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第3章 逆転ざまぁだーー!!

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「飲んだのはわたくしなのです。だから…」

「いいんだ。自分を責めるな…」

 要約するとこうだ。王子の婚約者で公爵令嬢、更に首席と言う鳴り物入りで入学したシェリーは、いつも注目されていた。しかし教員の質問に答えられないシーンが多くあって、裏口入学との噂が立ったと言う。彼女は授業に出るのが辛く感じる様になり、ポピーと代わる頻度が増してきた。

 シェリーは待機部屋で過ごす時間を持て余し、昼寝する様になっていく。さて、ここからだ。高等部へ入ると王子が編入されて、彼と過ごす時間が出来る事を期待した。しかし王子は何も会話されず、虚しい日々を過ごすうちに不安となり、

 エミリーがお酒を飲ませたのだ!!

 そうだろう。おかしいと思った。シェリーが不安になるのは分かる。が、そこで十五、六の娘がお酒を飲んで紛らわすと言う発想に至るだろうか? しかも貴族院でだ。私はシェリーの判断でそんな事を始めるとは思えなかった。だいたい蔵の管理はエミリーではないのか⁈ 彼女ならいつでも盗めるだろう。

 やはり側にいた大人が関与していたのだ。エミリーがシェリーを不憫に思っての事なのか動機は不明だが、お酒の味を覚えさせ依存症になるまで堕落させたのは間違いない。

 彼女は私の「シェリーが蔵から盗んだ」と言う問いに同意している。つまり嘘をついたのだ。

 エミリーが怪しい…。

 皇室と繋がってるのではないのか? だとすれば、王子に影武者の存在を報告するのは簡単だ。

 しかし何の為にシェリーを堕落させたのか…?

 エミリーが使用人になったのは七年前。当時から影武者の存在を知っていただろう。これが仕組まれた陰謀だとするならば、

 シェリーをダメな令嬢に仕向け、影武者を頻繁に使わざるをえない状況を作り出したかったのではないのか?

 理由は公爵家を陥れる為の犯罪を誘っていたからだ。不正入学や首席の保持、ダンス大会優秀など長年に亘り、様々な公的場面で皇室や世間を騙してきた実績が欲しかった。

 それとシェリーと婚約破棄する為に、ダメな令嬢に仕立て上げたかったのだ。そしてポピーに切り替える事で公爵家へ温情を与え、従わす意図もある。

 以上の理由で彼女を堕落させる必要があったと推測する。

 皇室は告発するタイミングをずっと伺っていたのだ。間違いない。皇室が黒幕でエミリーは諜報員だろう。シェリーは騙されていたんだ。

 それと、王子と通じてる人物がもう一人考えられるな…。

 疑いたくはないがの可能性もある。彼女は公爵家を恨んでいた。用務員として密かに王子と通じて情報を流していたのかも知れない。ただ、影武者の悪事をバラしたとしてもシェリーを堕落させる動機は見当たらない。長年ダンスを通じて彼女の性格は理解しているつもりだ。そんな策略めいた事をするとは思えない。ある意味彼女も被害者だと考えるのが妥当だろう。

 そのポピーは正式な養女となり、公爵家の令嬢として皇室へ嫁ぐ準備を始めている。皇室からも女官が出入りしている。

 今、ポピーと接触するのは控えよう。完全に皇室側だ。私の行動を不審に思うだろう。それに彼女はもう使用人ではない。

 さて、私の推測が正しいとしても証拠を掴むのは難しいな。どうすればいいのか慎重に考えないとならない。

 ただ、一つ自覚した事がある。それはエリオット王子に忠誠を誓う気はないと言う事だ。

 私は彼を






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