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第3章:怠惰
第1話:シャイニング・グーパン
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寝ぼけまなこをこすりながら、コッシロー=ネヅの背中の上で身体を伸ばしているアリス=アンジェラの頭頂部に向かって、握りこぶしを振り下ろすベリアルであった。しかし、アリス=アンジェラの頭はそのふんわりと柔らかな金髪ショートヘアとはまったく違って、ベリアルの拳の骨が折れそうなほどの硬さであった。
ベリアルがフーフーと痛む右の拳に息を吹きかけていると、不機嫌そうなアリス=アンジェラがジロリとベリアルを睨んでくる。ベリアルは不意に2,3歩、その場から後ずさりしてしう。
(なんて威圧感だ、このお嬢ちゃん。我輩を委縮させる!?)
ベリアルは見た目16歳の美少女如きの睨みで気圧されてしまったことに驚きの表情をその顔に浮かべることになる。ベリアルは強く彼女の非難の視線を受けることで、心臓がドッキンドッキン! と跳ね上がってしまう。もっとアリス=アンジェラにゴミ溜めに捨てられているボロボロの雑巾を見るような嫌悪感で見てほしいと思えてしょうがないベリアルであった。
しかし、アリス=アンジェラはプイッとベリアルから顔を背け、自分に指示してきたコッシロー=ネヅのほうを見る。そして、コッシロー=ネヅが指し示す脈打つ謎の肉塊の塔に視線を移し、ふむふむと何かしらを勘案し始める。そして、アリス=アンジェラはぐーぱーぐーぱーと右手を開いては閉じ、ギュッと右手で握り拳を作った後に、小声で『よしっ』と気合を入れるのであった。
コッシロー=ネヅの背中から降りたアリス=アンジェラは範囲300ミャートル内の味方に退避勧告を出す。そのアリス=アンジェラの言葉を聞いたアンドレイ=ラプソティ、コッシロー=ネヅ、ベリアルたちは驚愕の表情へと移り変わる。しかし、アリス=アンジェラは後方不注意と言っても過言ではない態度でグルングルンと右腕を振り回しながら、脈打つ謎の肉塊の塔へと接近していく。
「退避しろって、いったいぜんたい、どこに退避しろって言うんでッチュウ!?」
「コッシロー殿! これは私たちが巻き込まれるのは必然なのですかね!?」
「アーハハッ! こりゃ頼りにした相手を間違えたってことかい! もうどうにでもなれぇぇぇ!!」
アリス=アンジェラは自分の後方で慌てふためく2人と1匹の声が耳に入らぬほど、集中しきっていた。どれほどの神力を右の拳に込めて、さらにはどの角度で右の拳をめり込ませるかを目まぐるしく頭の中で演算処理を行っていたからだ。
アリス=アンジェラがグルングルンと右腕を振り回せば振り回すたびに、彼女の右手は光って唸る。ブォン! ブォン! と光り輝く右手へとエネルギーを貯めていく音が辺りに響き渡る。その音が大きくなればなるほど、彼女の右手を包む光のサイズが大きくなっていき、彼女の右手自体が10倍以上に膨れ上がってしまったかのように2人と1匹の眼に映るのであった。
「そこデス! シャイニング・フル・グーパンには創造主:Y.O.N.N様の惜しみない『慈悲』が詰まっているのデス!」
アリス=アンジェラは大きく左足を前へと踏み込み、上から叩きつけるように光り輝く右の拳を謎の肉塊の塔へとぶち込む。ドゴーーーーーーン! という、まるで樹齢3000年の樹木の幹に巨大な破城槌をぶつけたような音が辺りに響き渡る。アリス=アンジェラの右の拳と謎の肉塊の塔とがぶつかり合い、アリス=アンジェラは衝撃で吹き飛ばされそうになる。
だが、彼女は両足に神力を込めて、さらに前方へと身体全体を押し倒していく。光の塊と肉の塊が正面でぶつかり合い、周囲に光と肉塊が飛び散ることになる。アリス=アンジェラはにんまりと天使の笑顔をその端正な顔に浮かべる。アリス=アンジェラには確かな感触が右の拳にあった。メリメリ……メキョッ! というとんでもないエネルギーを持つ物体がそれを受ける物体に対して凌辱を行っている音が奏でられることになる。
その音はまるで汚く硬くさらに勇壮なお肉棒で、処女の膣の中へと段々と侵入していく音にも似ていた。まるで処女膜が徐々に押し広げられ、その処女膜が断末魔を上げるが如くに『ブチッ!!』という肉が裂ける音が聞こえたのであった。その次の瞬間にはアリス=アンジェラが右手に宿していた光の神力全てを謎の肉塊の塔の内部へと放射する。
