4 / 197
第1章:エーリカの野望
第1話:立志式
しおりを挟む
――竜皇バハムート3世歴459年 2月4日――
テクロ大陸本土から東に海を挟むと、そこには島国であるホバート王国が存在した。そのホバート王国における南、小高い山のふもとには1000人ほどの人口を持つ集落があった。その集落でエーリカ=スミスは14歳まですくすくと育つ。エーリカ=スミスや集落の悪ガキ共はこの日、大人の階段を1つ登ったという節目の儀式に参加することになる。
その儀式の名は【立志式】であった。昔は【元服】とも呼ばれた儀式であった。しかしながらホバート王国は今から200年ほど前に成人の年齢を14歳から18歳へと改めた。そういう事情もあり、元服は今では立志式と呼ばれるように変わっていったのである。毎年、2月4日に執り行われている立志式は、こんな辺境の村でも欠かさず行われている。
「これにて立志式は終了です。昔なら大人の一員として働くことになりますが、皆様は今のホバート王国法においては、もの知らぬ子どもよりかはいくらかマシ程度の扱いです。ですから、そんな大人に負けぬよう、【若者組】に所属し、そこでしっかりと学びを深め、各々の将来のために日々、励んでください」
この辺境の村:オダーニの儀式関連を一手に引き受けている一族がいた。その中でも御年16歳の巫女:セツラ=キュウジョウがお姉さんとしての役割を果たすべく、悪ガキ共へ高説を垂れることになる。
「セツラ様がそう言うなら、拙者たちも渋々従うでござるが……。なぁ、アベル。どうせ、拙者たちは家の稼業を手伝うくらいしか、将来の見込みなんか無いのではござらぬかぁ!?」
「うむ。ブルースの言う通りだ。それがしは農家の三男坊。ブルースは篭屋の次男坊。こんな辺鄙な村では上が何かやらかさない限りは部屋住みはほぼ確定である」
この村の悪ガキ共の代表格でるブルース=イーリンとアベルカーナ=モッチンのふたりが、そう愚痴を零した次の瞬間には、立志式を終えて、さあこれから将来の夢を各々で語ろうとしていた若者たちの雰囲気が一気にしらけモードへと移行してしまう。皆、わかっているのだ。この辺境の村に真の意味で大人になるまで居続けることになれば、嫁すらもらえず、稼業手伝いで一生を過ごすことくらい。
部屋住みとはまさにこういう状況になることだ。部屋住みが嫌だからと言って、頼るひともいないというのに故郷を離れ、そこで立身出世を果たすのは限りなく難しい。いくら辺境の村と言えども、稼業を手伝うことで細々とながら食っていけることは出来る。だが、男ならば立身出世を夢見てこそだと思える時代なのだ、今は。
ホバート王国から海を挟んで西に進むとテクロ大陸本土がある。その地ではかれこれ200年近く戦乱時代が続いている。しかしながらホバート王国は海という天然の要塞が存在しており、ホバート王国内には大陸からの戦火が届きにくい状況となっていた。そのため、命を惜しむ者はホバート王国から、わざわざ海を渡ってテクロ大陸本土に向かう者は稀と言って良かったのである。
「おいらは若者組で2年過ごしたら、街に出稼ぎにいくだ」
「ミンミン……。お前んところは兄妹が多いでござるからな」
「なぁに、ブルースたちとはあと2年は若者組で一緒にバカ騒ぎできるだ。おいら、寂しくなんかないだべさっ!」
ミンミン=ダベサ。エーリカ=スミスやアベルカーナ=モッチン、そしてブルース=イーリンたちと同じく14歳の若者である。しかしながら、ミンミン=ダベサは10人兄弟の次男坊にあたる。長男のピクミン=ダベサが稼業を継ぐのは良いとして、その稼業だけでは、残りの兄妹たちを喰わせていくことなど到底できはしない。
誰しもが真っ暗とまではいかないが、この閉塞感を吹き飛ばしてほしい気持ちを持っていた。だからこそ、立志式が執り行われた式典会場用の建物に居合わせたとある女子に視線を集中させたのだ。
「ん? なんで皆であたしを見てるの? 拝観料をもらうわよ?」
「エーリカ……。そうじゃないでござる。いつものようにエーリカの夢を聞かせてほしいのでござる」
「そうだぞ。夢で腹は膨れぬが、エーリカが語る夢は、それがしたちの心を満たしてくれる」
「あんたたち、バカなの?」
ブルース=イーリンとアベルカーナ=モッチンはエーリカ=スミスの塩対応に腹を立てそうになる。見た目こそ美少女であるが、その美少女が台無しになるくらいには口が悪いと言ってしまいたくなる。しかし、エーリカが続ける言葉によって、自分たちのほうが間違いであると気づかされることになる。
「良い? モテる男の条件は夢を語れるかどうかなのっ! そして、真にモテる男はその夢に向かって邁進することよっ!」
「ぐぅの音も出ないでござる……」
「くやしいが右に同じである」
自分たちが何とも恥ずかしいことをエーリカに頼んでいたことに気づかされる2人であった。そんな彼らを見ていたセツラ=キュウジョウは苦笑いする他無かった。そして、お姉さんとしての役割を果たすために、エーリカにあまりきつく当たらないようにと、エーリカを諭すのであった。
