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第12章:竜皇と幼竜

第2話:聖剣への御奉仕

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「俺のおちんこさんを見ているだけで、濡れてくるだろっ!? さあ、正直に俺のおちんこさんの感想を言ってみろっ!?」

「お、おっきいのデス……。アリスが今まで見てきたおちんこさんのどれよりも立派なの……デス」

 その一言に満足したのか、半龍半人ハーフ・ダ・ドラゴンは腰に両手を当てて、ふんぞり返ることなる。そんな自信満々の半龍半人ハーフ・ダ・ドラゴンのおちんこさんめがけて、まるで創造主:Y.O.N.Nが彼に罰をお与えになったかのように、ダンスホールの天井から石塊が堕ちてくる。しかし、半龍半人ハーフ・ダ・ドラゴンは腰のバットを右から左に振り回すかのように腰を回転させて、落下してきた石塊をおちんこさんで粉砕してしまうのであった。

「す、すごいのデス……。おちんこさんには無限の可能性があるのデス!?」

「カーカカッ! 誰でも出来る芸当じゃねえよっ! 俺の硬度があってこその芸当よっ! さあ、早く俺の聖剣を抜いてくれっ! 俺を満足させてくれやっ!」

 半龍半人ハーフ・ダ・ドラゴンは高笑いしながら、さらに踏ん反りかえる。ご立派に隆起したおちんこさんはダンスホールの天井を向いており、この聖剣が折れることなど、ありえないと思ってしまっていた。しかし、それは無情にもアリス=アンジェラの一撃で、彼のプライドごと、粉砕してしまうのであった。

「あっ。聖剣が折れてしまったのデス」

「てめぇぇぇ! 横方向に曲げるなと、創造主:Y.O.N.Nから教わらなかったのかっ!!」

 アリス=アンジェラは聖剣のテラテラとした輝きに引き寄せられるように、おずおずと身体を前へと動かし、半龍半人ハーフ・ダ・ドラゴンのご自慢のおちんこさんに近づいていった。そして、両手でその聖剣を掴んだまでは良かったが、アリス=アンジェラは何を思ったのか、その聖剣を横方向へと曲げてしまったのである。

 まるで全てを貫かんとばかりに自己主張するおちんこさんを割りと簡単に折る方法がある。それは縦方向ではなく、横方向に力を入れることだ。おちんこさんとは縦方向への力にはめっぽう強い。だからこそ、経験豊富な女性なら、男に跨っている時は、なるべく横方向に尻をスライドさせはしない。騎乗位で女性が前後に動くのには、立派な理由があってなのだ。

 しかし、アリス=アンジェラは初心うぶである。決して曲げてはいけない方向に半龍半人ハーフ・ダ・ドラゴンの聖剣を曲げてしまったのである。絶対王者の剣エクスカリバーは悪しき心を持つ者が振るえば、折れてしまうという伝承がある。だが、今のアリス=アンジェラに悪意は無かった。むしろ、好奇心のほうが勝っていたのである。

 だが、『好奇心は猫をも殺す』という言葉通りに、好奇心で聖剣を折ってしまったのであった。股間に激痛が走り、苦痛で顔を歪ませる半龍半人ハーフ・ダ・ドラゴンに対して、アリス=アンジェラはおろおろと慌てふためくしかなかった。アリス=アンジェラも、こんなことは望んではいなかった。握っただけで、股間からダラダラと透明な液体が溢れてくるのを止められないほどの、ご立派な聖剣だったのだ。

 重ねて言うが、アリス=アンジェラは一切悪く無い。悪いと言えば、彼の聖剣を握ったアリス=アンジェラの脳内にこそっと助言した存在が居たことであろう。そして、その存在とは、創造主:Y.O.N.Nに他ならない。創造主;Y.O.N.Nはモニターの前でにんまりと笑顔であった。うちの可愛い愛娘をかどわそうとする男に対しての制裁としては、これ以上無い罰であると考えたのである。

 さらに創造主:Y.O.N.Nはアリス=アンジェラの脳内に直接、語り掛ける。せめて、苦しまずにトドメを刺してやりなさいと囁くのであった。アリス=アンジェラは創造主:Y.O.N.N様の声が脳内に響き渡ることで、恍惚の表情となっていた。自分の足元に転がる黄金こがね色に輝く長剣ロング・ソードへと眼を移す。そして、立派な装飾が施された鞘から、長剣ロング・ソードの刃を抜き出す。

 しかしながら、その長剣ロング・ソードは錆だらけであった。アリス=アンジェラはその錆だらけの長剣ロング・ソードの表面をまるでアイスキャンディをペロペロと舐めるように舌を這わせるのであった。

 するとだ。アリス=アンジェラの唾液が付着した部分から、錆がボロボロと剥がれていく。錆の塊の奥からは黄金こがね色の光が飛び出してくる。アリス=アンジェラはまぶしさのあまり、眼を閉じてしまうが、チロチロとアイスキャンディのように舐めるのを止めようとはしなかった。そして、左手で自分の股間をまさぐり、そこから溢れ出していた透明でサラサラな液体を長剣ロング・ソードに塗りたくる。

 錆だらけの長剣ロング・ソード自体が鳴動を繰り返し、細かいながらも激しく振動し始める。まるでそれ自体が錆を弾け飛ばすかのような所作であった。錆全体に亀裂が走り、あと一撃を加えれば、その長剣ロング・ソードはかつての輝きを取り戻せそうであった。

 アリス=アンジェラは蕩けた表情のままに立ち上がり、ヒビだらけのダンスホールの床にその錆が取れかけの長剣ロング・ソードを斜めに突き立てる。そして、アリス=アンジェラは戦乙女ヴァルキリー・装束のスカートの裾を両手で持ち上げる。アリス=アンジェラは長剣ロング・ソードが身震いしているのを見ていると、自分も身震いしてしまう。

 そして、ブルブルッ! と細かく身体を動かした後、アリス=アンジェラは股間から黄金こがね色のシャワーを噴き出し、その長剣ロング・ソードの刀身を洗い流すのであった。

「それをどこから持ってきやがった!?」

 半龍半人ハーフ・ダ・ドラゴンは芋虫のようにもぞもぞとダンスホールの床を這いつくばっていたが、アリス=アンジェラの一連の行動を見て、彼女が何をしているのかを理解するに至る。アリス=アンジェラは儀式をおこなっていたのだ。一見、痴態を晒しているだけのように見えたが、聖女おとめがその身体に内蔵する体液を持ってして、神具を磨き上げることは伝説上ではよくあることなのだ。

 そして、アリス=アンジェラが磨き上げた神具とは、竜皇の竜鱗ですら、まるで霞のように斬り刻む事が出来る『草薙剣クサナギノツルギ』だったのだ。半龍半人ハーフ・ダ・ドラゴンはやめろっ! それで何をする気だっ! と叫ぶが、意識の半分を創造主:Y.O.N.Nに乗っ取られているアリス=アンジェラの耳には入らなかった。

 アリス=アンジェラは修繕を終えた草薙剣クサナギノツルギの柄を両手で握り、それを上段構えにする。そして、その黄金こがね色に輝く凶刃を真っ直ぐに半龍半人ハーフ・ダ・ドラゴン首級くびの付け根に叩き落とす……。
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