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復讐するは我にあり
二.
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それだけ時間があればラウラの運命を変えるのには十分な時間の筈だった。
そう、カルロとの婚約を無かったことにすればいい。どうしてカルロ王子の婚約がこんなに遅いのかと言うと、この国では聖女が現れた時、その血と力の保護と言う名目で、王室の基盤を盤石なモノにする為に婚姻を結ぶことがあるからだ。
その為第一王子の婚姻には慎重にならざる得ないのだ。だから、本来なら王子は結婚適齢期ギリギリまで婚約者を持たないようにしているのだが、何故かカルロ王子の時にラウラに白羽の矢が立ち、婚約を結ばされたのである。
例え相手が聖女であろうと、婚約破棄は外聞が悪い。ジュリオ侯爵は難色を示したが結局婚約は結ばれ、悲劇が起きたのである。
もし、王室と婚約を結ばねばならぬのなら、第二王子のダリオが良い。
彼ならラウラと趣味が合う筈だった。読書家で、穏やかで人当たりが良い彼なら良いだろう。第二王子と先に顔合わせをさせてその後、互いに惹かれ合ってくれれば良いのだけれど・・・・・・。
其処まで考えて、ふと隣を見る。目を細めながら、静かに微笑を浮かべるルシフェールが此方を見ていた。
「・・・・・・」
こうして、落ち着いて彼を見ると、本当に美しい。眩いばかりの金髪に、ネコ科の猛獣を思わせる様な虹彩の、黄金色の瞳と内に光を込めた様な雪色の白肌が、暗がりの筈の室内でまるで身体全体が淡く燐光を放っているようだった。
急に、此方を見られている事に羞恥を感じてグィードはふいと顔を逸らしてしまった。
「どうしたグィード、何故顔を逸らす」
此方の行動に気付いて、面白がっているのが分かる声音だ。どうして何て、気付いているだろうに。
何て意地悪なんだろう、とグィードは恨めしく思った。
「グィード」
何でも言う事を聞きたくなる、蠱惑的で危険な声だ。名を呼ばれ、グィードはおずおずと其方を振り向いていた。と、ついと顎を掴まれた。白く繊細な指が冷たくて心地いい。
思わず瞳を閉じてうっとりとしてしまう。すると、暖かく柔らかなものに己の唇が包まれる。キスをしている、と気付くのにそう時間はかからなかった。
顎を掴んでいた手は喉元を滑り、胸元へと辿り着く。シャツブラウスのボタンはするすると外され、その隙間へと白い手が滑り込んだ。
「んんっ・・・・・・」
鼻息混じりの甘い声が漏れる。ルシフェールの唇は巧みに強弱をつけて吸いたてかと思うと、舌で口腔をねぶりまわし、縮こまった舌へ絡みつけていく。清らかな見た目とは裏腹な淫らなテクニックに、グィードは頭の芯が痺れていくのを感じた。
キスの間も白磁の手は、敏感な脇腹や腰回りを繊細なタッチで責め続け、はだけられた内股へと忍び入っていく。
筋肉の発達した下肢の慄きを宥める様にゆっくりと擦り、下着の上から柔らかな丘の上を無遠慮に撫でまわした。
ルシフェールの手が恥ずかしいところを微妙なタッチで刺激するにつれ、グィードは全身を甘い刺激に貫かれるのを感じた。切ない感覚がこみ上げて、身体の奥がどうしようもなく熱く疼き出してくる。それは彼が初めて知る感覚であった。
────ダメだ・・・・・・!こんな、こんな事・・・・・・。
グィードは血が滲むほどに唇を噛み締めて声を抑えようとした。未知の感覚は恐怖となり、精神を蝕んでいく。
迫りくる感覚を払いのけるに頭を振りたてると、ほのかに香る香水と汗の混じった匂いが辺りを漂う。
グィードの抵抗を楽しむように、闇の神の指は巧みに性感を探り、責め立てていく。
下着越しに半ば起立したものを擦り、先端を弾く。硬く尖った雄芯を擦られる度、グィードは大きく首をのけぞらせ、唇からくぐもった声を噴き零した。
先端から熱い蜜が染み出し、薄布にじんわりと染みを作る。
「ふふ、こんなに蜜を溢れさせて・・・・・・可愛いな」
優しい声で言いながら、慣れた手つきでグィードの下着を脱がせてしまう。
「あ・・・・・・」
あらわにされたグィードの雄芯はピクピクと脈打ちその先端から蜜が溢れ、雫となってトロリと滴り落ちる。
羞恥に消え入りそうな声を漏らし、頬は更に朱に染まった。
