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第4章:裏切りの魔族・亜人族
第3話:大戦への引き金
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――テンショウ21年3月28日 魔族が支配するレン国:その中心部にある魔王城にて――
ニンゲン・エルフ連合軍がドワーフ族の領地に向けて、出立する3日前、魔族の代弁者であるハジュン=ダイロクテンは2勢力からの要請に対して、それぞれに回答を送る。2羽の三つ眼の黒い伝書鳩が魔王城のテラスから飛んでいき、それぞれの目的地に向かって、眼にも止まらぬ速度で大空を飛んでいく。ハジュン=ダイロクテンは飛んでいく黒い2羽の伝書鳩をその眼で確認できなくなるまで、眼を細めながら見つめ続けた。
「さてと……。あれらがそれぞれの国の宰相にまでたどり着けば、いよいよもってして開戦は免れない状況となるでしょう。コッヒローくん。ニンゲン・エルフ連合軍はどれほどの兵士を拠出すると思います?」
ハジュン=ダイロクテンは自分の身体の右側でフワフワと浮かびながら発光しているコッヒロー=ネヅに問いかける。彼はう~~~んと唸り、あくまでも予測であると断りを入れつつ、自分の私見を述べる。
「あちらからは軍の全容を知らされていない以上、10~15万と言ったところでッチュウね。でも、その数でコロウ関を抜くには戦力はまるで足りないはずでッチュウ」
「なるほど。ニンゲン・エルフ連合軍が最低限、魔族・亜人族との停戦協定を急いでいたというのは理屈に合いますね。バケツリレーで兵員の補充を繰り返しているところに、後ろからドワーフ族とともに挟撃をかまされたら、どうしようもありませんし」
「しかしながら、ドワーフ族と手を結んでニンゲン・エルフ連合軍を挟撃するというのも悪くない手でッチュウ。コロウ関をニンゲン・エルフ連合軍が抜くのが難しいように、魔族・亜人族もトウ関を抜くことは難しいのでッチュウ」
ウィル・オー・ウィスプのコッヒロー=ネヅの言う通り、いくらドワーフ族VS他の4種族との戦いになろうが、かの国との国境にあるコロウ関、トウ関は数々の防衛兵器によって、ただでさえ要塞と化しており、さらにはその石壁をアダマンタイトでコーティングしているために、容易に攻略できるシロモノではなかった。だからこそ、先にニンゲン・エルフ連合軍を挟撃で倒してしまうのも一手だと主張する。だが、そうしたからと言って、それを為して一番得をするのはドワーフ族である。
そして、一番の問題は、魔族・亜人族はドワーフ族の国王が主張する帝を必要としない新たなシステムに賛同しているわけではないことだ。そのため、2羽の伝書鳩のもう一方には、『魔族・亜人族は未だ態度を決めかねる』と言った旨を託して、ドワーフ族が支配するダイクーン王国へと送ったのであった。
ドワーフ族の国王:マーロン=ダイクーンが唱える『覇者によるテクロ大陸の統治』はそもそもとして、世の中の人々には到底、受け入れられるわけがないことを、他の4種族の代表者たちは痛いほど理解している。今のテクロ大陸は『覇者による統治』を望んではいない。それを今から180年前に起きた『魔王と勇者の戦い』でも証明されている。
しかし、それならば、何故に魔族の代弁者であるハジュン=ダイロクテンが『覇者』を目指すのか? という疑問が湧いて当然であろう。だが、彼は彼なりの『覇者』の在り方について、この180年間、考えに考えぬいてきた。
簡略的に言えば、魔族・亜人族は帝の存在自体は否定しない。しかし、今のままでは、いづれ破綻することはわかっている。だからこそ、緩やかな変化をテクロ大陸にもたらせなければならないと考えている。もちろん、これは理想論であることは否めない。ドワーフ族と同様、魔族・亜人族もまた、理想論の上で、それぞれの『覇者』の在り方を模索していたのだ。
だが、そもそも変化自体する必要が無いという立場にあるのが、ニンゲン族とエルフ族であった。彼らは未来永劫、帝を擁するシステムを維持していくことを主張してやまない。そして、その帝システムをより強化するために、南北朝の争いに終止符を打つべく動いてきたのである。
そして、各国の不満が爆発したのが、数週間前に行われていた選帝侯会議の場であっただけなのだ。単純に分類するとなれば、ドワーフ族は『あらたな世への革命』を望み、ニンゲン・エルフ族は『伝統と文化の絶対保守』。そして、魔族・亜人族は『進歩的保守』と言ったところであろう。
