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青の洞窟調査1

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「お~。こっからでもキラキラしてんのがわかるなあ。」


俺の前を行くヤジスさんの小さな声が、まだ暗い早朝の丘に響く。
青の洞窟はこの黒い丘の上で、弱いカンテラの灯りでかすかに青くキラキラと光を反射していた。


何で出来てんだろうな。
まるで宝石みたいだ。


でも、採掘もされず洞窟のままってことは、宝石じゃあないんだろうな。
もしくは、アサイー帝の不死身の洞窟だからか。足元のもそれっぽいしな。


意外と急な斜面に、滑り止めの加工がされた白い石畳が敷かれ、洞窟まで続いている。
綺麗過ぎる四角い石はおそらくアサイー帝が敷いたものだろう。


朽ちた様子が少しもないから、不死身の壁と同じ加工がしてあるらしい。
こういうの見ると、アサイー帝のチートさがよくわかるよな。


今日はヤジスさんと俺の2人で偵察だ。
青の洞窟はアサイー帝が封印したって船医のオルが言ってたからな。


かなり早めに宿を出たからか、まだ辺りに俺たち以外に人影はない。
日の出が見頃らしいからな。しばらくは俺とヤジスさんだけだろう。


「おし。とーちゃく。」


「近くだとますますキラキラしてますね。」


「なあ。アサイー帝が不死身の壁にしなきゃ。ちょっと頂いていくんだがなあ。」


あー。やっぱ不死身の壁かあ。
何かの結晶みたいで、キラキラして綺麗なんだけどなあ。


カンテラで照らされた足元は黒っぽくて元の色がわからない。
青の洞窟って言うくらいだから、青いんだろうな。


観光地になるだけあって、歩きやすい一本道だ。
一応、ヤジスさんとカンテラの明かりで壁を調べながら進む。


うーん。特に何か飾ってあったり、怪しい穴がある感じはないなあ。
小さい洞窟という話の通り、すぐに広い場所に出た。


「やっぱ、ここかなあ。サイ。2手に分かれよう。ここは観光地になってるだけあって、危ない仕掛けとかはないから。」


「はい。」


俺たちは左右2手に分かれて、壁や床を調べ始めた。
そういや、前の洞窟では、俺の手の届く範囲に仕掛けが多かったな。


壁をペタペタ触っていくと、指先が何か窪みを見つける。
うん?穴があるな。中になにか…おし、取れた。


カンテラにかざすと、指先には、丸く先の尖ったしっぽのある石がある。
これって…勾玉か?
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