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第11章:上陸
第7話:吊り橋効果
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「おいおい。放っておいていいのか? 命までは取らないとあの蒼き竜を脅したのは、クロウリー、お前だろっ」
「はい。その通りです。蒼き竜もその辺り、上手くやってくれますよ。ちなみに、タケル殿は吊り橋効果って知ってます? 女性を堕とす時の汚い技術のことですが」
「ん~~~。言わんとしていることはわかる。だが、それも程度によるよな?? あちゃぁ~~~。ミンミンなら、そうすると思ったぜ」
タケルとクロウリーは蒼き竜の巣に入り、タマゴを収穫していた。そこに巣の異常を嗅ぎつけた蒼き竜のオスが戻ってきた。そして、メスたちの前で威勢よく、クロウリーを怒鳴りつけてみせた。だが、如何せん、蒼き竜のオスが鼻息を荒くして対峙している相手は、偉大なる4人の魔法使いであった。
鼻息を荒くしていた蒼き竜のオスはうってかわって、大魔導士に命乞いを始める。大魔導士は見逃す代わりにと、竜の住処の入り口で大暴れしている男女にほどよくちょっかいをかけてこいと命じたのであった。
クロウリーとタケルは小高い丘の上へと移動し、ミンミンの活躍を観察していた。打ち合わせ通り、先ほどの蒼き竜が逃げ惑うミンミンを追いかけている。そして、極めつけの竜の凍てつく息吹であった。
役目を終えた蒼き竜はバッサバッサと背中の羽を羽ばたかせ、その場から去っていく。その場に残されたのは氷漬けになったミンミンであった。ミンミンが盾となったことで、ケンキには傷ひとつ付いていない。だが、彼女は氷漬けになってしまったミンミンの前で両膝をつき、号泣していた。
「ミンミン……。ミンミン……」
ケンキはこの世の終わりかのように号泣していた。しかし、いくら泣いても、もうミンミンは戻ってこない。それがどれほどに悲しいことなのか、ケンキは知ることになる。だが、ミンミンは『真に優しい男』であった。
泣き崩れるケンキは、眼の前で起きている現象が創造主:Y.O.N.N様の御力で起きている奇跡だと思ってしまう。氷漬けになっているはずのミンミンが内側から、その氷の棺を砕いたのである。氷の棺に次々と内側から亀裂が入っていく。その亀裂は瞬く間に氷の棺全体に走っていく。
ついには、ミンミンは自力で氷の棺から脱出してしまうのであった。
「ミンミン……。ミンミン……」
「いやぁ~~~。本当に死ぬかと思ったんだべさ。ケンキさんの泣き声が聞こえた気がした瞬間、エーリカがおいらを怒鳴りつけたんだべさ。あんた、惚れた女を泣かしてどうすんのよっ!! って。おいらもそんなの嫌だと思って、あらん限りの力で抗ってみせたんだべさ!」
「ミンミン……。ミンミン……。本当にバカぁぁぁ……」
「よ~~~しよ~~~しだべさ~~~。おいらはバカだから、こんな時、どんな風にケンキさんの涙を止めたら良いかわかんないんだべさ。バカなおいらにケンキさんの涙を止める方法を教えてほしいんだべさ」
ミンミンは泣きじゃくるケンキを宥める。ケンキを抱え上げ、あとでゆっくり叱られるからと、その場から立ち去るのであった。ミンミンはゆっくりと歩きながら、キョロキョロと辺りを見渡す。すると、視線の先にはクロウリーが心配そうな顔つきをしながら、ミンミンの方に急いで走ってきていたのである。
「はぁはぁはぁ……。すいません、蒼き竜のタマゴを収穫していたら、怒った蒼き竜が先生たちを追いかけ回しまして……。ミンミンさんは大丈夫でした?」
「おいらはちょ~~~とばっかり寒い思いをしただけなんだべさ。でも、ケンキさんがショックで心に大きな傷を負ってしまったようなんだべさ」
「それはいけませんね。すぐに竜の住処の外へ出ましょう!」
迫真の演技をしているクロウリーに対して、頬がぴくぴくと痙攣してしまっているタケルであった。本当のことをぶっちゃけたいが、普段、温厚なニンゲンがキレるのがこの世で1番怖いというのは定説通りである。クロウリーの手によって生成されたゲートをミンミンが先に通り抜けていく。
「おい、クロウリー。今回のは明確な貸しだからな?」
「あれ? 先生と共犯になってくれないのですか?」
「うるせぇ。本当のことをエーリカが知ったら、さすがにブチキレるに決まってる。いくら、エーリカのためとは言え、これは墓場まで持っていかなきゃらん秘密だわっ!」
「先生もやりすぎだとは重々承知です。でも、これはエーリカ殿のみならず、血濡れの女王の団全体にも関わるカップリングです。先生は喜んで、自ら進んで地獄行きの切符を購入します。タケル殿が同じ切符を買ってくれないのは寂しいですが……」
「ちっ! わかったよ。俺も共犯ってことにしておいてくれ。エーリカにどでかい神鳴りを落とされるなら、二人で仲良く受けるぞ」
タケルはクロウリーに告げると、ゲートをくぐる。そして、誰も居なくなった後、コッシローがクロウリーの肩で存在感を露わにするのであった。その後、ガブリと思いっ切りクロウリーの鼻を噛むのであった。
「本当、バカはお前なのでッチュウ。お前は無駄に罪を背負いすぎでッチュウ」
「コッシローくんでも、さすがに今回の件は大激怒ですね」
クロウリーは困ったような顔つきになる。怒りが収まらないのか、コッシローはフンッ! と顔を背ける。だが、コッシローは再び存在感を消していく途中で、クロウリーに告げる。
「タケルを共犯者にするなら、ボクも当然、共犯者にすべきなのでッチュウ。お前は優しいゆえに、悪者になりたがる。悪者役はボクに押し付けるべきでッチュウ。それがボクの存在する意味なのでッチュウ」
「コッシローくん」
クロウリーが返事を返す前に、コッシローの存在感は消え失せてしまう。クロウリーはおおいに反省すべきですねと思う。しかし、クロウリーには軍師としての使命があった。エーリカ並びに、血濡れの女王の団全体のことを考えて行動せねばならない。クロウリーは来た道を戻れぬ覚悟をしつつ、自分で作ったゲートをくぐるのであった。
こっち側の世界に戻ってきたクロウリーは花茶をティーカップに注ぐ。それを手渡されたミンミンは毛布でグルグル巻きにされ、さらにその上からケンキに抱きしめられていた。
「あのぉ……。おいら、そこまで重傷じゃないんだべさ」
「ばかもんっ! 凍傷を甘く見るでないっ! わたくしが温めてやるといっておるのだっ! ミンミンは三日ほど、激しい運動は厳禁だぞっ!」
熱々のふたりを部屋において、花茶以外に何か身体が温まるものを持ってくると言い、タケルとクロウリーは部屋から逃げるように退散する。タケルは部屋から出るなり、肩をがっくしと落とす。
「クロウリー。俺は罪の意識で、自分からゲロッちまいそうだ」
「ダメですよ。墓場まで持っていくと先ほど言ったばかりじゃないですか。しっかし、やりすぎたことは認めます。もちろん違う意味で。先生たちがもう1度、この部屋に戻ってくる頃には、裸で抱き合った方がより身体を温められるぞっ! とか言い出していませんよ……ね??」
「はい。その通りです。蒼き竜もその辺り、上手くやってくれますよ。ちなみに、タケル殿は吊り橋効果って知ってます? 女性を堕とす時の汚い技術のことですが」
「ん~~~。言わんとしていることはわかる。だが、それも程度によるよな?? あちゃぁ~~~。ミンミンなら、そうすると思ったぜ」
タケルとクロウリーは蒼き竜の巣に入り、タマゴを収穫していた。そこに巣の異常を嗅ぎつけた蒼き竜のオスが戻ってきた。そして、メスたちの前で威勢よく、クロウリーを怒鳴りつけてみせた。だが、如何せん、蒼き竜のオスが鼻息を荒くして対峙している相手は、偉大なる4人の魔法使いであった。
鼻息を荒くしていた蒼き竜のオスはうってかわって、大魔導士に命乞いを始める。大魔導士は見逃す代わりにと、竜の住処の入り口で大暴れしている男女にほどよくちょっかいをかけてこいと命じたのであった。
クロウリーとタケルは小高い丘の上へと移動し、ミンミンの活躍を観察していた。打ち合わせ通り、先ほどの蒼き竜が逃げ惑うミンミンを追いかけている。そして、極めつけの竜の凍てつく息吹であった。
役目を終えた蒼き竜はバッサバッサと背中の羽を羽ばたかせ、その場から去っていく。その場に残されたのは氷漬けになったミンミンであった。ミンミンが盾となったことで、ケンキには傷ひとつ付いていない。だが、彼女は氷漬けになってしまったミンミンの前で両膝をつき、号泣していた。
「ミンミン……。ミンミン……」
ケンキはこの世の終わりかのように号泣していた。しかし、いくら泣いても、もうミンミンは戻ってこない。それがどれほどに悲しいことなのか、ケンキは知ることになる。だが、ミンミンは『真に優しい男』であった。
泣き崩れるケンキは、眼の前で起きている現象が創造主:Y.O.N.N様の御力で起きている奇跡だと思ってしまう。氷漬けになっているはずのミンミンが内側から、その氷の棺を砕いたのである。氷の棺に次々と内側から亀裂が入っていく。その亀裂は瞬く間に氷の棺全体に走っていく。
ついには、ミンミンは自力で氷の棺から脱出してしまうのであった。
「ミンミン……。ミンミン……」
