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第3章:コープ=フルール
第6話:トレーナー
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執事:ゴーマ=タールタルのつっけんどんな言い方にカチンとくるセイ=レ・カンコーであった。そのため、セイ=レ・カンコーは売り言葉に買い言葉と言った感じに序列も顧みずに執事に反論してしまうことになる。
「トレーナーもサポーターもいない状況で試合に出ろとは、言語道断ですぜっ!」
「そんなこと言われても、屋敷に出入りしていた前の闘技者は大怪我を負ってしまって、そのついでにトレーナーたちも追い出してしまったのじゃ。旦那様がほとんど間も置かずに、またもや別の闘技者を買い取ってくるなど、こちらも予想外だったのじゃ」
ゴーマ=タールタルはうんうんと頷きながらも、これは致し方ないことであったことを強調する。まるで自分たちに非などまったくないとでも言いたげであった。体調管理は自己責任だとばかりに突き放すのである。しかしながら、それで収まらないのはセイ=レ・カンコーであった。自分はともかくとして、ロック=イートに対する扱いが雑すぎることに怒りを覚えてしまう。だからこそ、セイ=レ・カンコーは次の言葉を執事に対して言い放つことになる。
「じゃあ、あっしをロックさんのトレーナー兼サポーターに任命してほしいっす。格闘者としての実力はロックさんより遥かに劣ってはいますが、ロックさんの調整相手役くらいは努められるっす!」
セイ=レ・カンコーは怒鳴りたい気持ちを必死に抑えながら、なるべく喧嘩にまで発展しないようにと注意しつつも、言いたいことを言いのける。その言葉を受けて、執事:ゴーマ=タールタルはにやりと口の端を歪めてしまうこととなる。
(ロック=イートもなかなかだが、こちらの半猫半人も潰し甲斐がありそうじゃ。身の程を嫌というほど思い知らしめて、コープ=フルール様の従順な犬となってもらうために、便宜を図っても良いだろう)
ゴーマ=タールタルはこのはねっ返りどもをどう教育してやろうかと考えていた。そして、飛んで火に入る夏の虫の如くに、セイ=レ・カンコーが自分につっかかってきたことにほくそ笑むこととなる。ならばとばかりにゴーマ=タールタルは
「ごほん……。そうじゃな。ひとりよりふたり。ふたりよりも三人とよく言うものじゃ。あいわかった。自分の方からコープ=フルール様に話をつけておくのじゃ。セイ=レ・カンコーくんをロック=イートくんのトレーナーとして配置換えしてもらおうと」
「ほ、本当っすか!? ロックさん、この爺さん、なかなかに話がわかるですぜ?」
爺さん呼ばわりされて、今まで平静であったゴーマ=タールタルの右のこめかみにビキッと青筋が立つことになる。いくら歳と比べて、すっかり白髪交じりとなってしまっていても、爺さん呼ばわりされるにはまだままだ早いと思っていたからだ。
「ごほん……。爺さんではない……。これでもまだ47歳じゃて。老人扱いするのはせめて3年後からにするのじゃ」
「あっ、これは失礼なことを言ってしまったっす」
セイ=レ・カンコーがつい、ぺこぺこと頭を下げて平謝りしてしまう。せっかく、自分の意見を採用してくれた相手なのに、機嫌を損ねてはいけないとばかりに、自分の非を素直に詫びるセイ=レ・カンコーであった。ゴーマ=タールタルはこめかみに青筋を立てつつも努めて平静に、いつものようにごほん……と咳払いをし、先ほどの話をコープ=フルール様に伝えてくると言い、その場から移動してしまうのであった。
それから15分後には、また使用人が寝泊まりする木造平屋建てに戻って来て、セイ=レ・カンコーの配置変更が叶ったことを告げるのであった。セイ=レ・カンコーは喜びの余りにロック=イートに対して右手をあげる。
「ほら、嬉しい時はハイタッチするって相場が決まっているんですぜ!」
「お、おう……?」
ロック=イートとしては何がどう嬉しいのかがさっぱりわからない状況であったが、セイ=レ・カンコーがハイタッチを求めている以上、それを受けないわけにもいかないだろうとばかりに自分も右手を顔よりもやや高い位置にまであげる。その右手に向かって、セイ=レ・カンコーがパーンッ! と力強く右手ではたくのであった。かくして、ここに闘技者:ロック=イートと名トレーナー:セイ=レ・カンコーのコンビが誕生することとなる。このコンビがこの時点では誰の目にも映らない存在であったが、数年後にその名はアンゴリア大王国で広く知られていくことになる。
