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第10章:里帰り
第2話:観測者
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コッシローは『観測者』であることに努めた。エーリカたちの帰郷に合わせて、こっそりとエーリカたちと同行していたのである。このことはクロウリーにも話していない。コッシローの単独行動であった。それゆえに、コッシローはクロウリーとの通心をオフにしている。
(チュッチュッチュ。今の時点では、エーリカとタケルの間に異常は見られないでッチュウ。でも、タケルから何かアクションを起こしてほしいでッチュウね。再現性のチェックを行いたいのでッチュウ)
コッシローは3カ月前に起こったエーリカの異常な状態から、この2人の関係性をチェックし続けていた。しかしながら、あの事件の後、2人がおかしな状態になることは無かった。それでも、念には念をとばかりにコッシローは2人を観測し続けた。だが、何も無さ過ぎて、いい加減飽きてきていた。タケルに何か起こしてほしいとコッシローの方から願いつつある状況になっていた。
(傍から見えれば、ヤキモキしてしまう間柄なんでッチュウけどねぇ……。ボクとしても、エーリカちゃんを無理やりに押し倒して、唇を奪ってしまえと思うんでッチュウけど……。ヘタレのアベルでもマーベル女傑に押し倒されるシチュエーションなんでッチュウけど……)
コッシローの観測対象であるエーリカとタケルは微笑ましくも、池のほとりで談笑を続けていた。エーリカが腹を抱えて笑い転げる姿を見て、今がチャンスでッチュウよ! と叫びそうになるのを必死に抑えている状況だ。しかし、タケルはそんなチャンスを何度も棒に振っている。いい加減にしろよと、腹の奥底から怒りが沸きそうになってしまうコッシローであった。
腹を抱えて笑い転げていたエーリカが姿勢を正し、さらには苦笑し始めた。あーあーあーとコッシローはため息をついてしまう。その後、またしばらく、どうでも良いことを話し合うエーリカとタケルである。コッシローはタケルの右肩に乗りながら、大きくあくびをしてしまうのであった。
「しっかし、春の陽気に包まれているのは気持ち良いもんだ。久しぶりだよな。こんなにゆっくり羽を伸ばせてるのは」
「うん。王都でも休みは取っていたつもりだったけど、やっぱり生まれ故郷の安心感は違うわ。あたしって、田舎っ子なんだって、実感しちゃう」
「俺は昔の記憶がすっぽり抜けちまってるから、なんとも言えんが、このオダーニの村の雰囲気は好きだって思える」
「そう言えば、タケルお兄ちゃんって、どこからどうやって、このオダーニの村にやってきたのか、わからないって言ってたわよね。タケルお兄ちゃんは王都に行った後、少しは記憶を取り戻せたの?」
エーリカの言にタケルはフルフルと顔を左右に振り、さらには両腕を左右に広げてみせる。エーリカはそんなタケルお兄ちゃんの所作を見て、タケルお兄ちゃんは王都にも縁が無かったのだろうと推測する。それならば、いったいぜんたい、タケルお兄ちゃんの故郷はどこなのだろうと考えこむことになる。
「もしかして、タケルお兄ちゃんはテクロ大陸本土の出身者?」
「それなら、どうやっても船に乗らなきゃならん。いくら記憶が飛んでいるからと言って、船で海を渡ったことまで覚えてないのは無理があるんだよな」
「そうなのよね、そこが一番の問題なのよね。あたしは船で国から国へ渡ったことは無いけど、クロウリーから言わせてもらえば、それは人生において、決して忘れられない思い出になるって言ってたし。それは経験していないあたしでもそうなんだろうなって思えるもん」
エーリカはホバート王国からアデレート王国に上陸する日を、今か今かと待ちわびている。そのことを想うだけで、胸がいっぱいになってしまうほどだ。そして、それを実際に体験しているのならば、決して忘れることのない思い出になるはずだ。
だが、当のタケルはまったくもって、大きな船で海を渡ったというような感覚は持っていないと言う。ならば、タケルはホバート王国から外に出たこともないし、よその国からホバート王国にやってきていないということになる。
エーリカの感覚から言わせてもらえば、タケルはオダーニの村出身ではないことはわかる。もっと言ってしまえば、そもそもとして、村や小さな町の出身者ではない感じがするのだ。そんな男が王都において、飄々と貴族たちと交渉出来るわけが無いからだ。
