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第6章:救世主
第9話:痛みと祝福
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新しい神力に目覚めたアリス=アンジェラは救世主の左胸に向かって、貫き手を繰り出す。救世主は身の危険を感じ、身を翻す。しかし、赦しの光の神力を持ってしても、完全には躱しきれず、救世主の左腕が千切れ飛ぶことになる。
驚きの表情になった救世主はその場から逃げようとする。半ばから千切れた左腕を右手で抑えつつ、大聖堂の屋根に空いた穴から外へと飛び出す。しかし、彼を追って、アリス=アンジェラもその穴から外へと飛び出した。救世主は半狂乱になりつつ、空中に質量ある残像とそれに付随するように光り輝く短剣群を散布する。
しかし、その残像と短剣群をことごとく手刀で切り裂いていくアリス=アンジェラであった。救世主が残像を100生み出せば、アリス=アンジェラがその100を2つの手刀で霧散させる。残像に付随し、さらには彼女の身に迫りくる短剣を両足で蹴っ飛ばす。
それを100回繰り返し、ついにアリス=アンジェラの右手は救世主の身体に再び触れることになる。アリス=アンジェラは菩薩のような柔らかな手つきで救世主の左胸を触る。まるでそこから禁断の果実をもぎ取るかのような仕草をし終えると、アリス=アンジェラの右手の中には救世主の心臓が収まっていた。
「自分はここまで……なのか?」
「あなたの敗因はたったひとつ。アリス=アンジェラを怒らせたことデス!」
アリス=アンジェラはそう救世主に言うなり、救世主の心臓を右手で握りつぶしてしまう。紅い血が飛び散り、アリス=アンジェラの顔だけでなく、紅と黄色を基調とした戦乙女装束をさらに紅く染め上げる。アリス=アンジェラは握りつぶした救世主の心臓を舌でチロチロと舐めた後、ごくんという音を鳴らしつつ、胃の中へと放り込む。
アリス=アンジェラは物言わぬ死体と化した救世主を両腕で抱きしめた後、地上へと舞い降りる。そして、まるで創造主:Y.O.N.Nに捧げる供物のように救世主の遺体を扱い始める。
大聖堂が焼け落ちていく中、その大聖堂を取り囲むように聖地:エルハザムの住人たちが集まり始める。彼らの眼には今のアリス=アンジェラは悪魔に救世主という供物を捧げているようにしか映らなかった。それゆえに救世主を奉り、敬っていた彼らは口々にアリス=アンジェラを『魔女』だと糾弾し始める。
「アリス殿……。それは悪手すぎます」
「あちゃあ。こりゃ暴徒化するのも時間の問題だな」
ベリアルの肩を借りて、焼け落ちる大聖堂から外に出たアンドレイ=ラプソティは、アリス=アンジェラに向かって、口汚く罵り、さらにはその辺に転がっている石を彼女に向かって投げ始めている民衆たちをその眼で見ることになる。
救世主の存在が厄介な点は、彼が亡くなった後でも、その影響力を彼の信奉者たちに与え続けることであった。さらに救世主という心の堤防を失くした民衆が暴徒になるまで、さほどの時間は要さない。アリス=アンジェラへ向かう『善意』は激しさを増す一方であった。だが、救世主との激戦で血と神力、呪力を流されたアンドレイ=ラプソティと、ベリアル、そしてコッシロー=ネヅはアリス=アンジェラの身を護る術を持たなかった。
「創造主:Y.O.N.N様ではなく、救世主を信奉する皆様方へ通告しマス。救世主こそ、道を外したのデス。それがわからないのであれば、あなたたちも救世主と同様の外道となりマス」
アリス=アンジェラの言うことは正論であった。しかし、その言葉はますます救世主派の民衆たちを怒らせるには十分すぎる言葉であった。暴徒と化した救世主派はアリス=アンジェラを裸にひん剥き、腹を裂き、腹の内側から膣を犯せと声高に主張しはじめる。
魔女は焼き殺さねばならない。犯した後はその開いた腹に松明を突っ込み、浄化せねばならぬ使命があると暴徒たちは主張する。そして、その暴徒たちの発する熱は、アリス=アンジェラの肌だけでなく、心も焼こうとする。
