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安らかに眠れ、恐ろしくも美しい緋色の龍よ
この温かな腕の中が
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辺りには薄霧が立ち込めていた。まだ日が沈むには早い時間であるというのに、空はぼんやりと薄暗い。一体に立ち込める霧が陽光を遮り、まるで黄昏時のようなもの悲しさを漂わせている。そしてその薄霧の中で、「えい、やぁ!」と棒切れを振る青年が一人。青年の元へと歩み寄る黒髪の客人。
「やっぱりここにいた」
黒髪の客人――ゼータは青年の目の前で歩みを止め、言う。青年は棒振りを止め、額に浮いた汗を指先で拭い、まるで何ともないというようにこう返す。
「よ、久しぶり。よく来たな」
「よく来たな、じゃないですよ…ここに来るまでにどれだけの苦労があったことか」
「そんなにドラキス王国から離れてしまったか?戦いながらの飛行など初めてだったから、どれくらいの距離を飛んだのか全くわからないんだ」
「距離については私もわかりません。ただ私が国を出てから、ここに辿り着くまでには2か月半かかりました」
ゼータがそう告げれば、棒切れを持つ青年――レイバックは驚いたように目を丸くする。
「そんなに時間が経っていたのか。長いあいだ床に臥せていたせいで、時間の感覚がめちゃめちゃだ」
「床に臥せていたのは、腕をもがれたからですか?」
「ああ。戦いの最中に、苔色のドラゴンに左翼を食い千切られたんだ。片方の翼でがむしゃらに飛んで、結局この山に墜落してしまった」
淡々と語るレイバックの身体には左腕がない。衣服の上からでは正確なことは分からないが、肩関節から先が綺麗に無くなってしまっているように見える。
レイバックの剣と指輪が泉に沈んでいたのは、苔色のドラゴンに左翼を食い千切られたからだ。人型から竜体に変身する感覚を、かつてレイバックは「裏返る」と表現した。左手の薬指に着けていた指輪と、左手に握り締めていた剣が、ドラゴンの姿に変身したときに左翼の内部に格納されていたということだ。
そして片翼を失くしたレイバックは山に墜ち、戦いで傷ついた苔色のドラゴンもまた藍緑色の泉へと墜落した。それが2頭のドラゴンの戦いの結末だ。
「墜ちた後、里の者に助けられたんですか?」
「そうだ。墜落音を聞いてたくさんの人が集まって来てな。怖がらせては不味いと思い、すぐに人の姿に戻ったんだ。無事手当てを受けることができたおかげで、辛うじて命が繋がった」
レイバックはかつて左腕があった場所へと視線を落とす。魔族は人間よりも遥かに傷の治りが早い。多少の切り傷や打撲程度ならば、手当てを受けずとも自力で治癒することが可能だ。しかし神獣の血を引くレイバックの治癒力を以てしても、この度の怪我は大事であったのだろう。食い千切られた傷口の痛みに耐え、熱にうなされ、ときには生死の境すら彷徨ったのやもしれぬ。レイバックが再び2本の足で立ち上がるまでには、どれほどの時を要したことか。
そして歩けるようになったところで国には帰れない。片翼では空を飛ぶことはできないし、利き腕を失くしてはまともに剣を振る事もできない。せめて魔法が使えれば希望はあるが、悪いことにレイバックは極度の魔法下手だ。戦う手段を持たない者が、襲い来る魔獣を退けながら山を下る手段などあるはずもない。打つ手がないまま時が過ぎ、今日この時を迎えたのだ。
