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第19章:温泉宿

第3話:宿の改装

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「ここ掘れワンワンッス!」

「白銀の獣皇様……。いくらなんでもうちの安宿の庭に温泉が……って、出たぁぁぁ!?」


 エクレア=シューがデーブ=オクボーンと共に戦利品を泊っている宿屋に運んできて、温泉の話を皆に言う。しかし、エクレア=シューがわくわくと喜びに満ちた表情を浮かべつつ、熱弁を繰り広げようが、マリア=アコナイトを初め、先に宿屋に到着していた面々は一様に暗い顔をしていた。

 それほどまでに、今のレオナルト=ヴィッダーを余所に運ぶのは危険な状態であったからだ。彼の身体の表面にはうっすらと黒いオーラが漂っている。どう考えても普通の状態ではなかったのだ。それゆえに、紅玉眼の蒼き竜ルビーアイズ・ブルードラゴンとの激闘を生き残ったリリベル=ユーリィたちですら、レオナルト=ヴィッダーから無理やり性搾取していない。

 そんな暗い表情をする面々に向かって、俺っちに任せろワンッスと吼えたのが、白銀の獣皇ことシロちゃんであった。彼が言うには、大地の守護者である自分が地脈と、そこに流れる水脈を操作出来て当然だと。そして、このぼろっちい宿屋の庭に温泉を沸き出させてやるッス! と豪語したのである。

 訝し気な表情を浮かべる面々を放っておいて、シロちゃんは宿屋の女将を連れて、どの辺に温泉が湧いてくれたら嬉しいッスか? と問う。そして、女将がじゃあ、庭の池に流れ込む感じでこの辺りからと言うと、シロちゃんが硬い地面をガリガリと犬のように軽く掘ったのだ。

 そして、その小さな穴に向かって、宿屋の女将がくわの先端を突き立てると、なんとなんと、そこから暖かい濁り湯が噴き出したのである。

「あんりまあぁぁぁ!? うちが温泉宿になっちまったよ。ありがとうございます、白銀の獣皇様ぁぁぁ!!」

「そんな長ったらしい名前で呼ばなくて良いッス。おれっちのことは『シロちゃん』とフレンドリーに呼んでもらえば良いッス」

 シロちゃんはそう言うが、宿屋の女将はミシガン王国の田舎生まれの田舎育ちのドワーフだ。天界の神と等しい存在と先祖代々から教え込まれている宿屋の女将であるオレンジ=フォゲットが白銀の獣皇様と呼んでも、シロちゃんとは決して呼ぶことは出来ずじまいであった。シロちゃんはやれやれッス……と嘆息した後、宿屋の御主人と女将に急いで、温泉宿へと改築してもらうように頼む。

 宿屋の御主人と女将は、今の潰れたSM専用愛し合う宿アイラブユー・ホテルを安宿に改装しただけの何の取り柄も無い安宿が温泉宿に変われば、がっぽがっぽと客がやってきてくれるのは眼に見えていた。それゆえに、白銀の獣皇の要望通りに大工をすぐさま手配し、紅玉眼の蒼き竜ルビーアイズ・ブルードラゴンがミシガン王国から去ってから三日後には、ちょうど良い湯加減を楽しめる温泉に入れるように宿屋は生まれ変わることとなる。

 しかしながら、宿屋の増改築はまだまだ時間がかかるのは当然であり、他の客が生まれ変わった温泉宿に殺到する前に、レオナルト=ヴィッダーたちが、出来上がったばかりの温泉を真っ先に楽しむことになる。

「あ~。極楽極楽。もともと庭なだけはあって、風情を感じるなあ」

「そうですねェ。でも、宿屋の御主人様は大理石を敷き詰めて、大浴場っぽくするつもりらしいですよォ?」

「それはもったいない気がするわね。このまま、元が庭だったことを残しておいたほうが良いと思うけど」

「あたしもそっちのほうが良いと思います~~~。ニンゲン、欲をかくと、あとあと痛い眼を見ますから~~~~」

 レオナルト=ヴィッダーがおちんこさんをタオルで隠そうともせずに、濁り湯の湯舟の中で足と手を投げ出し、首までずっぽりと湯に浸かっていた。そして、リリベル=ユーリィはそんなレオナルト=ヴィッダーの横で正座から足を崩した格好で湯舟の中で座っている。そして、右手でレオナルト=ヴィッダーの竿を軽く握るのも忘れずにだ。

