25 / 35
25
しおりを挟む
山田健太は恐怖に震えていた。彼は何か恐ろしい体験をしたのだろうか?私の質問に彼は言葉を詰まらせながら口を開いた。
「やつは専務のボディガードか……あるいは」
「え、ボディガード?専務が個人的に雇ってるってことですか?」
「実はやつに監視されていたんだ。何度も後をつけられて、自宅まで付きまとわれたことがある」
「つまり、専務の携帯やPCを狙ってることがバレていた?」
「そうかもしれない。やつは笑いながら追いかけてきたんだ。まともじゃない奴だった。それに──」
しかし『黒づくめの男』と聞いて、松本絵梨も異常な反応を示している姿を見逃さなかった。彼女も何か心当たりがあるようだ。専務のボディガードなんて信じられない。もし松本がその男を知ってるのなら、それはダイアリーに関係する人物だ。私は嫌な予感が襲ってきた。
「山田係長、その人物はどこへ向かわれました?」
「エレベーターに乗った。きっと8階へ行ったんだ」
「……っ、直人が危ない!」
思考がまとまらないけど、危険な人物であることは間違いない。私は即座にエレベーターに向かい、上の階から降りてくるのを待ち構えていた。扉が開くと、そこには橘太郎と彼の運転手が立っていた。
──うわっ、専務だ!
慌てて前を開けた。橘太郎はむっとした表情で私をちらっと見て去っていく。そのエレベーターに乗り込んで、直人にメールしながら8階に向かった。
フロアには人の気配はなく、トイレから携帯を手にして出てくる直人の姿を目にする。
「高橋さん!」
彼は私にうなずいてこちらに走ってきた。長居は無用だ。早く逃げたい。エレベーターのボタンを押して周囲を警戒した。
「上手くいきました。でも、危険ってメールに書かれていたけど、何かあったんですか?」
「不審な人物の目撃情報があり、その人物が8階へ向かったと聞いたので……」
「不審人物?」
そして警戒してると、トイレから黒ずくめの男が現れたのだ。黒いフードを深く被り、サングラスにブラックレインコートと不審極まりない。
「ひぃっ!」
「どうしました?高野さん?」
「あ、あの人……」
震える手で指を差した。しかし、直人は気づいていない。
「え、どこですか?」
「見えないの?私だけが見えてるの!?」
と、まばたきしてる間に彼はふっと姿を消した。混乱の中、私たちは逃げるようにエレベーターに乗り込み、サテライトオフィスに戻った。バクバクした心臓が止まらない。しかし、今はやるべきことがある。
「佐藤くん、解析をお願い!」
「了解!任せて!」
「信じられない。どうやって手に入れたんだ?」
「あれ山田さん、どうしてここにいるんですか?」
直人は山田係長の存在に驚いてたが、状況を説明し、とにかく佐藤拓也に解析を急がせた──
「やつは専務のボディガードか……あるいは」
「え、ボディガード?専務が個人的に雇ってるってことですか?」
「実はやつに監視されていたんだ。何度も後をつけられて、自宅まで付きまとわれたことがある」
「つまり、専務の携帯やPCを狙ってることがバレていた?」
「そうかもしれない。やつは笑いながら追いかけてきたんだ。まともじゃない奴だった。それに──」
しかし『黒づくめの男』と聞いて、松本絵梨も異常な反応を示している姿を見逃さなかった。彼女も何か心当たりがあるようだ。専務のボディガードなんて信じられない。もし松本がその男を知ってるのなら、それはダイアリーに関係する人物だ。私は嫌な予感が襲ってきた。
「山田係長、その人物はどこへ向かわれました?」
「エレベーターに乗った。きっと8階へ行ったんだ」
「……っ、直人が危ない!」
思考がまとまらないけど、危険な人物であることは間違いない。私は即座にエレベーターに向かい、上の階から降りてくるのを待ち構えていた。扉が開くと、そこには橘太郎と彼の運転手が立っていた。
──うわっ、専務だ!
慌てて前を開けた。橘太郎はむっとした表情で私をちらっと見て去っていく。そのエレベーターに乗り込んで、直人にメールしながら8階に向かった。
フロアには人の気配はなく、トイレから携帯を手にして出てくる直人の姿を目にする。
「高橋さん!」
彼は私にうなずいてこちらに走ってきた。長居は無用だ。早く逃げたい。エレベーターのボタンを押して周囲を警戒した。
「上手くいきました。でも、危険ってメールに書かれていたけど、何かあったんですか?」
「不審な人物の目撃情報があり、その人物が8階へ向かったと聞いたので……」
「不審人物?」
そして警戒してると、トイレから黒ずくめの男が現れたのだ。黒いフードを深く被り、サングラスにブラックレインコートと不審極まりない。
「ひぃっ!」
「どうしました?高野さん?」
「あ、あの人……」
震える手で指を差した。しかし、直人は気づいていない。
「え、どこですか?」
「見えないの?私だけが見えてるの!?」
と、まばたきしてる間に彼はふっと姿を消した。混乱の中、私たちは逃げるようにエレベーターに乗り込み、サテライトオフィスに戻った。バクバクした心臓が止まらない。しかし、今はやるべきことがある。
「佐藤くん、解析をお願い!」
「了解!任せて!」
「信じられない。どうやって手に入れたんだ?」
「あれ山田さん、どうしてここにいるんですか?」
直人は山田係長の存在に驚いてたが、状況を説明し、とにかく佐藤拓也に解析を急がせた──
1
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
シニカルな話はいかが
小木田十(おぎたみつる)
現代文学
皮肉の効いた、ブラックな笑いのショートショート集を、お楽しみあれ。 /小木田十(おぎたみつる) フリーライター。映画ノベライズ『ALWAIS 続・三丁目の夕日 完全ノベライズ版』『小説 土竜の唄』『小説 土竜の唄 チャイニーズマフィア編』『闇金ウシジマくん』などを担当。2023年、掌編『限界集落の引きこもり』で第4回引きこもり文学大賞 三席入選。2024年、掌編『鳥もつ煮』で山梨日日新聞新春文芸 一席入選(元旦紙面に掲載)。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる