上 下
65 / 123
第7章:刻まれた恐怖

第3話:姫とその下男

しおりを挟む
 蒸し風呂からハジュン=ダイロクテンを外に運び出すのはイヴァン=アレクサンドロヴァの膂力だけでは足りず、結局のところ、ニンゲン族の首魁であるタムラ=サカノウエの手も借りることとなる。イヴァン=アレクサンドロヴァとタムラ=サカノウエがハジュン=ダイロクテンの両肩側から持ち上げて、彼を幹部たちが寝泊まりしている小屋へと運びだすのであった。

 そして、ハジュン=ダイロクテンを運び終えた後、小屋から外にでた2人であったが、言葉を交わす前にタムラ=サカノウエの方から右手を差し出してきたのだ。イヴァン=アレクサンドロヴァは、むむ……と難しい顔になったが、ふぅ……と息を吐き、顔から緊張感を抜く。そして、自分も右手を差し出して、タムラ=サカノウエと握手を交わすこととなる。

「私から手を出そうとしていたのだが、まだまだ私は若輩者というわけだな。ここは純血主義だなんだと言っていがみあっちゃいけないよな。政治的なお話は横に置いておいて、ここは一致団結しましょう」

「うむ。それが良かろう。聖戦はまだ終わっていないのでござる。聖戦の標的を『覇王』として扱うのでござる。そして、散っていった命に報いるためにも、拙者たちは皆を鼓舞しなければならないのでござる」

 そんな男と男の友情を確かめあっているのを狸寝入りしていたハジュン=ダイロクテンが扉の隙間から確認し、フフッと微笑んでみせる。そして、彼らが扉の前から去ったのを確認した後、頭だけを扉の向こう側に出して、その頭を左右に振る。そして、その視線の先に目的の人物を見つけるや否や、その人物を右手でこっちこっちと合図を入れる。そしてその人物は辺りをキョロキョロと確認した後、小屋の中に逃げ込むようにササッと入っていく。

 そして、ハジュン=ダイロクテンは扉の外側に『立ち入り厳禁』の札をかけて、しっかりと小屋の扉を閉める。それをした後、むふふっ! と鼻息を荒くしだしたのだ、ハジュン=ダイロクテンは。

「いやあ……。蒸し風呂の中で、先生のおちんこさんを抑えつけるのは至難の技でしたよ。だめですよ。いくら蒸し風呂の中だからといって、タオルで下だけ隠されたら、余計に興奮しちゃうでしょうがっ!!」

「も、申し訳ありませんわ。あの恰好が蒸し風呂の中では自然だと思い、そうしたのだけれど、ハジュンの機嫌を損ねてしまいましたの?」

 ハジュン=ダイロクテンに叱られている人物はエルフ族の女王であるアンジェラ=キシャルであった。彼女は蒸し風呂から出た後、従者たちの手により、紅を基調としたドレスを着せられることとなったが、着替えたばかりのそのドレスの首元にハジュン=ダイロクテンが右手を突っ込み、さらにはその右手の先に伸びる鋭い爪で引き裂いてしまう。

 それをされたことにより、アンジェラ=キシャルの豊満な果実を包み込んでいたモノが無くなったせいで、彼女のおっぱいは小屋の中の空気に触れることとなる。彼女は羞恥心から両腕で抱えるようにスイカのようなおっぱいを必死に隠そうとする。しかしながら、彼女の細いシルクのような腕では、たわわに実った果実は先端を隠すのみで、自然と零れ落ちてしまう。

「ら、乱暴はよしてほしいのですわ……。覇王をしりぞけたことでハジュンの気持ちが昂っているのはわかりますけれども、わたくし、優しくされるほうが好きなの……」

「嘘おっしゃい! そんな清楚ぶる台詞とは似合わぬ恍惚とした表情ではありませんかっ! 何です? 何がほしいのか言ってくださいよぉ!?」

 確かにハジュン=ダイロクテンの言う通り、アンジェラ=キシャルはイヤイヤとは言いつつも、頬はすでに紅潮し、彼女の碧玉サファイア色の瞳は、これから彼におこなわれる行為を期待して潤んでしまっている。そして、口からはこれまた熱い吐息をハアハアと漏れ出してしまっていた。そんな彼女だからこそ、ハジュン=ダイロクテンは一切手加減せずに彼女を言葉責めにしているのである。

「先生は別に貴女の大きすぎる喘ぎ声がこの小屋から外に漏れだしてしまっても一向に構いません。しかしながら、それはエルフの女王としては恥そのものです」

「ひどいのですわ……。ワタクシがそんなはしたない声をあげるとお思いですの!? うぎぃ!!」

 アンジェラ=キシャルが抗議すると同時に、ハジュン=ダイロクテンは彼女の胸についている果実のひとつを右手で鷲掴みにし、さらには左手でもうひとつの果実の先端を指先で強めにつねったのである。それだけで、彼女は自分の股にある間欠泉から聖水を噴き出し、新しく履き替えた紫色のショーツをびしょ濡れにしてしまう。

「もう一度言いますよ? 先生は貴女の喘ぎ声すらも独り占めしたいのです。貴女の麗しい嬌声を誰かに聞かせるような趣味を持ち合わせていません」

「わ、わかりましたわ。ワ、ワタクシはハジュンとの情事中の声を誰かに聞かれても大丈夫ですけど、貴方が嫌なのなら、それに従いますわ……」

 アンジェラ=キシャルはハジュン=ダイロクテンにそう答えると、口をもごもごと動かし、右手の指さきを軽く振る。すると、その指先から小さな光体が発生する。その羽虫が飛ぶが如くに光が小屋内に広がり、壁や天井にそれらが染み込んでいく。それを確認し終えたハジュン=ダイロクテンはまってましたとばかりにアンジェラ=キシャルの身体の隅々を侵略しはじめたのであった。

