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Ⅰ.貴方様と私の計略 ~ 出会いそして約束 ~
32.辺境伯様とのお散歩②
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私、令嬢としての話題選びをもう少し頑張りますわ・・・
私は、しばらくユミナ様を恨めしげに見つめていました。
そして、あることに気付きました。
ユミナ様の肩が僅かに揺れていることに!
「・・・ユミナ様」
あ、思ったよりも恨めしい声が出ましたわね。
私の咎めるよくな言葉にユミナ様は、こちらに向き直られます。
「いや。すまない。反応が可愛らしくて少々意地の悪いことをした」
ユミナ様の言葉に私は素直に思っていることを伝えることにした。
「あまり、いじめないで下さい。それに・・・一人でわたわたしているのは、何だか寂しい気がします」
ユミナ様は、少し驚いたような表情をされ、
「そうだな・・・」
とおっしゃられました。
しばらく、私たちは見つめ合う形でお互いを見ていました。
すると、ユミナ様がすっと私の方へと手をのばされ、触れるか触れないかのタイミングで腕を引かれました。
私は、何がおきたかわからず、頭にはてなマークを浮かべていました。
「お嬢様。お茶をお持ちしました」
急に声を掛けられ、思わず声の方を思い切り振り向きました。
そこには、侍女のメルがティーセットをワゴンに乗せ立っていました。
「あ、ありがとう」
少しどもりながらも、お礼を伝えると、メルはテキパキとお茶の準備をしてくれます。
い、いつの間に居たのかしら?!とゆうか、どこから見られていたの?!
これといって、悪いことをしていたわけではないと思うのに、見られていたらと不安になる。
何故不安に思うのかもわからないが、いたたまれないというか、恥ずかしいというか、そう言った感情が沸き起こる。
「今回は、フレーバーティーをご用意しております。お茶請けは、ハニーバタークッキーになります」
メルの説明を上の空で聞きながら、頷いておく。
「フレーバーティー?」
「はい。普通の紅茶にほんの少しの風味と香りを楽しめるものになります。今回は、りんごのものを用意しております」
私が上の空の間に、ユミナ様の問にメルが答えていました。
ユミナ様は、へぇと関心を示されながら、香りを楽しんだ後に口に含まれます。
「ああ。たしかに、りんごの香りとほんの少しの風味を楽しめるね」
感心したようにカップを眺められています。
「最近は、いろいろなものがあるものだな。ミリィはどんなのが好きなの?」
ユミナ様の問に我に返り、答える。
「フレーバーティーは、あまり好みはありません。
私は、どちらかというとハーブティーにはちみつを入れたものが好きです。
ペパーミントですとすっとした感じを楽しめますし、
カモミールとしょうがのブレンドティーにはちみつを入れても美味しいのですよ」
私は、嬉々としてハーブティーについて語ります。
他にも・・・と、続けようとしたところで、メルにお嬢様・・・と、止められます。
「あ・・・ごめんなさい。少々はしたなかったですわね」
恥じ入ったように、謝罪を述べると、ユミナ様は優しく微笑んでくださっていました。
「別に恥じ入ることはないですよ?私としては、ミリィの好みを聞けたので嬉しいしかないですし」
それから、お菓子はどのようなものを好まれるのですか?と、質問されてきます。
「甘さがしつこいものは、あまり好みません。
チョコレートでしたら、ミルクよりもビターが好みです。
はちみつが好きなので、はちみつを使ったものは好きかもしれません。
最近は、料理長が珈琲ビーンズチョコレートとか言うものを開発しまして、わりとよく食べているかもしれません」
「珈琲ビーンズチョコレート?」
ユミナ様の問に、どう説明したものか迷っていると、メルがそっと差し出してくださいます。
「お嬢様の非常用でよろしければ、ありますよ」
ユミナ様は、非常用?とお顔に疑問を貼り付けながらも、チョコレートを受け取り口に含んでくださります。
噛んで食べるとよろしいかと。というメルの言葉に頷いておられます。
「なるほど。珈琲豆を少し甘めのビターチョコレートでコーティングしているのか。これは・・・普通にうまいな」
普通に好みのお味だったのか、分けて貰えないかとおっしゃりましたので、お帰りの際にお渡しできるように準備をとメルにお願いしておきました。
私は、そういえばと続けます。
「わりと、お話ししていますけれど、食の好みについては話したことありませんでしたわね」
片手を頬に当て、小首をかしげながら、ユミナ様と話した内容を思い返す。
趣味のこと、領地のこと、巷で人気のこと、時勢のこと、時事のこと・・・あら?令嬢の話題としては何か間違っているのでは?