どこぞの世界の言葉で言い換えるなら、ドワーフ族は『左翼』であり、ニンゲン・エルフ族は『右翼』。そして魔族・亜人族は『中道的右翼』と表現できる。しかしながら、どこぞの世界と違うことは、こちらの世界は戦争が今まさに勃発することであろう。
宗教的見解の違いや、直接的な利害が絡む領土問題による紛争は、もちろんこちらの世界にも存在する。しかしながら、思想の違いにより、血みどろの争いが起きるのは、こちらの世界特有と言ったところであろう。180年前に起きた『魔王と勇者の戦い』も思想の違いによるテクロ大陸中を巻き込んだ大戦争であった。のちの歴史家はこの大戦を『第2次テクロ大戦』と呼んでおり、それはひとびとの間にも定着することとなる。
そして、魔族の代弁者であるハジュン=ダイロクテンがニンゲン・エルフ族との半年間の休戦協定を結んだ今、のちの世では『第3次テクロ大戦』と呼ばれるであろう大戦が火ぶたを切ることとなる。事実、ハジュン=ダイロクテンが各勢力に送った伝書鳩が到着するや否や、その三日後には、ニンゲン・エルフ連合軍がオゥサカ城を出立した。
そして、ニンゲン・エルフ連合軍はドワーフ族とニンゲン族の間にある国境線を越えて、ドワーフ族の砦へと侵攻を開始したのである。ニンゲン・エルフ連合軍は根切までをも行い、その本気度をドワーフ族に示す形となる。そして、その報は伝書鳩を介して魔族・亜人族に続々と届くこととなる。
「いやはや……。タムラ=サカノウエくんにしては生き急ぎすぎている感が否めませんねえ。もしかすると、コロウ関を抜いてしまうかもしれません」
「どうするのでッチュウ? 高みの見物を決め込んでいられる時間は段々と無くなってきているのでッチュウ。こちらが動く前にニンゲン・エルフ連合軍がコロウ関を独自で抜いてしまった場合、彼らが次に矛先を向けるのは間違いなく僕たちの方なんでッチュウ」
「イヴァン=アレクサンドロヴァくんもまだかまだかと毎日のように先生にせっつきまくりですし。しかし、皆、意外と好戦的ですねえ? 先生は平和主義だというのに、これはもう動かざるをえないんでしょうか?」
どこをどう取ったら、ハジュン=ダイロクテンが平和主義なのかとツッコみを入れまくりたいコッヒロー=ネヅである。この大戦への引き金をニンゲン・エルフ族が引いたきっかけを作ったのは、自分の左隣でやれやれとばかりに首を左右に振っている男で間違いないのだから……。
ニンゲン・エルフ連合軍がドワーフ族の領地に向けて、出立する3日前、魔族の代弁者であるハジュン=ダイロクテンは2勢力からの要請に対して、それぞれに回答を送る。2羽の三つ眼の黒い伝書鳩が魔王城のテラスから飛んでいき、それぞれの目的地に向かって、眼にも止まらぬ速度で大空を飛んでいく。ハジュン=ダイロクテンは飛んでいく黒い2羽の伝書鳩をその眼で確認できなくなるまで、眼を細めながら見つめ続けた。
「さてと……。あれらがそれぞれの国の宰相にまでたどり着けば、いよいよもってして開戦は免れない状況となるでしょう。コッヒローくん。ニンゲン・エルフ連合軍はどれほどの兵士を拠出すると思います?」
ハジュン=ダイロクテンは自分の身体の右側でフワフワと浮かびながら発光しているコッヒロー=ネヅに問いかける。彼はう~~~んと唸り、あくまでも予測であると断りを入れつつ、自分の私見を述べる。
「あちらからは軍の全容を知らされていない以上、10~15万と言ったところでッチュウね。でも、その数でコロウ関を抜くには戦力はまるで足りないはずでッチュウ」
「なるほど。ニンゲン・エルフ連合軍が最低限、魔族・亜人族との停戦協定を急いでいたというのは理屈に合いますね。バケツリレーで兵員の補充を繰り返しているところに、後ろからドワーフ族とともに挟撃をかまされたら、どうしようもありませんし」
「しかしながら、ドワーフ族と手を結んでニンゲン・エルフ連合軍を挟撃するというのも悪くない手でッチュウ。コロウ関をニンゲン・エルフ連合軍が抜くのが難しいように、魔族・亜人族もトウ関を抜くことは難しいのでッチュウ」
ウィル・オー・ウィスプのコッヒロー=ネヅの言う通り、いくらドワーフ族VS他の4種族との戦いになろうが、かの国との国境にあるコロウ関、トウ関は数々の防衛兵器によって、ただでさえ要塞と化しており、さらにはその石壁をアダマンタイトでコーティングしているために、容易に攻略できるシロモノではなかった。だからこそ、先にニンゲン・エルフ連合軍を挟撃で倒してしまうのも一手だと主張する。だが、そうしたからと言って、それを為して一番得をするのはドワーフ族である。
