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第3章:怠惰
第5話:怠惰への誘惑
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しかし、それを眼の前の少女に怒鳴るように叩きつけるのは間違っていた。それゆえにベリアルは自分のこめかみから青筋が消えていくようにと努める。気分の上下が激しいのは『怠惰』を身上とする自分にはふさわしくはない。だが、創造主:Y.O.N.Nが絡むとどうしても、自分たち『七大悪魔』は、あの存在の意志とは外れたことを実行したくなってしまう。
ベリアルは最初、サタンの言われるままにアンドレイ=ラプソティを堕天させようとした。どこからかレオン=アレクサンダーの天命が回収されつつあることを嗅ぎつけたサタンが、創造主:Y.O.N.Nに痛手を負わせようとしたのである。しかし、アンドレイ=ラプソティは堕天移行状態へと陥ったが、からくもそこから脱出するに至る。
そして、いざ、久しぶりにアンドレイ=ラプソティと会話をしてみれば、天使とはまさにこいつのことだと言わしめんばかりに反りが合わない。こんな男を堕天させたところで、生来からの石頭は治らないとさえ思ってしまう。ルシフェルもまたアンドレイ=ラプソティと同程度の頭の固さであったが、『七大悪魔』となってからの長い年月が彼を柔軟な性格に変えさせた。
あの過程をもう1度やりたいとは、アンドレイ=ラプソティ相手には考えたくないベリアルであった。それならいっそ、自分の膝の上に乗せている小娘を『家族になろう』と口説き落としたほうが1億倍マシな気がしてならないベリアルであった。もちろん『家族になろう』と言っても、このちんちくりんを嫁にもらう気は無い。近親相姦のタブーが無い悪魔としては、そりゃあ1発ヤッテも良いかなと思うところはあっても、決して、自分の嫁にしたくはない類の性格である、アリス=アンジェラは。
自分の娘として扱うなら、まだ可愛げを感じるだけである。ベリアルは真剣な表情を崩し、いつもながらの優男の顔へと戻る。実際のところ、ベリアルは『怠惰』の権現様であり、そもそもとして3分以上、真剣な表情を保っていられない。凝り固まった顔の筋肉をほぐすかのようにベリアルはゴキゴキと顎の骨を鳴らす。
そうした後、ベリアルはアリス=アンジェラににんまりと悪魔の笑顔で、再度、自分の娘にならないかと『誘惑』する。しかし、アリス=アンジェラは『混ざり者』といっても天使であるために、ベリアルの放った『誘惑』には引っかからなかった。
「残念ながら、ボクは貴方の家族になる気はこれっぽちもありまセン」
「そう言うと思ったよ。なら仕方がねえ。そっちがその気になったら、我輩に一声掛けてくれ。なるべく苦しまないように『堕天』させえてやるからよ」
アリス=アンジェラとしては拍子抜けであった。『七大悪魔』は『欲』の体現者である。一度でも欲しいと思った人や物をそう簡単に諦めてしまえるのかと思ってしまう。しかしながら、ベリアルは『怠惰』の体現者なのだ。そこをアリス=アンジェラが失念しているだけである。
「我輩は生来からの怠け者なんだ。決して、堕天してから性格がこう変わったわけじゃない。だから女を必死に口説くのも面倒くせえ」
「さすがは悪魔なのデス。それほど苦労せずに抱ける女をご所望なのデスネ。残念ながら、アリスはそんな安い女じゃありまセン」
「そう、そこよ。わかってるじゃねえか。さすがは天使だ。女を抱きたいときは娼婦を買う。それが何故、お前らには『悪』となる? 気の無い女を無理やり手籠めにしないだけ、我輩たちはマシだろうが」
「話の論点がズレていマス。今はボクの操の話デス。貴方にあげるものなんか、何もありまセン」
「おっと、そりゃすまねえ。お前の操の値段の話だったか。我輩の落ち度だな、これは。しかし、我輩は自分の娘がどんな男と突き合おうが、介入はしないぜ? どうだ、これでアンドレイ=ラプソティの石頭についていくよりかは遥かにマシだろ!?」
「言っている意味がとことんわかりまセン。持ってきてくれた衣服に関しては感謝いたしマス。でも、それ以外に関しては唾棄すべき案件デス。では、これニテ」
アリス=アンジェラはそう言うとベリアルの膝の上から立ち上がり、持ってきてもらった衣服を手に取り、そそくさと瓦礫の向こう側へと消えて行ってしまう。ベリアルはにんまりと悪魔の笑顔のままに、去っていくアリス=アンジェラの尻をショーツ越しにじっくりと観察する。