謎の肉塊の塔は内部で勢いの強すぎる光のシャワーを浴びることになる。もしこれが本当に女性の膣であったなら、暴走した愛する男のスペル魔を全て受け止めるが如くに膣内に吸収しきっていただろう。しかし、残念なことにコレは物言わぬ死体が集まり合い、絡み合い、そして怨嗟と共に生れてしまった闇の肉塊である。そんなものが神聖な女性の膣と比較してはならない。
内部を焼き、内側から外側へと溢れ出さそうとする光のエネルギーを塔内で吸収しきれなかった謎の肉塊の塔は表面から幾筋もの光を放つことになる。アリス=アンジェラはフゥ……と一呼吸置いた後、クルリと身体を翻す。謎の肉塊の塔へと背中を向けたアリス=アンジェラはその場で地面を蹴っ飛ばし、空中へと斜め上にすっ飛んでいく。
上空20ミャートルの地点で止まったアリス=アンジェラはまたもや身体を半回転させて、謎の肉塊の塔を見下ろすことになる。
「あなた方の怨嗟の声はボクの拳を通じて感じ取りまシタ。でも、安心してくだサイ。創造主:Y.O.N.N様はあなた方の魂を天界へと導くとお約束してくれまシタ。光の神力をどうか受け入れてくだサイ……」
謎の肉塊の塔は塔内を暴れる光の神力に未だ抗いを見せていた。塔の表面からは幾僧にも重ね合わさっていた肉塊がボロボロと剥がれ落ちていく。それでも塔全体が崩れさるには時間がかかりそうであった。アリス=アンジェラは何故に肉塊がそこまで抗いを見せるのかが理解不能であった。いくら、無情にも生と命を奪われたからといっても、それを理由に創造主:Y.O.N.N様の愛を拒むことは意味が無いことだと思ってしまう彼女であった。
だからこそ、彼女は祈るために両手を合わせ、握り込む。そして、静かに両目を閉じて、口を大きく開き、歌声を喉の奥から絞り出す。アリス=アンジェラは泣いていた。閉じた両目の眼尻から涙を零す。それでも彼女は歌を止めなかった。謎の肉塊の塔が光に飲み込まれようとしていても、その肉塊から肉で出来た細い触手を何百本と伸ばし、泣きながら歌うアリス=アンジェラの身体へと巻き付いていく。
アリス=アンジェラの身体は天使の羽衣に包まれていたが、血がしたたる肉の触手がそこに振れることでジュウジュウ……と金属を急速に腐食させていく音を奏でることになる。肉の触手はアリス=アンジェラが着こむ天使の羽衣を腐食させるだけでは済まさずに、天使の羽衣の内側へと侵入していく……。
ベリアルがフーフーと痛む右の拳に息を吹きかけていると、不機嫌そうなアリス=アンジェラがジロリとベリアルを睨んでくる。ベリアルは不意に2,3歩、その場から後ずさりしてしう。
(なんて威圧感だ、このお嬢ちゃん。我輩を委縮させる!?)
ベリアルは見た目16歳の美少女如きの睨みで気圧されてしまったことに驚きの表情をその顔に浮かべることになる。ベリアルは強く彼女の非難の視線を受けることで、心臓がドッキンドッキン! と跳ね上がってしまう。もっとアリス=アンジェラにゴミ溜めに捨てられているボロボロの雑巾を見るような嫌悪感で見てほしいと思えてしょうがないベリアルであった。
しかし、アリス=アンジェラはプイッとベリアルから顔を背け、自分に指示してきたコッシロー=ネヅのほうを見る。そして、コッシロー=ネヅが指し示す脈打つ謎の肉塊の塔に視線を移し、ふむふむと何かしらを勘案し始める。そして、アリス=アンジェラはぐーぱーぐーぱーと右手を開いては閉じ、ギュッと右手で握り拳を作った後に、小声で『よしっ』と気合を入れるのであった。
コッシロー=ネヅの背中から降りたアリス=アンジェラは範囲300ミャートル内の味方に退避勧告を出す。そのアリス=アンジェラの言葉を聞いたアンドレイ=ラプソティ、コッシロー=ネヅ、ベリアルたちは驚愕の表情へと移り変わる。しかし、アリス=アンジェラは後方不注意と言っても過言ではない態度でグルングルンと右腕を振り回しながら、脈打つ謎の肉塊の塔へと接近していく。
「退避しろって、いったいぜんたい、どこに退避しろって言うんでッチュウ!?」
「コッシロー殿! これは私たちが巻き込まれるのは必然なのですかね!?」
「アーハハッ! こりゃ頼りにした相手を間違えたってことかい! もうどうにでもなれぇぇぇ!!」
アリス=アンジェラは自分の後方で慌てふためく2人と1匹の声が耳に入らぬほど、集中しきっていた。どれほどの神力を右の拳に込めて、さらにはどの角度で右の拳をめり込ませるかを目まぐるしく頭の中で演算処理を行っていたからだ。