そして、一番の問題は、魔族・亜人族はドワーフ族の国王が主張する帝を必要としない新たなシステムに賛同しているわけではないことだ。そのため、2羽の伝書鳩のもう一方には、『魔族・亜人族は未だ態度を決めかねる』と言った旨を託して、ドワーフ族が支配するダイクーン王国へと送ったのであった。
ドワーフ族の国王:マーロン=ダイクーンが唱える『覇者によるテクロ大陸の統治』はそもそもとして、世の中の人々には到底、受け入れられるわけがないことを、他の4種族の代表者たちは痛いほど理解している。今のテクロ大陸は『覇者による統治』を望んではいない。それを今から180年前に起きた『魔王と勇者の戦い』でも証明されている。
しかし、それならば、何故に魔族の代弁者であるハジュン=ダイロクテンが『覇者』を目指すのか? という疑問が湧いて当然であろう。だが、彼は彼なりの『覇者』の在り方について、この180年間、考えに考えぬいてきた。
簡略的に言えば、魔族・亜人族は帝の存在自体は否定しない。しかし、今のままでは、いづれ破綻することはわかっている。だからこそ、緩やかな変化をテクロ大陸にもたらせなければならないと考えている。もちろん、これは理想論であることは否めない。ドワーフ族と同様、魔族・亜人族もまた、理想論の上で、それぞれの『覇者』の在り方を模索していたのだ。
だが、そもそも変化自体する必要が無いという立場にあるのが、ニンゲン族とエルフ族であった。彼らは未来永劫、帝を擁するシステムを維持していくことを主張してやまない。そして、その帝システムをより強化するために、南北朝の争いに終止符を打つべく動いてきたのである。
そして、各国の不満が爆発したのが、数週間前に行われていた選帝侯会議の場であっただけなのだ。単純に分類するとなれば、ドワーフ族は『あらたな世への革命』を望み、ニンゲン・エルフ族は『伝統と文化の絶対保守』。そして、魔族・亜人族は『進歩的保守』と言ったところであろう。
どこぞの世界の言葉で言い換えるなら、ドワーフ族は『左翼』であり、ニンゲン・エルフ族は『右翼』。そして魔族・亜人族は『中道的右翼』と表現できる。しかしながら、どこぞの世界と違うことは、こちらの世界は戦争が今まさに勃発することであろう。
宗教的見解の違いや、直接的な利害が絡む領土問題による紛争は、もちろんこちらの世界にも存在する。しかしながら、思想の違いにより、血みどろの争いが起きるのは、こちらの世界特有と言ったところであろう。180年前に起きた『魔王と勇者の戦い』も思想の違いによるテクロ大陸中を巻き込んだ大戦争であった。のちの歴史家はこの大戦を『第2次テクロ大戦』と呼んでおり、それはひとびとの間にも定着することとなる。
そして、魔族の代弁者であるハジュン=ダイロクテンがニンゲン・エルフ族との半年間の休戦協定を結んだ今、のちの世では『第3次テクロ大戦』と呼ばれるであろう大戦が火ぶたを切ることとなる。事実、ハジュン=ダイロクテンが各勢力に送った伝書鳩が到着するや否や、その三日後には、ニンゲン・エルフ連合軍がオゥサカ城を出立した。
そして、ニンゲン・エルフ連合軍はドワーフ族とニンゲン族の間にある国境線を越えて、ドワーフ族の砦へと侵攻を開始したのである。ニンゲン・エルフ連合軍は根切までをも行い、その本気度をドワーフ族に示す形となる。そして、その報は伝書鳩を介して魔族・亜人族に続々と届くこととなる。
「いやはや……。タムラ=サカノウエくんにしては生き急ぎすぎている感が否めませんねえ。もしかすると、コロウ関を抜いてしまうかもしれません」
「どうするのでッチュウ? 高みの見物を決め込んでいられる時間は段々と無くなってきているのでッチュウ。こちらが動く前にニンゲン・エルフ連合軍がコロウ関を独自で抜いてしまった場合、彼らが次に矛先を向けるのは間違いなく僕たちの方なんでッチュウ」
「イヴァン=アレクサンドロヴァくんもまだかまだかと毎日のように先生にせっつきまくりですし。しかし、皆、意外と好戦的ですねえ? 先生は平和主義だというのに、これはもう動かざるをえないんでしょうか?」
どこをどう取ったら、ハジュン=ダイロクテンが平和主義なのかとツッコみを入れまくりたいコッヒロー=ネヅである。この大戦への引き金をニンゲン・エルフ族が引いたきっかけを作ったのは、自分の左隣でやれやれとばかりに首を左右に振っている男で間違いないのだから……。
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