「ああ……。下男のハジュンよ。もっと乳首をいじめてほしいのですわっ」

「うっひっひ。これはいけないお姫様だ。ただの召使いにそのようなはしたない要求をするのですかい。ここでございますか? ここをこういじるのですか??」

 2人の今日のコンセプトは『お姫様とその召使い』であった。次代を担う高貴な身分であらされる姫が、婚約したばかりの皇子を相手にするのではなく、昔から自分に仕えてくれている小汚い召使いの手によって、好きなようにその美しい肢体をむさぼり喰らわれるという設定である。

 いつの時代も女性は殿方にお姫様のように扱われるのが好きなのだ。しかし、いくらお姫様と言えども、今のアンジェラ=キシャルは淫乱な情婦そのものである。騎士にお姫様抱っこされるのではなく、自分とは絶対に結ばれるわけがない身分の低い男と禁忌の情事にふけっているというシチュエーションに溺れてしまっていた。

 そんな彼女の身体を舐り続けたのが下男役のハジュン=ダイロクテンであった。彼は彼女にあらん限りに罵声を飛ばし、さらには自分から股を開けと命ずる。アンジェラ=キシャルは簡素なベッドの上で横になり、さらには紅く染まる顔を両手で抑えながらも、カエルのように両足を広げて、自分の金色の毛に覆われつつも、テラテラと濡れそぼったアワビをハジュン=ダイロクテンに披露するのであった……。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【R18 】必ずイカせる! 異世界性活

飼猫タマ
ファンタジー
ネットサーフィン中に新しいオンラインゲームを見つけた俺ゴトウ・サイトが、ゲーム設定の途中寝落すると、目が覚めたら廃墟の中の魔方陣の中心に寝ていた。 偶然、奴隷商人が襲われている所に居合わせ、助けた奴隷の元漆黒の森の姫であるダークエルフの幼女ガブリエルと、その近衛騎士だった猫耳族のブリトニーを、助ける代わりに俺の性奴隷なる契約をする。 ダークエルフの美幼女と、エロい猫耳少女とSEXしたり、魔王を倒したり、ダンジョンを攻略したりするエロエロファンタジー。

【R-18】イケメンな鬼にエッチなことがされたい

抹茶入りココア
恋愛
目を開けるとそこには美しい鬼がいた。 異世界に渡り、鬼に出会い、悩みながらも鬼に会いに行く。 そして、そこからエロエロな一妻多夫?生活が始まった。 ストーリーよりもエロ重視になります。タグなどを見て苦手かもと思われたら読まないことを推奨します。 *があるタイトルはエロ。

【R18】スライムにマッサージされて絶頂しまくる女の話

白木 白亜
ファンタジー
突如として異世界転移した日本の大学生、タツシ。 世界にとって致命的な抜け穴を見つけ、召喚士としてあっけなく魔王を倒してしまう。 その後、一緒に旅をしたスライムと共に、マッサージ店を開くことにした。卑猥な目的で。 裏があるとも知れず、王都一番の人気になるマッサージ店「スライム・リフレ」。スライムを巧みに操って体のツボを押し、角質を取り、リフレッシュもできる。 だがそこは三度の飯よりも少女が絶頂している瞬間を見るのが大好きなタツシが経営する店。 そんな店では、膣に媚薬100%の粘液を注入され、美少女たちが「気持ちよくなって」いる!!! 感想大歓迎です! ※1グロは一切ありません。登場人物が圧倒的な不幸になることも(たぶん)ありません。今日も王都は平和です。異種姦というよりは、スライムは主人公の補助ツールとして扱われます。そっち方面を期待していた方はすみません。

月が導く異世界道中extra

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  こちらは月が導く異世界道中番外編になります。

【R18】ファンタジー陵辱エロゲ世界にTS転生してしまった狐娘の冒険譚

みやび
ファンタジー
エロゲの世界に転生してしまった狐娘ちゃんが犯されたり犯されたりする話。

異世界の淫紋ダンジョン前の宿屋で働くおっさんの話

たこわさふりかけ
ファンタジー
淫紋ダンジョンというものがある。 そこは非常に簡単な——というか難易度すら存在しないダンジョンであるにも関わらず、レアなアイテムがそこら辺に転がっている場所……なのだが、女性限定で、しかも入った女性には降りた階層に応じた淫紋が刻まれるダンジョンである。 淫紋を解呪するには男とセックスするしかない。 故に淫紋ダンジョンの近辺には女性向けの風俗店が乱立している。 これは、そんな淫紋ダンジョン前の宿屋(無論性的な意味の)で働くおっさんの物語である。

モブ令嬢としてエロゲ転生したら幼馴染の年上隠れS王子に溺愛調教されて困ってます

あらら
恋愛
アラサー喪女が女性向けエロゲの世界にモブとして転生した!

【R-18】寝取られが合法の世界に転生したので種付け師としてヤりまくる

そーだえんそ
ファンタジー
特に夢を持たないままブラック企業へ就職し働きすぎで過労死してしまった男は、異世界へと転生した。 転生した世界ではなんと「種付け師」という、寝取ることを専門にした役職が存在していた。 フールとして新たな人生をはじめた男は「種付け師」となってヤりまくる生活を送ることに! ※♡喘ぎあり ※数字の後に♡:R-18シーンあり ♥:中出しあり

処理中です...