答え合わせをすれば何と単純なこと。けれどもゼータがその答えに辿り着くことができたのは、いくつもの幸運が重なったからだ。今日藍緑色の泉に足を運ばなければ、ゼータはククと空色の青年に出会わなかった。彼らに出会わなければ、精霊の里の存在を知ることはなかった。例え精霊の里の存在を耳にしたとしても、「緋色のドラゴンに関する伝説」を聞かなければ、わざわざ足を運んでみようとは思わなかったかもしれない。
いくつもの幸運が重なり再び相まみえることができた。たった一人の愛しい番。
「ゼータはどうして俺の居場所が分かったんだ?2か月半もの間、あてもなく旅をしていたわけではないだろう」
「その件については、無事国に帰り着いたら全て話しますよ。お礼をしなければならない人も多数おりますし。ただこの精霊の里の存在については、ククという名の少女に聞きました。元々この里に住んでいた方なんですよ。別の集落の男性に見初められて、今はその男性と一緒に暮らしているみたいです」
「ほぉ。ということは、山を下りても人の住む集落はあるのか」
「ありますよ。ハクジャという国もあります。独特の文化を築いている国なので、立ち入ったらびっくりすると思いますよ。里の者から、ハクジャの話を聞く機会はありませんでしたか」
ゼータが尋ねれば、レイバックは情けなく眉を下げる。レイバックがその国王らしからぬ表情を見せるのは、ゼータの前にいるときだけ。
「言葉が分からないんだ。本当に、何を言っているのか全く分からない。辛うじて住人の名前らしき単語と挨拶程度は覚えたが…。いまだに意思疎通は困難である」
「ああ…そうか。そういえばそうでしたね。ということは、この里に伝わる伝説も知りませんか」
「残念ながら知らんな」
「精霊の里はドラゴンの遺骸に守られた里なんですよ。強大な魔力のこもる神獣の死骸はそこにあるだけで他の生物を遠ざける。レイも耳にしたことがあるでしょう」
「なるほど、この里が魔獣の襲撃を受けないのは、ドラゴンの死骸が生物を遠ざけているからか。確かに里の外れには巨大なドラゴンの骨が祀られている。里の者が頻繁に供え物をしているから、一体何だろうと不思議に思っていたんだ。なるほどなるほど…集落の者が俺の存在をすぐに受け入れたのも、元々
ドラゴンに所縁のある土地であるゆえか…」
レイバックは棒切れの先を肩にのせたまま、「謎が解けた」と言わんばかりの表情だ。
それでそのドラゴンに関する伝説というのはですね。ゼータは口を開きかけるが、やはり思い直して何も言わずに口を閉じる。「なぜ半ドラゴンである己がすぐ集落の者に受け入れられたのか」との疑問が解消したことで、レイバックはすっかり満足してしまったようだ。肝心の「里に伝わる伝説」については興味を示そうともしない。ならば長たらしい伝説を、時間をかけて語る意味もない。ゼータは薄霧の向こうに緑の山麓を望む。
「レイ、今日中に里を出られます?」
「直に日が暮れる。夜に山中を歩くのは避けたいところだ。ご覧の通り、俺は今まともに戦えない」
「では出発は明朝ですね。今夜はレイのおうちに泊めてもらえますか?」
「俺も居候の身だ。しかし泊めることはできると思うぞ。広い家だから」
まさかの同居宣言だ。ゼータの表情がすぅ、と冷える。
「居候先は男性のお宅ですか。それとも女性?」
「女だが…。待て待てゼータ、誤解はするなよ。疚しいことは一切ないからな。女といっても皺くちゃの婆様だ」
途端に大慌てのレイバックは、棒切れを取り落とすとゼータの方へと手を伸ばす。しかしゼータはその手をすいと躱すと、反対にレイバックの腕の中へと飛び込んでいくのだ。毬のように腕の中に飛び込んでくるゼータを、レイバックは咄嗟に受け止める。
「…何だ」
戸惑うレイバックの声を聴きながら、ゼータは温かな胸元に頬を摺り寄せる。鋼のように硬く強靭であった胸元は、長い間床に臥せていたためにいくらか痩せてしまっている――それでもゼータの上体より遥かにたくましいことに変わりはないのだけれど。
