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第3章:石造りの楽園

第6話:ポークビッツ

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 フローラ=クレープスにどうにか機嫌を直してもらえたフィルフェン=クレープスはその後、妹のご希望通りに妹専用の抱き枕と化す。一度、フィルフェン=クレープスの手により破壊された避妊魔術が再び発動するまでの間だと言われていたが、なかなかなにそれが為されることはなかった。

 城の外では段々と陽が落ちて行き、ふたりで過ごせる時間が終わりを告げようとしていることが眼に見えてわかる。今は冬真っただ中の1月中頃である。先ほど昼を回ったばかりだと思っていたのに、太陽は既に地平線の向こうへと帰る準備をし始めていた。次に妹と裸の付き合いが出来るのは未定である。だからこそ、せめてもう1発くらいは妹の膣内に発射したくてたまらない兄であった。

 そんな兄の焦る表情を見ていて、おかしく思ったのか、妹はくすくすと笑い

詠唱コード入力。天使の御業……。「『いついかなる時もキミと一緒にアサルト・ラブ・ハート。これで部屋の外の時間と、この部屋の中での時間の流れは隔絶されましたわ」

「フローラくん、貴女……。いつのまに天使の御業を修得したんです? しかも、先生用にですよね?」

聖女おとめには秘密が多いのですわよ。まあ、実のところ母上からこっそり教えてもらいましたの」

 フィルフェン=クレープスは、はぁぁぁ……と盛大にため息をつくしかなかった。母上がその天使の御業を何のために使用していたのかをおのずと認識したからだ。父が若い頃は北ラメリア大陸では魔物モンスターが大量発生し、国中、てんやわんやの大騒ぎとなってしまっていたと聞き及んでいる。その忙しい中で、母との子作りの時間をどう捻出したのかと考えたことはあったが、どうせ、合間を見てのことだろうとタカを括っていたフィルフェン=クレープスであった。

 しかし、妹がその回答を示してみせたことで、長年の謎のひとつが解けてしまったのだ。フィルフェン=クレープスは母上に感謝すべきなのかどうかと少し悩んだが、妹の下腹にあの紋様が復活したことで、考えること自体を止めてしまう。それよりも、せっかく大量の魔力を消費して、わずかながらもふたりの時間を増やしてくれた妹に感謝の一発をぶちこんでやろうと思うのであった。

 そして、フィルフェン=クレープスは考えたと同時に行動に移っている男である。自分のフニャッとなってしまった愚息に喝を入れ直し、お仕置き棒へと生まれ変わらせる。それを妹の口の中へと放り込み、丹念にご奉仕させる。妹は兄直伝の技を用いて、兄を喜ばせてみせる。ここで兄の誤算だったのは、お仕置き棒をまたしてもフニャッとした愚息へと戻されてしまったことである。

「お粗末様でした」

「ど、どういたしまして……」

 兄は妹を自分好みの女になるように仕込んできた経緯がある。しかしながら、短期間でここまで妹が達者になるとは思わなかった。貴様如きの技でこの兄を負けさせれると思うな! というのがテンプレートであったはずなのに、しばらく身体を接していない間に逆転現象が起きるなど、フィルフェン=クレープスにとっては計算違いも甚だしかった。そのため、どこの誰で訓練を積んだのですか? と余計なことを口走る。当然、妹は兄の左頬に鉄拳を畳み込み、またしても兄は貴重な時間を土下座で過ごすこととなる。

「はあ……。バナナですか。でも、先生のはアレよりも大きいつもりなのですが……」

 妹が言うにはひと目を盗んでは、軽食用に自室に置いてあるバナナを兄のモンキーバナナに見立てて、こっそり訓練を積んできたとのたまう。兄としてはせめて市街の屋台で売られているフランクフルトで訓練してほしいのですがと抗議する。だが、その妹はフニャッとなっている兄の愚息を見ながら、プフッと可愛らしく笑った後

「ポークビッツなら、わたくしの眼にも映ってますわ?」

 フィルフェン=クレープスはこればかりは参ったとばかりに両手をあげて降参の意思を妹に見せる。そして、わざとらしくベッドの上で両足を投げ出し、ポークビッツを妹に見せつける。それを見せつけられた妹は少しばかり赤面し、さらにはコホンと小さく咳をする。

「ああっ! 先生のはポークビッツですっ! こんなナリでは、先生の可愛いくて愛しいフローラを到底喜ばせることなど出来ませんっ! 悪い魔女よ、どうかフランクフルトに生まれ変わる魔術を施してくださいっ!!」


「もうっ! 悪い聖女おとめで良ければ……」

 フローラ=クレープスはそう言った後、まるで兄のソレを初めて握るかのようにたどたどしく扱い始める。そんな妹に対して、にんまり笑顔となった兄は妹をベッドの上で押し倒してしまう。さらにはチュッチュッと妹のぷっくりとした唇をついばみつつ、段々と固くなっていく愚息を彼女の下腹にこすりつけながら押し付ける。

「もう、可愛いですねえ、私のフローラはっ」

 フィルフェン=クレープスは先走りスペル魔が出まくっているお仕置き棒を妹の下腹で明滅する紋様にゴシゴシと押し当てて、その紋様自体をけがしまくる。まだこりてないのかとツッコミをいれたくなる妹であるが、これも兄の一面なのだと、兄をそのままに受け入れる。フローラ=クレープスの心の中にはすでに恐怖心は消えていた。自らの手で腹下に浮かぶ紋様を消し去り、兄の子を孕む決意をする。

「フィル。もうわたくしは迷いを捨てましたわ。でも、これだけは誓ってください。あなたとわたくし、そしてその間に産まれてくる子が不幸にならないように尽力してくださると」

「ええ。その布石のためにアイリスくんとレオナルト=ヴィッダーくんの仲を利用させてもらっているのです。レオナルトくんが必ず『自由を得るための暴力』を用いて、先生たちの未来に立ちはだかる壁を壊してくれるでしょう」

 フローラ=クレープスは本当に兄は悪いひとだと思っている。自分の願いを叶えるためならば、他者を踏みにじることに微塵も後悔の念を抱かない。目的と手段を入れ違えているのではない。そもそもとして、どちらがどうであろうが関係ないのだ、兄にとって。どういう過程を通ろうが結果が実れば、それで万々歳なのだ。最終的に到達して得られる結果として、自分と愛する者が幸せになればそれでいいのだ。だからこそ、妹は願った。

(アイリス。わたくしたちとは違い、貴女だけはレオナルトと幸せになるのよ……)

 フローラ=クレープスは兄のスペル魔を膣内に貯めれるだけ貯めようと努力した。自分が施した天使の御業が解けるその瞬間まで、兄の白い魔液を注ぎ込まれ続けた。そして、兄はそれだけでは満足せずに、フローラ=クレープスの身体中を白濁液で汚し続ける。この部屋だけに流れる時間において、6時間余り、禁断の愛の果実を食み合う兄妹は互いの身体を貪り尽くす。

 だが、貪り尽くしたと思っても、まだ兄のお仕置き棒は屹立を繰り返した。その度に妹は子宝袋からお仕置き棒を通してスペル魔を吸い出し、さらに6時間経った後、ふたりは別れを惜しむように、互いの身を離す……。
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