アリス=アンジェラは腹の奥から熱が浮かび上がってくるのを敏感に察する。暴徒たちの『善意』がアリス=アンジェラの心と身体、そして、脳を焼いていく。暴徒たちの『善意』が『痛み』へと変換され、アリス=アンジェラは思わず、股間からプシャー! と黄金色の液体を噴き出し、その場でぺたりと尻餅をついてしまう。
アリス=アンジェラは『痛み』を『快感』に変換しまう聖女である。それゆえに、もっと痛みを感じたいと思いつつ、その痛みを暴徒たちにも感じてほしいと思った。そう彼女が思った瞬間、小石程度の大きさの青白く光り輝く『つぶて』がアリス=アンジェラの周りに綺羅星かの如くに現出する。
「ああ……。ボクと一緒に痛みを感じてくだ……サイ。天にも昇るこの想い。あなたたちにも分け与えまショウ」
アリス=アンジェラは膝を折り、両手を握り合わせて、創造主;Y.O.N.N様に祈りを捧げるポーズを取り始める。暴徒たちはなんだこいつ? という表情になりながら、アリス=アンジェラを取り囲み、さらには彼女の金髪ショートヘアを鷲掴みにする。しかし、それを行った暴徒のひとりの頭がまるでスイカが内側から破砕するように破裂したのである。
暴徒たちはいったい何が起きたのかわからなかった。魔女に触れた男の頭が文字通り弾け飛んだのだ。暴徒たちはさらに狂乱化し、アリス=アンジェラの戦乙女天使装束を引きちぎろうとする。しかし、彼女の天使装束に手をつけた暴徒たちの顔に向かって、先ほど現出した青白い綺羅星が飛んで行き、さらにはその暴徒たちの頭の中へと音も無く侵入していく。
そして、ボンボンボンッ! と花火がなっているような音と共に、紅い華が花開くことになる。アリス=アンジェラの周りには首級から上が無い死体が転がることになるが、アリス=アンジェラはそれでも創造主:Y.O.N.N様を敬うための歌声を喉奥から奏で始めるのであった。
暴徒たちは魔女の側から一斉に逃げ出す。しかし、魔女の歌声が耳に届くや否や、次の瞬間には頭の中でボンッ! という花火がさく裂する音が鳴り響く。それと共に、その暴徒の首級から上は無くなってしまっていた。
アリス=アンジェラが満足気に歌い終わった後、ゆっくりと眼を見開く。そこには救世主の子羊たちのことごとくが創造主:Y.O.N.N様に祈りを捧げるように地に伏し、天に召された後であった……。
驚きの表情になった救世主はその場から逃げようとする。半ばから千切れた左腕を右手で抑えつつ、大聖堂の屋根に空いた穴から外へと飛び出す。しかし、彼を追って、アリス=アンジェラもその穴から外へと飛び出した。救世主は半狂乱になりつつ、空中に質量ある残像とそれに付随するように光り輝く短剣群を散布する。
しかし、その残像と短剣群をことごとく手刀で切り裂いていくアリス=アンジェラであった。救世主が残像を100生み出せば、アリス=アンジェラがその100を2つの手刀で霧散させる。残像に付随し、さらには彼女の身に迫りくる短剣を両足で蹴っ飛ばす。
それを100回繰り返し、ついにアリス=アンジェラの右手は救世主の身体に再び触れることになる。アリス=アンジェラは菩薩のような柔らかな手つきで救世主の左胸を触る。まるでそこから禁断の果実をもぎ取るかのような仕草をし終えると、アリス=アンジェラの右手の中には救世主の心臓が収まっていた。
「自分はここまで……なのか?」
「あなたの敗因はたったひとつ。アリス=アンジェラを怒らせたことデス!」
アリス=アンジェラはそう救世主に言うなり、救世主の心臓を右手で握りつぶしてしまう。紅い血が飛び散り、アリス=アンジェラの顔だけでなく、紅と黄色を基調とした戦乙女装束をさらに紅く染め上げる。アリス=アンジェラは握りつぶした救世主の心臓を舌でチロチロと舐めた後、ごくんという音を鳴らしつつ、胃の中へと放り込む。
アリス=アンジェラは物言わぬ死体と化した救世主を両腕で抱きしめた後、地上へと舞い降りる。そして、まるで創造主:Y.O.N.Nに捧げる供物のように救世主の遺体を扱い始める。
大聖堂が焼け落ちていく中、その大聖堂を取り囲むように聖地:エルハザムの住人たちが集まり始める。彼らの眼には今のアリス=アンジェラは悪魔に救世主という供物を捧げているようにしか映らなかった。それゆえに救世主を奉り、敬っていた彼らは口々にアリス=アンジェラを『魔女』だと糾弾し始める。
