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第10章:里帰り
第8話:悪ガキ集団
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――竜皇バハムート3世歴462年 4月19日――
「うちは何で未来の嫁を連れてこなかったと、ずっと愚痴られたでござる……」
「それがしもブルースと同じだ。テクロ大陸本土に行く前に絶対にもう一度、村に挨拶しにこいと。あそこまで怒っていた両親を初めて見たかもしれん」
「だから、前もって言ってたじゃないのっ! マーベルは仕事の関係上、スケジュールが合わなかっって、マーベル本人も言ってたわ。その点は仕方無いにしても、アベル、あんたはタケルお兄ちゃんと一緒に説教ねっ!」
「それがしの場合、事情を深く聞かれれば聞かれるほど、実の親に殺される確率が高くなるっ! 立志式を終えたと言えども、レイはまだ13歳なのだっ! いや、下手をすれば、村の全員から袋叩きにあうは必然っっっ!」
「そこは手加減してくれるって。死なない程度にはな。そしたら、レイが付きっ切りで看病してくれる。まさに風が吹けば桶屋が儲かるってやつだわ」
「おいら、看病だけで済むとはとても思えないんだべさ。おいらだけの思い過ごしだべ?」
ミンミン=ダベサの一言で皆が固まってしまう。クソ真面目なニンゲンほど、一度、留め金が外れれば、後は止まることを知らない暴走永久機関となってしまう。その未来の先にあるのは、アベルの衰弱死であろうと皆が容易に想像出来るのであった。皆は無言でブルースの肩にポンと手を置き、さらにはブルースから物理的に距離を離す。
「アベル。嫁に搾り取られて無事死亡。墓標にはそう書いておけばいいのかしら?」
「うーーーん。もう少し、上品にお茶を濁す文章にしておいたほうがいいかもしれないでござるな」
「そして、真実は相方のミンミンさんのみが知るっていうのが、物語りの鉄板なような気がしますわ」
「さすがのおいらでも、そんな役目、負いたくないだべさっ! アベル、今のうちに精が付くモノを腹いっぱい食べておくだべさっ!」
「ブルース! 貴様はそれがしと同じ側であろう! それがしは体格差ゆえにレイを押し倒すことが出来るが、アベルはマベール殿に押し倒され、そのまま土俵際まで持っていかれるだろうが!」
「大言を吐くのはみっともないでござる。拙者の方はこれでも、マーベル殿が甘えてくる立場でござる。真のヘタレであるアベルと一緒にしてもらっては困るのでござる」
ブルースはここ最近、確かなる自信を手に入れていた。それを自慢することは決して無い男であるが、男としての一本の芯が出来上がっていることが感じ取れるようになった。しかしながら、ブルースと同じく血濡れの女王の双璧のひとりであるアベルはどんどんヘタレっぷりを露見させていくばかりである。
何がどう間違ってこうなってしまったのだろうと思ってしまうエーリカであった。肉食系だとばかり思いこんでいたマーベル=ザクセンのほうがよっぽど乙女であった。逆にレイヨン=シルバニアは年上のアベルを尻に敷いてしまっている。
さすがに隊員たちの前ではレイヨンはそんな素振りを見せないが、人目のつかないところではアベルが従で、レイヨンが主となってしまっていることは、血濡れの女王の団内では、明確な事実となってしまっている。
「アベル。もうちょっとしっかりしなさいね。遠く無い未来で、アベルがレイヨンの補佐になってたら、笑えないから」
「フッ……。ブルース先輩から後輩のアベルに助言してやるでござる。男の出来不出来は女を甘やかせるほどの器を持っているか? だとなっ! お前にはそれが無いから、レイヨンの尻に敷かれるのでござるっ!」
ちょっと、こいつはこいつで自信を持ちすぎだなと思ってしまうエーリカであった。聞いてて、これは少々イラっとしてしまう。自信と過信は別物だ。
「セツラお姉ちゃん。だいたいわかっていると思うけど、タケルお兄ちゃんとアベルは普通に説教で、ブルースは伸びた鼻がぽっきり折れるくらいにみっちり説教しましょ」
「何ででござるか!? 理由を聞かせてほしいのでござる!」
「その理由がわかってないところが、痛いって言ってるの。ほら、とっとと、こっちに来なさい? セツラお姉ちゃん、縛るための縄って持ってきてる?」
「いえ、今は持っていませんわ。てか、私の扱いもたいがいにひどくありませんこと!? 縄を常備している巫女なんて、聞いたことありませんわ!」
「えっ……。タケルお兄ちゃんが持っていたいかがわしい本だと、いつも巫女が縛られ……」