さて、そんな先の話は置いておいて、今の話に戻ろう。ロック=イートたちは時間が惜しいとばかりにさっそく鍛錬を開始する。身体がなまってないかのチェックのために、腕立て、腹筋、背筋、スクワットと各100回づつこなしていく。もちろん、ロック=イートに合わせて、セイ=レ・カンコーも同じことをする。
「ふうふう。やっぱり少し身体がなまっているみたいだ。これくらいで呼吸が乱れているよ」
「足こそはここまでの道中、歩いてきたから疲弊は感じるものの、筋肉自体は落ちていないですなあ。しかし、上半身がまるでなってないですぜ」
セイ=レ・カンコーがロック=イートと同じことをしたのは、よりロック=イートの身体の状態を知るためでもあった。自分が駄目な部分はロック=イートとも共有できるはずだとのことだ。同じような技のキレは出せないモノの、基礎的な体力や筋力については、それほど違いがないはずだとセイ=レ・カンコーはそう思っていた。しかし、その想いはすぐに崩されることとなる。セイ=レ・カンコーがぜえぜえはあはあと呼吸を乱していたが、ロック=イートは5分ほど休めば、すぐに体力を回復させていたのである。
こればかりは歳の所為としか言いようがなかった。ロック=イートは現在23歳。対してセイ=レ・カンコーは27歳とアラサーに入りつつある歳だったのだ。だからこそ、セイ=レ・カンコーはロック=イート以上に普段から体力づくりをしていなければならない存在であった。そして、セイ=レ・カンコーが息を整え終わる前には、ロック=イートは用意されていた革製のグローブと厚手のミットを手に持ち、ミットの方をセイ=レ・カンコーに放り投げる。それをキャッチしたセイ=レ・カンコーはふうふうと急いで呼吸を整え、さらに両手に厚手のミットを装着するのであった。
ロック=イートはセイ=レ・カンコーがミットを構えると同時に、その構えた位置に眼にも止まらぬ速さで拳を用いて、左左右と三連打の突きを繰り出す。パパパーン! と打撃音がほぼ同時に中庭に響き渡り、つい、ロック=イートはにんまりと笑顔になってしまうのであった。
「トレーナーもサポーターもいない状況で試合に出ろとは、言語道断ですぜっ!」
「そんなこと言われても、屋敷に出入りしていた前の闘技者は大怪我を負ってしまって、そのついでにトレーナーたちも追い出してしまったのじゃ。旦那様がほとんど間も置かずに、またもや別の闘技者を買い取ってくるなど、こちらも予想外だったのじゃ」
ゴーマ=タールタルはうんうんと頷きながらも、これは致し方ないことであったことを強調する。まるで自分たちに非などまったくないとでも言いたげであった。体調管理は自己責任だとばかりに突き放すのである。しかしながら、それで収まらないのはセイ=レ・カンコーであった。自分はともかくとして、ロック=イートに対する扱いが雑すぎることに怒りを覚えてしまう。だからこそ、セイ=レ・カンコーは次の言葉を執事に対して言い放つことになる。
「じゃあ、あっしをロックさんのトレーナー兼サポーターに任命してほしいっす。格闘者としての実力はロックさんより遥かに劣ってはいますが、ロックさんの調整相手役くらいは努められるっす!」
セイ=レ・カンコーは怒鳴りたい気持ちを必死に抑えながら、なるべく喧嘩にまで発展しないようにと注意しつつも、言いたいことを言いのける。その言葉を受けて、執事:ゴーマ=タールタルはにやりと口の端を歪めてしまうこととなる。
(ロック=イートもなかなかだが、こちらの半猫半人も潰し甲斐がありそうじゃ。身の程を嫌というほど思い知らしめて、コープ=フルール様の従順な犬となってもらうために、便宜を図っても良いだろう)
ゴーマ=タールタルはこのはねっ返りどもをどう教育してやろうかと考えていた。そして、飛んで火に入る夏の虫の如くに、セイ=レ・カンコーが自分につっかかってきたことにほくそ笑むこととなる。ならばとばかりにゴーマ=タールタルは