(やっぱ、さっき我輩のおちんこさんが異常に勃起したのは、あれはただ単に我輩の性癖の一部に大ヒットしただけだな。あいつのショーツから未だに零れ落ちる雫を見ても、何にも興奮しねえわ)
ベリアルはアリス=アンジェラを膝の上に乗せているさなか、アリス=アンジェラが履いているショーツから愛液が染み出しているのを感じ取っていた。ベリアルが『誘惑』を使い、アリス=アンジェラをその気にさせようとしたために起こった彼女の生理現象でもある。
しかし、さすがは『混ざり者』といえども天使である。下の口は正直でも、上の口からは理性溢れる言葉を発していたアリス=アンジェラである。ベリアルはそもそもツンデレが嫌いであるし、自分の娘として迎え入れようとしている彼女を本気でずぶ濡れにしてやろうとも思っていなかった。ただ単に『誘惑耐性』がどれほどのものかと確かめてみただけである。
(まあ、あのアリス嬢ちゃんの雰囲気から察するに、自分の指で自分を慰めたことすら無いんだろ。さっきの戦いで消耗しきった上の不意打ちを喰らっておきながら、我輩の『誘惑』には引っかからなかった。なら、アリス嬢ちゃんは『天界の十三司徒』と並ぶほどの耐性持ちだろうな……)
ベリアルはどうしたものかと勘案するが、そういった思考すらも『面倒くさい』という思考に段々と覆われていく。そして、疲れたとばかりにその辺にあった材木を枕に眠りに落ちる。そのため、ベリアルはアリス=アンジェラが実は相当、危険な域に陥りかけていたことを見逃してしまうことになる。
「ハァハァ……。身体があつぅいのデス! さすがは『七大悪魔』で『怠惰』を司っているだけはあるのっデス!」
アリス=アンジェラはすたころさっさとばかりに瓦礫の向こう側に小走りで走っていった。しかし、それは一秒でも早くベリアルから物理的に距離を取るためであった。突然、下腹部に襲い掛かってきた熱がアリス=アンジェラの秘部を焼きつつあったのだ。
アリス=アンジェラとしては最初、それをただの尿意だと思っていた。しかし、いくら尿道口を必死に閉じようが、違う部分から液体が溢れ出していることに気づいたのである。それを知られる前にアリス=アンジェラはベリアルから距離を開ける。アリス=アンジェラが瓦礫の向こう側へと隠れた後、彼女は産まれたての鹿のようにガクガクブルブルと両足を震わせることになる。
そんな状態でも、アリス=アンジェラはさらに遠くへと逃げる。汚れた地面にポタポタと自分がよくわかってない透明な液体を雫として零しながら……。
ベリアルは最初、サタンの言われるままにアンドレイ=ラプソティを堕天させようとした。どこからかレオン=アレクサンダーの天命が回収されつつあることを嗅ぎつけたサタンが、創造主:Y.O.N.Nに痛手を負わせようとしたのである。しかし、アンドレイ=ラプソティは堕天移行状態へと陥ったが、からくもそこから脱出するに至る。
そして、いざ、久しぶりにアンドレイ=ラプソティと会話をしてみれば、天使とはまさにこいつのことだと言わしめんばかりに反りが合わない。こんな男を堕天させたところで、生来からの石頭は治らないとさえ思ってしまう。ルシフェルもまたアンドレイ=ラプソティと同程度の頭の固さであったが、『七大悪魔』となってからの長い年月が彼を柔軟な性格に変えさせた。
あの過程をもう1度やりたいとは、アンドレイ=ラプソティ相手には考えたくないベリアルであった。それならいっそ、自分の膝の上に乗せている小娘を『家族になろう』と口説き落としたほうが1億倍マシな気がしてならないベリアルであった。もちろん『家族になろう』と言っても、このちんちくりんを嫁にもらう気は無い。近親相姦のタブーが無い悪魔としては、そりゃあ1発ヤッテも良いかなと思うところはあっても、決して、自分の嫁にしたくはない類の性格である、アリス=アンジェラは。
自分の娘として扱うなら、まだ可愛げを感じるだけである。ベリアルは真剣な表情を崩し、いつもながらの優男の顔へと戻る。実際のところ、ベリアルは『怠惰』の権現様であり、そもそもとして3分以上、真剣な表情を保っていられない。凝り固まった顔の筋肉をほぐすかのようにベリアルはゴキゴキと顎の骨を鳴らす。
そうした後、ベリアルはアリス=アンジェラににんまりと悪魔の笑顔で、再度、自分の娘にならないかと『誘惑』する。しかし、アリス=アンジェラは『混ざり者』といっても天使であるために、ベリアルの放った『誘惑』には引っかからなかった。
「残念ながら、ボクは貴方の家族になる気はこれっぽちもありまセン」