「ユミナ様・・・私と話されていて楽しかったですか?」
唐突な問に、ユミナ様は怪訝な表情をされています。
「唐突にどうしたのですか?」
「いえ。ユミナ様と話していた内容を振り返ってみたのですけれど、令嬢として微妙なのでは?と・・・」
ユミナ様は、ああ。と、頷かれて答えてくださいます。
「ミリィとの会話は、とても有意義でしたよ?私には無い視点の話も多く聞けましたし、楽しい時間です」
ユミナ様の返答に、メルが渋い表情をしていることに気づき、目をそらしながら、令嬢としての話題選びとしては駄目なのだなと思う。
でも、ユミナ様が良いとおっしゃって下さるのだから、ユミナ様との会話はこれでいいのでは。と、思いなおし、
「それなら良かったです」
と、返事をする。
だって、しようがないと思うのですもの。
私の話し相手は、令嬢の皆様よりも、お爺さまやクルツが多いのですもの。
領主や令息よりの話題の方が得意にもなりますわ・・・
でも、ユミナ様に呆れられたくないですから、もう少し令嬢としての話題も頑張らねば!
そう、私は新たな課題として、心に刻みました。
「あまり、無理はしないでくださいね?」
気を新たにした私に思うのとがあったのか、ユミナ様はクスクスと笑われながらそうおっしゃいました。
私は、意味をとりかねながらも、ええ。と、頷いておきました。
私は、しばらくユミナ様を恨めしげに見つめていました。
そして、あることに気付きました。
ユミナ様の肩が僅かに揺れていることに!
「・・・ユミナ様」
あ、思ったよりも恨めしい声が出ましたわね。
私の咎めるよくな言葉にユミナ様は、こちらに向き直られます。
「いや。すまない。反応が可愛らしくて少々意地の悪いことをした」
ユミナ様の言葉に私は素直に思っていることを伝えることにした。
「あまり、いじめないで下さい。それに・・・一人でわたわたしているのは、何だか寂しい気がします」
ユミナ様は、少し驚いたような表情をされ、
「そうだな・・・」
とおっしゃられました。
しばらく、私たちは見つめ合う形でお互いを見ていました。
すると、ユミナ様がすっと私の方へと手をのばされ、触れるか触れないかのタイミングで腕を引かれました。
私は、何がおきたかわからず、頭にはてなマークを浮かべていました。
「お嬢様。お茶をお持ちしました」
急に声を掛けられ、思わず声の方を思い切り振り向きました。
そこには、侍女のメルがティーセットをワゴンに乗せ立っていました。
「あ、ありがとう」
少しどもりながらも、お礼を伝えると、メルはテキパキとお茶の準備をしてくれます。
い、いつの間に居たのかしら?!とゆうか、どこから見られていたの?!
