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冒険の探索

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採掘場に戻ると、今度は輝石の原石や欠片が落ちてないか探すことになった。
これはかなり地道な作業だ。


採掘場には罠はないらしく、はいつくばって探しても問題ないらしいが、それは腰がやられるので勘弁してもらうことにする。
ただ、アサイー帝が土チートだったことを考えると、欠片なんて落ちてないような気がして、俺は壁際の装飾を調べ始めた。


お地蔵様のあったくぼみから蔦のような装飾が施されていて、それがぐるりと採掘場を一周してるのに気づいたからだ。
ただ飾りをつけたにしては、半端なんだよな。


ほっそい蔦一本だけがうねって採掘場を取り囲んでるだけなんて。
う~ん。でも、見た目は岩のレリーフにしか見えねえしなあ。


「ふう。」


結構広い採掘場の壁にそって歩いていると、疲れてきた。
広いんだよなあ。ここ。


体育館何個分?いや、小さなドームくらいあるか?
そんなだだっ広い空間を一人の人間が作ったなんて思わねえよなぁ。


ホント、アサイー帝ってチートだったんだな。
壁にもたれてちょっと休憩するか。


幸い船長たちの目もこっち向いてないし。
お。丁度いいくぼみがある。ここに腰当てたら立ってるように見えるな。


「どっこいしょ。」


年寄りかという突っ込みはスルーする。
疲れると出ちまうんだよ。ばあちゃんがよく言ってたからなあ。


ガコ


ん?今何か音がしたか?
おお?背中が後ろに倒れて…。


「んぎゃ!」


間抜けな悲鳴をあげながら、俺は後ろに倒れた。
とっさに頭に手をやったから、頭は打っていないけどな。


手がすげえ痛え。
後でオルに見てもらおう。


「いてて。」
「おい。サイ。大丈夫か?」
「ミランさん。」


まぬけに転んだ俺を笑いもせずに、ミランさんが俺に手を貸してくれる。
何ていい人なんだ。


俺の悲鳴が聞こえたのか、近くにいた副船長やヤジスさんもやってきた。


「どうした~?って、うわあ、サイ。またお手柄かよ。」
「隠し部屋ねぇ。すごいわぁ。サイちゃん。」
「せんちょー。サイが見つけましたー。」


ヤジスさんの声かけに船長以下皆集まってくる。
そういや、俺なんでこけたんだっけ。


後ろを見ると、そこには機能的な机に棚のついたシステム学習机があった。
あの、棚とかとセットになってるやつ。


んで、その傍には…。


「ランドセル?」


の形をした彫刻が置かれていた。
何でだ。
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