「そう言うと思ったよ。なら仕方がねえ。そっちがその気になったら、我輩に一声掛けてくれ。なるべく苦しまないように『堕天』させえてやるからよ」
アリス=アンジェラとしては拍子抜けであった。『七大悪魔』は『欲』の体現者である。一度でも欲しいと思った人や物をそう簡単に諦めてしまえるのかと思ってしまう。しかしながら、ベリアルは『怠惰』の体現者なのだ。そこをアリス=アンジェラが失念しているだけである。
「我輩は生来からの怠け者なんだ。決して、堕天してから性格がこう変わったわけじゃない。だから女を必死に口説くのも面倒くせえ」
「さすがは悪魔なのデス。それほど苦労せずに抱ける女をご所望なのデスネ。残念ながら、アリスはそんな安い女じゃありまセン」
「そう、そこよ。わかってるじゃねえか。さすがは天使だ。女を抱きたいときは娼婦を買う。それが何故、お前らには『悪』となる? 気の無い女を無理やり手籠めにしないだけ、我輩たちはマシだろうが」
「話の論点がズレていマス。今はボクの操の話デス。貴方にあげるものなんか、何もありまセン」
「おっと、そりゃすまねえ。お前の操の値段の話だったか。我輩の落ち度だな、これは。しかし、我輩は自分の娘がどんな男と突き合おうが、介入はしないぜ? どうだ、これでアンドレイ=ラプソティの石頭についていくよりかは遥かにマシだろ!?」
「言っている意味がとことんわかりまセン。持ってきてくれた衣服に関しては感謝いたしマス。でも、それ以外に関しては唾棄すべき案件デス。では、これニテ」
アリス=アンジェラはそう言うとベリアルの膝の上から立ち上がり、持ってきてもらった衣服を手に取り、そそくさと瓦礫の向こう側へと消えて行ってしまう。ベリアルはにんまりと悪魔の笑顔のままに、去っていくアリス=アンジェラの尻をショーツ越しにじっくりと観察する。
(やっぱ、さっき我輩のおちんこさんが異常に勃起したのは、あれはただ単に我輩の性癖の一部に大ヒットしただけだな。あいつのショーツから未だに零れ落ちる雫を見ても、何にも興奮しねえわ)
ベリアルはアリス=アンジェラを膝の上に乗せているさなか、アリス=アンジェラが履いているショーツから愛液が染み出しているのを感じ取っていた。ベリアルが『誘惑』を使い、アリス=アンジェラをその気にさせようとしたために起こった彼女の生理現象でもある。
しかし、さすがは『混ざり者』といえども天使である。下の口は正直でも、上の口からは理性溢れる言葉を発していたアリス=アンジェラである。ベリアルはそもそもツンデレが嫌いであるし、自分の娘として迎え入れようとしている彼女を本気でずぶ濡れにしてやろうとも思っていなかった。ただ単に『誘惑耐性』がどれほどのものかと確かめてみただけである。
(まあ、あのアリス嬢ちゃんの雰囲気から察するに、自分の指で自分を慰めたことすら無いんだろ。さっきの戦いで消耗しきった上の不意打ちを喰らっておきながら、我輩の『誘惑』には引っかからなかった。なら、アリス嬢ちゃんは『天界の十三司徒』と並ぶほどの耐性持ちだろうな……)
ベリアルはどうしたものかと勘案するが、そういった思考すらも『面倒くさい』という思考に段々と覆われていく。そして、疲れたとばかりにその辺にあった材木を枕に眠りに落ちる。そのため、ベリアルはアリス=アンジェラが実は相当、危険な域に陥りかけていたことを見逃してしまうことになる。
「ハァハァ……。身体があつぅいのデス! さすがは『七大悪魔』で『怠惰』を司っているだけはあるのっデス!」
アリス=アンジェラはすたころさっさとばかりに瓦礫の向こう側に小走りで走っていった。しかし、それは一秒でも早くベリアルから物理的に距離を取るためであった。突然、下腹部に襲い掛かってきた熱がアリス=アンジェラの秘部を焼きつつあったのだ。
アリス=アンジェラとしては最初、それをただの尿意だと思っていた。しかし、いくら尿道口を必死に閉じようが、違う部分から液体が溢れ出していることに気づいたのである。それを知られる前にアリス=アンジェラはベリアルから距離を開ける。アリス=アンジェラが瓦礫の向こう側へと隠れた後、彼女は産まれたての鹿のようにガクガクブルブルと両足を震わせることになる。
そんな状態でも、アリス=アンジェラはさらに遠くへと逃げる。汚れた地面にポタポタと自分がよくわかってない透明な液体を雫として零しながら……。
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