これといって、悪いことをしていたわけではないと思うのに、見られていたらと不安になる。
何故不安に思うのかもわからないが、いたたまれないというか、恥ずかしいというか、そう言った感情が沸き起こる。
「今回は、フレーバーティーをご用意しております。お茶請けは、ハニーバタークッキーになります」
メルの説明を上の空で聞きながら、頷いておく。
「フレーバーティー?」
「はい。普通の紅茶にほんの少しの風味と香りを楽しめるものになります。今回は、りんごのものを用意しております」
私が上の空の間に、ユミナ様の問にメルが答えていました。
ユミナ様は、へぇと関心を示されながら、香りを楽しんだ後に口に含まれます。
「ああ。たしかに、りんごの香りとほんの少しの風味を楽しめるね」
感心したようにカップを眺められています。
「最近は、いろいろなものがあるものだな。ミリィはどんなのが好きなの?」
ユミナ様の問に我に返り、答える。
「フレーバーティーは、あまり好みはありません。
私は、どちらかというとハーブティーにはちみつを入れたものが好きです。
ペパーミントですとすっとした感じを楽しめますし、
カモミールとしょうがのブレンドティーにはちみつを入れても美味しいのですよ」
私は、嬉々としてハーブティーについて語ります。
他にも・・・と、続けようとしたところで、メルにお嬢様・・・と、止められます。
「あ・・・ごめんなさい。少々はしたなかったですわね」
恥じ入ったように、謝罪を述べると、ユミナ様は優しく微笑んでくださっていました。
「別に恥じ入ることはないですよ?私としては、ミリィの好みを聞けたので嬉しいしかないですし」
それから、お菓子はどのようなものを好まれるのですか?と、質問されてきます。
「甘さがしつこいものは、あまり好みません。
チョコレートでしたら、ミルクよりもビターが好みです。
はちみつが好きなので、はちみつを使ったものは好きかもしれません。
最近は、料理長が珈琲ビーンズチョコレートとか言うものを開発しまして、わりとよく食べているかもしれません」
「珈琲ビーンズチョコレート?」
ユミナ様の問に、どう説明したものか迷っていると、メルがそっと差し出してくださいます。
「お嬢様の非常用でよろしければ、ありますよ」
ユミナ様は、非常用?とお顔に疑問を貼り付けながらも、チョコレートを受け取り口に含んでくださります。
噛んで食べるとよろしいかと。というメルの言葉に頷いておられます。
「なるほど。珈琲豆を少し甘めのビターチョコレートでコーティングしているのか。これは・・・普通にうまいな」
普通に好みのお味だったのか、分けて貰えないかとおっしゃりましたので、お帰りの際にお渡しできるように準備をとメルにお願いしておきました。
私は、そういえばと続けます。
「わりと、お話ししていますけれど、食の好みについては話したことありませんでしたわね」
片手を頬に当て、小首をかしげながら、ユミナ様と話した内容を思い返す。
趣味のこと、領地のこと、巷で人気のこと、時勢のこと、時事のこと・・・あら?令嬢の話題としては何か間違っているのでは?
「ユミナ様・・・私と話されていて楽しかったですか?」
唐突な問に、ユミナ様は怪訝な表情をされています。
「唐突にどうしたのですか?」
「いえ。ユミナ様と話していた内容を振り返ってみたのですけれど、令嬢として微妙なのでは?と・・・」
ユミナ様は、ああ。と、頷かれて答えてくださいます。
「ミリィとの会話は、とても有意義でしたよ?私には無い視点の話も多く聞けましたし、楽しい時間です」
ユミナ様の返答に、メルが渋い表情をしていることに気づき、目をそらしながら、令嬢としての話題選びとしては駄目なのだなと思う。
でも、ユミナ様が良いとおっしゃって下さるのだから、ユミナ様との会話はこれでいいのでは。と、思いなおし、
「それなら良かったです」
と、返事をする。
だって、しようがないと思うのですもの。
私の話し相手は、令嬢の皆様よりも、お爺さまやクルツが多いのですもの。
領主や令息よりの話題の方が得意にもなりますわ・・・
でも、ユミナ様に呆れられたくないですから、もう少し令嬢としての話題も頑張らねば!
そう、私は新たな課題として、心に刻みました。
「あまり、無理はしないでくださいね?」
気を新たにした私に思うのとがあったのか、ユミナ様はクスクスと笑われながらそうおっしゃいました。
私は、意味をとりかねながらも、ええ。と、頷いておきました。
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