「いやぁ~~~。本当に死ぬかと思ったんだべさ。ケンキさんの泣き声が聞こえた気がした瞬間、エーリカがおいらを怒鳴りつけたんだべさ。あんた、惚れた女を泣かしてどうすんのよっ!! って。おいらもそんなの嫌だと思って、あらん限りの力で抗ってみせたんだべさ!」
「ミンミン……。ミンミン……。本当にバカぁぁぁ……」
「よ~~~しよ~~~しだべさ~~~。おいらはバカだから、こんな時、どんな風にケンキさんの涙を止めたら良いかわかんないんだべさ。バカなおいらにケンキさんの涙を止める方法を教えてほしいんだべさ」
ミンミンは泣きじゃくるケンキを宥める。ケンキを抱え上げ、あとでゆっくり叱られるからと、その場から立ち去るのであった。ミンミンはゆっくりと歩きながら、キョロキョロと辺りを見渡す。すると、視線の先にはクロウリーが心配そうな顔つきをしながら、ミンミンの方に急いで走ってきていたのである。
「はぁはぁはぁ……。すいません、蒼き竜のタマゴを収穫していたら、怒った蒼き竜が先生たちを追いかけ回しまして……。ミンミンさんは大丈夫でした?」
「おいらはちょ~~~とばっかり寒い思いをしただけなんだべさ。でも、ケンキさんがショックで心に大きな傷を負ってしまったようなんだべさ」
「それはいけませんね。すぐに竜の住処の外へ出ましょう!」
迫真の演技をしているクロウリーに対して、頬がぴくぴくと痙攣してしまっているタケルであった。本当のことをぶっちゃけたいが、普段、温厚なニンゲンがキレるのがこの世で1番怖いというのは定説通りである。クロウリーの手によって生成されたゲートをミンミンが先に通り抜けていく。
「おい、クロウリー。今回のは明確な貸しだからな?」
「あれ? 先生と共犯になってくれないのですか?」
「うるせぇ。本当のことをエーリカが知ったら、さすがにブチキレるに決まってる。いくら、エーリカのためとは言え、これは墓場まで持っていかなきゃらん秘密だわっ!」
「先生もやりすぎだとは重々承知です。でも、これはエーリカ殿のみならず、血濡れの女王の団全体にも関わるカップリングです。先生は喜んで、自ら進んで地獄行きの切符を購入します。タケル殿が同じ切符を買ってくれないのは寂しいですが……」
「ちっ! わかったよ。俺も共犯ってことにしておいてくれ。エーリカにどでかい神鳴りを落とされるなら、二人で仲良く受けるぞ」
タケルはクロウリーに告げると、ゲートをくぐる。そして、誰も居なくなった後、コッシローがクロウリーの肩で存在感を露わにするのであった。その後、ガブリと思いっ切りクロウリーの鼻を噛むのであった。
「本当、バカはお前なのでッチュウ。お前は無駄に罪を背負いすぎでッチュウ」
「コッシローくんでも、さすがに今回の件は大激怒ですね」
クロウリーは困ったような顔つきになる。怒りが収まらないのか、コッシローはフンッ! と顔を背ける。だが、コッシローは再び存在感を消していく途中で、クロウリーに告げる。
「タケルを共犯者にするなら、ボクも当然、共犯者にすべきなのでッチュウ。お前は優しいゆえに、悪者になりたがる。悪者役はボクに押し付けるべきでッチュウ。それがボクの存在する意味なのでッチュウ」
「コッシローくん」
クロウリーが返事を返す前に、コッシローの存在感は消え失せてしまう。クロウリーはおおいに反省すべきですねと思う。しかし、クロウリーには軍師としての使命があった。エーリカ並びに、血濡れの女王の団全体のことを考えて行動せねばならない。クロウリーは来た道を戻れぬ覚悟をしつつ、自分で作ったゲートをくぐるのであった。
こっち側の世界に戻ってきたクロウリーは花茶をティーカップに注ぐ。それを手渡されたミンミンは毛布でグルグル巻きにされ、さらにその上からケンキに抱きしめられていた。
「あのぉ……。おいら、そこまで重傷じゃないんだべさ」
「ばかもんっ! 凍傷を甘く見るでないっ! わたくしが温めてやるといっておるのだっ! ミンミンは三日ほど、激しい運動は厳禁だぞっ!」
熱々のふたりを部屋において、花茶以外に何か身体が温まるものを持ってくると言い、タケルとクロウリーは部屋から逃げるように退散する。タケルは部屋から出るなり、肩をがっくしと落とす。
「クロウリー。俺は罪の意識で、自分からゲロッちまいそうだ」
「ダメですよ。墓場まで持っていくと先ほど言ったばかりじゃないですか。しっかし、やりすぎたことは認めます。もちろん違う意味で。先生たちがもう1度、この部屋に戻ってくる頃には、裸で抱き合った方がより身体を温められるぞっ! とか言い出していませんよ……ね??」
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