「ごほん……。そうじゃな。ひとりよりふたり。ふたりよりも三人とよく言うものじゃ。あいわかった。自分の方からコープ=フルール様に話をつけておくのじゃ。セイ=レ・カンコーくんをロック=イートくんのトレーナーとして配置換えしてもらおうと」
「ほ、本当っすか!? ロックさん、この爺さん、なかなかに話がわかるですぜ?」
爺さん呼ばわりされて、今まで平静であったゴーマ=タールタルの右のこめかみにビキッと青筋が立つことになる。いくら歳と比べて、すっかり白髪交じりとなってしまっていても、爺さん呼ばわりされるにはまだままだ早いと思っていたからだ。
「ごほん……。爺さんではない……。これでもまだ47歳じゃて。老人扱いするのはせめて3年後からにするのじゃ」
「あっ、これは失礼なことを言ってしまったっす」
セイ=レ・カンコーがつい、ぺこぺこと頭を下げて平謝りしてしまう。せっかく、自分の意見を採用してくれた相手なのに、機嫌を損ねてはいけないとばかりに、自分の非を素直に詫びるセイ=レ・カンコーであった。ゴーマ=タールタルはこめかみに青筋を立てつつも努めて平静に、いつものようにごほん……と咳払いをし、先ほどの話をコープ=フルール様に伝えてくると言い、その場から移動してしまうのであった。
それから15分後には、また使用人が寝泊まりする木造平屋建てに戻って来て、セイ=レ・カンコーの配置変更が叶ったことを告げるのであった。セイ=レ・カンコーは喜びの余りにロック=イートに対して右手をあげる。
「ほら、嬉しい時はハイタッチするって相場が決まっているんですぜ!」
「お、おう……?」
ロック=イートとしては何がどう嬉しいのかがさっぱりわからない状況であったが、セイ=レ・カンコーがハイタッチを求めている以上、それを受けないわけにもいかないだろうとばかりに自分も右手を顔よりもやや高い位置にまであげる。その右手に向かって、セイ=レ・カンコーがパーンッ! と力強く右手ではたくのであった。かくして、ここに闘技者:ロック=イートと名トレーナー:セイ=レ・カンコーのコンビが誕生することとなる。このコンビがこの時点では誰の目にも映らない存在であったが、数年後にその名はアンゴリア大王国で広く知られていくことになる。
さて、そんな先の話は置いておいて、今の話に戻ろう。ロック=イートたちは時間が惜しいとばかりにさっそく鍛錬を開始する。身体がなまってないかのチェックのために、腕立て、腹筋、背筋、スクワットと各100回づつこなしていく。もちろん、ロック=イートに合わせて、セイ=レ・カンコーも同じことをする。
「ふうふう。やっぱり少し身体がなまっているみたいだ。これくらいで呼吸が乱れているよ」
「足こそはここまでの道中、歩いてきたから疲弊は感じるものの、筋肉自体は落ちていないですなあ。しかし、上半身がまるでなってないですぜ」
セイ=レ・カンコーがロック=イートと同じことをしたのは、よりロック=イートの身体の状態を知るためでもあった。自分が駄目な部分はロック=イートとも共有できるはずだとのことだ。同じような技のキレは出せないモノの、基礎的な体力や筋力については、それほど違いがないはずだとセイ=レ・カンコーはそう思っていた。しかし、その想いはすぐに崩されることとなる。セイ=レ・カンコーがぜえぜえはあはあと呼吸を乱していたが、ロック=イートは5分ほど休めば、すぐに体力を回復させていたのである。
こればかりは歳の所為としか言いようがなかった。ロック=イートは現在23歳。対してセイ=レ・カンコーは27歳とアラサーに入りつつある歳だったのだ。だからこそ、セイ=レ・カンコーはロック=イート以上に普段から体力づくりをしていなければならない存在であった。そして、セイ=レ・カンコーが息を整え終わる前には、ロック=イートは用意されていた革製のグローブと厚手のミットを手に持ち、ミットの方をセイ=レ・カンコーに放り投げる。それをキャッチしたセイ=レ・カンコーはふうふうと急いで呼吸を整え、さらに両手に厚手のミットを装着するのであった。
ロック=イートはセイ=レ・カンコーがミットを構えると同時に、その構えた位置に眼にも止まらぬ速さで拳を用いて、左左右と三連打の突きを繰り出す。パパパーン! と打撃音がほぼ同時に中庭に響き渡り、つい、ロック=イートはにんまりと笑顔になってしまうのであった。
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