 クルス=サンティーモはそんなリリベル=ユーリィの先駆けに気づかぬままに、洗い場でごしごしと頭を洗っていた。紅玉眼の蒼き竜ルビーアイズ・ブルードラゴンの冷気に晒されたことで、蒼髪オカッパの毛が痛んでいた。そのために、蒼髪オカッパが元の色艶に戻るのを願いつつ、丁寧に蒼髪に温泉の湯を染み込ませていたのである。

 エクレア=シューはレオナルト=ヴィッダーを間に挟み、リリベル=ユーリィとは反対側の位置で湯舟に浸かっていた。リリベル=ユーリィがレオナルト=ヴィッダーの竿を独占しているのは見ればわかるので、エクレア=シューはレオナルト=ヴィッダーの右手を両手で掴み、さらには実りかけのスイカの間に挟み込んでいた。

 レオナルト=ヴィッダーは今の状況を楽しまなければ損だと言わしめんばかりに、おちんこさんに呪力ちからを徐々に注ぎ込んでいた。レオナルト=ヴィッダーのおちんこさんが硬くなるほど、リリベル=ユーリィはレオナルト=ヴィッダーの顔から視線を背ける。しかしながら、彼女は湯で温まった以上に頬に赤さを宿しているが、決して、右手はレオナルト=ヴィッダーのおちんこさんから離れることはない。

 リリベル=ユーリィは湯の中でレオナルト=ヴィッダーのおちんこさんの尿道口を細い指で刺激する。いくら濁り湯の中であろうが、レオナルト=ヴィッダーのおちんこさんの先端からヌルっとした先走りスペル魔がとどめなく出ていることを感じることが出来た。


「レオン様の右手がボロボロです~~~。湯が沁みて、痛みを感じたりしませんか~~~?」

「んん? ああ、エクレアのおっぱいが柔らかくて、痛みがどこかに飛んじまってるな。ありがとうな、エクレア」

 エクレア=シューは良い雰囲気を徐々に作り出していたリリベル=ユーリィとレオナルト=ヴィッダーの邪魔をするべく、中に割って入る。焼きマシュマロよりも柔らかなおっぱいでレオナルト=ヴィッダーの右手の先から腕先までを包み込むことで、レオナルト=ヴィッダーがおちんこさんに意識を集中しすぎないようにしたのである。

 レオナルト=ヴィッダーの意識をエクレア=シューにもっていかれたことで、リリベル=ユーリィはむぅぅぅ~~~! とほっぺたを可愛らしく膨らませる。しかし、その表情をエクレア=シューに見られたことは失敗であった。エクレア=シューは女狐らしさをいっぱいに顔の表情として露わにしたのである。

「リリベル様~~~。そんなにほっぺたをふくらませてどうしたんです~~~? 何か不都合なことでもありました~~~?」

 エクレア=シューは止せば良いのに、リリベル=ユーリィを挑発してみせる。リリベル=ユーリィはますますほっぺたを膨らませて、何かを言わんという顔つきになっていく。その膨れたほっぺたが破裂する前に動いたのがレオナルト=ヴィッダーであった。

「リリベル。エクレア。喧嘩するんじゃねえ。あとでたっぷり可愛がってやるから、今は湯の気持ち良さを味わさせてくれ。リリベル、俺はお前を世界で2番目に愛しているから安心しろ」

 レオナルト=ヴィッダーは空いている左手でリリベル=ユーリィの紫金剛石パープル・ダイヤに光る髪の毛の頂点の周りを優しく撫でる。その途端、リリベル=ユーリィの顔は破顔し、彼女のほっぺたはユルユルになっていく……。
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