タケルの性分からして、それが出来る可能性はあることはある。だが、相手は貴族なのだ。貴族を舐めてはいけない。庶民をバカにすることに関しては、血と肉と魂がそれをさせるとも言えるような人種だ。そんな貴族がタケルとまともに面向かい合って交渉しているのだ。タケルの本質がある程度のレベルに達しているという証拠になる。
もし、タケル以外の人物が血濡れの女王とホバート王国の貴族たちとが交渉を行っていたと仮定しよう。そうしたならば、血濡れの女王の団の名は、もっと下に見られていたに違いない。エーリカはそんな気がしてならない。
「もしかすると、あたしが想像している以上に、タケルお兄ちゃんって、立派な身分だったのかも。今の姿からはまったくイメージ出来ないけどね」
「クロウリーが何か知ってそうなんだけど、まるで弟のように、俺を使い倒すだけなんだよな。俺もそれが自然だと受け取っちまってる。俺はクロウリーがかつて、俺の師匠をやってくれたのは思い出せるんだ。でも、師事を仰いでいる場面をまったくもって思い出せん」
「それも不思議なのよね。クロウリーがタケルお兄ちゃんの昔のことを教えればいいのに、クロウリーもそれをしないんだから」
「俺もそう思って、クロウリーに聞いてみたんだよ。でも、おかしなことにクロウリーはあれ? 思い出せませんねって言うんだよ。おかしくね??」
「あれ? そうなの? クロウリーもわかってないの? それじゃ、お手上げじゃないのっ」
エーリカは初めて聞いたわよ、そんな話とばかりにタケルに食いついてくる。タケルはあれ?? という表情になってしまう。どういうことよとばかりにエーリカはタケルに身体を近寄らせていく。困ったタケルはエーリカに押されっぱなしになり、エーリカに押し倒される格好となる。
(そんなの当たり前なのでッチュウ。クロウリーは自身では耐えれない負荷を逃すために、ボクという存在を創り出したのでッチュウ。クロウリーがタケルのことをちゃんと覚えてないのはごく自然な話なのでッチュウ)
コッシローはクロウリーが禁術を用いて、クロウリーの魂の一部を材料として、創り出された精霊だ。コッシローは自分の存在意義を十分に理解している。主はクロウリーであり、コッシローは従である。だが、コッシローはコッシローとしての命を持っていた。それはクロウリーと言えども、コッシローを言いように使ってはいけないという証であった。
(チュッチュッチュ。今の時点では、エーリカとタケルの間に異常は見られないでッチュウ。でも、タケルから何かアクションを起こしてほしいでッチュウね。再現性のチェックを行いたいのでッチュウ)
コッシローは3カ月前に起こったエーリカの異常な状態から、この2人の関係性をチェックし続けていた。しかしながら、あの事件の後、2人がおかしな状態になることは無かった。それでも、念には念をとばかりにコッシローは2人を観測し続けた。だが、何も無さ過ぎて、いい加減飽きてきていた。タケルに何か起こしてほしいとコッシローの方から願いつつある状況になっていた。
(傍から見えれば、ヤキモキしてしまう間柄なんでッチュウけどねぇ……。ボクとしても、エーリカちゃんを無理やりに押し倒して、唇を奪ってしまえと思うんでッチュウけど……。ヘタレのアベルでもマーベル女傑に押し倒されるシチュエーションなんでッチュウけど……)
コッシローの観測対象であるエーリカとタケルは微笑ましくも、池のほとりで談笑を続けていた。エーリカが腹を抱えて笑い転げる姿を見て、今がチャンスでッチュウよ! と叫びそうになるのを必死に抑えている状況だ。しかし、タケルはそんなチャンスを何度も棒に振っている。いい加減にしろよと、腹の奥底から怒りが沸きそうになってしまうコッシローであった。
腹を抱えて笑い転げていたエーリカが姿勢を正し、さらには苦笑し始めた。あーあーあーとコッシローはため息をついてしまう。その後、またしばらく、どうでも良いことを話し合うエーリカとタケルである。コッシローはタケルの右肩に乗りながら、大きくあくびをしてしまうのであった。
「しっかし、春の陽気に包まれているのは気持ち良いもんだ。久しぶりだよな。こんなにゆっくり羽を伸ばせてるのは」
「うん。王都でも休みは取っていたつもりだったけど、やっぱり生まれ故郷の安心感は違うわ。あたしって、田舎っ子なんだって、実感しちゃう」