アリス=アンジェラがグルングルンと右腕を振り回せば振り回すたびに、彼女の右手は光って唸る。ブォン! ブォン! と光り輝く右手へとエネルギーを貯めていく音が辺りに響き渡る。その音が大きくなればなるほど、彼女の右手を包む光のサイズが大きくなっていき、彼女の右手自体が10倍以上に膨れ上がってしまったかのように2人と1匹の眼に映るのであった。
「そこデス! シャイニング・フル・グーパンには創造主:Y.O.N.N様の惜しみない『慈悲』が詰まっているのデス!」
アリス=アンジェラは大きく左足を前へと踏み込み、上から叩きつけるように光り輝く右の拳を謎の肉塊の塔へとぶち込む。ドゴーーーーーーン! という、まるで樹齢3000年の樹木の幹に巨大な破城槌をぶつけたような音が辺りに響き渡る。アリス=アンジェラの右の拳と謎の肉塊の塔とがぶつかり合い、アリス=アンジェラは衝撃で吹き飛ばされそうになる。
だが、彼女は両足に神力を込めて、さらに前方へと身体全体を押し倒していく。光の塊と肉の塊が正面でぶつかり合い、周囲に光と肉塊が飛び散ることになる。アリス=アンジェラはにんまりと天使の笑顔をその端正な顔に浮かべる。アリス=アンジェラには確かな感触が右の拳にあった。メリメリ……メキョッ! というとんでもないエネルギーを持つ物体がそれを受ける物体に対して凌辱を行っている音が奏でられることになる。
その音はまるで汚く硬くさらに勇壮なお肉棒で、処女の膣の中へと段々と侵入していく音にも似ていた。まるで処女膜が徐々に押し広げられ、その処女膜が断末魔を上げるが如くに『ブチッ!!』という肉が裂ける音が聞こえたのであった。その次の瞬間にはアリス=アンジェラが右手に宿していた光の神力全てを謎の肉塊の塔の内部へと放射する。
謎の肉塊の塔は内部で勢いの強すぎる光のシャワーを浴びることになる。もしこれが本当に女性の膣であったなら、暴走した愛する男のスペル魔を全て受け止めるが如くに膣内に吸収しきっていただろう。しかし、残念なことにコレは物言わぬ死体が集まり合い、絡み合い、そして怨嗟と共に生れてしまった闇の肉塊である。そんなものが神聖な女性の膣と比較してはならない。
内部を焼き、内側から外側へと溢れ出さそうとする光のエネルギーを塔内で吸収しきれなかった謎の肉塊の塔は表面から幾筋もの光を放つことになる。アリス=アンジェラはフゥ……と一呼吸置いた後、クルリと身体を翻す。謎の肉塊の塔へと背中を向けたアリス=アンジェラはその場で地面を蹴っ飛ばし、空中へと斜め上にすっ飛んでいく。
上空20ミャートルの地点で止まったアリス=アンジェラはまたもや身体を半回転させて、謎の肉塊の塔を見下ろすことになる。
「あなた方の怨嗟の声はボクの拳を通じて感じ取りまシタ。でも、安心してくだサイ。創造主:Y.O.N.N様はあなた方の魂を天界へと導くとお約束してくれまシタ。光の神力をどうか受け入れてくだサイ……」
謎の肉塊の塔は塔内を暴れる光の神力に未だ抗いを見せていた。塔の表面からは幾僧にも重ね合わさっていた肉塊がボロボロと剥がれ落ちていく。それでも塔全体が崩れさるには時間がかかりそうであった。アリス=アンジェラは何故に肉塊がそこまで抗いを見せるのかが理解不能であった。いくら、無情にも生と命を奪われたからといっても、それを理由に創造主:Y.O.N.N様の愛を拒むことは意味が無いことだと思ってしまう彼女であった。
だからこそ、彼女は祈るために両手を合わせ、握り込む。そして、静かに両目を閉じて、口を大きく開き、歌声を喉の奥から絞り出す。アリス=アンジェラは泣いていた。閉じた両目の眼尻から涙を零す。それでも彼女は歌を止めなかった。謎の肉塊の塔が光に飲み込まれようとしていても、その肉塊から肉で出来た細い触手を何百本と伸ばし、泣きながら歌うアリス=アンジェラの身体へと巻き付いていく。
アリス=アンジェラの身体は天使の羽衣に包まれていたが、血がしたたる肉の触手がそこに振れることでジュウジュウ……と金属を急速に腐食させていく音を奏でることになる。肉の触手はアリス=アンジェラが着こむ天使の羽衣を腐食させるだけでは済まさずに、天使の羽衣の内側へと侵入していく……。
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