ルシフェールの指が玉を転がした途端、背筋を駆け抜ける甘い痺れに腰が蕩け、なおも動く指に合わせて腰が浮き上がって甲高い声が食いしばった口から噴き零れた。
そう、カルロとの婚約を無かったことにすればいい。どうしてカルロ王子の婚約がこんなに遅いのかと言うと、この国では聖女が現れた時、その血と力の保護と言う名目で、王室の基盤を盤石なモノにする為に婚姻を結ぶことがあるからだ。
その為第一王子の婚姻には慎重にならざる得ないのだ。だから、本来なら王子は結婚適齢期ギリギリまで婚約者を持たないようにしているのだが、何故かカルロ王子の時にラウラに白羽の矢が立ち、婚約を結ばされたのである。
例え相手が聖女であろうと、婚約破棄は外聞が悪い。ジュリオ侯爵は難色を示したが結局婚約は結ばれ、悲劇が起きたのである。
もし、王室と婚約を結ばねばならぬのなら、第二王子のダリオが良い。
彼ならラウラと趣味が合う筈だった。読書家で、穏やかで人当たりが良い彼なら良いだろう。第二王子と先に顔合わせをさせてその後、互いに惹かれ合ってくれれば良いのだけれど・・・・・・。
其処まで考えて、ふと隣を見る。目を細めながら、静かに微笑を浮かべるルシフェールが此方を見ていた。
「・・・・・・」
こうして、落ち着いて彼を見ると、本当に美しい。眩いばかりの金髪に、ネコ科の猛獣を思わせる様な虹彩の、黄金色の瞳と内に光を込めた様な雪色の白肌が、暗がりの筈の室内でまるで身体全体が淡く燐光を放っているようだった。
急に、此方を見られている事に羞恥を感じてグィードはふいと顔を逸らしてしまった。
「どうしたグィード、何故顔を逸らす」
此方の行動に気付いて、面白がっているのが分かる声音だ。どうして何て、気付いているだろうに。
何て意地悪なんだろう、とグィードは恨めしく思った。
「グィード」
何でも言う事を聞きたくなる、蠱惑的で危険な声だ。名を呼ばれ、グィードはおずおずと其方を振り向いていた。と、ついと顎を掴まれた。白く繊細な指が冷たくて心地いい。
思わず瞳を閉じてうっとりとしてしまう。すると、暖かく柔らかなものに己の唇が包まれる。キスをしている、と気付くのにそう時間はかからなかった。
顎を掴んでいた手は喉元を滑り、胸元へと辿り着く。シャツブラウスのボタンはするすると外され、その隙間へと白い手が滑り込んだ。
「んんっ・・・・・・」
鼻息混じりの甘い声が漏れる。ルシフェールの唇は巧みに強弱をつけて吸いたてかと思うと、舌で口腔をねぶりまわし、縮こまった舌へ絡みつけていく。清らかな見た目とは裏腹な淫らなテクニックに、グィードは頭の芯が痺れていくのを感じた。
キスの間も白磁の手は、敏感な脇腹や腰回りを繊細なタッチで責め続け、はだけられた内股へと忍び入っていく。
筋肉の発達した下肢の慄きを宥める様にゆっくりと擦り、下着の上から柔らかな丘の上を無遠慮に撫でまわした。
ルシフェールの手が恥ずかしいところを微妙なタッチで刺激するにつれ、グィードは全身を甘い刺激に貫かれるのを感じた。切ない感覚がこみ上げて、身体の奥がどうしようもなく熱く疼き出してくる。それは彼が初めて知る感覚であった。
────ダメだ・・・・・・!こんな、こんな事・・・・・・。
グィードは血が滲むほどに唇を噛み締めて声を抑えようとした。未知の感覚は恐怖となり、精神を蝕んでいく。
迫りくる感覚を払いのけるに頭を振りたてると、ほのかに香る香水と汗の混じった匂いが辺りを漂う。
グィードの抵抗を楽しむように、闇の神の指は巧みに性感を探り、責め立てていく。
下着越しに半ば起立したものを擦り、先端を弾く。硬く尖った雄芯を擦られる度、グィードは大きく首をのけぞらせ、唇からくぐもった声を噴き零した。
先端から熱い蜜が染み出し、薄布にじんわりと染みを作る。
「ふふ、こんなに蜜を溢れさせて・・・・・・可愛いな」
優しい声で言いながら、慣れた手つきでグィードの下着を脱がせてしまう。
「あ・・・・・・」
あらわにされたグィードの雄芯はピクピクと脈打ちその先端から蜜が溢れ、雫となってトロリと滴り落ちる。
羞恥に消え入りそうな声を漏らし、頬は更に朱に染まった。
ルシフェールの指が玉を転がした途端、背筋を駆け抜ける甘い痺れに腰が蕩け、なおも動く指に合わせて腰が浮き上がって甲高い声が食いしばった口から噴き零れた。
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