「俺は昔の記憶がすっぽり抜けちまってるから、なんとも言えんが、このオダーニの村の雰囲気は好きだって思える」
「そう言えば、タケルお兄ちゃんって、どこからどうやって、このオダーニの村にやってきたのか、わからないって言ってたわよね。タケルお兄ちゃんは王都に行った後、少しは記憶を取り戻せたの?」
エーリカの言にタケルはフルフルと顔を左右に振り、さらには両腕を左右に広げてみせる。エーリカはそんなタケルお兄ちゃんの所作を見て、タケルお兄ちゃんは王都にも縁が無かったのだろうと推測する。それならば、いったいぜんたい、タケルお兄ちゃんの故郷はどこなのだろうと考えこむことになる。
「もしかして、タケルお兄ちゃんはテクロ大陸本土の出身者?」
「それなら、どうやっても船に乗らなきゃならん。いくら記憶が飛んでいるからと言って、船で海を渡ったことまで覚えてないのは無理があるんだよな」
「そうなのよね、そこが一番の問題なのよね。あたしは船で国から国へ渡ったことは無いけど、クロウリーから言わせてもらえば、それは人生において、決して忘れられない思い出になるって言ってたし。それは経験していないあたしでもそうなんだろうなって思えるもん」
エーリカはホバート王国からアデレート王国に上陸する日を、今か今かと待ちわびている。そのことを想うだけで、胸がいっぱいになってしまうほどだ。そして、それを実際に体験しているのならば、決して忘れることのない思い出になるはずだ。
だが、当のタケルはまったくもって、大きな船で海を渡ったというような感覚は持っていないと言う。ならば、タケルはホバート王国から外に出たこともないし、よその国からホバート王国にやってきていないということになる。
エーリカの感覚から言わせてもらえば、タケルはオダーニの村出身ではないことはわかる。もっと言ってしまえば、そもそもとして、村や小さな町の出身者ではない感じがするのだ。そんな男が王都において、飄々と貴族たちと交渉出来るわけが無いからだ。
タケルの性分からして、それが出来る可能性はあることはある。だが、相手は貴族なのだ。貴族を舐めてはいけない。庶民をバカにすることに関しては、血と肉と魂がそれをさせるとも言えるような人種だ。そんな貴族がタケルとまともに面向かい合って交渉しているのだ。タケルの本質がある程度のレベルに達しているという証拠になる。
もし、タケル以外の人物が血濡れの女王とホバート王国の貴族たちとが交渉を行っていたと仮定しよう。そうしたならば、血濡れの女王の団の名は、もっと下に見られていたに違いない。エーリカはそんな気がしてならない。
「もしかすると、あたしが想像している以上に、タケルお兄ちゃんって、立派な身分だったのかも。今の姿からはまったくイメージ出来ないけどね」
「クロウリーが何か知ってそうなんだけど、まるで弟のように、俺を使い倒すだけなんだよな。俺もそれが自然だと受け取っちまってる。俺はクロウリーがかつて、俺の師匠をやってくれたのは思い出せるんだ。でも、師事を仰いでいる場面をまったくもって思い出せん」
「それも不思議なのよね。クロウリーがタケルお兄ちゃんの昔のことを教えればいいのに、クロウリーもそれをしないんだから」
「俺もそう思って、クロウリーに聞いてみたんだよ。でも、おかしなことにクロウリーはあれ? 思い出せませんねって言うんだよ。おかしくね??」
「あれ? そうなの? クロウリーもわかってないの? それじゃ、お手上げじゃないのっ」
エーリカは初めて聞いたわよ、そんな話とばかりにタケルに食いついてくる。タケルはあれ?? という表情になってしまう。どういうことよとばかりにエーリカはタケルに身体を近寄らせていく。困ったタケルはエーリカに押されっぱなしになり、エーリカに押し倒される格好となる。
(そんなの当たり前なのでッチュウ。クロウリーは自身では耐えれない負荷を逃すために、ボクという存在を創り出したのでッチュウ。クロウリーがタケルのことをちゃんと覚えてないのはごく自然な話なのでッチュウ)
コッシローはクロウリーが禁術を用いて、クロウリーの魂の一部を材料として、創り出された精霊だ。コッシローは自分の存在意義を十分に理解している。主はクロウリーであり、コッシローは従である。だが、コッシローはコッシローとしての命を持っていた。それはクロウリーと言えども、コッシローを言いように使ってはいけないという証であった。
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