上 下
140 / 197
第14章:南ケイ州vsアデレート王家

第5話:ご褒美

しおりを挟む
 タケルは脳内に鳴り響く大きな鐘の音により、エーリカのシャツのボタンを外す指も震えきっていた。タケルは自分の指の動きがお粗末すぎて、ガリっと強めに自分の人差し指を歯で齧る。エーリカはそんな自傷行為を行っているタケルを手で止める。戸惑うタケルに対して、エーリカは女神のような微笑みをその顔に浮かべる。

 エーリカはシャツのボタンを自分で外し、さらにはブラのホックを外す。露わになった小ぶりすぎるおっぱいを惜しみなく、タケルに見せつける。タケルはゴクリと喉奥に生唾を押し込む。エーリカの桜色の乳首をこんなに間近に見たのは二度目であった。手どころか、唇のほうがエーリカの可愛らしい乳首に近かった。

 タケルはエーリカをベッドの上に押し倒す姿勢となっていた。そのまま、身体を沈めていくだけで、エーリカの乳首に自分の唇を乗せることが出来る。タケルは暗くなっていく視界の中、エーリカの胸に向かって落下していく。タケルの左頬にエーリカの右乳首がつき刺さっている。タケルは余っている左乳首に向かって、金魚ゴールデン・フィッシュのように口をパクパクさせる。

「困った赤ちゃんでちゅよねぇ~~~」

 エーリカはタケルが自分の乳首に吸い付かぬようにと、両腕でタケルを抑えつけてしまう。タケルはグワングワンと揺れる意識の中、エーリカの両腕をどかそうとする。だが、エーリカの拘束は力強く、今の状態に陥っているタケルにはどうしようもなかった。

「あたしがタケルお兄ちゃんにご褒美をあげるんだから……。もう、タケルお兄ちゃんがあたしの乳首を吸ったら、あたしだけのご褒美になっちゃうでしょ?」

 タケルはエーリカが何を言っているのか、すでに理解出来なかった。それゆえに、エーリカの右腕がタケルの頭を抑えつけ、さらにはスルリとタケルの下半身の方へ移動していくことに気付けなかった。タケルは子宝袋をエーリカの右手によって、鷲掴みされたことで、エーリカがいうタケルへのご褒美が何かを察するのであった。

 タケルは残り少ない精神力で、エーリカの可愛らしいお腹の上に自分の腰をスライドさせる。履いているズボンを半分ずらし、さらにはそこから屹立した男のシンボルの先端をエーリカの可愛らしいお腹のくぼみにあてがう。エーリカのお腹のくぼみは一瞬で、タケルの男のシンボルの先端から溢れていた先走り汁によって、満たされることになる。

 だが、タケルはまだご褒美を欲しがった。エーリカのへそから上に向かって、ナメクジの体液をぬめぬめと曲線で描かせる。タケルが目指すは先ほど奪った唇である。エーリカに思う存分、自分のシンボルをほお張ってほしいと思ってしまった。

 だが、タケルの企みは上手くいくことはなかった。タケルはエーリカの身体を登山していく過程において、乳首という名の小石に躓いてしまい、さらには転倒してしまった。タケルの頭の中は真っ白に染まり上がり、さらには男のシンボルの先端から大量の真っ白な魔液を吐き出してしまうことになる。

 タケルの意識はそこで完全に途絶えることになる。エーリカの上半身はタケルが吐き出した大量の真っ白な魔液によって、汚れ切ってしまう。タケルはぐったりとエーリカの横で倒れてしまうのであった。

 エーリカは身体に付着した真っ白な魔液をまるでケーキの生クリームをすくうように右手の人差し指で拭いとる。その魔液は熱く、エーリカを2度、うっとりさせた。エーリカは右手に付着している白い魔液を美味しそうに舐めとる。

 エーリカは身体に付着したタケルの魔液を伸ばして身体に塗りたくり、拭いとっては口の中に次々と放り込んだ。それだけの白い魔液に汚されたというのにエーリカはまだ物欲しそうな顔つきになっていた。

 横で意識を失くしているタケルに顔を近づけていく。そして、タケルの胸についた紅い線状の傷を紅い舌で舐め上げたあと、今度は自分がナメクジのようにタケルの身体の上を舌で這わせていく。傷から傷、傷からさらに下。エーリカの舌はタケルのへそにまで到達する。そこで、一度、エーリカは身体を強張せる。

「タケルお兄ちゃん。気絶してるのに起きてる……。もう、エッチなんだから……」

 タケルは気絶しているにも関わらず、エーリカの舌で刺激されたために、タケルの身体は生理現象を発揮してしまう。エーリカはそれに触れなくても、熱すぎるお仕置き棒だと思ってしまう。エーリカはその熱きお仕置き棒の先端を尖った乳首で刺激する。

 タケルは気絶しながらも、ビクンビクンと身体を跳ね上がらせ、今夜2度目の地獄を味わうことになる。タケルは気絶している上から漬物石で頭を思いっ切りぶん殴られる衝撃を受ける。今度こそ、タケルは指1本、動かせないほどの完全な気絶へと陥る。

「やりすぎでッチュウよ。後始末を頼まれるボクの迷惑を少しは考えるでッチュウ」

「コッシロー。だって、仕方ないじゃないの。今回ばかりはわたくしだけの欲望じゃなくてよ? エーリカの欲望は日に日に膨れ上がっていっているわ」

「それはお前の計画通りなんでッチュウか?」

 コッシローはぐったりとしているタケルの身体に乗りながら、エーリカではない存在に問いかける。エーリカではない存在は、タケルからプレゼントされた濃すぎる生クリームを美味しそうに口に運んでいた。そして、お腹が膨れたのかわからないか、エーリカでない存在が手を動かすのをやめて、コッシローの質問の一部に答えるのであった。

「わたくしはエーリカであって、エーリカでは無い存在よ。でも、今、この時代にこうして生きているのはエーリカなの。そんなわたくしがタケルのスペル魔を存分に味わうことが出来たのは、エーリカの意志あってこそよ。まあ、わたくし自身もそれを望んで、エーリカに影響を与えていることは間違いありませんけど」

「なかなか哲学的なことを言っているのでッチュウ。この惨状はエーリカちゃん自身の欲望なのでッチュウか?」

「わたくしの願いはエーリカが幸せになること。そこは勘違いしないでほしいわ。惨状じゃなくて、幸福に繋がる大いなる一歩ね」

「ふんっ。勝手に言ってろでッチュウ。麗しの眠り姫スリーピング・ビューティ発動でッチュウ!」

 コッシローはそう言うと同時に、コッシローの背中に痣が浮かび上がる。それとリンクするようにタケルの額にもコッシローと同様の痣が薄く浮かび上がる。エーリカではない存在がはコッシローにニッコリと微笑む。コッシローは詠唱しながらも、心の中でチッ! と鋭く舌打ちするのであった。

「エーリカの身に危機が迫っているらしいけど、その時、この娘の騎士ナイトは誰になるのかしら? コッシローは誰だと予想している?」

「ふんっ! いい加減、お前の言葉遊びに付き合うのはこりごりでッチュウ! しばらく、エーリカの表面に現れないように、きつく麗しの眠り姫スリーピング・ビューティを施してやるでッチュウ!」

 コッシローが麗しの眠り姫スリーピング・ビューティを唱え終わると、エーリカは糸の切れた操り人形のように、その場で崩れ落ちてしまう。コッシローはヤレヤレ……と嘆息しつつ、さらに身体から魔力を溢れ出させる。コッシローの身体は魔力により、とある人物の身体に変貌していく。

「まったく……。あいつには困りましたね。さて、あいつが大暴れしたせいで、さすがにこの身体に戻らなくてはなりませんでした。クロウリーが異変に気づく前に、スペル魔で汚れたエーリカ殿の身体を清めておかねば……」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

泥々の川

フロイライン
恋愛
昭和四十九年大阪 中学三年の友谷袮留は、劣悪な家庭環境の中にありながら前向きに生きていた。 しかし、ろくでなしの父親誠の犠牲となり、ささやかな幸せさえも奪われてしまう。

私はいけにえ

七辻ゆゆ
ファンタジー
「ねえ姉さん、どうせ生贄になって死ぬのに、どうしてご飯なんて食べるの? そんな良いものを食べたってどうせ無駄じゃない。ねえ、どうして食べてるの?」  ねっとりと息苦しくなるような声で妹が言う。  私はそうして、一緒に泣いてくれた妹がもう存在しないことを知ったのだ。 ****リハビリに書いたのですがダークすぎる感じになってしまって、暗いのが好きな方いらっしゃったらどうぞ。

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活

SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。 クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。 これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

処理中です...