「セツラお姉ちゃんは男どもに優しすぎるのよっ! あたしは一国の主になる夢を持っているの。だから、軟弱者を配下にする気が無いって言いたいだけなのっ!」
「エーリカさん。それって……」
「うんっ。あたしも14歳になって、立志式を無事に終えて、大人になるためのの自覚をひしひしと感じてる真っ最中よ。だからこそ、ブルースやアベルにはもっと野心を持ってほしいって思ってる!」
「マジでござるか? エーリカ」
「マジもマジよ。ブルース。あんたは切り込み隊長」
「それがしは!?」
「アベルは遊撃隊長ねっ!」
ブルース=イーリンとアベルカーナ=モッチンの顔は、ひまわりが咲いたかのように元気いっぱいの表情となっていた。エーリカ=スミスが言わんとしていることを理解したからである。エーリカは夢を夜見る夢として終わらせようとはしていなかったのだ。昔からとんでもない発言をする女子だと思っていたが、熱く語る夢をまさかまさかの本当に実現しようとしているとはまさに夢にも思っていなかったのである。
「皆、うらやましいだべさ。おいらも何かの隊長になりたいだべさ」
「ミンミンは優しくて力持ちだから、輜重隊長が良い気がするの。でも、村一番の力持ちを後方支援に回すのはもったいない気がするわ」
「ミンミンが戦と言えども、ひとを傷つけるイメージがわかないでござるからなぁ」
「うむ。せっかくの膂力が泣いてしまうのである。ミンミン、無理強いする気は無いが、エーリカのために前線に立ってくれぬか?」
「おいら、エーリカのためなら、この手を血で汚すのを躊躇しないだべさっ! エーリカ、おいらの力が発揮できる場所に配置してほしいだべさ!」
「わかったわ。ミンミンがそう言ってくれるなら、配置転換を考えておくねっ。でも、無理そうだったらいつでも相談に乗るからねっ!」
テクロ大陸本土から東に海を挟むと、そこには島国であるホバート王国が存在した。そのホバート王国における南、小高い山のふもとには1000人ほどの人口を持つ集落があった。その集落でエーリカ=スミスは14歳まですくすくと育つ。エーリカ=スミスや集落の悪ガキ共はこの日、大人の階段を1つ登ったという節目の儀式に参加することになる。
その儀式の名は【立志式】であった。昔は【元服】とも呼ばれた儀式であった。しかしながらホバート王国は今から200年ほど前に成人の年齢を14歳から18歳へと改めた。そういう事情もあり、元服は今では立志式と呼ばれるように変わっていったのである。毎年、2月4日に執り行われている立志式は、こんな辺境の村でも欠かさず行われている。
「これにて立志式は終了です。昔なら大人の一員として働くことになりますが、皆様は今のホバート王国法においては、もの知らぬ子どもよりかはいくらかマシ程度の扱いです。ですから、そんな大人に負けぬよう、【若者組】に所属し、そこでしっかりと学びを深め、各々の将来のために日々、励んでください」
この辺境の村:オダーニの儀式関連を一手に引き受けている一族がいた。その中でも御年16歳の巫女:セツラ=キュウジョウがお姉さんとしての役割を果たすべく、悪ガキ共へ高説を垂れることになる。
「セツラ様がそう言うなら、拙者たちも渋々従うでござるが……。なぁ、アベル。どうせ、拙者たちは家の稼業を手伝うくらいしか、将来の見込みなんか無いのではござらぬかぁ!?」
「うむ。ブルースの言う通りだ。それがしは農家の三男坊。ブルースは篭屋の次男坊。こんな辺鄙な村では上が何かやらかさない限りは部屋住みはほぼ確定である」
この村の悪ガキ共の代表格でるブルース=イーリンとアベルカーナ=モッチンのふたりが、そう愚痴を零した次の瞬間には、立志式を終えて、さあこれから将来の夢を各々で語ろうとしていた若者たちの雰囲気が一気にしらけモードへと移行してしまう。皆、わかっているのだ。この辺境の村に真の意味で大人になるまで居続けることになれば、嫁すらもらえず、稼業手伝いで一生を過ごすことくらい。
部屋住みとはまさにこういう状況になることだ。部屋住みが嫌だからと言って、頼るひともいないというのに故郷を離れ、そこで立身出世を果たすのは限りなく難しい。いくら辺境の村と言えども、稼業を手伝うことで細々とながら食っていけることは出来る。だが、男ならば立身出世を夢見てこそだと思える時代なのだ、今は。
ホバート王国から海を挟んで西に進むとテクロ大陸本土がある。その地ではかれこれ200年近く戦乱時代が続いている。しかしながらホバート王国は海という天然の要塞が存在しており、ホバート王国内には大陸からの戦火が届きにくい状況となっていた。そのため、命を惜しむ者はホバート王国から、わざわざ海を渡ってテクロ大陸本土に向かう者は稀と言って良かったのである。
「おいらは若者組で2年過ごしたら、街に出稼ぎにいくだ」
