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※30.お仕置き
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深い眠りから覚めた。嫌な目覚め方だ。1000年前のあの日を思い出させる。セロの勧めで溺れるほどの酒を飲み、目が覚めれば両手首を鎖で繋がれていたあの日。悪意としか思えない執着心に敗北したあの日。
まさかあの日に戻ったわけではあるまいに。そんなことを考えるギオラの目に、悪夢としか言えない光景が飛び込んできた。
「うあぁ……ああ」
「お、やっと起きた。気分はどう?」
少し離れたところからセロの声がした。ソファに浅く腰掛けたセロは、テーブルの上に救急箱を開き傷の手当の真っ最中だ。ガーゼで溢れ出す鮮血をぬぐい、慣れた手つきで止血を行っていく。
一方のギオラはベッドに寝かされていた。衣服は全て剥ぎ取られ、下着一つ身に着けていない。そして最悪なことに、4本の手足全てが鎖でベッドの脚に繋がれている。
セロ、鎖を外せ。そう叫ぶために身動ぎをしたギオラは、臀部に違和感を覚えた。一度気付いてしまえば、それは吐き気すら催す不快感に変わる。後孔に何かが挿さり込んでいる。太く硬い、人に陰茎に酷似した物体が。
「セロ、中に何か……っ」
「そうそう。人を酒瓶で殴る悪い子には、お仕置きしなきゃと思ってさ。僕のオモチャを突っ込んどいたよ。結構イイだろそれ。傷の手当てが終わったら、ソレでたくさん中を掻き回してやるからな」
物騒な宣言の後、セロは鼻歌交じりに手当を再開した。ベッドとソファの間には距離が開いているため、セロの傷がどのような状況状態であるのかは分からない。けれども自力での手当てが可能だということは、出血量のわりに傷は深くなかったのだ。
後のことなど考えずしっかりとどめを刺すべきであったと後悔しても、もうどうすることもできない。
間もなくして、傷の手当てを終えたセロがギオラの元へとやって来た。
「お待たせ、悪戯っ子ちゃん。二度と悪いことができないように、しーっかりと躾けてやるからな。せいぜい可愛い声で鳴いて、僕の機嫌をとるこった」
ベッドへとよじ登る最中、セロは血跡の残る頬をゆがめて笑った。
それから先、ギオラは血の通わない玩具に体内を犯され続けた。10日に渡り快楽を教え込まれた身体はささいな刺激にも敏感だ。セロの手が太ももに触れるたび、衣服のすそが亀頭を撫でるたび、玩具の先端が奥に届くたびに、理性は涙に溶けて消えていく。頭では嫌だと思うのに、もっと欲しいと腰が揺れる。
「何かさぁ、お仕置きじゃなくてご褒美になってんね。もっと本気で嫌がると思ったのに、こんなにヨさそうに腰を揺らしてさ。後ろがヨさそうな分、前は辛そうだけど」
セロの指先がギオラの陰茎を弾いた。後孔への刺激により膨張し、だらだらと涎を垂らす場所。
ふぁ、とギオラは甘い声を上げた。
「セロ、辛い」
「うんうん、辛いだろうね。お仕置きを初めてからまだ一度も触ってやってないもんな」
「イかせてくれ」
「駄目だ。そう簡単にイかせてやったら、本当にご褒美になっちゃうだろ? 僕の気が晴れるまで我慢するんだね。自分でまいた種なんだからさぁ」
「そんな、ァ、ぁあ」
そうしてまた執拗に後孔を犯される。耳朶を舐られても、口内に唾液を流し込まれても、太ももを撫でられても、乳首をつままれても、一番快楽を待ち望む場所には触れてもらえない。手足を繋がれていては自分で慰めることもできず、発情した獣のように淫らな声を上げる。
はち切れそうな陰茎を見て、セロは言った。
「ギオラ、イきたい?」
「イ、きたい」
「僕に何か言うことない?」
「殴って悪かった」
「他には?」
「……他」
「『セロ、愛してる。二度と逃げたりしない』。きちんと言えたらイかせてやるよ」
ギオラは唇を噛む。あまりに強く噛みすぎて血の味がする。そんな心にもないことを言って堪るか、と思う。けれども体内をぐちゃぐちゃと搔き乱さされば、わずかに残る理性は泡のように弾けて消える。
イきたい。
射精したい。
早く楽になりたい。
「……『セロ、愛してる。二度と逃げたりしない』」
「……よくできました」
セロは満足そうに微笑むと、ギオラの後孔から玩具を引き抜いた。そして今度はその穴に自身のモノを押し入れる。すっかり蕩けて柔らかくなった淫らな穴は、セロのモノを美味そうに飲み込んでいく。
「あ、あ、あ」
「何だよ。可愛い声出して。やっぱりオモチャより僕のモノの方が気持ち良いんだ。愛し合っているんだから当たり前だよな。たくさん奥、突いてやるからさ。気持ちイイときは『気持ちイイ』って言うんだ。イクときもきちんと教えて?」
そう言うと、セロはギオラの後孔を好き勝手に犯し始めた。入り口部分を執拗にこすってみたり、そうかと思いきやいきなり最奥を突き上げてみたり。血の通わない玩具とは違う、熱い肉の塊に理性も思考もプライドも溶かされる。
「あ、あぅ……セロ、『気持ちイイ』」
「そうだね、凄くヨさそうだ。もうイきそう?」
「イ……きそ……」
「僕のこと、愛してる?」
「……『愛してる』……あァ、はぁっ」
ギオラの腰は大きく跳ねて、膨張した陰茎からは白濁液がほとばしった。長い間待ち望んだ解放の瞬間。視界がチカチカと瞬いて、もう気持ち良いこと以外何もわからない。
「お、盛大にイったね。じゃあ今度は僕が気持ちよくなる番だ。ギオラの中にたーっぷりと注ぎ込んでやるからな。嬉しくて堪らないだろ。ギオラは僕のこと、世界で一番愛してるんだからさぁ」
ゆさゆさと腰を揺すられながら、ギオラはふと頭に浮かんだ名前を呼んだ。
祈るように、すがるように。
――イシュメル
まさかあの日に戻ったわけではあるまいに。そんなことを考えるギオラの目に、悪夢としか言えない光景が飛び込んできた。
「うあぁ……ああ」
「お、やっと起きた。気分はどう?」
少し離れたところからセロの声がした。ソファに浅く腰掛けたセロは、テーブルの上に救急箱を開き傷の手当の真っ最中だ。ガーゼで溢れ出す鮮血をぬぐい、慣れた手つきで止血を行っていく。
一方のギオラはベッドに寝かされていた。衣服は全て剥ぎ取られ、下着一つ身に着けていない。そして最悪なことに、4本の手足全てが鎖でベッドの脚に繋がれている。
セロ、鎖を外せ。そう叫ぶために身動ぎをしたギオラは、臀部に違和感を覚えた。一度気付いてしまえば、それは吐き気すら催す不快感に変わる。後孔に何かが挿さり込んでいる。太く硬い、人に陰茎に酷似した物体が。
「セロ、中に何か……っ」
「そうそう。人を酒瓶で殴る悪い子には、お仕置きしなきゃと思ってさ。僕のオモチャを突っ込んどいたよ。結構イイだろそれ。傷の手当てが終わったら、ソレでたくさん中を掻き回してやるからな」
物騒な宣言の後、セロは鼻歌交じりに手当を再開した。ベッドとソファの間には距離が開いているため、セロの傷がどのような状況状態であるのかは分からない。けれども自力での手当てが可能だということは、出血量のわりに傷は深くなかったのだ。
後のことなど考えずしっかりとどめを刺すべきであったと後悔しても、もうどうすることもできない。
間もなくして、傷の手当てを終えたセロがギオラの元へとやって来た。
「お待たせ、悪戯っ子ちゃん。二度と悪いことができないように、しーっかりと躾けてやるからな。せいぜい可愛い声で鳴いて、僕の機嫌をとるこった」
