄くぅん♪」と甘える声がのぞのぞからした途端、ゾクゾクッと悪寒が走るのだった。

「えぇい馴れ馴れしい!!」
理雄助はのぞのぞを突き飛ばしてしまう。
(あ、しまった…)と一瞬思った理雄助だったが…。

「あへぇ~この態度いつもの理雄君だぁ♪」
とのぞのぞは惚けまくっていた。

(いつもの理雄君そのものでもあるんだけど…こうでもしないと自分の身が危ういんのぞね?わかっているのぞ♪)
とのぞのぞは思っていた。

内心、(この女は何とかならぬものか)と思っていた理雄助。

「それよりお主は少しばかり臭う、今から湯殿《ゆどの》(現在の風呂)に行って女中に洗ってもらう、お主を連れているうちに臭いを伝染されては困るのでな!」
ぶっきらぼうに言い放ち理雄助は女中に暫しの間預ける。

確かに、のぞのぞは捕らえられてから散々辱められた為、臭いがつかないのが不思議だった。
ぞんざいな扱いだった為湯殿にも行かせてもらえていない。

「しっかり洗ってやってくれ!」
「お任せください♪」

理雄助に対し恭しく返す女中達。
(理雄君…やっぱり優しい…♪)
とのぞのぞはずっとニコニコが止まらなかった。

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