「アリス殿……。それは悪手すぎます」
「あちゃあ。こりゃ暴徒化するのも時間の問題だな」
ベリアルの肩を借りて、焼け落ちる大聖堂から外に出たアンドレイ=ラプソティは、アリス=アンジェラに向かって、口汚く罵り、さらにはその辺に転がっている石を彼女に向かって投げ始めている民衆たちをその眼で見ることになる。
救世主の存在が厄介な点は、彼が亡くなった後でも、その影響力を彼の信奉者たちに与え続けることであった。さらに救世主という心の堤防を失くした民衆が暴徒になるまで、さほどの時間は要さない。アリス=アンジェラへ向かう『善意』は激しさを増す一方であった。だが、救世主との激戦で血と神力、呪力を流されたアンドレイ=ラプソティと、ベリアル、そしてコッシロー=ネヅはアリス=アンジェラの身を護る術を持たなかった。
「創造主:Y.O.N.N様ではなく、救世主を信奉する皆様方へ通告しマス。救世主こそ、道を外したのデス。それがわからないのであれば、あなたたちも救世主と同様の外道となりマス」
アリス=アンジェラの言うことは正論であった。しかし、その言葉はますます救世主派の民衆たちを怒らせるには十分すぎる言葉であった。暴徒と化した救世主派はアリス=アンジェラを裸にひん剥き、腹を裂き、腹の内側から膣を犯せと声高に主張しはじめる。
魔女は焼き殺さねばならない。犯した後はその開いた腹に松明を突っ込み、浄化せねばならぬ使命があると暴徒たちは主張する。そして、その暴徒たちの発する熱は、アリス=アンジェラの肌だけでなく、心も焼こうとする。
アリス=アンジェラは腹の奥から熱が浮かび上がってくるのを敏感に察する。暴徒たちの『善意』がアリス=アンジェラの心と身体、そして、脳を焼いていく。暴徒たちの『善意』が『痛み』へと変換され、アリス=アンジェラは思わず、股間からプシャー! と黄金色の液体を噴き出し、その場でぺたりと尻餅をついてしまう。
アリス=アンジェラは『痛み』を『快感』に変換しまう聖女である。それゆえに、もっと痛みを感じたいと思いつつ、その痛みを暴徒たちにも感じてほしいと思った。そう彼女が思った瞬間、小石程度の大きさの青白く光り輝く『つぶて』がアリス=アンジェラの周りに綺羅星かの如くに現出する。
「ああ……。ボクと一緒に痛みを感じてくだ……サイ。天にも昇るこの想い。あなたたちにも分け与えまショウ」
アリス=アンジェラは膝を折り、両手を握り合わせて、創造主;Y.O.N.N様に祈りを捧げるポーズを取り始める。暴徒たちはなんだこいつ? という表情になりながら、アリス=アンジェラを取り囲み、さらには彼女の金髪ショートヘアを鷲掴みにする。しかし、それを行った暴徒のひとりの頭がまるでスイカが内側から破砕するように破裂したのである。
暴徒たちはいったい何が起きたのかわからなかった。魔女に触れた男の頭が文字通り弾け飛んだのだ。暴徒たちはさらに狂乱化し、アリス=アンジェラの戦乙女天使装束を引きちぎろうとする。しかし、彼女の天使装束に手をつけた暴徒たちの顔に向かって、先ほど現出した青白い綺羅星が飛んで行き、さらにはその暴徒たちの頭の中へと音も無く侵入していく。
そして、ボンボンボンッ! と花火がなっているような音と共に、紅い華が花開くことになる。アリス=アンジェラの周りには首級から上が無い死体が転がることになるが、アリス=アンジェラはそれでも創造主:Y.O.N.N様を敬うための歌声を喉奥から奏で始めるのであった。
暴徒たちは魔女の側から一斉に逃げ出す。しかし、魔女の歌声が耳に届くや否や、次の瞬間には頭の中でボンッ! という花火がさく裂する音が鳴り響く。それと共に、その暴徒の首級から上は無くなってしまっていた。
アリス=アンジェラが満足気に歌い終わった後、ゆっくりと眼を見開く。そこには救世主の子羊たちのことごとくが創造主:Y.O.N.N様に祈りを捧げるように地に伏し、天に召された後であった……。
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