ベッドへとよじ登る最中、セロは血跡の残る頬をゆがめて笑った。
それから先、ギオラは血の通わない玩具に体内を犯され続けた。10日に渡り快楽を教え込まれた身体はささいな刺激にも敏感だ。セロの手が太ももに触れるたび、衣服のすそが亀頭を撫でるたび、玩具の先端が奥に届くたびに、理性は涙に溶けて消えていく。頭では嫌だと思うのに、もっと欲しいと腰が揺れる。
「何かさぁ、お仕置きじゃなくてご褒美になってんね。もっと本気で嫌がると思ったのに、こんなにヨさそうに腰を揺らしてさ。後ろがヨさそうな分、前は辛そうだけど」
セロの指先がギオラの陰茎を弾いた。後孔への刺激により膨張し、だらだらと涎を垂らす場所。
ふぁ、とギオラは甘い声を上げた。
「セロ、辛い」
「うんうん、辛いだろうね。お仕置きを初めてからまだ一度も触ってやってないもんな」
「イかせてくれ」
「駄目だ。そう簡単にイかせてやったら、本当にご褒美になっちゃうだろ? 僕の気が晴れるまで我慢するんだね。自分でまいた種なんだからさぁ」
「そんな、ァ、ぁあ」
そうしてまた執拗に後孔を犯される。耳朶を舐られても、口内に唾液を流し込まれても、太ももを撫でられても、乳首をつままれても、一番快楽を待ち望む場所には触れてもらえない。手足を繋がれていては自分で慰めることもできず、発情した獣のように淫らな声を上げる。
はち切れそうな陰茎を見て、セロは言った。
「ギオラ、イきたい?」
「イ、きたい」
「僕に何か言うことない?」
「殴って悪かった」
「他には?」
「……他」
「『セロ、愛してる。二度と逃げたりしない』。きちんと言えたらイかせてやるよ」
ギオラは唇を噛む。あまりに強く噛みすぎて血の味がする。そんな心にもないことを言って堪るか、と思う。けれども体内をぐちゃぐちゃと搔き乱さされば、わずかに残る理性は泡のように弾けて消える。
イきたい。
射精したい。
早く楽になりたい。
「……『セロ、愛してる。二度と逃げたりしない』」
「……よくできました」
セロは満足そうに微笑むと、ギオラの後孔から玩具を引き抜いた。そして今度はその穴に自身のモノを押し入れる。すっかり蕩けて柔らかくなった淫らな穴は、セロのモノを美味そうに飲み込んでいく。
「あ、あ、あ」
「何だよ。可愛い声出して。やっぱりオモチャより僕のモノの方が気持ち良いんだ。愛し合っているんだから当たり前だよな。たくさん奥、突いてやるからさ。気持ちイイときは『気持ちイイ』って言うんだ。イクときもきちんと教えて?」
そう言うと、セロはギオラの後孔を好き勝手に犯し始めた。入り口部分を執拗にこすってみたり、そうかと思いきやいきなり最奥を突き上げてみたり。血の通わない玩具とは違う、熱い肉の塊に理性も思考もプライドも溶かされる。
「あ、あぅ……セロ、『気持ちイイ』」
「そうだね、凄くヨさそうだ。もうイきそう?」
「イ……きそ……」
「僕のこと、愛してる?」
「……『愛してる』……あァ、はぁっ」
ギオラの腰は大きく跳ねて、膨張した陰茎からは白濁液がほとばしった。長い間待ち望んだ解放の瞬間。視界がチカチカと瞬いて、もう気持ち良いこと以外何もわからない。
「お、盛大にイったね。じゃあ今度は僕が気持ちよくなる番だ。ギオラの中にたーっぷりと注ぎ込んでやるからな。嬉しくて堪らないだろ。ギオラは僕のこと、世界で一番愛してるんだからさぁ」
ゆさゆさと腰を揺すられながら、ギオラはふと頭に浮かんだ名前を呼んだ。
祈るように、すがるように。
――イシュメル
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