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青の洞窟の探検8
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とりあえず、皆で壁や床を探索することになった。
俺がまた引き戸のついた棚を見つけて、置いてあった壺や食器、作りかけの鍵と南京錠にオルが大興奮したりなんてあったが、奥に続く扉なんかは無かった。
クレックさん曰く、モンスターや獣の気配も無いらしい。
それを副船長もオルも信じてるってことは、気配察知の能力でも持ってんのかな。この人も只者じゃねえな。
「う~ん。どうしようかしら。この部屋だけで収穫としては十分なのよねぇ。」
バクス副船長が悩ましげにため息をつく。
確かにお宝探しってことなら、ここで見つけたもので、ひと財産ある。それなら別に、無理に歌詞にあったモンスターのいる奥へなんか、行かなくても良いだろう。
何せ見つかったのは、アサイー帝作ってわかってる壺や鍵だもんな。
南京錠は装飾前なのか無骨な感じだが、オルが南京錠を外したり嵌めたりしてたから、実用性は十分だろう。
「そうだね。一度戻って、船長に報告しようか。」
「ああ。」
オルとクレックさんも頷いて、明日の朝に船に戻ることにする。
今回は危険な罠なんかもなかったし、楽勝だったな。
上に戻ることになり、皆で階段に向かって移動する。
すると、階段横の壁に、降りた時には気づかなかった不自然な凹みを見つけた。
まるで降りる側から隠すように、岩の凹んだ部分の横に、上の入り口で見つけたのと同じような膨らみがある。
恐る恐る触ってみると動く。中の丸いスイッチはもしかして。
「なあ、オル。これって。上のやつと一緒かな?」
「かも!副船長!下に降りられるかも!」
近くにいたオルにスイッチを見せながら聞いたら、同じ事に気づいたみたいで、すぐにバクス副船長を呼ぶ。
一旦、階段を降りて、全員で問題の凹みを見る。
「これが、上のと同じなの?」
「うん。中のこれが、仕掛けの鍵だと思う。」
「…形は、似てるな。」
どうすんのかな。
通路が開いたりしたら、その先にモンスターがいるんだろう?
「行ってみようよ!危なかったら、戻ったらいいし!」
うわ。オルの目が輝いてる。今にもスイッチを押しそうだ。
オルって、アサイー帝が関わると、人が変わるよな。
「う~ん。でもねぇ。1度、船長に報告してからの方が良いと思うわよぉ?
こういう遺跡って、入ったら入り口が閉まるっていう仕掛けもあるし。
アサイー帝が住んでたなら、何か仕掛けてるかもしれないし。
そうなったら、今の仕度じゃ足りないわぁ。」
「う。そ、それは…。」
「それに、勝手したら、船長が怒るわよぉ?」
暴走気味なオルに、いい聞かせるようにバクス副船長が先に行かない理由をあげていく。
トドメは船長だな。すげえ怒るのが目に浮かぶぜ。
「ぐ。…うん。そうだよね。ごめん。皆。先に何があるかわからないし、戻ろう。」
ほっ。何とか船に戻れそうだな。
戦利品は色々あるから、怒られねえだろうけど、船長はこの先どうすんのかな。
俺がまた引き戸のついた棚を見つけて、置いてあった壺や食器、作りかけの鍵と南京錠にオルが大興奮したりなんてあったが、奥に続く扉なんかは無かった。
クレックさん曰く、モンスターや獣の気配も無いらしい。
それを副船長もオルも信じてるってことは、気配察知の能力でも持ってんのかな。この人も只者じゃねえな。
「う~ん。どうしようかしら。この部屋だけで収穫としては十分なのよねぇ。」
バクス副船長が悩ましげにため息をつく。
確かにお宝探しってことなら、ここで見つけたもので、ひと財産ある。それなら別に、無理に歌詞にあったモンスターのいる奥へなんか、行かなくても良いだろう。
何せ見つかったのは、アサイー帝作ってわかってる壺や鍵だもんな。
南京錠は装飾前なのか無骨な感じだが、オルが南京錠を外したり嵌めたりしてたから、実用性は十分だろう。
「そうだね。一度戻って、船長に報告しようか。」
「ああ。」
オルとクレックさんも頷いて、明日の朝に船に戻ることにする。
今回は危険な罠なんかもなかったし、楽勝だったな。
上に戻ることになり、皆で階段に向かって移動する。
すると、階段横の壁に、降りた時には気づかなかった不自然な凹みを見つけた。
まるで降りる側から隠すように、岩の凹んだ部分の横に、上の入り口で見つけたのと同じような膨らみがある。
恐る恐る触ってみると動く。中の丸いスイッチはもしかして。
「なあ、オル。これって。上のやつと一緒かな?」
「かも!副船長!下に降りられるかも!」
近くにいたオルにスイッチを見せながら聞いたら、同じ事に気づいたみたいで、すぐにバクス副船長を呼ぶ。
一旦、階段を降りて、全員で問題の凹みを見る。
「これが、上のと同じなの?」
「うん。中のこれが、仕掛けの鍵だと思う。」
「…形は、似てるな。」
どうすんのかな。
通路が開いたりしたら、その先にモンスターがいるんだろう?
「行ってみようよ!危なかったら、戻ったらいいし!」
うわ。オルの目が輝いてる。今にもスイッチを押しそうだ。
オルって、アサイー帝が関わると、人が変わるよな。
「う~ん。でもねぇ。1度、船長に報告してからの方が良いと思うわよぉ?
こういう遺跡って、入ったら入り口が閉まるっていう仕掛けもあるし。
アサイー帝が住んでたなら、何か仕掛けてるかもしれないし。
そうなったら、今の仕度じゃ足りないわぁ。」
「う。そ、それは…。」
「それに、勝手したら、船長が怒るわよぉ?」
暴走気味なオルに、いい聞かせるようにバクス副船長が先に行かない理由をあげていく。
トドメは船長だな。すげえ怒るのが目に浮かぶぜ。
「ぐ。…うん。そうだよね。ごめん。皆。先に何があるかわからないし、戻ろう。」
ほっ。何とか船に戻れそうだな。
戦利品は色々あるから、怒られねえだろうけど、船長はこの先どうすんのかな。
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