「ミンミン……。お前んところは兄妹が多いでござるからな」
「なぁに、ブルースたちとはあと2年は若者組で一緒にバカ騒ぎできるだ。おいら、寂しくなんかないだべさっ!」
ミンミン=ダベサ。エーリカ=スミスやアベルカーナ=モッチン、そしてブルース=イーリンたちと同じく14歳の若者である。しかしながら、ミンミン=ダベサは10人兄弟の次男坊にあたる。長男のピクミン=ダベサが稼業を継ぐのは良いとして、その稼業だけでは、残りの兄妹たちを喰わせていくことなど到底できはしない。
誰しもが真っ暗とまではいかないが、この閉塞感を吹き飛ばしてほしい気持ちを持っていた。だからこそ、立志式が執り行われた式典会場用の建物に居合わせたとある女子に視線を集中させたのだ。
「ん? なんで皆であたしを見てるの? 拝観料をもらうわよ?」
「エーリカ……。そうじゃないでござる。いつものようにエーリカの夢を聞かせてほしいのでござる」
「そうだぞ。夢で腹は膨れぬが、エーリカが語る夢は、それがしたちの心を満たしてくれる」
「あんたたち、バカなの?」
ブルース=イーリンとアベルカーナ=モッチンはエーリカ=スミスの塩対応に腹を立てそうになる。見た目こそ美少女であるが、その美少女が台無しになるくらいには口が悪いと言ってしまいたくなる。しかし、エーリカが続ける言葉によって、自分たちのほうが間違いであると気づかされることになる。
「良い? モテる男の条件は夢を語れるかどうかなのっ! そして、真にモテる男はその夢に向かって邁進することよっ!」
「ぐぅの音も出ないでござる……」
「くやしいが右に同じである」
自分たちが何とも恥ずかしいことをエーリカに頼んでいたことに気づかされる2人であった。そんな彼らを見ていたセツラ=キュウジョウは苦笑いする他無かった。そして、お姉さんとしての役割を果たすために、エーリカにあまりきつく当たらないようにと、エーリカを諭すのであった。
「セツラお姉ちゃんは男どもに優しすぎるのよっ! あたしは一国の主になる夢を持っているの。だから、軟弱者を配下にする気が無いって言いたいだけなのっ!」
「エーリカさん。それって……」
「うんっ。あたしも14歳になって、立志式を無事に終えて、大人になるためのの自覚をひしひしと感じてる真っ最中よ。だからこそ、ブルースやアベルにはもっと野心を持ってほしいって思ってる!」
「マジでござるか? エーリカ」
「マジもマジよ。ブルース。あんたは切り込み隊長」
「それがしは!?」
「アベルは遊撃隊長ねっ!」
ブルース=イーリンとアベルカーナ=モッチンの顔は、ひまわりが咲いたかのように元気いっぱいの表情となっていた。エーリカ=スミスが言わんとしていることを理解したからである。エーリカは夢を夜見る夢として終わらせようとはしていなかったのだ。昔からとんでもない発言をする女子だと思っていたが、熱く語る夢をまさかまさかの本当に実現しようとしているとはまさに夢にも思っていなかったのである。
「皆、うらやましいだべさ。おいらも何かの隊長になりたいだべさ」
「ミンミンは優しくて力持ちだから、輜重隊長が良い気がするの。でも、村一番の力持ちを後方支援に回すのはもったいない気がするわ」
「ミンミンが戦と言えども、ひとを傷つけるイメージがわかないでござるからなぁ」
「うむ。せっかくの膂力が泣いてしまうのである。ミンミン、無理強いする気は無いが、エーリカのために前線に立ってくれぬか?」
「おいら、エーリカのためなら、この手を血で汚すのを躊躇しないだべさっ! エーリカ、おいらの力が発揮できる場所に配置してほしいだべさ!」
「わかったわ。ミンミンがそう言ってくれるなら、配置転換を考えておくねっ。でも、無理そうだったらいつでも相談に乗るからねっ!」
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
おっす、わしロマ爺。ぴっちぴちの新米教皇~もう辞めさせとくれっ!?~
月白ヤトヒコ
ファンタジー
教皇ロマンシス。歴代教皇の中でも八十九歳という最高齢で就任。
前任の教皇が急逝後、教皇選定の儀にて有力候補二名が不慮の死を遂げ、混乱に陥った教会で年功序列の精神に従い、選出された教皇。
元からの候補ではなく、支持者もおらず、穏健派であることと健康であることから選ばれた。故に、就任直後はぽっと出教皇や漁夫の利教皇と揶揄されることもあった。
しかし、教皇就任後に教会内でも声を上げることなく、密やかにその資格を有していた聖者や聖女を見抜き、要職へと抜擢。
教皇ロマンシスの時代は歴代の教皇のどの時代よりも数多くの聖者、聖女の聖人が在籍し、世の安寧に尽力したと言われ、豊作の時代とされている。
また、教皇ロマンシスの口癖は「わしよりも教皇の座に相応しいものがおる」と、非常に謙虚な人柄であった。口の悪い子供に「徘徊老人」などと言われても、「よいよい、元気な子じゃのぅ」と笑って済ませるなど、穏やかな好々爺であったとも言われている。