「おっと、エーリカ。それ以上、言うな。タケル殿の名誉のためにだ。てか、なんでタケル殿は縄を持って、さらにはこれ以上無い笑顔で、こっちに向かって歩いてくるのだ!? あのひとはバケモノか何かなのか!?」
エーリカたちは帰郷したオダーニの村で4日目の朝を迎えていた。朝食を終えた皆は、村の広場へと自然に集まり、談笑していたのだ。そして、その場に遅れて、タケルが登場することになる。タケルは賑やかそうだなと笑顔で皆に言ってみせる。だが、誰もタケルとは視線を合わそうとはしなかった。タケルが手に持っている縄が不穏すぎたからだ。
「ん? なんで縄を持ってきているかって? なんかよくわからんが、エーリカのママがこれが必要そうだから、持っていくと良いわよって言われてさぁ。俺はそうなんですか? って、言われるがままに持ってきたわけ」
「ママ……。諸悪の根源があたしのママだなんて思ってもみなかった……」
「エーリカにかける言葉が見つからないんだべさ。でも、無事に縄が向こうからやってきたんだべさ。早速、ブルースを吊るし上げるんだべさ!」
「おい! 展開が強引すぎるでござる! せめて、拙者が縛られ、吊るされる理由を説明してほしいのでござる!!」
結局のところ、アベルとタケルが普通に説教され、ブルースが縄で吊るされ、さらには伸びた鼻がポッキリ折れるまで、こってり叱られることは変わりなかった。朝から良いことをしたとばかりにエーリカは気持ち良さそうに伸びをする。
「なんか、昔の悪ガキ集団に戻った気分になっちゃった。今思い返せば、昔からブルースが縄で吊るされていたわね」
「そう言えば、そうでござったな。でも、一点、訂正させてもらうでござる。アイスさんによって、吊るされていたのは、エーリカと拙者もだったでござる!」
「ごっめーーーん! 都合の悪い記憶だから、良い風に改ざんしちゃった! そう言われてみれば、あの当時、最も悪さをしてたのは、あたしだったわっ!」
こいつは……という視線を飛ばされるエーリカであったが、エーリカはあの頃と変わらず、傍若無人っぷりを如何なく発揮している。ブルースはフゥ……と長いため息をつき、その後、晴れ渡った午前の大空を木の枝につるされたまま見上げるのであった。
「今度、この村でこの大空を皆で見るのは、いつになるでござるかな?」
「それはわかんない。しっかり準備を整えて、アデレート王国に乗り込むけど、それでも、かなり出たとこ勝負になるもん。あたしは皆にまだ死んでほしくないって思ってる。もう一度、皆で揃って、この大空を見上げましょ?」
「うちは何で未来の嫁を連れてこなかったと、ずっと愚痴られたでござる……」
「それがしもブルースと同じだ。テクロ大陸本土に行く前に絶対にもう一度、村に挨拶しにこいと。あそこまで怒っていた両親を初めて見たかもしれん」
「だから、前もって言ってたじゃないのっ! マーベルは仕事の関係上、スケジュールが合わなかっって、マーベル本人も言ってたわ。その点は仕方無いにしても、アベル、あんたはタケルお兄ちゃんと一緒に説教ねっ!」
「それがしの場合、事情を深く聞かれれば聞かれるほど、実の親に殺される確率が高くなるっ! 立志式を終えたと言えども、レイはまだ13歳なのだっ! いや、下手をすれば、村の全員から袋叩きにあうは必然っっっ!」
「そこは手加減してくれるって。死なない程度にはな。そしたら、レイが付きっ切りで看病してくれる。まさに風が吹けば桶屋が儲かるってやつだわ」
「おいら、看病だけで済むとはとても思えないんだべさ。おいらだけの思い過ごしだべ?」
ミンミン=ダベサの一言で皆が固まってしまう。クソ真面目なニンゲンほど、一度、留め金が外れれば、後は止まることを知らない暴走永久機関となってしまう。その未来の先にあるのは、アベルの衰弱死であろうと皆が容易に想像出来るのであった。皆は無言でブルースの肩にポンと手を置き、さらにはブルースから物理的に距離を離す。
「アベル。嫁に搾り取られて無事死亡。墓標にはそう書いておけばいいのかしら?」
「うーーーん。もう少し、上品にお茶を濁す文章にしておいたほうがいいかもしれないでござるな」
「そして、真実は相方のミンミンさんのみが知るっていうのが、物語りの鉄板なような気がしますわ」
「さすがのおいらでも、そんな役目、負いたくないだべさっ! アベル、今のうちに精が付くモノを腹いっぱい食べておくだべさっ!」
「ブルース! 貴様はそれがしと同じ側であろう! それがしは体格差ゆえにレイを押し倒すことが出来るが、アベルはマベール殿に押し倒され、そのまま土俵際まで持っていかれるだろうが!」
「大言を吐くのはみっともないでござる。拙者の方はこれでも、マーベル殿が甘えてくる立場でござる。真のヘタレであるアベルと一緒にしてもらっては困るのでござる」
ブルースはここ最近、確かなる自信を手に入れていた。それを自慢することは決して無い男であるが、男としての一本の芯が出来上がっていることが感じ取れるようになった。しかしながら、ブルースと同じく血濡れの女王の双璧のひとりであるアベルはどんどんヘタレっぷりを露見させていくばかりである。
何がどう間違ってこうなってしまったのだろうと思ってしまうエーリカであった。肉食系だとばかり思いこんでいたマーベル=ザクセンのほうがよっぽど乙女であった。逆にレイヨン=シルバニアは年上のアベルを尻に敷いてしまっている。
さすがに隊員たちの前ではレイヨンはそんな素振りを見せないが、人目のつかないところではアベルが従で、レイヨンが主となってしまっていることは、血濡れの女王の団内では、明確な事実となってしまっている。
「アベル。もうちょっとしっかりしなさいね。遠く無い未来で、アベルがレイヨンの補佐になってたら、笑えないから」
「フッ……。ブルース先輩から後輩のアベルに助言してやるでござる。男の出来不出来は女を甘やかせるほどの器を持っているか? だとなっ! お前にはそれが無いから、レイヨンの尻に敷かれるのでござるっ!」
ちょっと、こいつはこいつで自信を持ちすぎだなと思ってしまうエーリカであった。聞いてて、これは少々イラっとしてしまう。自信と過信は別物だ。
「セツラお姉ちゃん。だいたいわかっていると思うけど、タケルお兄ちゃんとアベルは普通に説教で、ブルースは伸びた鼻がぽっきり折れるくらいにみっちり説教しましょ」
「何ででござるか!? 理由を聞かせてほしいのでござる!」
「その理由がわかってないところが、痛いって言ってるの。ほら、とっとと、こっちに来なさい? セツラお姉ちゃん、縛るための縄って持ってきてる?」
「いえ、今は持っていませんわ。てか、私の扱いもたいがいにひどくありませんこと!? 縄を常備している巫女なんて、聞いたことありませんわ!」
「えっ……。タケルお兄ちゃんが持っていたいかがわしい本だと、いつも巫女が縛られ……」
「おっと、エーリカ。それ以上、言うな。タケル殿の名誉のためにだ。てか、なんでタケル殿は縄を持って、さらにはこれ以上無い笑顔で、こっちに向かって歩いてくるのだ!? あのひとはバケモノか何かなのか!?」
エーリカたちは帰郷したオダーニの村で4日目の朝を迎えていた。朝食を終えた皆は、村の広場へと自然に集まり、談笑していたのだ。そして、その場に遅れて、タケルが登場することになる。タケルは賑やかそうだなと笑顔で皆に言ってみせる。だが、誰もタケルとは視線を合わそうとはしなかった。タケルが手に持っている縄が不穏すぎたからだ。
「ん? なんで縄を持ってきているかって? なんかよくわからんが、エーリカのママがこれが必要そうだから、持っていくと良いわよって言われてさぁ。俺はそうなんですか? って、言われるがままに持ってきたわけ」
「ママ……。諸悪の根源があたしのママだなんて思ってもみなかった……」
「エーリカにかける言葉が見つからないんだべさ。でも、無事に縄が向こうからやってきたんだべさ。早速、ブルースを吊るし上げるんだべさ!」
「おい! 展開が強引すぎるでござる! せめて、拙者が縛られ、吊るされる理由を説明してほしいのでござる!!」
結局のところ、アベルとタケルが普通に説教され、ブルースが縄で吊るされ、さらには伸びた鼻がポッキリ折れるまで、こってり叱られることは変わりなかった。朝から良いことをしたとばかりにエーリカは気持ち良さそうに伸びをする。
「なんか、昔の悪ガキ集団に戻った気分になっちゃった。今思い返せば、昔からブルースが縄で吊るされていたわね」
「そう言えば、そうでござったな。でも、一点、訂正させてもらうでござる。アイスさんによって、吊るされていたのは、エーリカと拙者もだったでござる!」
「ごっめーーーん! 都合の悪い記憶だから、良い風に改ざんしちゃった! そう言われてみれば、あの当時、最も悪さをしてたのは、あたしだったわっ!」
こいつは……という視線を飛ばされるエーリカであったが、エーリカはあの頃と変わらず、傍若無人っぷりを如何なく発揮している。ブルースはフゥ……と長いため息をつき、その後、晴れ渡った午前の大空を木の枝につるされたまま見上げるのであった。
「今度、この村でこの大空を皆で見るのは、いつになるでござるかな?」
「それはわかんない。しっかり準備を整えて、アデレート王国に乗り込むけど、それでも、かなり出たとこ勝負になるもん。あたしは皆にまだ死んでほしくないって思ってる。もう一度、皆で揃って、この大空を見上げましょ?」
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