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青の洞窟の探検2

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「今回、洞窟を狙ってるのは、僕たちだけじゃないからね。しばらくは戻って来ないはずだけど、絶対じゃないから、ヤジスは見張りで入口に残るんだよ。初期の遺跡で中が狭いのなら、罠がないところだし、松明持って歩くだけになるから、安心して。後は、体格の問題もあって、先行部隊はサイだけ。僕も手伝うから。」


それでソロデビューか。成る程。
ってことは、うわあ、あの長え松明ずっと持って歩くのか。キツいなあ。あ、でも罠がないなら、楽なもんか。


「油断すんじゃねえぞ。歌じゃ、かなりややこしい場所みたいだからな。」


「はい。」


いけね。
今さっき油断したわ。罠がないはずでも、あの歌の歌詞の通りなら、何か仕掛けやモンスターが出るんだもんな。
あの歌詞、もう一回思い出さなきゃな。


「時間がねえ。すぐに島に向かう。準備しとけ。」


「「「はい。」」」


とにかく準備だ。
急がねえと。


*******************


あれから、大急ぎで島に戻った。
つってもヴァルヴァンク号は近くの小さな無人島に泊めといて、俺たちは小さな船に乗り換えて移動だ。


ううう。小っさい船は酔うんだよ。
グロッキーになりながらも、何とか耐えて上陸する。


洞窟のある島に着いたのはもう夕方で、急いで野宿の準備に入る。
この辺は、洞窟のある島とこの前買い物した島のミルネイル以外は無人の小さな島しかないらしく、ミルネイルには帝国の関係者がいるかもしれないから、ミルネイルの宿は使えないらしい。


木は結構生えてたので、適当な3本の木にロープを結び、地面とロープの上に布を被せる。
この布がすごくて、上下で簡易の結界になるらしく、この中で寝れば毒蛇や毒虫の心配をしなくて良いそうだ。


野宿の場所は洞窟からは離れてるし、俺らの他には誰もいねえだろうけど、念のために現地での調理はしないことにする。
一応、観光地だしな。海賊っぽくない慎重さだけど。


晩御飯はおやっさんの弁当だ。
シンプルなハムサンドとジュースだったが、充分美味かった。


初めての野宿は中々寝付けなかったが、無理矢理目を閉じて身体を休めた。
寝れなかったのは、例の替え歌が気になってたからってのもあるけどな。


あの替え歌の歌詞は、船長に頭に叩き込まれた。間違えると、文字通り拳が落ちるんだよ。嫌でも覚えるっつーの。


しっかし、船長、よく正解に覚えてたよな。
俺は内容を何となく覚えてたくらいだ。


進めば戻される、戻れば進む。
獣がウジャウジャ怖いよ、蛇にコカトリス、バジリスク。
石になったら鏡を、石を挟んで合わせ鏡。
後は簡単なぞなぞだ、お前なら解けるのさ。


罠はないって話だが、仕掛けやモンスター有りの探検か。
気をつけて進まないとな。
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