今からおよそ4か月半前、ゼータは遠征へと赴くレイバックを見送った。その遠征先でレイバックは苔色のドラゴンと交戦し、行方知れずとなったのだ。報せを受けてから何度眠れぬ夜を過ごしたことか。旅に出ると少し気が楽だったけれど、それでも不安に押し潰されそうになったことは10度や20度ではない。旅の先には何がある、千年想い続けた片割れを失くしたその先はどうやって生きて行けば良い。何も手掛かりを見つけられないまま、一つまた一つと国を超えるたびに絶望ばかりが膨らんだ。
そして永遠とも思える旅の果てにようやく見つけ出した
「抱き締めてくださいよ。私、頑張ったんですから」
涙が頬を伝う。ここ数日泣いてばかりだ。千年を超える長い人生の中で、涙を流した記憶などほとんどないというのに。幾千の民の前で愛を誓ってからじきに3年が経とうとしている。かつてはただの友であった男は、もうゼータの人生になくてはならない存在となってしまった。
震える肩に温もりが落ちる。レイバックの右腕は、まるでガラス細工にでも触れるかのようにゼータの肩を抱く。しかし遠慮がちな接触は、すぐに力強い抱擁となる。
「本当に迷惑をかけた。迎えに来てくれて、ありがとう」
ゼータは温かな胸元に顔をうずめ、長い間待ち望んだ声を聴く。忘れかけていた匂いで肺を満たす。熱く脈打つ鼓動を感じる。
愛しい番。私は貴方の骸を探して旅に出た。腐り果てた肉塊でも、苔の生えた頭蓋でも、たった一欠片の骨片でも良い。貴方の痕跡を見つけたかった。貴方の骸の傍らに身を横たえ、貴方の隣で永久の眠りに就くことを何度夢に見たことか。私が真に恐れていたのは貴方の死ではない。貴方の骸を見つけることができないまま、一人此の世に取り残されてしまうこと。だから私は命を賭して貴方を探した。
灼熱の大地でも、極寒の山脈でも、光届かぬ深海でも。貴方のいる場所が、私の旅の行く先であった。そこが私の旅の終着点。
この温かな腕の中が、旅の終着点。
「やっぱりここにいた」
黒髪の客人――ゼータは青年の目の前で歩みを止め、言う。青年は棒振りを止め、額に浮いた汗を指先で拭い、まるで何ともないというようにこう返す。
「よ、久しぶり。よく来たな」
「よく来たな、じゃないですよ…ここに来るまでにどれだけの苦労があったことか」
「そんなにドラキス王国から離れてしまったか?戦いながらの飛行など初めてだったから、どれくらいの距離を飛んだのか全くわからないんだ」
「距離については私もわかりません。ただ私が国を出てから、ここに辿り着くまでには2か月半かかりました」
ゼータがそう告げれば、棒切れを持つ青年――レイバックは驚いたように目を丸くする。
「そんなに時間が経っていたのか。長いあいだ床に臥せていたせいで、時間の感覚がめちゃめちゃだ」
「床に臥せていたのは、腕をもがれたからですか?」
「ああ。戦いの最中に、苔色のドラゴンに左翼を食い千切られたんだ。片方の翼でがむしゃらに飛んで、結局この山に墜落してしまった」
淡々と語るレイバックの身体には左腕がない。衣服の上からでは正確なことは分からないが、肩関節から先が綺麗に無くなってしまっているように見える。
レイバックの剣と指輪が泉に沈んでいたのは、苔色のドラゴンに左翼を食い千切られたからだ。人型から竜体に変身する感覚を、かつてレイバックは「裏返る」と表現した。左手の薬指に着けていた指輪と、左手に握り締めていた剣が、ドラゴンの姿に変身したときに左翼の内部に格納されていたということだ。
そして片翼を失くしたレイバックは山に墜ち、戦いで傷ついた苔色のドラゴンもまた藍緑色の泉へと墜落した。それが2頭のドラゴンの戦いの結末だ。
「墜ちた後、里の者に助けられたんですか?」
「そうだ。墜落音を聞いてたくさんの人が集まって来てな。怖がらせては不味いと思い、すぐに人の姿に戻ったんだ。無事手当てを受けることができたおかげで、辛うじて命が繋がった」
レイバックはかつて左腕があった場所へと視線を落とす。魔族は人間よりも遥かに傷の治りが早い。多少の切り傷や打撲程度ならば、手当てを受けずとも自力で治癒することが可能だ。しかし神獣の血を引くレイバックの治癒力を以てしても、この度の怪我は大事であったのだろう。食い千切られた傷口の痛みに耐え、熱にうなされ、ときには生死の境すら彷徨ったのやもしれぬ。レイバックが再び2本の足で立ち上がるまでには、どれほどの時を要したことか。
そして歩けるようになったところで国には帰れない。片翼では空を飛ぶことはできないし、利き腕を失くしてはまともに剣を振る事もできない。せめて魔法が使えれば希望はあるが、悪いことにレイバックは極度の魔法下手だ。戦う手段を持たない者が、襲い来る魔獣を退けながら山を下る手段などあるはずもない。打つ手がないまま時が過ぎ、今日この時を迎えたのだ。
答え合わせをすれば何と単純なこと。けれどもゼータがその答えに辿り着くことができたのは、いくつもの幸運が重なったからだ。今日藍緑色の泉に足を運ばなければ、ゼータはククと空色の青年に出会わなかった。彼らに出会わなければ、精霊の里の存在を知ることはなかった。例え精霊の里の存在を耳にしたとしても、「緋色のドラゴンに関する伝説」を聞かなければ、わざわざ足を運んでみようとは思わなかったかもしれない。
いくつもの幸運が重なり再び相まみえることができた。たった一人の愛しい番。
「ゼータはどうして俺の居場所が分かったんだ?2か月半もの間、あてもなく旅をしていたわけではないだろう」
「その件については、無事国に帰り着いたら全て話しますよ。お礼をしなければならない人も多数おりますし。ただこの精霊の里の存在については、ククという名の少女に聞きました。元々この里に住んでいた方なんですよ。別の集落の男性に見初められて、今はその男性と一緒に暮らしているみたいです」
「ほぉ。ということは、山を下りても人の住む集落はあるのか」
「ありますよ。ハクジャという国もあります。独特の文化を築いている国なので、立ち入ったらびっくりすると思いますよ。里の者から、ハクジャの話を聞く機会はありませんでしたか」
ゼータが尋ねれば、レイバックは情けなく眉を下げる。レイバックがその国王らしからぬ表情を見せるのは、ゼータの前にいるときだけ。
「言葉が分からないんだ。本当に、何を言っているのか全く分からない。辛うじて住人の名前らしき単語と挨拶程度は覚えたが…。いまだに意思疎通は困難である」
「ああ…そうか。そういえばそうでしたね。ということは、この里に伝わる伝説も知りませんか」
「残念ながら知らんな」
「精霊の里はドラゴンの遺骸に守られた里なんですよ。強大な魔力のこもる神獣の死骸はそこにあるだけで他の生物を遠ざける。レイも耳にしたことがあるでしょう」
「なるほど、この里が魔獣の襲撃を受けないのは、ドラゴンの死骸が生物を遠ざけているからか。確かに里の外れには巨大なドラゴンの骨が祀られている。里の者が頻繁に供え物をしているから、一体何だろうと不思議に思っていたんだ。なるほどなるほど…集落の者が俺の存在をすぐに受け入れたのも、元々
ドラゴンに所縁のある土地であるゆえか…」
レイバックは棒切れの先を肩にのせたまま、「謎が解けた」と言わんばかりの表情だ。
それでそのドラゴンに関する伝説というのはですね。ゼータは口を開きかけるが、やはり思い直して何も言わずに口を閉じる。「なぜ半ドラゴンである己がすぐ集落の者に受け入れられたのか」との疑問が解消したことで、レイバックはすっかり満足してしまったようだ。肝心の「里に伝わる伝説」については興味を示そうともしない。ならば長たらしい伝説を、時間をかけて語る意味もない。ゼータは薄霧の向こうに緑の山麓を望む。
「レイ、今日中に里を出られます?」
「直に日が暮れる。夜に山中を歩くのは避けたいところだ。ご覧の通り、俺は今まともに戦えない」
「では出発は明朝ですね。今夜はレイのおうちに泊めてもらえますか?」
「俺も居候の身だ。しかし泊めることはできると思うぞ。広い家だから」
まさかの同居宣言だ。ゼータの表情がすぅ、と冷える。
「居候先は男性のお宅ですか。それとも女性?」
「女だが…。待て待てゼータ、誤解はするなよ。疚しいことは一切ないからな。女といっても皺くちゃの婆様だ」
途端に大慌てのレイバックは、棒切れを取り落とすとゼータの方へと手を伸ばす。しかしゼータはその手をすいと躱すと、反対にレイバックの腕の中へと飛び込んでいくのだ。毬のように腕の中に飛び込んでくるゼータを、レイバックは咄嗟に受け止める。
「…何だ」
戸惑うレイバックの声を聴きながら、ゼータは温かな胸元に頬を摺り寄せる。鋼のように硬く強靭であった胸元は、長い間床に臥せていたためにいくらか痩せてしまっている――それでもゼータの上体より遥かにたくましいことに変わりはないのだけれど。
今からおよそ4か月半前、ゼータは遠征へと赴くレイバックを見送った。その遠征先でレイバックは苔色のドラゴンと交戦し、行方知れずとなったのだ。報せを受けてから何度眠れぬ夜を過ごしたことか。旅に出ると少し気が楽だったけれど、それでも不安に押し潰されそうになったことは10度や20度ではない。旅の先には何がある、千年想い続けた片割れを失くしたその先はどうやって生きて行けば良い。何も手掛かりを見つけられないまま、一つまた一つと国を超えるたびに絶望ばかりが膨らんだ。
そして永遠とも思える旅の果てにようやく見つけ出した
「抱き締めてくださいよ。私、頑張ったんですから」
涙が頬を伝う。ここ数日泣いてばかりだ。千年を超える長い人生の中で、涙を流した記憶などほとんどないというのに。幾千の民の前で愛を誓ってからじきに3年が経とうとしている。かつてはただの友であった男は、もうゼータの人生になくてはならない存在となってしまった。
震える肩に温もりが落ちる。レイバックの右腕は、まるでガラス細工にでも触れるかのようにゼータの肩を抱く。しかし遠慮がちな接触は、すぐに力強い抱擁となる。
「本当に迷惑をかけた。迎えに来てくれて、ありがとう」
ゼータは温かな胸元に顔をうずめ、長い間待ち望んだ声を聴く。忘れかけていた匂いで肺を満たす。熱く脈打つ鼓動を感じる。
愛しい番。私は貴方の骸を探して旅に出た。腐り果てた肉塊でも、苔の生えた頭蓋でも、たった一欠片の骨片でも良い。貴方の痕跡を見つけたかった。貴方の骸の傍らに身を横たえ、貴方の隣で永久の眠りに就くことを何度夢に見たことか。私が真に恐れていたのは貴方の死ではない。貴方の骸を見つけることができないまま、一人此の世に取り残されてしまうこと。だから私は命を賭して貴方を探した。
灼熱の大地でも、極寒の山脈でも、光届かぬ深海でも。貴方のいる場所が、私の旅の行く先であった。そこが私の旅の終着点。
この温かな腕の中が、旅の終着点。
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