その実態は……「わしゃ、さっさと隠居して子供達と戯れたいんじゃ~っ!?」という、ロマ爺の日常。
短編『わし、八十九歳。ぴっちぴちの新米教皇。もう辞めたい……』を連載してみました。不定期更新。
異世界八険伝
AW
ファンタジー
これは単なる異世界転移小説ではない!感涙を求める人へ贈るファンタジーだ!
突然、異世界召喚された僕は、12歳銀髪碧眼の美少女勇者に。13歳のお姫様、14歳の美少女メイド、11歳のエルフっ娘……可愛い仲間たち【挿絵あり】と一緒に世界を救う旅に出る!笑いあり、感動ありの王道冒険物語をどうぞお楽しみあれ!
如月さんは なびかない。~クラスで一番の美少女に、何故か告白された件~
八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」
ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。
蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。
これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。
一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。
異世界はモフモフチートでモフモフパラダイス!
マイきぃ
ファンタジー
池波柔人は中学2年生。14歳の誕生日を迎える直前に交通事故に遭遇し、モフモフだらけの異世界へと転生してしまった。柔人は転生先で【モフった相手の能力を手に入れることのできる】特殊能力を手に入れた。柔人は、この能力を使ってモフモフハーレムを作ることができるのだろうか!
※主人公が突然モヒカンにされたり(一時的)、毛を刈られる表現があります。苦手な方はご注意ください。
モフモフな時に更新します。(更新不定期)
※この作品はフィクションです。実在の人物、団体等とは一切関係ありません。
カバーイラストのキャラクターは
萌えキャラアバター作成サービス「きゃらふと」で作成しています。
きゃらふとhttp://charaft.com/
背景 つくx2工房
多重投稿有
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
魔法武士・種子島時堯
克全
ファンタジー
100回以上の転生を繰り返す大魔導師が今回転生したのは、戦国時代の日本に限りなく近い多元宇宙だった。体内には無尽蔵の莫大な魔力が秘められているものの、この世界自体には極僅かな魔素しか存在せず、体外に魔法を発生させるのは難しかった。しかも空間魔法で莫大な量の物資を異世界間各所に蓄えていたが、今回はそこまで魔力が届かず利用することが出来ない。体内の魔力だけこの世界を征服できるのか、今また戦いが開始された。
学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。
たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】
『み、見えるの?』
「見えるかと言われると……ギリ見えない……」
『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』
◆◆◆
仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。
劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。
ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。
後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。
尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。
また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。
尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……
霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。
3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。
愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー!
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる